「ワールド・エコノミック・フォーラム」(WEF)というのがある。
実は歴史は古く、1971年1月から、欧州の実業家中心に
集まり恒例化された独立の経済フォーラムである。
このWEFが、9月7日、2011年の世界142カ国の
「国際競争力ランキング」を発表した。
どれほど意味があるのか、また客観的な指標なのか知らないが、
面白いランキングなので紹介しておこう。
社会の組織やインフラの整備度、経済の安定度、健康度と教育、
取引市場の成熟度、労働市場の柔軟性、金融市場の発展度、
さらに技術革新の度合いなど、12の柱から判定している。
個別には、財政赤字や、平均年齢だけでなく、
政府の腐敗度やマラリヤの罹患率まであってけっこう面白い。
国別ランキングを見てみよう。
トップは、地元スイスである。
市場規模は小さいが、教育、労働の質、技術などで優れている。
2位がシンガポールである。
ここも、教育、金融組織などで高い点を得ている。
都市国家社会で秩序がきちんと保たれているからだろうか・・。
3位スウェーデン、4位フィンランドと北欧勢が続く。
そして5位にアメリカが来る。
市場規模や労働の流動性は高いのだが、
政治組織や経済状況が劣り、昨年の4位から下がっている。
日本は、9位に入っている(昨年は6位)。
教育、技術革新、ビジネスは高いのだが、経済状況の悪さが
足を引っ張っている。
韓国はまだ24位だ。
中国が26位。
そしてタイランドは142か国中39位である。
経済状況、初等教育、労働の効率性は高いのだが、
技術革新に乏しく、政治の牽引力が弱いのが足を引っ張っている。
ここ3年あまり順位は変わらない。
以前紹介したスビット氏の指摘の通りだ。
「スビット氏タイ経済政治の行く末を斬る 2011-8-27」
http://uccih.exblog.jp/14435268/
イタリアは43位に落ちている。
インドは、56位だ。
しんがりの方は、アフリカの国々である。
詳しくは、以下をご覧ください。
http://www3.weforum.org/docs/WEF_GCR_Report_2011-12.pdf