EUの財政問題や日米の経済停滞という先進国の低迷はあるが、
中国、インド、アセアン諸国の成長に引っ張られる可能性はある。
一方で、これらの成長国が、金融引き締めを始め、
成長が鈍化し、世界経済が仲良く停滞する可能性もぬぐえない。
成長経済の鈍化の芽に目を光らせる必要があろう。
最近、アジアのニュースを見ていて、
気になったニュースをふたつ紹介したい。
ひとつは、1月13日の韓国の政策金利の突然の引き上げ。
韓国の消費者物価上昇率は、昨年12月時点でまだ3.5%であるものの、
今後上昇してきそうなことを未然に防ぐための1月半ばでの
政策金利の25ベーシスポイントの引き上げで、2.75%となった。
経済に通じるといわれるリー・ミュンバク大統領は、
すでに「対インフレ戦争」を宣言しており、
金利引き上げと同時に、輸入関税の引き下げや、政府物価凍結策が
打たれている。穀物の在庫積み上げも支持された。
今年は、韓国ではさらに3回金利が引き上げられ、年末には、
リーマンショック前のピーク金利3.25%を上回る
3.5%にまで行くと見られる。
予防的金利引き上げなので、株式や為替市場に
ネガティブな影響は出ていないようだが、
今後の景気、物価の展開が注目される。
もうひとつは、昨年10.6%という主要国中トップの
経済成長率を示したシンガポールの輸出の勢いの衰え。
昨年12月の非石油輸出の前年比伸び率は、9.4%と
二桁を割るところまで鈍化した。
しかし年間では、過去7年間の最高の23%の増加にはなったが・・。
11月に続くこの輸出の鈍化は、需要国の在庫積み増しが一段落したため
と見られている。1,2月は中国の春節で振れようが、3月以降
シンガポールからの輸出が、2桁でなくとも順調に伸びるかどうか、
アジア経済の先行きを占うバロメーターとなろう。