タイの気象庁によれば、今年も暑季(3~4月)中に雨がありそうで、
また割に低温が続くと、昨年に似た気象を予報している。
あまり暑くならないことは過ごしやすくていいが、やはり大雨が心配だ。
気象庁は、去年は例年より40%も多い雨量だったが、今年は20%増
ほどかと見ている。
今年もラニーナの張り出しと、インド洋の高気圧のぶつかりが
昨年同様見られるという。
タイ政府の洪水対策はどう進んでいるのだろうか?
予算を組むのが遅れがちなので、ゆっくりと進んでいると言ってよいかもしれない。
大枠は、以下の5つの対策となる。
1.ダムの大量の放水が洪水を招かないように、今から多めに放流しておく。
2.昔あったような、水を大量に貯める地帯「モンキー・チーク」を設ける。
3、運河を深くしたり、水門を修理したり、道路を高くしたりして、水の害を少しでも防ぐ。
4.工業団地に高い塀を築き、洪水になっても守れるようにする。
5.大きな放水路を設計し、アユタヤからタイランド湾まで大量の水を流すようにする。
それぞれの進捗について見ておこう。
1.プミポン・ダムの4月末の貯水率目標を引き下げて、45%にまで持っていった。
しかし、今年も大雨が降ったりすると、40%未満でないと心もとない。
異常気象がこないことを願った目標である。
昨年のダム管理の責任者チャリット灌漑局長は、2月22日、更迭された。
2.各地に計50億㎥の水を貯める土地を200万ライ(32万ヘクタール)
政府は確保すると言う。
昨年の大洪水で中央平原に降った雨量は200億㎥。うちダムで50億㎥貯め、
各地で50億㎥貯まり、運河、川を通じて海に流れ込んだのが100億㎥ということだ。
現在、ナコンサワン中心に150万ライ(24万ヘクタール)の土地を確保できたと言う。
このために、計50億バーツの予算が2月半ば、追加承認された。
どこの土地を水浸しにするか、住民の利益も絡み難しい問題だが、
政府は、やるつもりである。
3.バンコク中心に、23の運河をさらったり、水門を修理したり、道路を高くしたりする
工事に100億バーツかけるが、これが思ったより大変な様である。
というのは、運河沿いの土地はほとんど使われていてアクセスしにくいし、
運河の水位も、昨年の洪水でなお高い。
道路も、首都圏は車がひっきりなしに通っている。
3ヶ月で終わらせるのは無理で、今年の雨季には間に合いそうもない。
4.6つの工業団地に全長140kmに及ぶ高い防水壁をつくり水害から守る
工事の予算50億バーツが2月半ば閣議で承認された。
すでに着手しているところもある。
ロジャナの9月末を除き、8月末までに完成させる予定だ。
5.「長期的な水路プランは出来上がった」と、2月15日キティラット副首相は
述べたが、詳細は発表されていない。
アユタヤからバンコクの東側を回って、海まで抜ける幅180m、
全長100kmの水路が、2~4年かけて建設されると噂されている。
以上のように、いろいろな対策は出てきたが、
今年の雨季に間に合うのは、工業団地の防水壁と水溜め地帯承認
ぐらいだろうか。
今年は大雨にならないことを祈ろう。
タイ北部で渇水が深刻化
タイ北部では、主要河川のひとつ、ヨム川の水量が減少しており、プレー、ラムパン両県の一部で渇水問題が深刻化している。
ヨム川は昨年、ピサヌローク県ではんらんし、深刻な洪水を引き起こした。
だが、現在は水位が低下し、川底があらわになっているところもある。このため、付近の住民は、農業用水を確保するため、土のうで囲って水をためているという。
ほんとに場所で違いますね。