インドネシアのバリ島は、
最近では日本人ダイバーの水難、
古くは2002年の爆弾事件でニュースの舞台となったが、
アジアで最大のリゾート島である。
その大きさは、5,560平方km。フィリピンのセブ島(4,420平方km)を
上回り、アジアでも最大の観光島である。沖縄本島の4.6倍の広さだ。
海あり、山あり、草原ありの豊かな自然のバラエティーに
富んだ島である。
また、ヒンドゥー寺院や伝統舞踊、工芸品など文化も息づいている。
「バリ島へのアプローチ4つの問題に出会う 2012-10-9」
http://uccih.exblog.jp/16958761/
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毎年、7百万人ほどの観光客を集めるが、
うち3百万人近くは外国人客である。
ここ数年では、かつてのトップの日本人観光客に
代わって、オーストラリア人が3割近くを占め、リード役になっている。
これに最近では中国人が年間30万人を超え、豪州人に続いている。
2002年の死者200人を出した爆弾事件のあと、
観光客は減ったが、ここ7年ほどは、年12%前後のペースで
増加しており、リゾート地としての人気振りを示している。
しかし、バリ島は観光島として問題を抱えている。
バリ島の最大の問題点は、島の交通渋滞と水不足だろう。
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車の数が、バイクも含め、この島に200万台近くあり、
しかも年12%増のペースで増えている。
道路の年2~3%の増加では追いつかない。
従って、外出した観光客は、ホテルへの帰路が渋滞し、
帰り着くのが暗くなってしまうケースが多い。
客も一度外出したら夕方まで戻らないように計画するので、
ホテル及びホテル周辺に落ちる金が減ってしまう。
2013年10月の「APECバリ会議」の開催で、
橋や立体交差、幹線道路の整備が行なわれたが、
バリの交通渋滞は、簡単に解消しないだろう。
「バリ島へ行ってわかったこと 2012-10-15」
http://uccih.exblog.jp/16996751/
この島の水不足も問題となっている。
夜ホテルに到着して水の出ないケースが時にある。
ホテルを中心とする観光施設は水を多く使う。
バリ島の水の消費のうち65%は観光施設が使うと言う。
島の農業灌水への影響も出る。
2015年には危機的状況になるとも心配されている。
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そして、観光客にとってはうれしいことだが、
この島のホテルの供給過剰、価格競争の激化が続いている。
年12%ほどのペースで観光客は増えていると述べたが、
ホテルの客室数は、2010年ごろから今に至るまで供給過剰なのに、
観光客増をやや上回るペースで、今後3年ほどなお増加する見込みである。
2010年から主要地でのホテルの開発規制は行なわれているが、
それ以前に許可を取ったものが多く、2016年頃まで、
3スター級以上のホテルで、3年間で12,000室近くが増えていくと見られる。
バリのホテルの部屋数は、2011年末時点で、
46,500室(3スター級以上の2200ホテル)だった。
ホテルがさらに増えるので、バリ島へ来る客の増加にもかかわらず、
供給過剰状態は解消されないと見られている。
バリ島のホテルの平均客室稼働率は、60~69%と言われる。
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バリ島は、広く変化に富んだ豊かな島である。
しかし、交通渋滞に懲りて、リピート客が増えなくなっているとも聞く。
私企業の開発に頼り、公共自治体がインフラの整備に
いまいち力を入れていないとも言われる。
インフラ、交通網、道路の整備に力を入れて、
何回も行きたい島にして欲しいものだ。