クラブ・スピードの速さがそのまま
ボールの初速に伝わるわけではない。
クラブからボールへの速度の伝わり方が悪いことから、
飛距離が損なわれていることが、「スマッシュ・ファクター」
の低さから見て取れた。
クラブの速度が、ボールにうまく移ると5割近くスピードが増す。
男女プロとも、ドライバーで1.48倍(つまり5割近く)速度が増す。
7番アイアンだと、男子で1.33倍、女子で1.37倍だ。
でも自分の場合、この倍率(スマッシュ・ファクター)は、
ドライバーで1.37倍、7番アイアンで1.27倍と低い。
その結果、ドライバーがボールに当たってのボールの初速だが、
女子プロのボールの初速の87%ぐらいにまで落ちる。
クラブ・スイング速度の差は95%くらいなのに・・・。
ドライバーのスマッシュ・ファクター0.10倍分の差は、
距離にして20ヤード近くの差になると言われる。
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クラブのスピードがボールに加速して移るとき、
自分の場合は十分エネルギーを伝えきっていないということになる。
効率を上げるには、いろいろあろうが、基本以下の3つが重要と言われる。
①【インパクト・ポイント】
ボールがちゃんとクラブフェースのセンターに当たっているか?
これは、トラックマンのパラメーターには直接ないが、実感としても大事だ。
力を入れて外すことが多い。
より正確にクラブのセンター・ポイントでヒットするためには、
少々クラブ・スピードゆったり目でもいいそうだ。
トラックマンでの計算だと、クラブ・スピードを時速5km近く
増やしても(例えば、時速145kmを150kmに)、
スマッシュ・ファクターを落とすアマチュアが多く、
結果スマッシュ・ファクターが0.06倍分減ると(例えば、1.44倍から1.38倍へ)、
ボールの初速は、ヘッド・スピードの上昇にもかかわらず、
むしろ時速3km分ほど落ちてしまうそうだ。
逆に、ゆったり振ってインパクト・ポイントを良くし、
スマッシュ・ファクターを上げれば、ボールの初速が増す。
スマッシュ・ファクターが、0.06倍分改善すると、
ヘッド・スピードが時速5km分遅くなっても、
ボールの初速は、時速3km分速くなるということだ。
センター・ポイントで打つ重要さは、
真ん中に当たるとトランポリン効果で
ボールが飛び出していくのに対し(プラス効果)、
中心を外れて打つと、その分、クラブにツイスト現象が
見られ、ボールの初速を損なうためだ(マイナス効果)。
ダブルで効く。
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②【フェイス トゥ パス(クラブ・パスとフェース・アングルの関係)】
クラブの走る軌道(クラブ・パス、左右方向)が、クラブ・フェースが
ボールに当たるときの左右方向の角度(フェース・アングル)と
どれだけずれているか?
クラブ・フェースの当たるときの左右の向きと、
クラブの走る軌道の方向がずれていると、エネルギーをロスする
ことは想像できる。
ことに、フェースが開いていたから閉じて打とうなどと
‘コンペンセイト’の動きをすると、ろくなショットにならない。
自分の場合、ドライバーも7番アイアンも、クラブ・パスは平均、
右へ1.3度(左打ちだから、左へ1度位の方が、イン・アウトで良いのだが)、
インパクト時のフェース面は平均ややオープン(左へ1度)なので、
“ずれ”(FTP,フェイス・トゥ・パス)は、左へ2.3度となった。
コーチから、「やや左向きのスタンスにして(クラブ・パスをやや左へ)、
ショット時にもう少しグリップを効かせるよう」に言われたのは、
このデータからうかがえる。
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③【スピン・ロフト角】
「スピン・ロフト角」が大きいと、スマッシュ・ファクターの低下に
つながりやすい。
スピン・ロフト角とは、ダイナミック・ロフト角からアタック・アングルを
引いたものだ。スピン量を引き出す角度と言われる。
つまり、クラブ・フェースの動いていく縦の角度(ダイナミック・ロフト)から
クラブ重心の打ち込み角度(アタック・アングル)を引いたものだ。
スピン・ロフトが大きいと、スピン回転数が増えるが、
球速への伝達エネルギーは減り、スマッシュ・ファクターが減る。
自分の場合、アタック・アングルは、ドライバーで3.5度、
7番アイアンでマイナス2.8度と、わりに低く、
またダイナミック・ロフトもそれぞれ14度、27度と
そう上を向いてもいないので、
スピン・ロフト角は、それぞれ13度、32度と、大きくはない。
プロ男子、プロ女子、アマ・スクラッチプレーヤーは、
それぞれ、14.7~15.0度、25~26度ほどだ。
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以上のデータから見て、
自分の場合、スマッシュ・ファクターが、ドライバーの場合、
1.43から1.32まで散らばっていて、なお平均が1.37と低いので、
おそらくインパクト・ポイントがセンターを外れることが多いのだろう。
ティーアップしない3番ウッドなどで、よく証明される。
素振りで、練習場の低いティーの位置を常に通過できるよう努めたい。
またどうも、縦の角度より、横の角度が悪いようだ。
クラブ軌道がアウト・インに入ることが、わりに見られる。
その分、グリップを効かせて打って、ひっかけることを怖がっている。
やや左に向けたスタンスを取り、ゆったりとグリップを効かせたいものだ。
ボールの飛行高度も高すぎないように努めてみよう。
(終わり)