タイ語読み書き60時間集中講座(18)
--タイ語の声調符号には“意味”があった--
ここまで、一通り、タイ語の子音、母音、そして
声調について学んできた。
ここで、少し実務的な手引きをまとめておこう。
まず、タイ語での文法の呼び方。
「子音」は、パヤンチャナ↑พยัญชนะ だが、覚える必要もないだろう。
むしろ、「高子音」が、アクソーン⤴・スーン(グ)⤴ อักศรสูง 、
「中子音」が、アクソーン⤴・グラーン(グ)→อักศรกลาง 、
「低子音」が、アクソーン⤴・タム↓อักศรต่ำ であることを
覚えておいた方が実用的だろう。
アクソーンは、なぜかアクセントに似ている。
スーン(グ)⤴ สูง は、「高い」だが、
タム↓ ต่ำ は、値や程度が「低い」という意味(背が低いのは、ティア⤵ เต้ย )。
また、グラーン(グ)→ กลาง は、「中ぐらい」の意味だ。
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「母音」が、サラ↓ สระ であることは、たびたび出てきた。
それぞれの母音記号の呼び方は、サラ・○○でいい。
例えば、サラ・エー เ-、サラ・イッ ิのごとく。
4つの「声調符号」は、「マイ↑」ไม้ で呼ぶ。
なお、ここでのマイ↑ ไม้ (木)は「棒」といったような意味合い。
ちなみに、ゴルフの3番ウッドは、マイ↑・サーム⤴ ไม้สาม だが、
発音は高声+昇声。
また、アイアンは、レッ(ク)↓ เหล็ก だが、こちらは低声。
高声で言うと、「小さい」 レッ(ク)↑ เล็ก になってしまう。
なお、声調は、ワンナユック วรรณยุกต์である。
マイ↑・エーク↓ ่
マイ↑・トー→ ้
マイ↑・トゥリー→๊
マイ↑・チャタワー→๋
ちなみに、これらの言葉は、序列を表す言葉だ。
エー(ク)↓ เอก は一番。プレミア、ドクターといった、最上の位だ。
ナーン→・エー(ク)↓ นางเอก で、女性主人公だ。
トー→โท は2番目。マスターに値する。
パリンヤー・トー ปริญญาโท で「修士号」だ。
トゥリー→ ตรี は3番目(スリーから来たのか?)。バチェラーにあたる。
パリンヤー・トゥリー ปริญญาตรี で「学士号」だ。
チャタワー→ จัตวา が4番目。第4番目の意味である。
似た音のチャトゥラッ(ト)↑ จัตุรัส は、「正方形」である。
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そして、短母音サラ・ア ะ が変身する時の符号 ็ は、
「マイ・タイクー↑ไม้ไต่คู้ 」である。‘滞空’で覚える。
また、「繰り返し符号(反復記号) ๆ 」は、マイ↑・ヤモッ(ク)↑ ไม้ยมก。 。
ヤモッ(ク)↑ ยมก は、二重、双子の意味。
「省略符号 ฯ」は、パイヤーン→・ノーイ↑ ไปยาลน้อย 。
タイの首都クルン→・テープ⤵(バンコク)は、本当は長い名前なので、
กรุงเทพ ฯ クルンテープ、天使の都(略)と記す。
「無声符号(黙示記号) ์ 」は、ガーラン→ การันต์ である。
なお、5つの声調(ワンナユック วรรณยุกต์ )には、
スィアン(グ)⤴ เสียง (声、音の意味)に
上記のエーク以下の言葉を付けて呼ぶ。
平声は、スィアン(グ)⤴・サー⤴マン→ เสัยงสามัญ
(サー⤴マン→สามัญは、「普通、ありふれた」の意味)
低声は、スィアン(グ)⤴・エー(ク)↓(第1声)เสียงเอก 、
落声は、スィアン(グ)⤴・トー→(第2声)เสียงโท、
高声は、スィアン(グ)⤴・トゥリー→(第3声)เสียงตรี、
昇声は、スィアン(グ)⤴・チャタワー→(第4声)เสียง จัตวาである。
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以前、子音の頭に乗せるサラ・ア ั と
マイ・トー้の小さいマークの見分け方を
伝えたが、
マイ・タイクー็とマイ・トゥリー๊が、
ともに子音の頭の上で寝転んでおり、
見分けにくい。
上の横線が跳ね上がっているのが、マイ・タイクー็、
下から上に跳ね上がっているのが、マイ・トゥリー๊と
覚えておく。マイ・トゥリーにはあまりお目にかからないが。
マイ・タイクーは、タイ数字の8๘、マイ・トゥリーは、7๗と同じかな。
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ところで、タイ語を辞書で引く場合、
どんな順で出てくるだろうか?
子音のゴー→ガイ↓の順が基本だ。
そして、母音記号が付いたものは、
各子音の中で、どんな順になるだろうか?
おおよその順で言うと、
アッ ัะ が、最初。
そしてイッิ、イーี、
2種のウッึุ、ウー ืู、
それからサラ・エーเ、サラ・イエーแの付いたものが
出てくる。
その後に、サラ・オーโ、サラ・アイใ、ไなどが出てくるといった感じだ。
タイ語の辞書(タイ英辞書)を引けるようになると面白くなる。
次回は、いよいよ最後に近くなるが、
肝心の高子音、中子音、低子音(二つに分けられる)
グループの文字をまとめるとともに、
5つの声調を奏でるときの各グループの
興味深い連携について触れておこう。
(19へ続く)