水に浸かったクルマ1055台の廃棄処分が開始されるなど、
タイでは、2011年の洪水から回復する途上にある。
注目される今後の洪水予防、対策案だが、具体的なものは
いまだ出ず、閣議で12月27日に資金手当だけが決定された。
短期的対策としては、既存の水門や河岸の改良、ダムや水源地の
管理強化などで、2012年度120億バーツ、2013年度45億バーツが
雨季入り前に、予算から使われることになった(タイ政府の会計年度は
9月末)。
これだけでは、小手先の対策になりかねない。
長期対策が施されなければ、外資はタイの中央平原から逃げ出していく。
長期洪水対策のために、短期対策の20倍となる3500億バーツを
国内向けに国債を発行し調達することになった。
3500億バーツ(ざっと9000億円)といえば、
タイ政府の予算規模2兆バーツの18%に達する大きな金額だ。
このお金を使って、どういった長期的な洪水対策を施すかは
未定だ。チャオプラヤ川の東西に水路を設けて、バンコクを
水害から守りたいとだけ、キティラット副首相は言っている。
具体的なアイデアは、日本の国際協力機構(JICA)と
相談しながら決めて行きたいと言う。
また、水害対策の組織としては、今回重複して乱れたのを反省して、
灌漑局を中心にした単一のオーソリティーを作りたいと政府は言う。
これもまだ決まっていないが。
さて、どんな長期対策が出てくるのだろうか。
あと少しでタイの大洪水の年が終わる。