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同世代から見た「婚活詐欺殺人容疑事件」
日本から首都圏で中高年男性から金を取り、あげくは3人ほどを殺してしまい、
犯人の37歳女性が死刑判決を受けたという「婚活詐欺殺人事件」が報じられた。

判決通りだとするならば、練炭で中毒死させるなど、タイでもありそうな
事件だが、犯人女性の手口もさりながら、同じ中高年男性として、
金を取られ、結婚をだまされ、あげくに捨てられた男性たちに、同情と憐れみと
同時に男のあほさを感じずにはいられない。

ーーーーー

動物、なかでも人間は、女性が縦糸となり、生き、子孫を残し、
男性はその女性の間で種を運ぶ“使い走り役”であることが、生物学の研究で
明らかになっている。

その中で、女性は、社会の中で地位が高かったり、金を持っている男性を
好むし、男性は、良い子孫を残してくれそうな、胴にくびれがあり、
目鼻立ちがシンメトリーの女性を選ぶという。

女性は、限られた子を残すのだから、受け入れる男を厳しく選別し、限られた
種を受け入れる。男性は、地上に多く種を播きたいから、浮気性である。

社会構造が、主に暴力を手段に築かれてきたため、近代社会は
男社会の様相をなお呈している。しかし、機械化、サービス化が進み、
実際は、暴力よりも、知恵、サービス度、ずるがしこさが力となってきてるので、
底辺では、腕力の弱い女性が活躍できる素地が広がっている。

問題は、ここまで「男性社会」だと思ってきた中高年男性の勘違いにある。
男は、外へ行って稼いでくるもの、女性は家庭にあって男にサービスするもの
という意識が、なかなか死ぬまで抜けないのである。
女性に対しては、愛し、いたわり、優しく接してやれば、
いろいろやってくれるはずという
自分の描いた貴重な女性像への思い込みから抜けられない。

現実世界でいっそう強くなった女性に対して、
か弱き女性、かわいい女性といった理想像を現実像として抱いてしまうのである、
中年男性は。

一方で、高齢化社会となっても、男のスケベ心、女性とやりたい心は
死ぬまで続く。人類未踏の高齢化社会なので、ここらの中高年男性の
心理と生理は、若い連中からは理解されにくい。
「いい年をして・・。もう枯れたら?」と言われる。

ーーーーー

ここに、犯人と目される木嶋嬢(37歳)が現れる。
まずは、インターネットを通じて相手を探す。80歳の男性まで
被害者となったが、この手段設定は、巧みである。
そこらの飲み屋で飲んだくれの中高年客を見つけるより、よほど良い相手が見つかる。

中高年でインターネットをやっていると言うのは、
ある程度インテリジェンスがあり、好奇心が強いと言うことである。
言い換えれば、非現実的な理想、夢に乗せやすいと言うことだ。
もし、飲み屋の飲んだくれのオヤジなら、しゃれた言葉も通らないし、
露骨に暴力的に迫られるだけであろう。

男の弱みは、このインターネットをやっている中高年に凝縮される。
男と言うのは、二面性を持った生き物である。
一面は、ロマンチストで、温かい家庭に憧れ、愛を理想化し、甘い言葉や概念に弱い。
もう一面は、いつまでもすけべである。いくつになってもやりたいのである。

木嶋嬢は、この二面性を知ってか、巧みである。
男は、あけすけな、みもふたもない言葉には萎むが、
好きだとか、愛だとか、温かみだとかの音色に弱いのである。
そして、あけすけでなく、しゃれた言葉で、男のスケベ心を
刺激し、ただではやらせないだろうという男の了解に忍び込む。

インターネットの時代だから、なりすましではないが、
きれいな言葉や、修正された写真で、ロマンチストの男は
勝手に女性像を作り上げ、それにのめりこんでいく。
たやすいことだ。

同世代から見た「婚活詐欺殺人容疑事件」_d0159325_22252486.gif

そして、男と言うもの、観念や概念で納得してしまうと、
実像はたいしてきれいでなく、そうステキでなくても、
「この人が・・」という思い入れで、自分の作り上げた相手の像に平気で恋してしまう。

やさしくしてあげて、お金をもらえば事足りる
女性は、その思い入れに嫌気が差して、消却法を考える。
これは、この事件でなくても、ふつうの恋愛沙汰の世界でもよくあることだ。

そして、もう一点、男性の勘違いで忘れてならない点がある。
女性を女神と思い、一緒になったら一生懸命尽くしてくれると思う
身勝手な思い、理想化である。「愛は永遠である」と思い込む。

この思いがあるからこそ、中高年は、若いうちから含め、
母親に、飲み屋のママに、そして女房という3種類のママに頼っていく。
昔の男は家事は一切出来ないし、そのうち家計の切り回しも女房に任せてしまう。

何が起こるか?
中高年になり、女性のパートナーと“死ぬまで一緒”と勝手に
思っていても、相手はそう思っていないから、何かあれば捨てられる。
中高年女性は一人で生きていく生活力があるが、男の生活力は、
働いている期間、ずっと弱め続けられてきたこともあり、弱い。
ひとりで生きていけない。

女性には、生活力、体力、子供の応援力、近所づきあい力、そして金銭力
という5つの力があるが、男にはひとつもないかもしれない。

同世代から見た「婚活詐欺殺人容疑事件」_d0159325_22212984.jpg

さらに、社会からはしだいに年寄り扱い、邪魔者扱いにされやすい。
それに対し、本人は、歳を取って頭が固くなったこともあり、
直す点は直して、自ら社会や家族に溶け込んで行こうという気構えは薄い。
周りが悪いんだとなる。いっそう孤立化するだけだ。

中高年男性は孤独になりがちである。
だから、よけい女性というえさにひっかかる。
女性は優しい(少なくとも表面的に)からだ。

人のことはあまり言えないが、ひとつだけ知恵はある。
中年男は、心の飢えと性の飢えを切り離すことである。ごっちゃにしないことだ。
セックスのサービスに対しお礼をすることは、道理にかなっている。
しかし、それ以上を求めていく。「愛がないセックスなんて!」と女学生みたいなことを言う。
問題は、性と心の欲求が、寂しさを媒介に、融合してしまうことだ。

そこから、「こんな中高年の自分に(一見)尽くしてくれる“この”女性のためなら
何百万円も惜しくない、ふたりでずっと生きよう!」と自分の夢の世界へ
入っていってしまう。相手はちっともそうしたいとは思っていなくても・・。
年老いて寝込んだ後の介護まで、頭の隅に描いてしまうのかもしれない。

年配男性が年上の甲斐性を見せるなら、相手の女性に対し、
「この人となら!」と、思わせていくことだ。
言うは易く、行なうは難いかもしれないが、少なくとも、
そういう能動的気持ちが大切だろう。

能動的に攻めていけば、相手がいやかどうか、受身で居るよりも
わかるだろうし、能動的な態度は若さを保つ。
攻めていって逃げられれば、その程度の相手だったと踏ん切りもつく。

同世代から見た「婚活詐欺殺人容疑事件」_d0159325_2220034.jpg

しょせんこの世は男と女。
どうせなら、だましだまされつつを承知で、付き合っている間は
色っぽく行きたいものである。

えっ、そういう男性なら、もともと女性からだまされないって?
そうかなあ?
いつのまにか、入れ込んでしまうのが、男の悪い癖と違わないだろうか?

なお、最後にお断りしておくが、
筆者は、愛らしい女性に何の敵愾心も、恨みも
抱いてはいません。女性は大方可愛らしいと思います。
念のため・・。

皆さんは、どう受け止めましたか?この事件。
by ucci-h | 2012-05-01 22:27 | アジア的な生活 | Comments(4)
Commented by muga at 2012-05-02 10:50 x
今回は強烈でした。
「男は度胸、女は愛嬌」なんて言葉は過去の言葉なんですね。

おっしゃるとおり、最近の女性は生活力もあり、情報収集能力もあります。昔のように、「女に教養はいらない」という時代ならば、知識も力もない女性を、男性が所有物のようにコントロールすることもできたでしょう。でも、時代は男女平等の権利。
それを恐れてか、イスラムの世界では未だに女性は所有物という世界に閉じ込めようと必死のようにも見えます。
「女は気立て」なんていうのも、そういう事例からくる男側の危機管理能力なのかもしれませんね。  つづく
Commented by muga at 2012-05-02 10:50 x
つづき
木島譲が、もともと裕福な生まれの女性ならば、詐欺を働くというリスクを冒してまで金銭目当てで男を騙すようなことはなかったでしょう。
しかし、貧しさゆえにろくな教育すら受けていない女性だったならば、手っ取り早く種銭をつ掴むのに、詐欺への道に入ることは世の常。

翻って、タイ国等のアジア諸国では、サクセスのために、貧しい家出身の女性が手ぐすね引いて、平和ボケの先進国男性を待っています。
その優しい微笑みの裏には、管理人さんご指摘の「罠」が仕掛けてある事を、読者の皆様の念頭に刻み込んでいただきたく思う次第です。

場合によっては、子供を産んで、それを武器にして収奪を計算することもあるのです。どうしても彼女というならば、戦国時代の女性と付き合うつもりで事に臨むべきだとご忠告申し上げます。
Commented by ucci-h at 2012-05-03 00:11
“戦国時代の女性”!、なるほどね。家も買わせて、名義人としていただいちゃう。毎月何万バーツもあげて、手も握っていないという天然記念物のような純情な男性もいるそうですが、どうなりますかね?
Commented by muga at 2012-05-04 17:00 x
鵜です。
鵜飼のように、喉を絞られて魚を吐き出す人生です。
インカムゲイン的に貢がされるだけでしょうね。便利なうちに使い果たすだけです。あるいは「搾り取る」という表現がピッタリです。
外国人と一緒のデートガールいますよね。その嘘っぽい作り笑顔を判別するところから、スタートです。デートガールなら簡単ですが、頭のいい女性は、本当のように笑いますから、なおさら判別困難です。
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北タイのチェンマイをベースにメコン、アセアンの経済、見所、食べ物を日本と比較して紹介します。ただし投資をアドバイスするものではありません。コメント記入は題字をクリック下さい。
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