数字が、1ヶ月ほど前になるが、2013年3月8日の「国際婦人デー」に、
「グラント・ソーントン国際ビジネス・レポート」で発表された。
グラント・ソーントンは、1980年に英米などのアカウンタントが作った
ロンドンにある非営利の独立会社である。
このレポートによると、
世界の企業における女性のシニア・マネジメント(CEOや専務、常務などの
企業のトップ・クラス)の割合は、2011年の20%から、
今や24%に上がって来ているという。
企業のトップ・クラスの4人に一人が女性というのが世界の平均に
なっているということだ。
女性の割合が最も多いのは、CFO(財務担当役員)、
逆に最も少ないのは、CIO(情報担当役員)だという。
業種別で見ると、一番女性経営陣の多いのは医療産業(45%)、
少ないのは建設・鉱業(19%)だという。いずれも想像がつく。
http://www.gti.org/files/ibr2013_wib_report_final.pdf
ここで面白いのは、先進国よりも、途上国の企業の方が、
女性のトップ役員の割合が多いことだ。
国別でトップは、中国の51%。続いてポーランドの48%、
ラトビア、エストニアなどのバルト3国が40%ほどで続き、
6位にフィリピンの37%(グルジアも)、8位にタイの36%、
9位にベトナムの33%が入っている。
フィリピンやタイやベトナムは、3人に一人は、女性の
シニア・マネジメントだ。
アセアンは、シニア・マネージメントにおける女性の比率で、
世界の平均を上回る32%である。
ブリックス4国は、28%と平均以上。
G7先進国は21%と低い。
逆に、女性の比率が低いのは、よく知られた日本の7%(44カ国中44位)を
最低に、42位オランダの11%、41位スイスの14%、38位イギリスの19%、
37位アメリカの20%と、先進国が目立つ。
もっとも、女性を外に出したがらないインドも、途上国だが、19%だ(39位)。
日本は、41位のスイスに比べても半分で、14人にひとりしか女性はいない
(日本は、女性は影で男を操っているのかもしれない・・・)。
トップのCEO(社長)一人を見ると、
世界一は、タイランドの49%である。
どういう調査の仕方をしたか判らないが、タイの企業は2人にひとりが女性である!
今は、首相も女性だが・・・。
2位はデンマークの45%、3位はドイツの40%(ここも首相が女性だ)、
4位ラトビアの38%、そして以外や、5位に日本が29%で入っている。
日本は、経営陣と言う集団では女性は少ないが、CEOになると
けっこう女性社長はいるということだ。3.4人にひとり。
私事で恐縮だが、うちの娘も親友の女性も、小さな会社のCEOをやっている。
いわゆる起業での女性トップは多い。日本も捨てたものではない。
薀蓄くさくなるが、マネージメントの語源は手綱をとること。
フランス語で家事は、「メナージュ」。
人間関係をうまくまとめ、これをさばくのは、家事に長けた女性に
向いた仕事なのかもしれない。
逆に、女性社長の少ない国は、
トルコの2%をボトムに、英国、ポーランド、香港、インドと
いった国々が4%と低い。
伝統的な男性社会のイギリス、女性を出さないインド、なんとなく判る気がする。
最後に、ボード・メンバー(取締役会)における女性の比率。
世界平均は19%だが、
トップ5は、ロシア37%、タイ35%、フィリピン34%、
ベトナム30%、ラトビア30%と、ここでもアセアン諸国が目立つ。
逆に低いのは、
日本7%、スイス7%、UAE12%、マレーシア12%、ブラジル13%となる。
マレーシアは、シニア・マネージメントの比率では平均以上の26%あったが、
ボード・メンバーでの比率になると、アセアンの国なのに、なぜか低い。
女性の経営陣の比率が高い国ほど成長しているというべきか。
成長力の高い国ほど、女性のマネージメント参加比率が
高いというべきか。それとも、たまたまのことだろうか。
タイは、CEOの比率で、世界トップの49%、
ボード・メンバーの比率で、世界第2位の35%、
シニア・マネージメントの比率でも、世界8位の36%と高い。
タイは、身近な食堂を見ても、サロンを見ても、マッサージ屋を見ても、
女性が働き者である。男は寝ているのが多い。
企業トップでも女性が活躍している世界トップクラスの国となる。