流れる雲を見て、ときどき想う。
「自分は今楽しくゴルフをしているけど、
もう20数年早く生まれていたなら
戦争に来て、この地に駐屯していたかもしれないなあ・・」
平和のありがたみを肌で感じる。
日本で買ってきた「未帰還兵(かえらざるひと)」を
一気に読んだ。産経新聞出版1500円。
1963年生まれの著者、産経新聞の将口記者の
ドキュメントは読ませる。
北タイのクンユアム(メーホンソン)から
ランプーン、そしてターク県の国境の街メーソートと
戦後日本に帰らなかった未帰還兵をたずねて歩く。
あのおろかなビルマ・インパール作戦に
従軍した10万人のうち3万人が死んだ。
うち、「白骨街道」(メーホンソン→パーイ→チェンマイ)を
たどりタイ国内で亡くなった人も7千人に及んだ。
ガダルカナルを上回った死亡率だった。
2年前チェンマイ大学でビデオ上映があったが、
日本の兵隊は北タイの人にずいぶんお世話になったようだ。
北ビルマからの帰途、タークのメーソートに住み着いた人が
いるとは知らなかった。
メーソットのビルマ・ミャワディとの国境は
先月私も行ってみたが、国境の川モエイ川の中立地帯の川床には
今でもビルマ人(カレン族も?)の掘立小屋が立っている。
食料も尽き草をはみ、木の皮を食べ、
マラリアの高熱に苦しみながらチェンマイを
目指した敗残兵たち。
20数年早く生まれていたなら
自分もその一人だったかもしれない・・。