AOT(タイ空港公社)は、LCC(格安航空)14社を中心に
かつての中心空港であったドンムアン空港への移転を図っている。
「スワナプーム空港の混雑緩和策 2012-3-22」
http://uccih.exblog.jp/15609839/
開港6年を迎えたスワナプーム空港は、たまたま滑走路の修理で
8月9日ごろまで、滑走路が減ったりしている。
昨年の洪水のとき、ドンムアン空港が水に漬かり、その写真が
世界に広まり、スワナプームが使えなくなったと誤解され、
旅行客のキャンセルが一層増えたものだ。
(バンコク・ポスト紙より)
その中で、LCCのトップ、エア・アジア・グループの3社は、
いち早く6月25日に、移転要請を受け入れ、
10月1日より、エア・アジアのバンコクでの発着はドンムアンに
切り替えることになった。
着陸料、駐機料、スペース・レンタルなどの料金引き下げインセンティブ策が
奏功したようだ(さらには、ドンムアンのほうがバンコク市内に近い)。
もっとも、これにより、エア・アジアのお客向けの料金が現在より
安くなるかというと、それは聞いていない。
新しく引っ越してくる14社に3年間空港料金引き下げなどの
インセンティブをオファーするのは良いが、
すでにドンムアンを基地にしているオリエント・タイ、ノック・エアーなど
5社にはインセンティブがなく、公平な競争を阻害するものともめた。
しかしその後、これら既存の5社にも同様なインセンティブを
AOTは提供するようになり落ち着いた。
しかし、ジェットスター、タイガー、セブ・パシフィック、インドのインディゴ
や韓国のチェジュ・エアーなど残る11社は、7月上旬現在、まだ承諾していない。
インセンティブはいいのだが、DMK(ドンムアン空港のコードネーム。
デンマーク空港ではありません)の地上サービスが整っていないからだ。
今のままでは、地上の航空機の牽引や、航空機洗浄、荷物のハンドリングは
航空会社自身でやらなければならないという(未確認情報)。
さらには、ケータリングなどの顧客サービス施設はBKK(スワナプーム空港)
にあり、運んでこなくてはならないという。
さらに、BKKとDMKを結ぶシャトルバス・サービスも具体的にどうなるのか。
BKKの国際便との乗り継ぎ客をどうさばくのかも課題になる。
ドンムアンが整えば、空港の処理能力は、3つのターミナル合わせて
年間3,650万人(一日あたり10万人)処理可能だという。
スワナプームは、客処理能力4,500万人を超えてきた。
当面はLCC全社あわせて年1,400万人ほどだから、第1ターミナル(1,600万人能力)
だけで、処理できるようだ。
その後の増加にあわせて、第2ターミナル(900万人)も開いて行くという。
タイのことだから、不都合を見ながら、徐々にあわせていけばいいということになろう。
10月1日よりエア・アジアが飛ぶが、当初は、いろいろ不都合が出るかもしれない・・・。