になるだろうと申し上げたが、インド産米の輸出の勢いが増し、
世界のコメ市場で、タイ米のシェアがいっそう圧迫されることになりそうだ。
「やはり落ち込みそうなタイのコメ輸出 2012-1-25」
http://uccih.exblog.jp/15327886/
インドは昨年の2月に、バスマティ米(インドの香り米)を除くコメの輸出を
解禁した。今年度(2012年3月期)は200万トンの輸出を政府は許し、
ここまで240万トンのインド米が輸出された。ここにきて、これに加え、
さらに3月末までに200万トンが許可され、1年間で計4百万トン強のコメ輸出が
見えてきた。
さらにインド政府は200万トンを追加許可するとも見られている。
インドは、好天に恵まれ、育成・収穫技術の上昇、それに価格アップで、
今年度は、昨年度の8,000万トンを900万トン上回る8,900万トンの
収穫が見込まれる。
世界の米価格は、アジア・アフリカの人口の増加で、年5~10%の
アップとインドの業者は見ており、それで十分輸出のインセンティブと
なる。タイのように、一挙に価格の5割アップなど望んでいない。
インドのコメ在庫は3,000万トンもあり、輸出市場には大きなファクターとなる。
インドの非バスマティ米の輸出市場は、アフリカ、インドネシア、マレーシア、
バングラデッシュ、ネパールといったところで、タイ米の市場とかち合う。
イランに対しては、支払いが悪いので、一時ストップしたという。
今後、インドが、ベトナムやミャンマーと並んで、世界のコメ市場で
トップ争いに出てくる可能性がある。
一方、現在世界輸出トップのタイだが、
今年度の雨季米の耕作面積は6,195万ライ(9.91万平方km)、
平均収量は、1ライ当り籾量(精米量の1.5倍近く)で329kg
(1アール当たり20.56kg)なので、雨季米の収量は、2,000万トン強。
乾季米は、1,669万ライ(2.67万平方km)と耕作面積を増やし、
収量も1,111万トンと増加する予定だ。
今年度はタイのコメ収量は、籾量で3,200万トン近く(精米ベースで2,100万トンほど)と、
昨年度を下回りそうだが、
申し上げてきたように、輸出はそれ以上に、かなり落ち込みそうだ。
タイのコメ輸出量は、インドの出方次第となってしまった。
足元すくわれれば、ワーンと泣くだけです。損するのは、かき回された一般国民ですね。