「アジアの街角から第2回」 「タイ人は遅いなあ!?」
 前回は、タイ人の急がない生活ペースについて触れました。
 無理に急がず、「自分は怠け者だら・・」と言いながら、ゆっくりしたペースで物事をこなしていく・・手早さが尊ばれる日本人から見れば、まどろっこしくも見えます。

 「生活のペースはそれでもいいだろうが、仕事のペースがそれでは困るよ」と言う声が聞こえそうです。確かに仕事があまり遅くても困りますが、仕事のペースと言ってもその局面で違います。

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 アジアの女性は働き者です。料理屋のおばさんの働きぶりは見事です。複数の注文を受けて、大きな鍋に肉や野菜、香辛料を入れ、テキパキと作って行きます。
 工場のラインでこなしていく仕事はそのペースに合わせざるをえませんが、自分のペースで出来る仕事は、緩急織り交ぜながらこなします。靴や電気製品の修理屋さんは、器用に難しい修理をこなしてくれます。

 「遅いなあ」と思うのは実際の作業ではなく、その間の待ち時間だということが判ってきます。つまり急いで片付けないのです。
 作業そのものが遅いわけではなく、時間の流れに対する感覚がゆっくりなのです。何でも早めに片付けないと落ち着かない私たちと感覚が違います。「そんなに急いでどうするの?」というのが彼らからの問いです。


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 自分の現役時代を振り返りますと、何でも早めに効率的にこなすことが至上と思っていました。スピードアップに腐心していたのを思い出します。高度成長時代だったからかもしれません。
 最近は物が売れなくなったこともあり、日本でも「効率化より何を作るかを考えよう」という時代になったようです。
 また、仕事上であまりに物事を急ぐあまり周りの人を傷つけたり、その割にはたいした結果が出なかったとかの反省も残ります。

 管理職の特性は、心理テストにかければ、「焦燥性」が際立ちます。緊急に決断しなければならない局面もありますが、大方は時間をかけても、いや時間をかけたほうが熟した判断ができる場合が多いはずです。
 ゴルフのスイングに例えれば、急いで力を入れて打つより、少しタメを作ってゆったりと振った方が、いいショットが出るようです。


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 人との待ち合わせの待ち時間。アジアや南米では、30分や1時間は平気で待ちます。日本人は違います。「3分遅れた!」と怒る人さえいます。
 なぜかと問えば、「人を待たせるのは失礼でしょう。待つ間いらいらします」というのが答えでしょう。これは、時間に待ち合わせるという“手段”に集中しているからです。

 「アジア時間」に慣れますと、待つ時間も楽しくなります。
 待ち合わせの場所で、周りを見ているといろいろな人や、新しいサインなどの新発見があるからです。もしかしたら、仕事の待ち時間もゆったりすることで、思いがけない“副産物”を発見できるかも知れません。

 「60分刻みの時計は要らないよ。1時間を4等分した目盛の時計で十分だよ」と思うようになりました。


(このシリーズは、2013年9月から2015年4月まで、20回にわたり、
雑誌「経営財務」のコラムに連載されたものです)
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by ucci-h | 2015-06-01 12:31 | アジア的な生活 | Comments(0)

北タイのチェンマイをベースにメコン、アセアンの経済、見所、食べ物を日本と比較して紹介します。ただし投資をアドバイスするものではありません。コメント記入は題字をクリック下さい。
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