現民主党政権の経済政策については、先日学会からは及第点が出されたが、実業界の評価は厳しいものがある。
傘下に7000社を抱える「FTI」(タイ産業連盟)のマナポン副会長の評価は厳しい。
以下のように伝えられる。
何も記憶に残る政策がなかった。良い結果をもたらした経済政策が何もなかった。
為替については、何もなされず、産業界の努力で、バーツ高を凌いだ。
新政権は、バーツの安定化を目指すべきだ。
諸々の価格に対する補助金政策はやめるべきだ。自由市場の真の価格を消費者は知らなくなる。
政府は、公設市場を作り、そこで低所得者向けに安い物品を売らせるべきだ。
でないと、スーパーマーケットで高いものを買わされる羽目になる。
最低賃金の大幅な引き上げもやめるべきだ。
政府が打ち出すことでなく、委員会で粛々と検討し、進めるべきことだ。
金利が上がってきたが、政府は、中小企業に対する割高な金利を低くし、
中小企業を支援する政策をとるべきだ。
輸出企業を代表する「TNSC」(タイ全国出荷者協議会)のパイブーン会長も言っている。
民主党の政策は、出だしは良かったが、期待に応えるものではなかった。
連立政権の他の党の意見に引きずられた。
単独政権だったら、ましだったかもしれない。
FTIのパユンサック会長は、会長職からか、少しかばっている。
金融危機から抜け出せたのは評価できる。
その他は、散発的なばらまき社会政策が目立った。
試験は通ったが、もっとよりよく出来ることはたくさんあった。
実際、民主党の経済政策は、ポピュリスト的なバラまきばかり目立った。
財源の打ち出の小槌があるように見えた。
いよいよ総選挙。経済状況はなお民主党に追い風のように見えるが、
政策のなさは、選挙でどう響いてくるのだろうか。
もっとも有権者の多くは、バラまきを好むだろうが・・・。