経済の発展は、政治力の不足からなお思わしくない。
先のオリンピックでもインドは、中国がアメリカに次ぎ金メダル38個、
金銀銅で88個を獲得したのに対して、金ゼロ、銀銅で6個と
人口の割りに乏しい結果だった。
1928年から1956年までオリンピックで連続して6つの金メダルを
手にしたかつてのお家芸ホッケーにおいても、今年のロンドン・オリンピックでは
6戦全敗、参加12か国中最下位に甘んじた。
インドは不思議な国である。
友人がしばらく前からインドに滞在しているので、彼とのやり取りの中で、
インドの文化・歴史に関する3つの疑問を呈してみた。
1.アーリア系の人々が作った国なのに、なぜカースト制度が残っているのか?
アーリアの文化とカーストは関係ないのか?
2.南のスリランカでは、北インドから来た連中と南インドから来た連中が
なお争っているが、インド亜大陸では、南北抗争は見られないのか?
3.仏教の足跡が多い国なのに、なぜ仏教が広まらず、ヒンドゥー教に
呑まれてしまったのか?
私の質問に対して、インドに滞在中の友人Sさんが、
いろいろ本を読んだり、足を運んで調べたり、インテリに聴取したりして、
調べてくれました。
次回から3回にわたって、彼からのとりあえずの返答を載せてみます。
“正答”というものはないのでしょうが、
インドの歴史・文化への洞察がうかがわれるので、引用させてもらうことに
しました。
お楽しみに。