ように、四半世紀にわたった内乱にようやくなんとか終止符を打ち、
観光客も戻り、経済も動き出すようになってきた。
「輝きを取り戻したスリランカ 2011-11-29」
http://uccih.exblog.jp/15027216/
経済の構造も、独立後のお茶、ゴム、ココナツの農場生産を
中心とした植民地時代風のプランテーション経済(かつては
これらで輸出の90%を占めた)から、最近にいたっての主要輸出品は
“人間”に変わってきている。
人間と言っても人身売買ではない、外国への出稼ぎである。
今や海外で働く170万人(人口2100万人の8%)の
セイロン人からの送金は、2011年52億ドルに達し、
衣料品、紅茶の輸出や観光を上回る外貨稼ぎのトップになっている。
2010年の輸出のトップは、繊維・衣料品で35億ドル(42%)、
次いで紅茶の14億ドル(17%)となっている。
観光収入は8億ドル(85万人)である。
国内に就職機会が少ないこともあり、サウジやオマーンなど
中東諸国中心にブルーカラー、ホワイトカラー、家政婦などとして
働いている。
今や紅茶もアフリカ諸国で生産され、市場が供給過剰状態に
なるなど、かつての競争力は低下してきている。
一次産品への依存脱却をめざして、観光業や製造業に力を
入れ始めているが、観光業にしてもお客に満足を与えるインフラに
なお欠けている。
製造業では、衣料品製造を、韓国、日本、香港、台湾からの資本を
招き力を入れているが、まだまだこれからだ。
政府は2012年に、帰国する働き手が国内に投資できるよう、
5年間の免税措置を敷いたり、輸入機材については関税をゼロにし、
低利融資を受けやすくしたり、国内の産業を興すことに意を注ぐつもりだ。
国内産業が育つまで、また観光インフラが整うまで、
スリランカは、なおしばらく国民に多く海外で働いてもらわなければ
ならないだろう。
幸い、先進国もまた東南アジア諸国も人手不足の時代に入ってきている。
スリランカ政府は、この少子高齢化の時代は、有利な環境だと
認識している。