香り)は、タイを代表するおいしいお米だ。
日本のアマゾンの通販サイトでは、5キロ2,974円(1,100バーツほど)
で売られている。
こちらチェンマイでの小売価格は、5キロ160バーツ(420円)ほどだ。
ふつうのタイの長粒種米の5キロ130バーツ(340円)ほどに比べ高いが、
日本に行くと、6~7倍になる。
日本のコメの輸入関税は、基本税率でキロ402円(暫定税率の
キロ49円はあるが)。
日本は、国内のおコメの価格に影響を与えない範囲で、
年間77万トンの枠内で国家貿易品目として
コメを輸入している(国内生産量は850万トンほど)ので、
民間でコメを販売する時は、国産米ほどに高くなる。
まったくの推計だが(業界に通じていないので根拠は薄いが・・)、
タイのジャスミン米(高級香り米)が日本で売られるときは以下のような
コスト構造になるのかしら(5キロ当り)?
ジャスミン米卸値 310円
タイ輸送諸掛 35円
海上輸送・保険 40円
輸入関税 2010円
日本諸掛輸送代 80円
粗利益 500円
ーーーーーーーーーー
日本での売値 2975円
(大きく外れていたら、どなたかご指摘下さいネ)
さて、この記事は、日本のコメ輸入の話ではない。
タイを代表する高級米ジャスミン米も、ベトナムや
カンボジアからの脅威にさらされてきたという話だ。
ジャスミン米(カオ・ホーム・マリ、ジャスミン香り米)は、
別にジャスミンの甘い香りがするわけではないが(ジャスミンの
名は、1954年に開発された品種の名だそうだ。
籾の色がジャスミンの花のように白いからこの名がつけられた
とも言われるが・・)、風味豊かな香りのする高級米だ。
炊いたご飯は、おコメの粒が立っている感じだ。
タイ新政府のコメ抵当システムでも、抵当価格は普通の長粒米の
トン15000バーツより3分の一高い20000バーツだ。
チェンマイではチャンプアック通り、タニン市場のそばの、
朝3時から午後3時まで開いている
カオ・ラート(掛けご飯、ガラスケースから好きなおかずを選び
ご飯に掛ける)の食堂「チュアン・チム」はいつ行ってもおいしいが、
ここのご飯はジャスミン米である。タイの食堂のご飯で
一番うまい。
タイやベトナムの高級米は、アフリカなどではなく、
香港やシンガポールといった高所得国に輸出される
(あのふくよかな日本米も、アジアの高所得者層向けに
輸出してくれないかなあ)。
ベトナムのおコメは最近うまくなったといわれるが、
ベトナム産の香り米は、タイのジャスミン米のトン1100ドル
(キロ84円ほど)に対し、670ドルほどと、6掛けの値段だ。
形は良くないが、味と香りはタイ米にひけをとらないと言われる。
ベトナムの香り米の輸出は、2010年の50万トンから、
2011年には90万トン近くに伸びたようだ。
カンボジアもまだ量こそ少ないが、味、見た目ともタイ米に
引けをとらないようになってきたという。価格はトン800ドル強と
タイ米の4分の3の価格だ。
タイは、2011年のコメ輸出量1070万トンのうち、
3割にあたる320万トンほどが高級香り米である。
コメ抵当システムの導入によるタイの一人勝手な高値誘導計画は、
タイ米の輸出を抑え、
近隣諸国にシェアアップのチャンスを与えそうだ。
しかし、女将さんの接客や目配せが効いているだけで店内にビッシっと一本筋が通り、心地よい緊張感が走りますね。美味い料理は当然として、これが商売繁盛の秘訣なのではないかと感じました。