挫折したインドの外資スーパー・チェーンの導入
タイでは、イギリス系の「テスコ・ロータス」、
フランス系の「ビッグC」(カルフールの店舗も買収)、
さらにオランダ系の「マクロ」と、外資系の
大型量販店チェーンが、豊かな商品を競って提供してくれている。
ビッグCの「C」はもともとは国内資本「セントラル・グループ」の「C」
だったが、いまはみな外資系である。

人口大国インドでは、小売業に外国資本を導入し、近代化を図ろうとしたが、
国内の反対に遭い、機が熟するまで、サスペンドとなった。

国内の景気低迷、2桁の物価高への対策もあって、
マンモハン・シン政権は、11月24日の閣議で外資導入を了承したが、
議会での採決もなかったことから、野党や小売業者、組合、
さらには連立政党「草の根会議派」からも反対の声が上がり、
2週間後の12月7日には、この計画はサスペンドとなった。

マンモハン・シン国民会議派内閣は成立後7年を経たが、経済不振や
汚職スキャンダルで揺れており、いっそう求心力を失っている。

インド12億人の小売市場の規模は、現在4700億ドル(37兆円)と
言われるが、大型店の占めるシェアは6~7%で、お店の多くが
“パパ・ママ・ストア”である。
ここに、ウォールマート(米)やテスコ(英)、カルフール(仏)、
セントラル(タイ)等の外資が51%株式を持てるスーパー・チェーンを
導入することにより、流通の近代化を図ろうと言う、いわばもっともな
政策だが、そのまずいやり方が、後進的な既存勢力につぶされた形だ。
大型店に加えて外資ということで、国内派の反対に火をつけた。

d0159325_22434548.jpg

(インドの小売り店舗。「中小機構」のホームページより)

ここまでは、外資には、卸売業のジョイント・ベンチャーのみ許されてきた。
近代的なスーパー・チェーンをインドに入れることによって、
新しい良い品が外国から入ってくることだけでなく、
国内の流通も改善されると政府は目論んでいる。
インドは道路が悪く、コールド・チェーンが整っていないために、
生鮮野菜・果物の40%が運送途中腐ってしまうと言われる。
インフレ抑制効果も含めて、流通近代化のインドの消費市場への
インパクトは大きいはずである。

外資系チェーンの導入には、いろいろな条件が付されたが、
その効果は今回発揮されなかった。
①資本は51%まで。
②商品調達の30%は、国内の中小企業から行なう。
③人口100万人以上の都市への出店に限る。

いずれ機が熟したら、流通の近代化はいずれ出てくるだろうが、
現在では、一歩後退した感じだ。
今回の挫折に中国やタイ、インドネシアなどと違って、
インドの保守性、後進性が伺われる。

このままでは、インドは、いっそう中国に引き離されそうだ。
[PR]
by ucci-h | 2011-12-11 22:47 | 中国・韓国そしてインド | Comments(1)
Commented by プラダ バッグ at 2013-06-29 06:12 x
カッコいい!興味をそそりますね(^m^)

北タイのチェンマイをベースにメコン、アセアンの経済、見所、食べ物を日本と比較して紹介します。ただし投資をアドバイスするものではありません。コメント記入は題字をクリック下さい。
by バンディ
プロフィールを見る
画像一覧
検索
ブログパーツ
ファン
ブログジャンル
海外生活
時事・ニュース