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カテゴリ:ベトナム・フィリピン・ネシア( 43 )
アジアでがんばっていたインドネシアも成長鈍化
一時に比べ成長が鈍化しているアジア圏経済の中で、
1年前は高い成長でがんばっていたインドネシア経済だが、
ここ2013年後半に来て、鈍化の色が目立ち始めた。

「世界不況の中でも伸びているインドネシア経済の中身 2012-9-14」
http://uccih.exblog.jp/16748127/

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その大きな要因は、①中国の経済減速に加えて、
②米連銀の量的緩和縮小の思惑の中での外資の
流出だったろう。


インドネシアのような人口2億4千万人もかかえ、
内需・インフラ投資で伸びている国でも、
中国はじめ主要市場の減速による資源価格の下落、
外資の流出による投資意欲の減退には抗し切れない。


@@@@@


9月初めに発表された7月の貿易収支は、輸出価格の下落中心に、
23.1億ドルの赤字と、前月の8.5億ドルから急増、
史上最大の赤字幅となった。株式市場は驚き、急落した。


第2四半期の経常収支も、98億ドルの赤字に拡大し、
90年代末のアジア危機以来の赤字幅となっている。


7月に1ドル=1万ルピアにのせた為替ルピアも、
その後下落が続き、9月末には1ドル=11500ルピアまで
価値を落としてきている。


@@@@@


また8月の製造業の操業指数は、15ヶ月ぶりの低水準に
落ち込んだ。
購買者指数は、8月に48.5と50を割り、企業の購入意欲が
下り坂に入ったことを示している。

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6%台だった成長率も、第2四半期には5.8%と
6%を割ってきた。


@@@@@


一方で、インフレは8月に8.8%と8%を超え、
4年ぶりの高さにある。


インドネシア銀行は、インフレ抑制と通貨の下落防止のために
9月12日には、政策金利を4ヶ月連続で、7.25%へ(5月までは
5.75%)上げてきているが、目立った効果はまだ出ていない。


一人当たりのGDPで、まだタイの3分の2である人口大国
インドネシア。
この際、一度成長を落として、インフレを抑え、貿易赤字を
縮小させることになるのだろうか?
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by ucci-h | 2013-10-07 22:21 | ベトナム・フィリピン・ネシア | Comments(0)
ベトナムの課題(後編):経済状態の改善で改革は先送りされる!?
経済環境の自律的変化が、ベトナムの悪かった経済数字を
2~3年前に比べて好ましいものにしているが、
逆に、この環境好転がベトナム共産党政権の
自立的経済改革を、また後回しにしてもいる。
ベトナムの経済改革はいっこうになされないまま流されている。

成長するアジアにあって、インドと並んでその潜在力を
発揮できないで来ているベトナム。
何が課題で、何が改革されないのか?

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ベトナムは、戦後の数次の戦争の疲弊から立ち直るため、
1986年よりドイモイ(刷新)政策を導入して、経済の開放路線を敷いた。
中国の経済開放に遅れること8年でしかなかった。

90年代には8%前後の高成長を見せたが、2008年以降
5~6%程度へ低下、ことに20%のインフレ退治の2012年は、
5.0%と13年ぶりの低い経済成長となった。
若い層を中心に9千万人の人口を持つのに、伸び切れないでいる。

ベトナムがここ5~6年その経済潜在力を十分発揮できないで
来ているのは、共産主義体制のもとで積もったちりが多いからだろう。
中国の社会主義市場経済と同じ体制だが、成長率でひけを取って来た
のはなぜだろうか?

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中国がともかく経済優先でやってきたのに対し、
トロイカ体制をとり、政治面での安定を求めたベトナムの方が
経済政策もその後ギクシャクしたように見える。
中国とベトナムの経済運営の比較の研究はいくらかあるが、筆者は
まだ読み切れていない。
両国の経済運営体制の違いから、成長に差がついてしまったようだ。

社会主義体制がベトナムの経済発展を抑えてきたと言うより、
権力者、社会の上層部の癒着体制(これは社会主義ではない
発展途上国にも見られる、ここまでのビルマのように)と、
下部現場での放任が経済成長を阻害してきたように見える。

社会主義のドグマ自体が経済発展にマイナスというのではなく、
社会主義体制下での国営企業の闊歩、けじめの薄い融資体制、
また権力者同士の癒着、汚職腐敗の横行といったことが、
経済の足を引っ張り、インフレを助長し、不良融資の増大を
もたらしたと見える。

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とはいえ、今年の4月に見たようにベトナムの経済状況は
良くなってきている。ことに、2011年8月に23.0%をつけた
インフレ率が低下してきたことが大きい。2013年6月には6.7%まで
下がってきている。

 「数字で見るベトナム経済の昨日今日 2013-4-5」
  http://uccih.exblog.jp/18482602/

金利の引き上げが効いた感じだが、かつて盛んだった
不動産投資も後退し、不動産価格も沈静化してきた。

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2011~12年当時見られたベトナムの多くの経済問題のうち、
最大の問題は、銀行の国営企業などへの過剰融資と、
そこから発生した不良資産の拡大だった。
2012年10月には、前年7月に再選されたグエン・タン・ズン首相が
以前の経済失政を認めている。

不良資産の解消には、銀行の合併、不良資産の政府投資会社による
引き受けなどいろいろアイデアは出ていたが、インフレと金利の
ピークアウトで圧力が薄れ沙汰止みになっている。
また、国策企業の相次ぐ失敗についても人の入れ替え程度で、
抜本的なメスは入れられていない。

国営企業は、GDPの4割を生み出すと言われるが、
政府、官僚などの子弟らの大きな受け皿であるから、問題が多くても
なかなか減らない。時々、汚職が摘発されるのも、政敵への牽制球で
あると同時に、浄化しているとの姿勢の顕示だろう。

2012年4月にも、共産党政治局員の娘(24歳)が、国有建設会社の
社長に任命され、ピンクの服とハイヒール姿で工事現場を歩いている姿が
インターネットに載り、物議をかもした(彼女は6月に辞任したが)。

グエン・タン・ズン首相の娘は、べト・キャピタル証券を経営しているし、
二人の息子のひとりは建設副大臣だ。
またほとんどつぶれかかった国策造船会社ビナシンには、会長の
娘・息子含め3人の家族がトップ・ポジションを占めていたと言われる。

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中国の国有企業の生産比率は7割から3割ほどに減ったと言われるが、
ベトナムの国有企業の数が大きく減ったという話は聞かない。

そもそも、経済運営に失敗した首相が、経済状況が最悪の中で、
政治バランスを保つべく2011年7月に再選されたように、改革の意思は
薄いように見える。
もっとも最近の2013年6月の議会における信任投票で、
グエン・タン・ズン首相の信任票は3分の2であり、3分の一が不信任票で
あった。

経済状態がよくなったので、痛みの伴う改革は先送りされる。
このままだと、ベトナムの経済体制への信任がなかなか
起こらないと見るのは筆者だけだろうか。
潜在力があるだけに、ぜひ改革を進めて欲しいものである。
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by ucci-h | 2013-07-06 20:45 | ベトナム・フィリピン・ネシア | Comments(7)
インドネシア・ユドヨノ政権の英断:エネルギー補助金縮小に踏み切る
東南アジアの中でその経済的プレゼンスを増す人口・資源大国
インドネシアだが、2014年の大統領選挙を前に、2013年6月21日、
ついにエネルギー補助金の大幅削減に鉈を振るった。

インドネシアは、かつてのOPEC(石油輸出国機構)のメンバーからはずれ、
今では原油の純輸入国だが、一度始めたガソリンなどの補助金制度は
麻薬のように止められず、国家財政に大きな負担でのしかかってきていた。

 「インドネシアを他山の石にエネルギー補助金を見直すタイ 2011-9-11」
  http://uccih.exblog.jp/14538049/

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インドネシアの燃料補助金額は、昨2012年で216兆ルピア(2兆2千億円)と
137兆ルピアの予算計画を大きく上回った。
成長する巨大な内需市場が、安価な石油の消費を増やした。

2013年も、予算額194兆ルピアを上回り、297兆ルピア(3兆円)と
ほぼ3兆ルピア、国の予算総額の3割近くになると予想される。
石油消費量は、計画の4600万klを上回る5600万klに達するかと見られる。

補助金制度により、市価は、実際のコスト含みの価格よりも3割ほど安くなっている。
この補助金込みのガソリン価格リッター4500ルピア(45円)を、
6月22日より、44%引き上げ、6500ルピア(65円)とした。

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それでもなお、日本の150円はもとより、タイの108円ほどよりずいぶん安い。
ディーゼル油は4500ルピアから5500ルピアへ。
低所得世帯(月収15万ルピア未満)1550万世帯には、
援助として、総額9.3兆ルピア(930億円)の現金給付がはかられる。

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内需中心の成長を見せるインドネシア経済は、
2013年第1四半期6%の経済成長率を示している。
年間でも、タイなどを上回る6%ちょっとの成長が期待される。

エネルギー補助金の削減は、2013年のインフレ率(第1四半期+5.3%)を
1.5%ポイントほど上げ、若干の消費抑制要因になろうが、
選挙を翌年に控え公共支出は旺盛なので、景気の落ち込みは最小限だろう。

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ユドヨノ政権の英断と言えよう。
「選挙前だが、後の世代に負担が残らないように、今やる」と言っている。

インドネシアへの直接投資(海外からが75%)は、
2013年第1四半期、前年比31%増の93兆ルピア(9300億円)に達した。
シンガポール、日本、韓国などからの直接投資が盛んである。
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by ucci-h | 2013-07-03 15:24 | ベトナム・フィリピン・ネシア | Comments(0)
フィリピンの経済成長率が高い!
アジアの新興国経済も停滞し始めたという
日本のマスメディアの見出しを見るが、
そんなことはない。

2013年のアジア各国の実質GDPの伸び率予想を見ると、
日本を除くアジア10カ国の成長予想率(野村證券)で、
2013年は+6.1%。2012年の6.2%から
そんなに落ちない。

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確かに欧米経済の低迷や中国の成長率鈍化で、
アジア諸国の経済にも影響は出ているが、
自国に多くの投資機会と若い消費者層を抱えた国々。
今後も世界経済を引っ張っていくことに間違いはない。

中でも、フィリピン経済の伸びが注目される。
フィリピンの2013年第1四半期の経済成長率は7.8%と
中国の7.7%を凌ぐ勢いである。
国内消費と国内投資が経済を引っ張っている。

2013年全体の予想でも、フィリピンは6.4%成長予想。
アジアの中でも、中国に次ぐ高成長予想である。
第1四半期は、民間設備投資が47.7%増、
政府固定投資も45.6%伸びている。
学校、道路、橋の建設が進んでいる。

製造業も9.7%伸びているが、輸出向けというより、
国内の食品、家電、通信機器向け需要が旺盛なのが背景だ。


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フィリピンは、昨年来国債の格付けが引き上げられたが、
今年に入り3月(フィッチ)、5月(S&P)と、投資適格基準まで
引き上げられ、資金を調達しやすくなったことも大きい。
フィリピンは、政策金利低下の余地もあり、成長見通しが続きそうだ。

フィリピンは人口が9,680万人と多い。
そのうち日本の人口を追い越すだろう。
毎年、若い100万人が労働市場に入ってくると言うから、
老成国日本にはうらやましい話だ。
そんなに多くの労働者をフィリピン経済は吸収できないのだから、
日本が労働力を“輸入”してやればいいと思うが、そう動いていない。

第1四半期、一人当たりのGDPは6.1%伸びたと言う。
フィリピンの一人当たりGDPは、2012年で2,614ドル(世界127位)と
なお低い。タイ(5,678ドル、世界93位)の半分。
日本(46,735ドル、世界13位)の18分の1しかない。

しかし、1億人近い若い人口を抱えているので、
国全体のGDPとなると、2,500億ドル(2012年)。世界41位と上がってくる。
10%伸びれば、250億ドル増。
日本(5兆9,640億ドル)の名目GDPの0.4%の伸びに当たる。

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中国以外にも、東南アジアは、インドネシア(2億4,450万人、世界4位)、
フィリピン(9,680万人、世界12位)、ベトナム(9,040万人、第13位)、
タイ(6,440万人、第20位)、ミャンマー(6,370万人、第21位)と、
人口の多い国が5カ国もある。
この5カ国だけで、5億6千万人になる。
しかも、タイを除けば、平均年齢が若い。

5カ国のGDPを合わせれば、出遅れているベトナムとミャンマーを含めてだが、
ざっと1兆6,850億ドル(2012年)。
5カ国合わせた数字だが、世界12位くらいになってくる。
日本の3割近くになる。

数字遊びはこのくらいにして、
インドネシア、フィリピン、そしてベトナムの今後の
成長に注目したい。
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by ucci-h | 2013-06-08 01:20 | ベトナム・フィリピン・ネシア | Comments(2)
40年前の亡霊か、ベトナムからの「ボート・ピープル」が再び!?
「ボート・ピープル」---ベトナム戦争でサイゴン陥落の
1975年から10年ほど、ベトナムから漁船などに乗って、
海外に逃げる南ベトナム関係者や華人たちの数は、
100万人近くに及んだという。
香港やオーストラリアに舟で亡命した。

それから40年。
ボート・ピープルの話は、すでに過去の歴史の話かと思っていたら、
2012年から2013年にかけて、ベトナムからのボート・ピープルが
また増えだしたという。

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もちろん、40年前の戦争の後の規模には比ぶべくもないが、
ここ数年強まっているベトナムの一党独裁による抑圧、言論統制を
嫌って、国を捨てる人が増えていると報道されている。
もちろん政治的な理由だけではなく、ここ数年のベトナム経済の
低迷による生活苦も背景にあるのだろう。

2013年に入っても、460人がオーストラリアにたどり着いた。
過去5年の累計数を上回るという。
豪州領クリスマス島は、ベトナム本土から2300kmも
離れているが、漁船による命がけの航海のようだ。

ベトナム政府は、逃げるものは追わず、また迎えもしないという。
ベトナム戦争の後は、意図的に華人を追い出したともうわさされたが。

ただ、政治的理由にせよ、宗教的理由にせよ、経済的理由にせよ、
どういう背景か知らないが、
国を脱出する国民が増えるということは、共産党政権にとって
好ましいニュースとはならない。本当にそうなのか?
日本からの投資にも水をさされる。

ベトナムは9千万人の人口も若く、将来の経済発展が期待される。
しかし、ほぼ一党独裁による、経済運営の拙さや、国営企業の失策、
さらに政治的抑圧が強まるようだと、発展への助走路がなお長くなる。

2年前ホーチミン市を訪れたときのガイド君の言葉、
「この国では、なお好きなことが言えないんですよ」と言って
いたのが耳に残っている。

21世紀のボート・ピープル騒ぎも一時的な出来事で終わって欲しい。
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by ucci-h | 2013-05-12 17:27 | ベトナム・フィリピン・ネシア | Comments(0)
ベトナムの抱える課題(前編): 交通網はいつ整備されるのだろうか? 
前回見たように、ベトナムの経済は、立ち直ってきた。
 「数字で見るベトナム経済の昨日・今日 2013-4-5」
  http://uccih.exblog.jp/18482602/

2桁インフレが6~7%へ下がって来、
金利も同様に下がり、なお引き下げの余地がありそうだ。
下げ続けた為替ドンも落ち着いてきたし、
為替安の効果もあり、貿易収支もバランス化してきた。

今後は、①経済成長が高まるかどうか、
またその中で、②財政赤字の膨張を抑えられるかどうか、
そして、依然改善されていない③銀行の不良債権にメスが入れられるか、
また、④非効率な国営企業の整理が行なえるかといった
構造問題の行方が注目される。

ベトナム経済の抱える課題の特集、
第1回は,交通インフラの未整備についてである。


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ホーチミン市(サイゴン)へ行くと、そのオートバイの洪水に
びっくりし、また道路網が未整備なのに驚かされる。
道路は狭く、舗装されていないところも多い。

ベトナムの建設省によれば、
ベトナムの都市人口は、2,800万人。
全人口9,000万人の31%と、3分の一近くを占める。
そしてGDPの7割を生み出している。

ベトナム全土のクルマの保有台数は、3,700万台もあるが、
自動車は200万台ほど。バイクが3,500万台と圧倒的数を示す。
これからの経済発展で、バイクから自動車へのシフトが
進めば、都市の交通渋滞はいっそう激しくなると危惧される。

ホーチミンやハノイといった都市の人口密度はとても高い。
人口密度は、平方kmあたり25,000人から35,000人だというから、
シンガポールや香港の6,500人/平方kmを上回る混雑振りである
(もっとも、シンガポールは国だから公共施設に多く割いているし、
香港は山岳部が多い。住居地域だけ見れば、ベトナムの都市を
上回るだろうが)。

世界の都市で、人口密度の高い都市は、平方kmあたり1万人を超える。
インドのムンバイは、27,000人/平方kmにも達するそうだ。
ちなみに東京23区は、14,000人/平方km。

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ベトナムの2大都市に話を戻すと、
バイクも含めた車の数は、年12~15%増の勢いで
近年増えている。
都市の道路面積は7-8%しかなく、
交通需要の40%しか満たしていないといわれる。
国際的な標準では、都市面積の20-25%が道路に使われることが
求められる。

ベトナムの都市の道路不足は、行政の計画力の不足から
多くきている。
都市の社会経済発展計画を作るのに、9-10年かかり、
3-4年で様相を変えていく都市の顔に追いつかない。

それでも、都市の道路の混雑を緩和するため、
ベトナムはバス、地下鉄、モノレール、市街電車などの
公共交通機関の整備を目指している。

ホーチミン市では、7つの地下鉄路線、3つの市街電車路線が
計画されている。
2020年までに全長で160kmになる計画だ。
最初の20kmの地下鉄路線計画は、2012年8月にスタートしたが、
建設資材費が高騰したため、はやくも4年先に延ばされ、
2018年開業の予定となっている。
ODAからの開発援助資金も10億ドルから20億ドルに倍増している。
地下鉄計画は、2007年に承認されたが、
2003~6年時のコストをベースに作られたため、
時代に合わなくなった。

ハノイでは、2030年までに8つの市街電車路線が計画されている。
全長284km。うち5路線がすでに承認された。
8つの衛星都市とハノイ市内を結ぶことになる。
早ければ、2015~16年に開業できるというが、さてどうだろうか?

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ベトナムは、2011-2020年の10年間にGDPの3.5~4.5%を
輸送インフラに投じる計画を持っている(ビジョン2030)。
2012年時点で見れば、国のGDPは1,380億ドルだから、
48~62億ドルと、年50億ドル前後の資金を投じる計画だ。
ベトナム財務省は、10年間で800億ドルの資金が必要と
このほど推計したが、専門家は実際はもっとかかると見ている。

ベトナムの交通網の整備には時間がかかりそうだ。
直近の対策としては、都市では衛星通信を使い、混雑を
いくらかでも緩和する対策を採るというがどのくらい効果が
あるだろうか?

ホーチミン市を2年前に訪れてびっくりしたのは、
あの大都会に高速道路が見られなかったことだ。
一部作られ始めていたが・・。
JICAの協力でホーチミン市からゾーザイ地区へ向かう
最初の55kmの高速道路の竣工式が12年12月にあり、
早ければ年内には一部利用できるようである。

ベトナムの名物、「バイクの洪水」が無くなる日は
いつごろくるのだろうか?
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by ucci-h | 2013-05-02 00:52 | ベトナム・フィリピン・ネシア | Comments(0)
数字で見るベトナム経済の昨日と今日
成長するアジアの中で、その社会主義政権の
経済運営の拙さから、経済成長も貿易も為替も
物価安定も財政安定も取り残されてしまった
かつての‘アジアの虎’ベトナム。

株価は底を打ったようだし、さすがの2桁のインフレも
沈静してきたようだ。
ベトナム経済のなお抱える問題を見ながら、
ベトナム経済の反騰へのきっかけを探ってみよう。
 「3年ぶりに金利が下がり、株も上がってきたベトナム 2012-3-22」
  http://uccih.exblog.jp/15609742/

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数字で見るベトナム経済のきのう、きょうはどうなっているだろうか。

{インフレ率}

最大の問題であるベトナムのインフレ率は、2011年平均18.7%と
近年では2008年の23.1%に次ぐ高い物価高を示した。
2011年8月のピーク時には、前年比+23.0%をつけた。
2012年には8.1%へと沈静。直近の2013年3月は、6.6%と
落ち着いている。

もっとも、80年代から90年代初めまで2桁の高いインフレを記録した
この国の物価状況が、構造的に変わったとはまだ見えない。

{政策金利}

ベトナムの政策金利は、中銀が銀行に貸し出すリファイナンス金利と、
中銀が財務省証券を銀行から買い、ファイナンスする際の‘公定歩合’で見られる。

高進するインフレを抑えるべく、中銀は、2011年を中心にリファイナンス金利を15%、
公定歩合を13%まで引き上げたが、インフレの沈静化傾向を見て、2012年3月、
3年ぶりに政策金利の引き下げに踏み切り、1年間で、2013年直近3月末には、
それぞれ8%、6%まで下がってきた。

高インフレ時には、政策金利がこれに追いつかなかったが、
今はインフレ率の低下で、2013年なお金利低下の余地があると見られる。
世銀は、ベトナムの急速な政策金利の引き下げに対し、早計であると言っているが、
なお銀行の不良債権問題をかかえる国としては、これを緩和してやるチャンスと
捉えているのかもしれない。

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{為替ドン}

高いインフレ率と成長鈍化により、成長地域アジアの中で、
ベトナムはインドと並んで、為替が売られる国だった。
いや、積極的にドン安で貿易収支の建て直しを図ったといえよう。
2011年2月のベトナムの正月「テト」明けには、8.5%の対ドル
切り下げを行ない、‘参考レート’を1ドル=20693ドンと、1ドル2万ドン台に乗せてきた。
 「為替切り下げに頼るベトナム 2011-2-20」
  http://uccih.exblog.jp/12940756/

その後、インフレの沈静により、ドンは1ドル=20900ドン前後で、
ここ半年ほど落ち着いている。
また円安により、1円で265ドンほどしていたのが、
半年で220ドンになってしまった。それでもなおベトナムの諸物価は安いが。

{経常収支}

貿易赤字を中心に、2007年から2010年までの4年間、
年43億ドル~108億ドルと拡大した経常収支赤字は、
2011~2012年と、ようやくバランス化してきた。
為替安の効果も大きく、
貿易収支も、2012年1月以降、バランス化してきている。

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{経済成長率}

2012年の実質GDP成長率は5.0%と
1999年(4.8%)以来13年ぶりの低成長だった。
国内の不良債権の縮小のため、成長は抑えられた。
2013年は、5.5%と見込まれる(世銀)。

{財政赤字}

経常収支はバランス化してきたが、財政赤字は、
なお積極的な(あまり効率的に見えない)財政投資により、
なお拡大している。
2012年の財政赤字の対GDP比率は4.6%。
2009年の7.2%よりはましだが、2012年の赤字134兆ドンは
史上最高額になってきている。

この先、財政赤字がなお膨らむようだと、
いかにしてこれをファイナンスするかが問題となってきそうだ。

{ベトナム株式}

2012年初めまで下がったベトナム株は、
2012年前半で、年初の底値336ポイント(ホーチミン株式指数)から
年央には490ポイントまで4ヶ月間で+46%の急騰を見せた。
その後11月末の376ポイントまで、半年間かけて調整した。

そしてその後、再び急騰、2013年4月始めには514ポイント(+37%)と
2012年5月の高値を抜いてきている。
時価総額800兆ドン(約380億ドル)ほどの小さなマーケットだ。
今後も値動きは激しいだろう。
2007年3月の高値は、1170ポイントだった。

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2012年8月末には、主要銀行「アジア・コマーシャル銀行」(ACB)の
創業者と総裁が、不正行為で逮捕されたが、
塀の内外をきわどく歩くと言われるベトナムの金融界のこと、
金融構造改革、銀行再編はなかなか進まないだろう。

今後、インフレの再燃、財政赤字の拡大、
銀行の不動産業への不良貸付になお注意しながら、
そのなお高い成長ポテンシャルに投資すべきだろう。
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by ucci-h | 2013-04-05 13:59 | ベトナム・フィリピン・ネシア | Comments(0)
経済失政を認めた6年目の首相の下、経済復活なるかベトナム
かねてから紹介してきたように、ベトナム経済は、
2000年から2007年にかけての8年間は、
平均7.6%という高い成長を示し“アジアのタイガー”と
呼ばれたが、2009年以降は平均5%台の成長に
落ち込み、成長する東南アジアの中では、「経済問題国」に
なってしまった。

経済成長率が落ち込んだだけでなく、
社会主義国の国有企業の赤字拡大、銀行不良資産の増大、
2桁のインフレ、貿易赤字の拡大、通貨ドンの下落といった
構造的な問題に苦しむようになった。

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幸い、世界経済の不況により、2011年平均18.7%まで高まった
インフレ率も、ようやく一桁で落ち着いてきた(2012年10月は7.0%)。
下落を続けた通貨ドンも、1ドル=20,900ドンほどで落ち着いてきた。

人口構成等から見てなお高い経済成長の潜在力を持つ
ベトナムだが、政治経済構造が柔軟性に欠けることから、
その力を発揮できないで来た。
平たく言えば、政治力、経済政策の不適格さから構造不振を
招いたと言えよう。

もっと平たく言えば、社会主義的計画経済の悪い面が出てしまったと
言えよう。市場の効率性が十分生かされてこなかった。
 「ベトナムの経済危機は国策会社の失敗から 2011-1-19」
  http://uccih.exblog.jp/12721961/

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というわけで、経済不振で問われるのは、ほぼ共産党独裁の
政治体制であった。
ことに、行政のトップである2006年就任のグエン・タン・ズン首相への
批判が強まってきた。
かつて中央銀行の総裁職にも就き、経済に明るいはずがうまく行かなかった。
しかし、彼は2011年7月に再度5年の首相に再任された(現在62歳)。

そして、2012年10月1日には175人のメンバーから成る
中央委員会が開かれ、会期も通常の倍の2週間と長く、
グエン・タン・ズン首相は矢面に立たされることになった。

しかし、ここでも彼は批判をしのいだようだ。
続く500人の議員の集まる国会(一院制)では、
インフレの収束を誇りつつ、経済運営の失政も認めたと言われる。

言論統制の厳しいベトナムからは、なかなか細かい経済政策の
変化が聞こえてこない(ベトナム語でも読めれば別かもしれないが)。
なので、変化の芽をなかなか見つけられない。

このインフレの落ち着きを契機に、失政を糧に、2期目の首相が、
赤字拡大の国有企業の改革、銀行の不良資産の処理、貧困層の減少に
どういった手を打てるのか、ここ数年が注目される。

 「ベトナムの不良貸し出しにメスが入れられるか 2011-12-30」
  http://uccih.exblog.jp/15190401/

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ベトナムの株価の方は、2012年1月の239ポイント(ホーチミン株価指数)を
底に、5月の高値486ポイントまで、43%ほど上昇したが、
その後、11月はじめには370ポイント近くまで反落している。
8月の大手銀行総裁の逮捕など、経済敗戦の処理が、今は足を引っ張っている。
ベトナムの株価は、企業業績に対し、割安になってきたようだが・・。
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by ucci-h | 2012-11-05 11:54 | ベトナム・フィリピン・ネシア | Comments(2)
世界不況の中でも伸びているインドネシア経済成長の中身
欧州の経済危機が続き、アメリカの景気回復も鈍い中で、
高成長地域アジアの経済成長も鈍ってきた。
多くが輸出に頼る経済だからだ。
タイも例外ではない。

その中で、東南アジアの大国インドネシアだけはがんばっている。
先ごろ発表された第2四半期のGDPの前年同期比伸び率も6.4%と、
G20の国々の中では、中国の7.6%に次ぐ、2番目に高い伸びとなっている。

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インドネシアの経済成長率が、現在の世界不況の中で、なぜなお高いのか?
理由は、低金利を背景に国内での官民の投資が高い勢いで伸びているからだ。

第2四半期、輸出は、前年同期比16.4%も落ちている。
輸入は10.7%伸びているので、貿易赤字は13.2億ドルに拡大、
過去5年の最大幅の赤字となっているが。

高いGDPを支えたのは、固定資産投資の24%という高い伸びである。
ことに、道路、港、空港を作るというインフラ投資が、ユドヨノ大統領の掛け声の下、
進められている。

GDPに占める投資の比率が、第2四半期には32.9%も占めたと言うから、
高度成長時代の日本や90年代の韓国を彷彿させる。

インドネシアは、資源と人口に恵まれた大国である。
いずれ世界経済を引っ張る一国になるだろう。
日本の倍近い人口を抱える国内消費市場への期待は高い。

現在の積極的なインフラ・設備投資は、将来の消費拡大を
先取りしたものと言えよう。
労働問題などが先鋭化しているが、国内市場が順調に伸びれば、
現在の先行投資とうまくかみ合うのだろう。
もし、国内市場の伸びが期待はずれに終わるようだと・・・。

今のところ、世界第4位の人口大国インドネシアは、第2位のインドの
経済の伸び切れないのと対照的に、世界の不景気の中で伸びている。

もっとも、インフラ投資が進む中でも、
需要の伸びに能力が追いつかないという「電力不足」の問題は、
なお改善に向かっておらず、成長の足を引っ張りがちである。

ここ3年で、電化率はむしろ落ちてきており、
電気の届かない人口は8600万人、全人口の3分の一に上ると言われる。
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by ucci-h | 2012-09-04 12:32 | ベトナム・フィリピン・ネシア | Comments(5)
富が集中しながら高成長する資源大国インドネシアの今後は?
“後進国”インドネシアでは、ここ数年、年6%以上の
経済成長を果たし、毎日16人ずつのミリオネア(百万ドル長者)が
生まれていると言われる。

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経済が成長しているだけでなく、資源を豊かに持つ国だけに、
資源を持っている人間の資産の増加が著しい。
世界一の産出を誇るパーム油の価格は、2006年以降2倍に
なっているし、高い産出量を誇るゴールドの価格も3倍になっている。
その他、石炭、鉄鉱石、ニッケルと豊かな資源を持つ。

そのため、エルメスのバッグは高いものは5万ドルで売買され、
1台100万ドルするランボルギーニの高級車は、6ヶ月待ちだという。

マッキンゼーによると、月収7千ドル以上の高所得家計は、
現在の1700万世帯から、2020年には2500万世帯に
5割近く増加すると見られる。

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一方、全人口の40%にあたる1億人は、1日2ドル以下で
暮らしていると世銀は言い、インドネシア人の平均月収113ドルは今や中国の
3分の一だとも言われ、貧富の格差が大きく開いている。

中産階級が1億3300万人と拡大していると言われるが、
そのうち6千万人は、1日2-4ドルの消費である。
労働争議、ストが頻発しているわけだ。
政府も、エネルギーへの補助金をやめられずにいる。

貧富の差をはかる「ジニ係数」は、スハルト政権が倒れた1998年の
0.32より、今は0.38と高くなっている(差が広がっている)。
さらに、ハーバード大学の調査だと、インドネシアの真のジニ係数は
0.45ともっと高く、フィリピンやカンボジアと同等だという。
ちなみに、ジニ係数0.4ラインが社会騒乱発生の警戒ラインと言われる。

一部がますます富み、いずれ国全体が豊かになると見れば良いのか、
それとも、偏った富の蓄積は社会不安を招くのか?
正解はどちらでしょう?
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by ucci-h | 2012-04-25 12:50 | ベトナム・フィリピン・ネシア | Comments(0)
  

北タイのチェンマイをベースにメコン、アセアンの経済、見所、食べ物を日本と比較して紹介します。ただし投資をアドバイスするものではありません。コメント記入は題字をクリック下さい。
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