ことに、鉄道が間引き運転をしたり、運休したことによって、需給バランスが崩れるのを防げたと言われる。鉄道の電力使用量は、たしかそんなに大きなものではない。東電の総需要の数パーセントのはずだ。そのメカニズムを探ってみた。
何時からやるのかわかりにくい計画節電は、家庭での電力消費を減らすだけでなく(ちなみに、東電における総需要の3割近くが家庭用)、店舗をその時間帯前後も含めて閉めさせ、節電の効果を上げている(業務用も3割近く)。
首都圏の電車が間引かれたり、ストップしたりする効果は、それ自体は全体から見ると小さいが(運輸用需要は、全体の数パーセント)、首都圏の足が一部奪われる効果は大きい。店舗も閉められたり、早めに閉店したり、スポーツや遊戯は休止されている(業務用需要)。
足がないので、工場も閉めたり、操業時間を短縮せざるを得ない(製造業向けは4割ほど)。
東電の1月の消費実績は、平均だが、1時間当たり3546万Kw。今、節電で、3000万強に抑えられているようだ。
以上、まとめて見ると、家庭用節電だけだと、1日当たり200万Kw(2割)節約程度だろうが、これに合わせて電車が減ることによって、鉄道だけだと30万Kw(3割)の節約でしかないが、このため、店舗や会社が早めに閉まることによって、300-400万Kw(12-15%)の節約が生じていると推計される。
合計500-600万Kwの節約、これによって、福島第1、第2原発の停止により、発電量が時間当たり600-900万Kw減少し、東電の供給力が3400万Kwほどに低下したのを補っている計算になる。この推定で、当たらずといえども、遠からずだろう。
首都圏では、勤め人が通勤で苦労し、お店も休業時間を増やしていることによって、節約の6割方を担っているといえよう。ご苦労様!