2015年 06月 10日 ( 1 )
アジアの街角から第3回 脱ぎ散らかされた履物
タイ人の生活感覚、やや大げさに言うとタイ人の
人生哲学は、履物の脱ぎ散らかし方に見られるかもしれません。


タイ人の家は日本と同様に、土足は脱いで家の中に入ります。
その際日本人ですと、きちんと履物を揃えて上がります。
タイ人はそんな手間はかけず、まさに脱ぎ散らかして上がります。
場合によっては靴やサンダルが裏返しにひっくり返っていますが、
おかまいなしです。


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物事をきちんとしておかないと気がすまない日本人から見ると
なんともだらしなく見えます。
我々は家や学校で、履物をきちんと揃えることを学習させられましたから・・。


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タイ人が何事にもだらしがないわけではありません。
むしろ見かけを尊ぶ彼らは、日本人がアイロンのかかっていないシャツや
ズボンをはいて外出しているのを見ればまゆをひそめます。
下着にまでもアイロンをかける国ですから・・。


履物を揃えないことは、単なる習慣の違いとも言えましょう。
しかし一事が万事、そこにはタイ人の人生哲学が表れているとも言えます。


彼らに聞いてみましょう。「なぜ履物をきちんと揃えないの?」
答えは理屈っぽく言うとこうです。
「また履くときに、どうせ揃えざるを得ないでしょう。
どちらの状態でも結果的に大差はないでしょう。
なぜ脱ぐときにいちいち揃える手間を取らなければいけないの?」
と言うことになりましょう。


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確かに履くときは揃えなければ履けません。
脱いだとき揃えておくか、履くときに嫌でも揃えるかの違いでしょう。
彼らからすれば、脱いだとき揃えておくメリットが見えないのです。


こうなると、効率性の議論ではなく見た目のよさの議論になります。
日本人が揃えておくのは、その間見た目が整っているからです。
効率性よりも美観の問題になります。


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ここでまた、タイ人は美観を尊ばないわけではありません。
乱雑に散らかしておいても支障がなければあまり気にしませんが、
道路や木々は通行に関係しますので、比較的きれいに手入れがされています。


日本人は、秩序だった整然とした状態が好きです。
高校野球の入場行進など指先まできちっと伸ばしていますね。
ドイツ人が尊ぶ「オルトヌング」(英語のOrderに当たる秩序の意味)を
日本人は好みます。


これに対して、タイ人はあまり秩序だっているとか気にしないようです。
タイ人だけではありませんね。
アメリカの野球のベンチの中はごみだらけで平気ですし、
インド人は、仕事の仕上がりでも、結果さえ良ければ途中経過は
どうでもいいと言い切ります。


@@@@@


タイ人の靴の脱ぎ散らかしを見てだらしがないと思うより、
あまり几帳面に細かいことを気にしない、おおらかな人達なんだなと
思った方がよさそうです。
あまり人生を楽しむのに影響ないことはどうでもいいのです。



人生全般、あまり面倒なことは避け、気持ちの良いことを楽しむのが
彼らの人生哲学ですから(当たり前のこと?)、
脱ぎ散らかした靴も履けば左右きちんと揃うということでしょう。


(このシリーズは、2013年9月から2015年4月まで、20回にわたり、
雑誌「経営財務」のコラムに連載されたものです)
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by ucci-h | 2015-06-10 14:31 | アジア的な生活 | Comments(0)
  

北タイのチェンマイをベースにメコン、アセアンの経済、見所、食べ物を日本と比較して紹介します。ただし投資をアドバイスするものではありません。コメント記入は題字をクリック下さい。
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