世界トップのメラミン食器の製造メーカーがある。上場企業である。
売上げの60%が110カ国に輸出される。
年間1万トンのメラミン食器を生産し、
売上高は57億バーツ(約170億円)にのぼる。
この会社の今年の投資状況が面白い。アジアでの生産動向の縮図になっている。
今年この会社は、生産能力の15%アップ中心に6億バーツを投資するが、
どこにどう投資するか見直している。
タイ国内では、人が足りず、ビルマから500人雇い、また今後カンボジア人
500人を雇う予定だ。タイ人の従業員数は、4000人だ。
従って、当然海外立地の拡大に眼が行く。
しかし、ことし会社は、インドとベトナムへの投資を延期した。
インドには、2.5億バーツを投じ、メラミン製品工場を作る予定にしていたが、
税制と規制が合理的でないからだ。インドでは、プラスチック製品が、
原材料と同率で課税されるという。そこで、原材料生産に当面限ったという。
ベトナムのプラスチック工場への1.5億バーツの投資も延期された。
ベトナムの経済が不安定で、通貨ドンがなお底入れしないからだ。
タイ企業は、国内の人手不足もあり、アジアの他国への投資意欲は高い。
他国の安い豊富な労働力は魅力である。
しかし、規則、非効率さ、不安定さとリスクはなお高いようだ。