公園でいたずらをする子供に対して
母親が、「そんなことすると、おまわりさんに
捕まりますからね」と、とがめる話があった。
物事の良し悪しからとがめずに、なんでも
おまわりさんを持ち出すところに面白みがあった。
しかし、これは日本の昔の母親だけの話ではない。
現在のタイに同様な話がある。
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タイは、交通事故の死亡者発生頻度においては、
日本のほぼ4倍という高い国だが、交通事故の
7割がたはバイクがらみの事故である。
タイ人が日本に来ると、道路にバイクが少ないのにびっくりする。
「タイは世界第6位の交通事故の危ない国!? 2013-2-25」
http://uccih.exblog.jp/17888511/
にもかかわらず、自由の国タイランドでは、
バイクのヘルメット装着率が低い。
社会主義国のベトナムが装着率99%だとすると、
チェンマイの街などは、時間によるが、装着率は3割程度だろうか。
夜は装着率が、いっそう落ち、1割くらいに低下する。
なぜか?
交通警官が、夜は働いていないからだ。
事故の時の安全のためにヘルメットをかぶるのではなく、
警官に捕まり、200バーツ取られるのがいやだから、かぶるのである。
警察は、ヘルメット着用100%のキャンペーン看板を立てているが、
十分には浸透していない。
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2010年から2013年の4年間の「TRF」(タイ道路基金)の調査によると、
バイクに乗る(運転者及び同乗者)9歳から12歳の少年(小学校中上級生)のうち、
ヘルメットをかぶっていたのは、わずか7%だったという。
タイでは、あきらかに無免許の少年が、4人乗りで、バイクを運転するのが見られる。
そして、毎日平均7人の少年がバイクの事故で亡くなっている。
年間2500人以上の、先の長いはずの少年の人生が終わっている。
死亡しなくても、バイクの事故で怪我をしたり不具になったりするする少年の数は、
一日200人ほど、年間では72680人に達する。
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ヘルメットをかぶらない理由はいくつかある。
①ヘルメットによる安全性への知識のなさ、
②タイ人特有のイージー・ゴーイングさ(面倒くさい)、
③近場への移動だから、
④そして、取締りの緩さ、などである。
ヘルメット着用には、
①教育、②強制、③メディアの強化が求められている。
学校でも、教育を始めたという。
また、親の放任の態度、子供の小遣いでは買えない値段の買い物、
と言ったことが、ヘルメット着用を阻ませていると見られる。
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ヘルメットをかぶらないのは、小学生だけではない。
全体で見ると、バイク運転人口150万人(もうちょっといそうだが)のうち、
半分以下の43%しかヘルメットを使っていないという。
ティーンネージャーに限れば、装着率は19%、5人にひとりしかいない。
また、都会だと平均72%がヘルメットをかぶるが、
いなかだと29%しかかぶらないそうだ。
チェンマイは、いなか並みである。
自由の国タイだから、ヘルメットをかぶるのもかぶらないのも
自己責任でいいのだろうが、バイク運転は道路上でのこと、
他人に迷惑をかけないように運転してもらいたい。
停車中の自分の車の後ろにぶつけられたのが一度、
走っていた自分のバイクに追突されたのが一度、
いずれもバイクである。
しかも、制服で学校送迎するんですが、もちろん子供はノーヘルだったり。
暗黙の了解で、送迎時は取り締まり無しなんだと思いますが、さて、軍政にメスを入れることができるのでしょうか! この聖域に?
なにかと手本になるべき職業者には信用がなくて、逆にバカにされてたりする有り様ですから、無理っちゃ無理でしょうね(>_<)
融通無碍、時には合理的(?)なのがこの国の文化なのでしょうか?
ただ上の者が模範にならないと、こどもの放ったらかしはいっそう広がりますね。