「ほっ」と。キャンペーン
年金保険料を納めるのは国民の義務!?
日本にいる若い世代の年金に関する
議論を聞いていると、何か誤解している感じがする。

「国民年金(保険料)は払わなくちゃいけないの?」・・・

年金は、義務ではなくて、本来、権利のはずです。

税金は、他人を助け、自分も助ける(つまり社会を助ける)
ものだが、「自分は社会のサービスは要らない」と言っても
納税は免れ得ない“義務”だが、年金は、少し違います。

保険料ですから、払わなければメリットが得られないし、
払えばそれなりのメリットがあるものです。


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とはいえ、年金制度はある数が集まらなければ、保険として
成り立ちませんので、国民年金は、車の強制賠償保険のように、
本来なら強制徴収される制度かもしれない。
事実、税金と一括徴収している国もありますね
(そうなると、義務と感じられるでしょう)。

日本では、「年金保険料をおさめても、
将来、老後生活の足しになるか怪しい」と、
マスメディアに不安を煽られているせいか、
十分制度の理解もないままに、保険料の未納者が多いようだ。
保険料を納めないと、将来受け取る老齢年金が少なくなるので、
他人事ながら心配になります。

年金は権利だと言うのは、ご存知だとは思いますが、
国民年金には、税金もプラスされて給付されているからです。
税金分を考えれば、国民年金の権利を利用しないという事は、
言うなれば、国の助け(税金の付加分)は要らないということです。

「自分は個人年金ないしは私的な蓄財で老後に備えるから
国民年金などいらない」というなら別ですが、リタイヤーの時まで
自分で計画的に貯め、増やし、手をつけないと言うのは
なかなか難しいことです。

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「将来、年金プールは枯渇して、年金は給付されないかもしれない」と
言うのは、極端な心配でしょう。
極端と言う意味は、国民年金は賦課方式(つまり今の現役世代が
納める保険料で、リタイヤ組がまかなわれている)なので、
日本の労働力人口が数十年後、限りなくゼロに近づくなら、
年金給付も心配されます。
でも、日本の出生数が年間ゼロに近づくでしょうか?

@@@@@

一方で、日本の公的年金制度は、世界でも資産額が高く
良いほうであると言う楽観的な見方もあります
(年金資産額は、どこまで当初貯めて置けたかと言う
歴史的産物に過ぎません)。

日本の年金制度は、必ずしも世界のトップの状況ではありません。
少子高齢化の歯止めのない進展で持続性に欠け、支給レベルも
世界に誇れる水準とは言えないでしょう。

以下に、筆者が、外から見たニッポンの年金制度について
コメントした雑誌の記事を参考に載せておきます。
年金も他人責任ではなく、結局は自己責任として
跳ね返ってきます。

よく理解されたうえで、うまくつきあって、ご自分の将来の
助けにしてください。
10年~20年というのは、あっというまに経ってしまいますよ。

それにしても、過去デフレで十分減らさなかったと言う理由で、
ここにきて、年金支給額が毎年のように減らされるのは、
困ったものである。

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外から見たニッポンの年金制度の評価


1.主要国の中で下位グループに評価されるニッポンの年金の持続性

 海外の年金制度、会計制度の変化を追ってきましたが、今回は、海外から見た日本の年金制度について触れておくことにしましょう。誤解や、思いすぎの点もありましょうが、岡目八目、私たちの気づかない点に触れられているかもしれません。我が国の年金制度を他国と比較した際に浮き上がってくる点を中心に、見てみることにしましょう。
 まずは、以前、各国毎の評価の際に利用させてもらった「メルボルン・マーサー年金インデックス」(18カ国評価)と「アリアンツ年金持続性ランク」(44カ国評価)をベースに、彼らが日本の年金制度を低く評価している背景を見てみましょう。
 メルボルン・マーサーの2012年の総合評価では、日本は18か国中17位です。前年は対象16カ国中、14番目でした。また、アリアンツの2012年のランキングでも、44か国中40位と下位に甘んじています。
 日本の少子高齢化の進展の早さ、国の債務残高の大きさなどが大きな背景になっているようにほぼ想像出来ますが、年金制度そのものの不十分さもあるのでしょうか。どういう評価内容なのでしょうか。ふたつの調査のうち、メルボルン・マーサーが、年金収入確保の「十分性」(アデクエイシー、比重40%)、年金制度の「持続可能性」(サステイナビリティー、比重35%)、そして年金制度の管理が信頼できるかの「信頼性」(インテグリティー、比重25%)の3点から、分かりやすく評価していますので、これをベースにニッポンの年金制度を見てみましょう。
 日本の年金制度は、誤解を恐れずに一言で言いますと、「形はしっかりしているが、年金の支給は十分とは言えず、そのくせ持続性に欠ける」ということになるでしょうか。制度の「信頼性」は63.3点(平均71.5点)と、18か国中アメリカやフランスよりも上の13位ですが、年金収入の十分性は、46.1点(平均62.2点)と15位にとどまり、肝心の持続可能性では、28.9点(平均52.1点)と、ブラジル(総合では11位)の26.9点を上回るだけの17位です。
 ブラジルは、総合点ではドイツやフランスを上回る11位ですが、この持続性最下位に示されるように、人口構成が若い国にもかかわらず、年金制度はこのままでは持たないと危惧されています(アリアンツのカバーには入っていません)。公務員はじめ年金支給額、受給条件、受給開始年齢が寛容で、世界でもイタリアに劣らぬほど年金支給に寛容な国となっています。新興国なのに、財政負担もGDPの12%ほどと成熟国なみに高く、改革が急がれています。


 2.支給額の抑制で持続性を維持するニッポンの年金

 日本国内での議論は、今後の年金受給者数の増大、現役層の一人当たり負担増に伴い、いかに支給増を抑えつつ、制度を維持していくかという点が中心のように見えます。公的年金の賦課方式が本来なら機能しない人口、経済構造の中での、苦肉の策である「マクロ経済スライド制」の導入(2004年)、実質的な支給額抑制策と言えましょう。
 賦課方式を再機能させるための、国の政策としての外国人労働力の導入や、育児制度を充実させての女性就労率の向上、また求人年齢制限を撤廃しての高齢者就労の推進などは、年金制度問題としては、なかなか議論として表面化しないようです。
 今後の日本の高齢者依存率(65歳以上人口/15~64歳人口)の推移予想を見ますと、人口構造の変化が伴わないと、年金の運営も難しいことが身にしみます。高齢者依存率は、2011年の36.6%から、2030年には50%を超える54.4%に上昇していくと見られます。
 2011年時点では、仮に生産年齢人口が全員で年100万円の保険料を払ったとしますと、それがそのまま高齢世代の年金で分けられるとすると、一人273万円支給出来ます。これが、2020年だと保険料が105万円でも213万円に、2030年だと110万円でも202万円に、40年だと、115万円でも171万円に、50年には120万円でも160万円になってしまいます。
 もちろん、積立金や国庫負担、また就業率の上昇見込みなどもありますから、こういう単純な減り方にはなりませんが、給与代替率最低50%の目標も厳しくなるかもしれません。
 マクロ経済スライド制は、必要がなくなったら止めるようですが、今後数十年の日本の年金制度は、保険料率の引き上げもありますが、主に給付額の抑制を中心に維持されるのでしょうか。その際、はたして老後に十分な年金が支給されていくのでしょうか。現在の日本の年金の支給水準を国際的に見てみるとどうなるでしょうか。


 3.年金の十分性を保ちつつ持続させる道はあるのか?

 我が国の年金制度の評価が低いのは、持続可能性が著しく低く見られているからです。持続性を見るのに、一番大事なのは、①今後の人口動態、②第2の柱としての私的年金のサポート力(労働力人口に占める私的年金への加入率)、③公的・私的年金のGDP比資産規模の3つと見られます。これらに、④高齢者層(55~64歳)の就労参加率、⑤強制的拠出額の厚み(年金制度への雇用主・従業員の拠出額のうち、毎年積み立てられる部分の賃金に対する割合)、⑥国のGDPに対する公的債務の比率などが続きます。
 ①今後の人口動態は、先に見た老齢人口の依存率が2035年も57%と非常に高く、出生率(TFR、特殊平均出生率)もなお1.3%ほどと低く、これに加えて、寿命に対する年金受給開始年齢の差が20年を超えて他国に比べても長いため、給付負担も高く、点数を稼げません。②私的年金への参加率も33%と低く、高評価国の60%以上に及びません。③年金資産のGDP比率は51%。公的・私的年金合わせて資産規模は240兆円に及びますが、18カ国の平均80%に届いていません。
 ④高齢者層の就労率は69%ほどと平均以上ですが、⑤積み立てられる拠出額は、日本の場合、拠出額の15%ほどですので、賃金比では2.5%ほどと、18カ国平均の7.8%を下回ります。⑥公的債務のGDP比率は、ご存知のように、日本は200%を上回り、230%とトップです。こういった6つのポイントから見て、日本の年金制度の持続性は低く評価されます。
 ついでに、年金支給の十分性も見ておきましょう。我が国は、もちろんブラジルやイタリアのように年金支給に寛容なため、持続性に問題があるわけではありません。十分性を見る上で、①最低年金が平均賃金の30%ほどに達しているか?②強制部分の所得代替率が中位所得(ネットの生涯所得の中位数)の70%に達しているか?などがポイントになります。
 我が国の場合、①最低年金は平均賃金の19.4%で高くありません(18カ国平均21.6%)。また、②所得代替率は、41.5%、平均の56%を下回っています。
 また、③可処分所得に占める家計貯蓄率は、日本の場合、ここ数年で底は打ったようですが、なお1~2%と低くなっています。世界平均の6.5%を下回る貯め方です。④持ち家比率は61.3%で世界平均並みですが、年金以外の資産が厚いというわけでもないようです。
 年金支給レベルは、世界的に決して高くないのに、持続性に問題があるため、今後なお抑制される。残念ながら、日本の年金制度は外国と比べても、きつい状況にあると言えます。今後、支給を抑制し、現役層一人当たりの負担を増やすだけでなく、先に見ましたように、外国人労働力の積極的な導入や、女性労働力の活用、また高齢者層の労働参加の奨励など、年金の原資を出してくれる層を厚くしていくことが、日本経済の活力を増やしつつ、年金の十分性・持続性を高めていくことにつながると見られますが、いかがでしょうか?
 ニッポンの年金制度の骨組みが太くなることを祈りつつ、筆をおきたいと思います。
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by ucci-h | 2013-09-14 23:45 | アジア的な生活 | Comments(5)
Commented by unknown at 2013-09-18 11:37 x
年金財源を現役世代のみに押しつけるのはもう無理かと。賦課制度は事実上破綻してしまったのだから、受給世代の年金財源は受給世代で捻出するしか無いでしょうね。社会保障は相互扶助が原則なので、今話題の「死亡消費税」を「年金、医療特定財源」とするのもその一つかと。キャピタルフライトし非居住者となった大金持ちからは徴収出来ないが解決が難しい。非居住者の年金を支給停止しその分を「社会保障費」に還元するという制裁方法もあるがそれも海外資産を持たない人には迷惑千万。
Commented by NIN at 2013-09-18 13:41 x
年金と保険が一緒に論じられててわかりづらいです。
たしかに、国民年金には、保険類似機能(障害年金など)も含まれていますが国民保険(30%負担のもの)とは違います。
長いのであとで読みます。
Commented by NIN at 2013-09-18 14:59 x
今の国民年金(サラリーマンは厚生年金)は、サラリーマンにとっては税金とおなじことでしょう。
わたしはちゃんと国民年金を支払っていますよ。海外住んでいるからって、免除(半分の国庫負担分と期間分を無料でもらう)してもらうなんてことはしていません。えらいでしょ。また、付加年金にも入っています。すごい。W
出生率あげるか、高額所得者の移民を増やすか、国が補填するかですね、たぶん、国が補填することになるんじゃないかな。

あと国民年金(企業なら組合年金など)は世界に誇れる内容だと思います。特にアメリカ人はうらやましがるでしょうね。
Commented by ucci-h at 2013-09-18 22:48
厚生労働省の最新の統計によると、国民年金保険料の納付率は、2012年度分で60.1%、この4~5月分で53.4%ですね。
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-12512000-Nenkinkyoku-Jigyoukanrika/0000016086.pdf
Commented by NINJA300 at 2013-09-19 18:49 x
訂正
×あと国民年金(企業なら組合年金など)は世界に誇れる内容だと思います。特にアメリカ人はうらやましがるでしょうね。
○あと国民保険(企業なら組合保険など)は世界に誇れる内容だと思います。特にアメリカ人はうらやましがるでしょうね。

国が半分だしてくれるのに、何故入らないのでしょうか。本当に必要ないという国民合意があるのならばもう止めればよしと思います。

今、アジア在住なので国保に入っていないのですが、わたしの本籍のある某政令指定都市のある区に先日、国保加入者で70%割引を受けている人は何%位ですかときいたら、25%という数字だとおしえていただきました。国保もサラリーマンが支えています。だから、サラリーマンには税金類似の感覚がでてくるのでしょう。

北タイのチェンマイをベースにメコン、アセアンの経済、見所、食べ物を日本と比較して紹介します。ただし投資をアドバイスするものではありません。コメント記入は題字をクリック下さい。
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