インドネシアの経済は成長している。
インドネシア国債が昨年暮れ、“投資適格債”に格上げされたことは、
先週お伝えしたとおりだ。
「高まるインドネシアの労働闘争 2012-1-29」
http://uccih.exblog.jp/15344683/
今や人口が多く経済成長のインパクトの大きい「BRICS諸国」
(ブラジル、ロシア、インド、中国、南ア)にインドネシアも加わり、
“BRIICS”と呼ばれる時代だ。
97年のアジア通貨危機で国債がジャンク債に落ち込んだ頃に
比べると、隔世の感がある。
格上げ後、さっそく30年国債を販売し、17.5億ドルを調達した。
また、昨年は外国からの直接投資が200億ドルに達し、タイなどを
上回ったようだ。
とはいっても、前回まで見てきたように問題も多い。
昨年の「国際透明度指数」では、インドネシアは183か国中
第100位にランクされるなど、なお汚職や腐敗が多い。
さらに、港湾、道路、空港など輸送ルートのインフラが
なお未整備だ。
インドネシアのトラックの運ちゃんは、渋滞に巻き込まれると
時には1週間以上もかかるので、携帯などの持ち物を売って
食べ物を買うなどと言う冗談話のような話が伝わってくる。
経済成長は、大きな国内需要の伸びが中心だ。
2011年6.5%、2012年は6.7%と予想されるが、
GDPの半分以上はは、国内消費需要である。
海外の需要動向が不安定な今、輸出に頼らずとも
伸びていけるインドネシア経済の順調な成長を期待したい。
経済成長さえ持続すれば、昔のような華僑追い払いもなくなって治安も安定すると思います。