はさんで国境を接する県、ノンカイから分離して、
タイで77番目になるあたらしい県「ブン・カン」ができて
じきに1年になる。
(写真はいずれもバンコク・ポスト紙2012年2月23日号より)
ブンカン県は、南側は西から順にノンカイ、サコン・ナコン、ナコン・パノム
の各県に接し、北側は350kmに及びメコン川をはさんでラオスに接している。
他の県よりも静かな土地柄だが、東北部なのに、雨が多く湿気があり、
ゴムが主産物となっている。
県の東北部にはプー・トック山(孤山)と呼ばれる2つの砂岩のピークがある。
小さいピークの方には、山寺が僧により作られており、木の橋を渡ってたどり着ける。
メコン川の近くには大きな「ブンカン湖」があり、県の名の由来になっている。
知事は、ここにいろいろな活動センターを作る予定だ。
また、県の東部ブン・コン・ロンには、広い沼地があり、160種の鳥たちの
飛来地になっているという。
選挙地盤でもある遅れたタイ東北部の開発に力を入れる
タイ貢献党政府は、2012年2月22日、総額6200億バーツ(1兆7千億円)
に及ぶタイ東北部の5つの開発プロジェクトを承認した。
1.バンコク・ノンカイの高速鉄道の整備 1,450億バーツ
また、コン・ケーンからラオス国境のムクダハンまで東に伸び、
北側のナコン・パノムまで上る336kmの鉄道(330億バーツ)も承認された。
2.「国境経済特区」の建設。ムクダハン、ナコン・パノム、ノン・カイといった
タイ東北部国境の街に設置する。
3.メコン川を中心に東北部の4つの河川を整備する。2,000億バーツと
大きな予算が用意される。
4.タイ北部に近いルーイの郊外にある涼しいプー・クラドゥン国立公園に
ケーブル・カーを敷く計画のフィージビリティー・スタディーを予算化。2,000万バーツ。
自然保護団体からの反対も多い計画だ。
5.コン・ケーンの東のカラシンにカラシン大学を作ると共に、
シリンドーン博物館を修復する計画を予算化。
このほかにも、総計29のプロジェクト16億バーツを承認した。
開発の遅れたイサーン地方(タイ東北部)のインフラ整備を中心に
した開発が、タイ貢献党政権下、進んでいきそうである。
背景には、ラオスを経由して中国との経済関係発展の目論見が
ありそうだ。