タイも手中にすることを狙っていたが、西のインド、ビルマから同じく手を伸ばしてきた
イギリスとぶつかり、タイは緩衝地として、独立を保つことが出来たのは、歴史の教科書が
示すとおりである。
古くからインドシナに通じているフランセ(ファランセ、タイ語の外国人の語源)は、
アセアンと中国、アセアンとインドがFTA(自由貿易協定)で結ばれようという今、
あらためて、タイを中国市場へのプラットホームとして乗り込んでくる。
2011年1月下旬、フランスの16社からなるフランスの経済代表団が3日間タイに
滞在して、「タイはアジアで最も重要な国である」、
「我々は、タイ経済に対し十分な信頼を持っている」と持ち上げた。
フランスの代表的な企業、タイヤのミシュラン、石油のトータル、鉄道のアルストム等が
代表団に入っているが、中でもミシュランは積極的だ。
「我々は、中国やインドにも投資しているが、それは地元向けの製品提供のためだ。
それに対して、タイランドでの拡張は、他の地域への輸出基地としてでもある」と強調した。
ミシュランは、すでにタイで5つの工場を持ち、年1,200万本のタイヤを製造し、
その62%を輸出に向け、6,500人の従業員を雇っている。
最近では、アジア地域の本社をシンガポールからタイへ移した。
タイには、フランスの会社はいろいろな業種で200以上存在し、
8万人以上のタイ人を雇っている。
日本の企業が生産基地をタイに移してくる限り、
フランス企業もまたタイのプラットフォームを強化していくだろう。