日本の倍もいるが、GDPは7,067億ドル(2010年)と
世界第17位で、人口大国中国の12%、インドの46%ほどだ。
しかし、巨大な国内市場を持つこの国の経済は、
最近は6%以上のGDP成長を見せており、2011年は、
中国やインドが、欧米向輸出の不振から成長がスローダウンする
中で、6.5%という15年ぶりに高い成長を示した。
アジアでも、タイや韓国が、それぞれ57.5%、43.4%という
高い輸出依存比率(対GDP比。2009年)を持つのに対して、
インドネシアのそれは、22.1%と、中国の24.5%を下回っている
(ちなみに、日本のそれは11.4%と低い。海外生産シフトもあろう)。
アジアの経済、将来世界の経済を引っ張っていきそうなインドネシアは、
昨年暮れ、世界の格付け機関から、国債に対して“投資適格”のレーティングを
もらったが、7%成長を目指すこの国は、インフレが小康状態のこの時期、
積極的な金融緩和策をとっている。
2011年10月には25ベーシス・ポイント、11月には50ベーシス・ポイントと、
世界経済が2008年不況の再来を恐れる中で、積極的に金利を引き下げてきた。
そして、この2月9日(木)、予想を覆して、中央銀行はさらに25ベーシス・ポイントの
金利引下げを行ない、政策金利の水準を5.75%と、史上最低水準に引き下げた。
インフレ率が3.65%まで下がっているこの時が、アクセルを吹かすのに最適な
時とばかりに、元々やりすぎだと言われている金融緩和をいっそう進めた。
インドネシアは、2005年にはインフレ率が18%まで上がった前科があるが、
今はインフレは落ち着いている。
もっとも、燃料への補助金を引き上げたり、インフレが再燃すると
積極的緩和政策は裏目に出るが、かなり思い切った金融政策だ。
欧州中心に世界の経済が低迷する中で、インドネシアの思い切った
景気刺激策は、ある意味勇気のあることだ
(もちろん、政治家の思惑もあるが・・)。