2009年での平均寿命は72.9歳。
では、50年前、100年前は?
50年前の平均寿命は58.4歳、100年前は
37.3歳に過ぎなかった。
もっとも、平均寿命だから、昔は多くの乳幼児の死亡が
平均値を大きく下げていたことだろうが・・。
またタイでは、日本のように病人を無理無理長生きさせる
治療もあまりやらないようだ。
現在の60歳タイ人の余命は、20.7年。20年以上ある。
タイの年金の受給年齢も現在の60歳から、65歳に引き上げられるのは
時間の問題だろう。
2004年の「HSRI」(健康システム研究所)の調査だが、60歳以上のタイの高齢者
100人のうち、93人は自分で歩け、6人は杖を用いており、0.8人は
車椅子を用い、0.2人が寝たきりになっていた。
60歳以上の人口の比率が10%を超えると「高齢化社会」、
同じく20%を超えると「高齢社会」というそうだが、
タイの60歳以上は、2010年には、人口の12%、800万人近くいるはずだから、
すでに2004年から高齢化社会に入っており、
2024年には20%に達し、高齢社会になる見通しである。
日本はすでに2009年で30%と世界トップ、いわば「超高齢社会」というべきか。
タイ社会は、日本ほど核家族化が進んでおらず、大家族の元、高齢者に対する
面倒見がいいから、年金が不十分でも年配者の生活は日本より豊かかと
見てきたが、最近は都市化、核家族化が進み、どうも年配者にとっての
古きよき時代は徐々に変わりつつあるようだ。
親類からのサポートがなく、といって社会からのサービスもなく、
絶望と孤独に苛まれた高齢者の自殺も増えている。
いまだ日本ほどではないが。
特に、貧困、体の不調、無視、病気、孤独、蔑視、怖れにさらされた
年寄りは、タイでも絶望しやすい。
高齢者(65歳以上)の自殺率を見ると、
日本の場合、2000年頃は、男性で10万人当たり49人と、
世界第12位ほどだった
(トップ3は、ロシア95人、ラトビア89人、ハンガリー88人だった)。
日本の場合は、高齢者人口が急増しているので、率は、2009年で
44%ほどに下がっているが、自殺者数はここ数年少しずつ増えている。
タイの高齢者の自殺率は見つからなかったが、
全体の自殺率が、日本の4分の一程度のことを考えれば、
タイの高齢者の自殺率は、10数%程度なのだろうが、
上がってきているのではないだろうか。おそらく、
タイの年間の全自殺者数3,500人ほど(日本の1割強)の
3割近くの1,000人ほどが、65歳以上の高齢者によるものとなろう。
それでも、日本の65歳以上の自殺者数年間5,200人(2009年)の
5分の一ではあるが・・・。
「タイでも高齢者の自殺率増えている 2012-2-25」
http://uccih.exblog.jp/15482136/
タイでは、介護施設のような施設はまだこれからだし、
その間も、社会は忙しさを増し、家族の面倒見もすでに神話になりつつあるようだ。
また年配者も、忙しい子供らから面倒を見てもらいたくもない人も増えており、
威厳を持ち、敬意をもたれて、老後を生きたいと思い始めている。
都市の郊外の養護ホームも出来てきたが、
月14,000バーツから25,000バーツかかるそうだ。
世界の高齢者の数は先進国中心に急増するが、
物価が安く、気候の暖かいタイに老後住む世界の高齢者も増えている。
今後、養護、介護施設は、タイでも急速に増えてきそうである。
日本は自殺者比率が世界5位、高齢者比率が世界トップで、其れでも高齢者自殺比率が世界12位だということは....
因みにwikiによるとタイの自殺者人口比率は世界59位です。