静岡県の菊川に行った折、
隣の金谷から出ている大井川鉄道に乗って
大井川を散策してみた。
降りたのは、途中の「桜トンネル」のある「家山」(いえやま)。
島田市に属する家山から二つ先の川根温泉まで、
大井川沿いに1時間ほど歩いた。
3月下旬だったが、桜はまだ6分咲き。
むしろ広い川辺の若葉の緑が春を告げ、きれいだった。
途中長い駿遠橋を渡る。
江戸幕府の自然の防衛川となった大井川に
橋ができたのは、明治になってからのことだそうだ。
大井川は、昔の駿河(静岡東部)と遠江(静岡西部)を
分ける大河。
地名というのは面白い。
駿河、つまり駿馬のような急峻な川の名は、富士川の
急な流れからきているという。
また遠江(とおとうみ)、つまり遠くの湖の名は、大和から見て近い湖、
近江に対する浜名湖のことを指したと言われる。
近江と遠江、対比してみたことはなかった。
ちなみに、遠州森の石松(遠州森町村出)は、
遠州から大井川を渡って、駿河は清水の次郎長の
子分になったということになる。
川根の温泉は熱く気持ちの良い湯だった。
川根茶はおいしかった。
お茶は、菊川や掛川のお茶が最高だと思っていたが、
山が川に迫る川根は、霧が立ち込め、最高のお茶の産地だそうだ。
大井川鉄道は、SLの走る鉄道として有名だ。
上り下り一日に一本ずつ。
線路にはそれを待ち構えるカメラマン。
川根温泉駅近くの沿線には緋色の桜が美しかった。