日本政府観光局のまとめによると、2009年で5488万人
(一日あたり15万人)と、陸続きで外国人の多い首位のフランス(7420万人)
に次ぐ、世界第2位の位置にある。スペイン、中国、イタリアを
上回る。日本の8倍の旅行客数だ。
「史上最高を記録するアジア太平洋への旅行客 2011-2-27」
http://uccih.exblog.jp/13010050/
と言って、アメリカが観光立国という話は聞かない。
むしろ指紋採取を含めた厳しい入国管理、短期訪問はビザなしでも事前の
電子認証が必要なこと、また入国審査料や国際通行税など、
入出国時あれやこれやで55.30ドルほども取られる‘入場料’、
“どうぞいらっしゃい”の国ではなく、“しゃあない、入れてやるよ”の
国である。
年間外国人入国者が5千万人を超えているのは、隣国の
カナダ、メキシコからの日帰りも含めて入出国者が多いためである。
米国への訪問客(2010年は5974万人)の3分の一、1996万人、
およそ2千万人はカナダ人、22%にあたる1342万人がメキシコ人、
両隣りの国あわせて、全体の55%を占める。
第3位の英国は、385万人で6.4%、第4位の日本が339万人で5.7%、
第5位ドイツ173万人(2.9%)、第6位フランス134万人(2.2%)と
海外からは必ずしもそう多くはない。
(ニューヨーク・タイムズ紙電子版より)
そのアメリカが、いま“貧困大国”から脱皮するために、観光業にも
力を入れようとしている。
2010年3月に、「CTP」(旅行推進公社)を設立し、“ザUSオブ・オーサム・
ポッシビリティーズ”(素晴らしい可能性のアメリカ)をうたい文句に、
2020年までに、海外からの旅行客を増やし、130万人の雇用
(現在の失業者数1400万人の9%)を生み出すつもりである。
現在、アメリカの観光業は、GDP(14.5兆ドル)の2.8%にあたる
4060億ドルを生み出し(国際観光だけだと1344億ドル)、752万人に
職を提供していると言われる。これを大きく伸ばすのだ。
ちなみに、タイランドの観光業はGDP比6%の所得を生み出し、
180万を雇用していると言われる。
さて、アメリカの“オーサム・アメリカ”による観光業の拡大は、
景気浮揚、雇用増につながるだろうか。
アメリカへの‘入国税’は下がるのだろうか?それとも歳入増をめざし
逆に上げて来るのだろうか・・(それじゃあ。困るが)。