いまや麻薬の取引地帯ではなく、観光地となった。
ならば、ビルマやラオスのオピウム(アヘンけし)の栽培は減ったかと言うと
むしろ増えているようだ。
UNODC(国連薬物犯罪オフィス)が、ヘリコプターや衛星、村々への調査
などで調べたところによると、東南アジアでのけし栽培面積は、昨年に比べ、
16%増えているという。
2006年から見ると、けしの栽培は倍増しているそうだ。
http://info.publicintelligence.net/UNODC-Drugs2011.pdf
アフガニスタンに次ぐ世界第2位のアヘン、ヘロイン
(アヘンの中の麻酔作用を持つモルヒネを抽出し、精製したもの)
の原料になるけしの生産国であるビルマは前年比37%と大きく増えている。
ビルマでアヘンけしの生産に携わる人口は25万人に達するという。
少数民族の紛争地が中心だ。北東部のシャン州、そして北部のカチン州
である。
理由ははっきりしている。
紛争で食糧にも事欠くこの地域において、麻薬は、もっとも金になる
栽培植物だからだ。民族軍にとってもけしは、重要な戦費源だろう。
貧しさと内戦が、けしの生産に駆り立てる。
従って、けし生産の金額の伸びは、生産量の伸びを上回る。
UNODCの推計によると、ゴールデン・トライアングル3国の
今年のけしの生産額は3.19億ドルと、昨年比48%の伸びになると
見られる。
シャン州では停戦が合意されたが、カチン州ではなお戦火がはげしい。
ビルマの民主化の進行によって、けし栽培が、害のない茶やコーヒー、
そばなどの栽培に大きく切り替えられる日はいつ来るのだろうか?
ちなみに、薬物は、5種類ほどに分類される。
1.けし由来の麻薬であるアヘン、ヘロイン(麻酔作用)
2.コカ葉からの麻薬であるコカイン(覚醒作用)
3.合成麻薬であるLSD、MDMA(エクスタシー)幻覚作用
4.大麻からのマリファナ(グラス、ポット)、ハシシ(感情増幅作用)
5.覚せい剤のアンフェタミン(米空軍利用)、メタンフェタミン(日本で合成、
ヒロポン、スピード、シャブ)覚醒作用
いずれも、ほとんどが法に引っかかる。
タイは自由な国なので、「やってみようか」という無謀な日本人が後を
経たないようだ。売人は、売りつけた代金と、密告での報奨金の
両方を手に入れられるようである。
2003年、時の首相タクシンが麻薬撲滅のために警官等にノルマを課し、
罪のない人間も含め、3000人近くが犠牲になったのが思い出される。
タクシンの麻薬撲滅作戦の時は、確実に減ったそうです。といっても地下に潜っただけでしょうが。
現在はとてつもなく蔓延しているそうで、嫁の田舎でも悲惨な話が急激に増えているとか。実際、親戚の青年がつかまりました。家庭の絆薄く育った子供は、悪い友人関係ができた時に波間に漂う子船のように安易な道に流されます。良識ある家庭という防波堤がないので仕方がありません。お坊さんも手を拱いています。
タクシンの肩を持つわけではありませんが、理不尽なトバッチリをも計算に入れた対策を打つ必要がある。そんな状態まで行っちゃてるのではないでしょうか。
今のタイはドラッグ、銃、少女売春が野放しです。有名MPにも14位がいるのには驚きです。