中で発展している(インドも少しは見習ってもらいたいものだ)。
もともとは、「セントラル・グループ」や「CPグループ」といった
国内資本でタイの流通業の近代化が戦後行なわれたが、
1997年のバーツ・ショックで、外資系の傘下に入るものが多かった。
しかし、ここにきて、国内資本の巻き返しの図が出始めている。
@@@@@
セントラル・グループは、海南島出身の華人
ティアン・チラティビットが、戦後、量販店を開いたことでスタートした。
その後、息子サムリットの代にデパートメントを開き、
今日では、デパート、ショッピングモール、さらにはホテルも持つ
タイの大手流通資本となっている。
「展開を加速するセントラル・グループのショッピングモール 2011-6-21」
http://uccih.exblog.jp/13842229/
現在、フランス系のカルフールを買収し、
タイ全土にハイパーマーケットを展開するフランス系カシノの「ビッグC」の
‘C’は、もともとはセントラルグループが93年に始めたセントラルのCである。
97年のバーツ・ショックで、経営権はカシノ・グループに渡った。
CPグループは、潮州系の華人、謝(チェラワノン)兄弟によって、
種を売る園芸店から始められ、戦後、息子の代になって飼料の販売、
養鶏業を核とするCP(チャルーン・ポカパーン)グループの設立となった。
ブロイラー、えび養殖というタイの2大食料で拡大し、今ではタイ有数の
コングロマリットになっている。
「食品、コンビニで伸びるタイの国際企業CPグループ 2012-1-23」
http://uccih.exblog.jp/15316968/
CPグループも、1988年には「サイアム・マクロ」と「CPセブンイレブン」を設立、
倉庫型量販店とコンビニというユニークな形で小売業に進出していた。
1990年には、アメリカ型の「ロータス・スーパー」も設立した。
しかし、97年のバーツ危機で小売業からの撤退を余儀なくされる。
ロータスはその後、英系のテスコに売却され、今では英系「テスコ・ロータス」と
して、仏系「ビッグC」と、ハイパー・マーケット市場で競っている。
サイアム・マクロも、51%の出資分をオランダのマクロの持ち株会社SHVに売却した。
唯一セブンイレブンだけは残り、今や稼ぎ頭になっている。
「2013年タイで始まるコンビニ戦争 2013-3-4」
http://uccih.exblog.jp/17929224/
そして、2013年4月、セブンイレブンを営むCPグループの「CPオール」が
サイアム・マクロを買収するというホット・ニュースが流れた。
ソンクラーン休日の間に香港で取り決められたというものだ。
CPグループの会長であり、タイ一の富豪であるタニン・チェラワノン(謝国民)の
胸中から、マクロのキャッシュ・キャリー・ビジネスの魅力は消えなかったといわれる。
97年は、いわばバーツ・ショックという‘事故’で、マクロを手放したと思っている。
「タイで伸びる倉庫型大型店マクロ 2011-8-23」
http://uccih.exblog.jp/14406670/
CPオールは、サイアム・マクロの株式のまず64.35%を取得したい意向だ。
3月末現在、株式の64.35%はSHVホールディングにより保有されている。
その後市場でのテンダー・オファーで全株取得すると伝えられる。
買収金額は66億ドルと言われる。市場価格の15%プレミアムでの買収だ。
66億ドルと言うのは巨額の買収資金だ。
2010年11月にビッグCがタイのカルフール42店全店を買収したときの
価額が12億ドルだったから、これの5.5倍の買収金額である。
CPグループは、中国も含め各地で積極的な買収をしている。
2012年12月には、中国への橋頭堡を固めるため、中国の第2の保険会社
「ピンアン(平安)保険」の15.6%に96億ドルを投じている。
こちらの融資には、UBSが動いているようだ。
CPグループは非公開の同族グループであるため、資金状況がいまいち不透明だ。
買収資金はSCB(サイアム商業銀行)などからの借り入れによるのだろうが、
CPグループにとっては、マクロの現金収入商売が魅力なのだろう。
サイアム・マクロは、タイ全土に57店をもつ(チェンマイにも3店)。
ハイパーマーケットは全国に行き渡って来たが、キャッシュ・キャリー店は、
25県ほどにはまだなく、成長力も高いと見られる。
2012年の売り上げは1140億バーツ(前年比+15.4%)。
税引き利益は35.5億バーツ。時価総額は1637億バーツである。
タイでは、現在の国内景気のよさから、97年バーツショックで
途中でやめたビルの建設の再開などが、16年ぶりに行なわれている。
流通業界でも、外国資本に対する国内資本の巻き返しが起こっていることになる。
チェンマイでもマクロは面白くないんで滅多に行かない。
既存のマクロもロータスも(BIG-Cも?)新しく出来る3箇所の複合型ショッピングモールに淘汰され、リンピンスーパーや日本によくあるような普通の地域スーパーみたくなるんでしょうね。
時に、金価格の歴史(3)を楽しみにしていたんですがw。
やっぱ、日米欧同時デノミをやるのかな? その時のバーツは如何に。
それから、産経の記事に「ジャポニカ米品薄、タイの邦人ら悲鳴」というのがありましたが、原因がインラック政権の「高値買い上げ政策」にあるらしいとのこと。
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20130416-00000500-biz_fsi-nb
少し気になるので、タイの地元情報がありましたらご紹介下さい。