期待を込めて、アジアの3カ国で見られている。
まず、タイランド。
9月始めに発表された8月のCPIは、前年同月比+4.3%。
7月の4.1%を上回り、35ヶ月ぶりの高さとなった。
これで、4%以上が5ヶ月続いたことになる。
食品が+8.4%と高く、エネルギーも+8.0%と高い。
これらを除くコア・インフレ率は、8月2.9%だったという。
肉、野菜、米といった食料品がこれからは収穫期で
市場に出回り、値段も安くなるとの期待がある。
エネルギー価格も、9月からの政府のガソリン価格の下げで、
落ちつこうかと見られる。
さて、9月になれば落ち着きが見られるだろうか。
しかし、その後には、賃金の大幅アップやコメの買い取り価格の
大幅アップが待っているけれど・・。
8月のインフレ率4.3%は、政策金利の3.5%の80ベーシス・ポイント
上を行くものである。
次に、韓国のCPIも、8月は+5.3%と3年ぶりの高さとなった。
7月の前年比4.7%から上がり、2008年夏以来、5%ラインを超えてきた。
このインフレ率は、韓国中銀が目標にしている2~4%ゾーンを越えて、
8ヶ月続いていることになる。
この夏は大雨で野菜の値段が上がったことや輸入原油の価格が高かった
ことなどがインフレを押し上げたので、9月からは下がるだろうと見ている。
さて?
韓国の政策金利は、3.25%。8月のインフレ率5.3%に200ベーシス・ポイント
以上、おいていかれた。
最後に、アセアン最大の国、インドネシア。
8月のCPIは、+4.8%。
コア・インフレ率のほうが高く、+5.2%。原油の産出国だからか。
この国のCPIは、金価格の比重が高く、8月はラマダンの買い物もあり、
ゴールド&宝石類は、+11.4%値上がりしていた。
ここもラマダンが済んだので、物価も9月は落ち着こうと見られている。
政策金利は、6.75%と、珍しくも実質プラス金利の国だが、
物価はまだ落ち着いていない。
アジアの3カ国、9月はインフレがほんとうに落ち着くのかどうか、
見ていこう。
前回アジア諸国のインフレ率と政策金利を比べたのは、半年ほど前。
実質金利マイナスの国が多く、インフレが上がりそうな時期だった。
「アジアのインフレと金利の関係 2011-2-17」
http://uccih.exblog.jp/12902054/