日本のマスメディアの見出しを見るが、
そんなことはない。
2013年のアジア各国の実質GDPの伸び率予想を見ると、
日本を除くアジア10カ国の成長予想率(野村證券)で、
2013年は+6.1%。2012年の6.2%から
そんなに落ちない。
確かに欧米経済の低迷や中国の成長率鈍化で、
アジア諸国の経済にも影響は出ているが、
自国に多くの投資機会と若い消費者層を抱えた国々。
今後も世界経済を引っ張っていくことに間違いはない。
中でも、フィリピン経済の伸びが注目される。
フィリピンの2013年第1四半期の経済成長率は7.8%と
中国の7.7%を凌ぐ勢いである。
国内消費と国内投資が経済を引っ張っている。
2013年全体の予想でも、フィリピンは6.4%成長予想。
アジアの中でも、中国に次ぐ高成長予想である。
第1四半期は、民間設備投資が47.7%増、
政府固定投資も45.6%伸びている。
学校、道路、橋の建設が進んでいる。
製造業も9.7%伸びているが、輸出向けというより、
国内の食品、家電、通信機器向け需要が旺盛なのが背景だ。
フィリピンは、昨年来国債の格付けが引き上げられたが、
今年に入り3月(フィッチ)、5月(S&P)と、投資適格基準まで
引き上げられ、資金を調達しやすくなったことも大きい。
フィリピンは、政策金利低下の余地もあり、成長見通しが続きそうだ。
フィリピンは人口が9,680万人と多い。
そのうち日本の人口を追い越すだろう。
毎年、若い100万人が労働市場に入ってくると言うから、
老成国日本にはうらやましい話だ。
そんなに多くの労働者をフィリピン経済は吸収できないのだから、
日本が労働力を“輸入”してやればいいと思うが、そう動いていない。
第1四半期、一人当たりのGDPは6.1%伸びたと言う。
フィリピンの一人当たりGDPは、2012年で2,614ドル(世界127位)と
なお低い。タイ(5,678ドル、世界93位)の半分。
日本(46,735ドル、世界13位)の18分の1しかない。
しかし、1億人近い若い人口を抱えているので、
国全体のGDPとなると、2,500億ドル(2012年)。世界41位と上がってくる。
10%伸びれば、250億ドル増。
日本(5兆9,640億ドル)の名目GDPの0.4%の伸びに当たる。
中国以外にも、東南アジアは、インドネシア(2億4,450万人、世界4位)、
フィリピン(9,680万人、世界12位)、ベトナム(9,040万人、第13位)、
タイ(6,440万人、第20位)、ミャンマー(6,370万人、第21位)と、
人口の多い国が5カ国もある。
この5カ国だけで、5億6千万人になる。
しかも、タイを除けば、平均年齢が若い。
5カ国のGDPを合わせれば、出遅れているベトナムとミャンマーを含めてだが、
ざっと1兆6,850億ドル(2012年)。
5カ国合わせた数字だが、世界12位くらいになってくる。
日本の3割近くになる。
数字遊びはこのくらいにして、
インドネシア、フィリピン、そしてベトナムの今後の
成長に注目したい。