http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110517-00000048-jij-pol
本来なら、経済復興に向けて、輸出、投資、さらに国内建設に注力しなければならないのに、出てきた方針は、言うなれば「今震災後でいろいろ大変だから、大きな舵取りは先延ばしにしよう」というものだ。
物事の変更を行なえないのは、従来からの日本の指導者の悪癖だが、今回のような何十年に一度の閉塞打破の好機に、もじもじしているようなら、税金を返せと言いたくなる。
現内閣は政治というものをどう考えているのだろうか。経世済民が政策の基本にあるべきだ。
もし、日本国が一民間企業なら、こんな方針は出せないはずである。
言うなれば、国内の設備投資に金が要るときに、忙しいから輸出・海外投資については先延ばしにしようと言っている様なものだ。
国には徴税権があるから、金が足りなくなったら、税金を上げればいいとでも思っているのだろうか。それでは、国は生き残ろうが、民は破綻する。民のための国が、国のための民に戻ってしまう。
貿易自由化は、アセアン、中国、韓国でどんどん進んでいる。「TPP」がいい方法だとは思わないが、経財相の「6月決定方針を11月に延ばしたい。11月ごろになれば、各国の状況が明らかになろう」という言葉は、「政府はやりたくはないが、やらねばいかんのかなあ」という判断停止、受身の姿勢を露呈している。
「震災で被災した農林漁業者の心情や産業空洞化懸念に配慮し、先延ばしする」とも言い訳しているが、復興にかかる金の金策を進めないで、被災民が喜ぶとでも思っているのだろうか。無政策を吐露しているようなものだ。
日本のインフラ輸出にしてもそうだ。原発事故があったから、わが国のインフラ輸出努力は見直そうとは、切迫感のない証拠だ。輸出インフラは原発だけでないだろう。この間も、中国や韓国のインフラ輸出はどんどん進んで行くだろう。韓国に「原発輸出は取りやめますか?」と聞いたら良いだろう。国際競争は、いっそう出遅れることになろう。
せっかく税金を払っているのだから、もっと腹の据わった人たちに、外国人の政治家でも良いから、この国の舵取りを、できることなら任せたいものだ。
人口は増える一方です。極端な話、隣の国では十分で捨てていた物を、自国では不足していた。入手できても、入手するのに時間がかかった。関税が高くて高価だった。なんて事があってはいけません。
TPPは加入が先になるほど、加入(=競争)条件が厳しくなる。であれば、先延ばしする意味がどこにあるのでしょうか。