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日本から届いた26冊の本
チェンマイに居て、日本から持ってきた読む本が
少なくなったので、「電子書籍」を考えていたら、
結局、日本から紙の書籍を26冊取り寄せてしまった。

調べたわけじゃないが、まだまだ電子書籍より
古本も含めて、紙の本の方が読みたい本が見つかる。
「アマゾン」で検索すれば、ほとんどの本が手に入る。
稀稿本でなければ、古本は送料込みで数百円で
手に入る。
最近のうすぺらな内容の本よりも、古い本のほうが
中身が面白いのが多い。

テーマは、“人間、このアンポンタンな生き物”である。
人生を長年やってくると、人間のおろかさをいやでも感じてくる。
昔、学校でパスカルの「人間は考える葦である」などと
聞いて、頭に刷り込んできたのが、何だったんだろうと
思ってしまうこの頃だ。

今回の26冊の選択には、矢沢永一と言う人の書いた
「人間通」(新潮選書、95年刊行)という本の巻末についていた
「人間通になるための百冊」というリストが参考になった。

歌手で日本に帰化した矢沢永吉ではない。
谷沢永一は、今年の3月大震災の直前、81歳で亡くなった
大阪出身の保守派の論客だが、雑書の中から人間の真実を見つける
文学史家であった。その筆法は鋭い。
「人はなぜ“聞いていない!”と怒るのか」など、
人間性の本質に突っ込んだ論評が面白い。

日本から届いた26冊の本_d0159325_225026100.jpg

彼の推薦本を参考に、自分の興味を中心に集めたのが、
以下の26冊である。
最初の2冊は新本だが、あとの24冊は古本である。

三陸海岸大津波 (文春文庫) 吉村 昭
民主主義がアフリカ経済を殺す 最底辺の10億人の国で起きている真実
ポール・コリアー, 甘糟 智子
犬も平気でうそをつく? (文春文庫) スタンレー コレン, et al
奔馬 (1969年) 三島 由紀夫
怒りについて 他二篇 (岩波文庫) セネカ, 兼利 琢也
篠沢フランス文学講義 (1) 篠沢 秀夫
デカメロン〈上〉 (ちくま文庫) G. ボッカッチョ, 柏熊 達生
将軍と側用人の政治―新書・江戸時代〈1〉 (講談社現代新書) 大石 慎三郎
ジョゼフ・フーシェ―或る政治的人間の肖像 (1951年) (岩波新書〈第64〉)
シュテファン・ツワイク, et al
ファーブルの昆虫記 (上) (岩波少年文庫 (513)) ファーブル, 大岡 信
フランス三昧 (中公新書) 篠沢 秀夫
動物農場 (角川文庫) ジョージ・オーウェル, et al
栄花物語 (新潮文庫) 山本 周五郎
女喰い (ノン・ノベル) 広山 義慶
黒後家蜘蛛の会 1 (創元推理文庫 167-1) アイザック・アシモフ, 池 央耿
完本 紳士と淑女 1980‐2009 (文春新書) 徳岡 孝夫
中国史 上 (岩波全書 295) 宮崎 市定
人さまざま (岩波文庫 青 609-1) テオプラストス, 森 進一
モーム短篇選〈上〉 (岩波文庫) モーム, 行方 昭夫
イソップ寓話の経済倫理学―人間と集団をめぐる思考のヒント 竹内 靖雄
「民主主義」を疑え! 徳岡 孝夫
共産主義的人間 (1973年) (中公文庫) 林 達夫
努力論 (岩波文庫) 幸田 露伴
神々は渇く (岩波文庫 赤 543-3) アナトール・フランス, 大塚 幸男
おうエロイーズ! (1972年) 山崎 正和
カラクテール―当世風俗誌 (上) (岩波文庫) ラ・ブリュイエール, 関根 秀雄
以上、計26冊

テーマ的には、ギリシャの時代の人間への洞察(セネカの「怒りについて」など)
から始まって、中世の人間の話(デカメロンなど)、中国の歴史、
フランスの人文主義者のものの見方、フランス革命の残酷さ、江戸の経済改革の話、
共産主義の壊滅、女たらしの物語、そして民主主義への疑問と幅は広い。

古典も多いが、教養を身につけようというのではなく、
人間のあほらしさを見つけ、「おお、ご同類!」と見つけたいのである。
仏教によれば、人生は“苦”であるから、それを認識して生きないと
ますます、あほうになってしまう。
孔子の「思うて学ばざれば、すなわち危うし」ではないが、
昔の人から学んだ知識がないと、人間、独断に陥りやすい。

これで、次回の帰国まで楽しみが増えたなあ。
皆さんは、どんな分野に興味が?
by ucci-h | 2011-10-09 23:09 | アジア的な生活 | Comments(4)
Commented by くんたれ at 2011-10-10 10:19 x
女食いは推奨するひとが多いですね。私も昔購入したのですが、実はまだ読んでないんです。TT
その人を知るにはその人の書斎をみるのが一番です。チェンマイのじーさんは「おれは1年に一冊も本を読まん」と自慢するばかじじーーがほとんどなのですが、管理人さんのような方もチェンマイにいてくれて、チェンマイでも知性のひとはいるんだと具体的に知れて、すごく嬉しいです。わたしもタイにすみたいなぁ。
Commented by ucci-h at 2011-10-10 12:09
くんたれさん 「女喰い」の谷沢さんの推奨コメントが面白い。「男は女を性的に満足させなければならない。愛情は性生活の充実から生まれる。女体の研究をおろそかにして、精神的に愛されたなどと、甘ったれてはならぬ」・・・その通りだと思います(笑)。
Commented by muga at 2011-10-10 12:11 x
かなり感心が広範囲ですね。私も偏った知識は危険だと思うのですが、感心の行く範囲内でしか読めません。今現在は胃腸や血液に関する書、それからもちろん世界経済やお金の知性を高める種類が多いですね。農業系もそろそろ勉強始めました。

くんたれさんはてっきりタイ御在住だと思ってました。チェンマイの日本人は玉石混合で、ucci-hさんのような人物が他にもいると思います。アホな色ボケ爺いはよく日本人で固まってますね。その濁って泳いだ目線を見れば程度は計り知れますので、積極的に感心が持てません。
しかしおなじ色ボケでも、達観している色ボケ(求道者)もあるでしょうから、ひとくくりに同類視しないように気をつけています(笑)
Commented by くんたれ at 2011-10-10 14:00 x
そうそう・・・谷沢先生が推奨していたから私も買ったんですよ。渡辺昇一の本も読みたいなあ。

MUGAさん
仰るとおりですね。あるチェンマイの喫茶店で、「もう年だから生でいつもやってる」と大声を自慢げに話すじーさんをみたことがあります。笑
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