カテゴリ:タイの銀行・保険( 13 )
マレーシアのトップ銀行となり国外展開を強めるCIMBグループ
「CIMB」銀行グループは、マレーシアに本拠を置き、
アセアンでの国際展開に積極的な銀行である。
社名は、「コマース国際マーチャント・バンカー」の略である。

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アセアンの銀行は、以前紹介したように、総資産規模で、
シンガポールの銀行が1~3位、マレーシアの銀行が4~6位、
タイの銀行が7~9位とランクされる。

 「アセアン中でもタイでの拡大狙うマレーシアのCIMB 20111-11-17」
  http://uccih.exblog.jp/14957007/
  

マレーシアのトップ3銀行の中では、CIMBは第2位だが、
今回の他の2つの金融機関、資産運用のRHBキャピタルと
住宅金融のマレーシア・ビルディング・ソサイアティー(MBSB)の
併合が成功すれば、トップの「メイ・バンク」を抜いて、
マレーシアトップに躍り出る。


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CIMBは、ここタイでもCIMBT(タイCIMB)として事業展開しているが、
インドネシア、シンガポール、ブルネイなどでも地歩を固めている。
タイでは、ことに資産運用分野と年金運用分野での拡大を図っている。


今般、CIMBは、カンボジア、ベトナム、ミャンマーの3カ国でも
外国銀行の免許取得に動いている。
ことに、ミャンマーはマレーシア以外の各国の銀行も狙っている。


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CIMBは、また、アジアで最大のイスラム系銀行でもある。
シャリーアにより金利付与の禁じられているイスラム世界の中で、
「スクーク」と呼ばれる利潤の得られるイスラム債の
ブックランナーになっている。

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また、現在のCIMBの総裁は、47歳と若いナジール・ラザックである。
マレーシアの現首相ナジブ・ラザックの弟である。


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CIMBの主要株主は、「カザナー」と呼ばれるマレーシア政府の
投資エージェントで、CIMB株の30%ほどを所有する。
これに続くのが、「従業員プロビデント・ファンド」(EPF)と呼ばれる
年金基金で、14.5%ほどを所有している。


今回、CIMBと一緒になる予定のRHBキャピタルの
主要株主は、40.8%を持つEPFと、21.4%を所有する
アブダビの「アアバール投資」会社である。


また、もうひとつの合併会社MBSBの64.7%の株も
EPFが持っており、合併後の会社の25%ほどは
EPFが持つことになり、カザナーと並ぶCIMBの大株主となろう。


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合併後のCIMBの総資産は6,140億リンギ(約18.5兆円)となり、
現在までトップだったメイ・バンクの5,780億リンギ(約17.9兆円)を
上回りそうである。


CIMBグループの今後のアセアン経済圏での展開が注目される。
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by ucci-h | 2014-08-04 11:38 | タイの銀行・保険 | Comments(0)
97年のバーツ危機時の金融機関救済の負担が、今頃タイの銀行に降りかかってきた
タイを襲った「バーツ危機」(1997年)から今年で
15年になる。
街中に建てかけのビルの鉄骨はなお残るが、
今や、タイの商業銀行、金融システムは、欧米と違って
磐石に見える。

タイの銀行は、ここ数年預金も、ローンも、利益も
地域の経済成長に合わせて、高い伸びを示してきた。
しかし、ここにきて、そのタイの商業銀行が荷物を背負わされる
ことになりそうだ。

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事は、まさにバーツ危機に発する。
バーツ危機の折り、政府は商業銀行を救済した。
その借金の残高が1兆4千億バーツ(3兆6千億円)。
今は1兆1400億バーツに14年間で少し減ったが、
国にとってはなお大きな負担である。
名づけて「FIDF」(金融機関開発基金)。
年間600億バーツほどの利払い負担が続く。

ここにきて、水害対策など政府の歳出が増えることから、
タイ貢献党政権は、このお荷物の移行を考えた。
中央銀行に利払いをさせようというわけである
(その分、財政赤字は小さく見える)。
「中央銀行には外貨準備という大きなお金があるからね」と言う。

中央銀行は、拒否する。
「どこの国でも国が民間を助けて債務が残ったら、
財政で処理していくものでしょう。中央銀行には、利払いを捻出できる
収入などない」と拒否する。

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しかし、政治の力では政府が勝る。
中央銀行は、このお荷物をしょわされてしまうようだ。
中銀は、どうやって年間600億バーツにのぼる利払いに
対応する収入を確保するか?
中央銀行がやり取りする相手は、民間の金融機関しかない。

現在、タイの中銀は、商業銀行から、預金残高の0.4%にあたる
預金保険料を、傘下の「DPA」(預金保護機構)を通じて徴収している。
0.4%自体アセアンでは高めのほうだというが(ちなみに日本では
現在0.189%)、これに上乗せして徴収しようということになる。
現在の保険料収入は年間300億バーツ。
そのために、政府は上限1%まで徴収できる政令を出している。

この預金保険料、政府系の銀行である「GSB」(政府貯蓄銀行)や
「BAAC」(農業農協銀行)からは取っていない。
政府系と民間金融機関の条件の差が、なお開くことになる。

中央銀行は、内容はまだ明らかにしていないが、
この預金保険料率を上乗せして徴収することや、
預金と違って保護の対象になっていない、最近大きく伸びているB/E
(銀行の為替手形であるビル・オブ・エクスチェンジ)にもかけようかとか、
法人税の引き下げで、企業からの銀行預金が増えるのでそれをねらおうかとか、
いろいろ算段しているようだ。

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いずれにせよ、中銀の負担となると、銀行の負担、
ひいては預金者とローンの借り手の負担となる。
政府が利払いを担っていたときは、納税者の負担だったが。

何が変わるか?
いずれにせよ国民の負担になるのは変わらない。
しかし、金融機関の潤滑油を掬い取ることになる。
財政規律が甘くなるだけでなく、国の経済の血液のポンプ役
の金融機関を巡る資金に水が差されるということは、
タイの経済にとってけっして好ましいことではないだろう。

これをきっかけにタイの商業銀行の活力が削がれる
という心配は取り越し苦労に終わればいいが。
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by ucci-h | 2012-01-20 00:12 | タイの銀行・保険 | Comments(0)
タイで最古参の外資系銀行HSBC、タイでのリテール・ビジネスも売却へ
世界の銀行業が、信用危機に次ぐ欧州ソブリン債危機に
揺れる2011年末の今、主要銀行の緊縮化が欧米で展開している。
アジアで長い歴史を持つHSBC(香港上海銀行、総資産2.7兆ドル)も
その例外ではない(現在の本社はロンドンにある)。

2011年、HSBCは、世界で30,000人の人員削減を
行なってきた。2013年までに35億ドルの経費削減を目指している。
7月には、1980年に買収した米国の旧マリーン・ミッドランド銀行の
ニューヨーク州の北部の150年の歴史を持つ192支店の売却を決めている。
また、日本でのプライベート銀行業務(運用資産27億ドル)も売却、
採算の悪い世界でのリーテイル・バンキング(チリ、ハンガリー、
グルジア、イラク、ポーランドなど)からの撤退に熱心である。

そして、このたび、タイでのリテール・ビジネスをタイ第6位の
アユタヤ銀行(BAY)に売却することになった。
売却代金は、12.8億ドルと推定される。

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HSBCのタイでの活動は120年と、外資系では一番長い歴史を持つ。
19世紀末に、タイ政府の鉄道建設に資金を提供している。
リテール・ビジネスの売却とは、具体的には、
300~400億バーツのローン債権と、
50万人分のクレジット・カード・ビジネスをアユタヤ銀行に移すこととなる。

タイ6位のアユタヤ銀行(総資産293億ドル、綴りは違うが、
水害のあったアユタヤが発祥地)は、リテール銀行ビジネスに熱心で、
クレジット・カード保有者も4百万人を持ち、タイの商業銀行で
トップ・クラスだ。米国GE社が株式の33%を保有している。

グローバルな銀行は、地元で小口のリテール・ビジネスを、
ローカルに展開する地元の銀行と競うことは、所詮得策ではないと
言うことになるのだろうか。

一方、2012年より、タイにおいて外資系銀行(現在15行)は、
支店20店舗まで持てる子会社の設立が可能になる。
タイと中国や近隣国との投資活動が活発になってきていることから、
中国銀行やシティバンク、マレーシアの銀行の拡大が
見込まれる。
日本の三菱UFJ、三井住友、みずほはどう対応するのだろうか。
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by ucci-h | 2012-01-01 12:34 | タイの銀行・保険 | Comments(2)
中国の「ICBC」ブランド、国外への浸透はかる
中国の製品やサービスが世界に広まってきたが、
中国のブランドにはあまりなじみがない。
チンタオ・ビールや、コンピュータのレノボ、
車のチェリー、電気製品のハイアール、ファンタジア、
それにペトロ・チャイナくらいだ。

しかし、チェリーの車は安いけど、タイでは人気はないし、
ファンタジアのテレビは買って一ヶ月で映らなくなった。
タイでは、まだまだ中国製品への信頼性は薄い。

中国は、世界市場に出て行くに当たって、自国のブランドを
もっと知ってもらおうと努めているようだ。
中国のWPPアドバタイジング・グループによると、
中国でもっとも知られたブランド・トップ10の中に、
2~5位までに、中国の4大銀行の名が入っている
(1位は、「チャイナ・モバイル」である)。

世界の最新の銀行番付を見ると(総資産ランキング)、
トップ15行の中に、中国の4大銀行が顔を出している。
http://www.bankersalmanac.com/addcon/infobank/bank-rankings.aspx

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世界第6位に、ICBC(中国工商銀行)、
第9位に、CCB(中国建設銀行)、
13位に、BOC(中国銀行)、
15位に、ABC(中国農業銀行)である
(ちなみに、2010年末の世界トップは、
フランスのBNPパリバの2兆6750億ドルである。
香港をベースとするロンドン本社のHSBC香港上海銀行は
21位)。

そのトップのICBCだが、世界各国に支店網を
広げており、北タイのチェンマイにもICBCタイランドの支店がある。
中国企業の海外進出が増えるにつれて、これに付随し、
進出企業のニーズをつかむべく、中国の銀行の進出も増えるだろう。

日本の銀行は、多く海外から引き上げたままかな?
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by ucci-h | 2011-12-17 13:21 | タイの銀行・保険 | Comments(2)
アセアン中でもタイでの拡大狙うマレーシアのCIMB銀行
成長するアセアンにおいては、欧州と違って、銀行業が
成長しつつ、比較的健全であることが、経済基盤の強みと
なっている。

アセアンにおいては、2015年の経済統合に向けて、
銀行間の競争も激しくなっているが、総資産規模で
上位10行をみると、シンガポールの銀行が3行、
マレーシアの銀行が3行、そしてタイの銀行が4行と
この順に並んでいる。

中国、日本、豪州の銀行はもちろん入れていないが、
香港に本店を持つHSBC(香港上海バンク)は、古くから
東南アジアで活動しているから、アセアンのトップに
置いていいかもしれない(総資産6500億ドル)。

ちなみに、英国に本社のあるHSBCホールディングスは、
1991年に、英ミッドランド銀行買収などで作られた
香港上海バンクを核とする持株会社である。

シンガポールの3行は、総資産順に
DBS(シンガポール開発銀行、総資産2320億ドル)
OCBC(華僑銀行)
UOB(大華銀行、タイでも12位ほどの規模でがんばっている)、である。

続くマレーシアの3行は、総資産順に
メイ・バンク(マレーシア銀行)
CIMB(前身はブミプトラ商業銀行、900億ドル)
パブリック・バンク、である。

タイは、総資産順に、
バンコク銀行 660億ドル
クルンタイ(KTB)銀行 
カシコーン銀行 
サヤム商業銀行(SCB)、と並ぶ。

タイの主要銀行については、以下参照されたい。
 「タイの銀行の預金保護が縮小する 2011-1-3」
  http://uccih.exblog.jp/12625423/

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さて、このうちアセアン第5位のCIMBであるが、
アセアン市場での拡大を狙って、着々と手を打ってきている。
以下は、クアラルンプールで行なわれた、CIMBのラザックCEOの
バンコク・ポスト記者とのインタビューの内容である。

先月末には、クアラルンプールのマインズ・リゾートで、
PGA公認の「CIMBアジアパシフィック・クラシック」ゴルフ選手権
が開催された。

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CIMBは、マレーシアだけでなく、タイ、シンガポール、インドネシアにも
支店網を持つ。国外も含め、支店数は1100以上である。
900億ドルの総資産規模は、現在アセアンで5番目の規模の銀行である。

成長するアセアン経済だが、古くからの欧州の銀行は、欧州の信用問題の
深刻化から、撤退を増やしており、CIMBにとっては、拡張の好機である。
CIMBは、そういったところからローンを買い取っている。

マレーシア国外での拡大を目指し、各国の投資家からの出資を歓迎している。
シンガポールでは、国営投資会社テマセックからの出資を求めている。

タイでは、2009年5月に、バンク・タイの42.1%の株式を取得した。
現在では、93.15%を握り、「CIMBタイ銀行」という名で、タイにおいて
銀行業を拡大している。現在タイで10位くらいの規模である。

また最近、タイ6位の銀行、アユタヤ銀行の筆頭株主GEキャピタルから
持株32.93%を譲り受ける覚書にも調印したと言われる。

証券業では、最近、バンコクのシッコ証券を7.68億バーツで支配下に
納めた。ラザック氏は、CIMBは、各国で証券業でもトップ3に入っているが、
タイでは25位なので、ここでもそれなりのポジションを持ちたいという。

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CIMBは、アセアンの各国で拡大したいようだが、
特にタイでのポジションのアップを狙っているようだ。
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by ucci-h | 2011-11-17 10:14 | タイの銀行・保険 | Comments(2)
タイの全国民向け新年金制度、来年5月よりスタート
タイの新しい国民向け年金制度が
いよいよ来年5月からスタートする運びのようだ。

報道によると、2012年5月8日より、
推定3500万人を対象にした新しい年金制度
「国民貯蓄基金」(NSF)が発足する。

以前お伝えしたように、タイでは公務員と
民間企業の従業員向けには、それなりの
年金制度があるが、自営業者、農民、非正規従業員
には、国が支える年金制度はない。
タイは、アジアでは高齢化が最も進む国のひとつだ。
「高齢化が進むタイの年金事情 2011-6-26」
http://uccih.exblog.jp/13893262

この新しい制度は、民間企業従業員向けの
強制加入の老齢年金制度と異なり、任意加入の
制度となり、他の年金制度から漏れている
あらゆる仕事の人間を救済する制度となる。
任意加入だが、政府は2500万人ほどが有資格者に
なろうとふんでいる。

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この新しい制度は、確定拠出型になるかとの話もあったが、
詳細は不明だが、やはり政府が1年物の定期預金利率を保証する
確定給付型に近いものになるようだ。

タイ市民で15歳から60歳の人間なら、他の年金に入っていなければ
誰でも加入できる。
加入者の拠出は、月に50バーツ以上、年に13200バーツ以下
(月あたり1100バーツ)と制限される。
今のところ、60歳になると受給資格が生まれる。

これに対し、国からは、加入者の年齢に応じて拠出される。
・15歳から30歳までは、加入者拠出の50%、しかし年600バーツまで。
・30歳から50歳までは、同じく80%だが、年960バーツ以下。
・50歳から60歳までは、100%、年1200バーツ以下となる。

非課税措置がどこまで及ぶのか、報道では不明だが、
国の保証と拠出があるので、よい貯蓄手段だろう。
さて、‘明日は明日の風が吹く’の自由意識の強いのタイの人々だが
どのくらい応募してくるだろうか。
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by ucci-h | 2011-07-06 10:00 | タイの銀行・保険 | Comments(1)
タイの預金金利は日本の10倍になってきたが・・
タイでの預金金利(定期)がいよいよ3%に乗ってきた。

6月1日、タイ中央銀行が、政策金利を2.75%から3.0%に
引き上げたのを受けて、各銀行は、6月17日あたりから、
預金金利を引き上げてきた。

タイの政策金利は、2009年4月から2010年7月まで1年余り、
世界金融危機を受けて、1.25%の低利で底這ってきたが、
2010年7月以降、景気の拡大とインフレ圧力の高まりを受けて、
今回も含め、1年間のうちに7回小刻みに上げてきている。

インフレ圧力はなお高まっており、金融危機前の08年末の政策金利は
3.75%と高かったこともあり、年後半になお数次の金利引き上げが
見込まれている。

事実、タイのインフレ率は、昨年11月時点では前年比2.8%と
さほど高くなかったものの、この4月に物価統制が外されるものが
多かったこともあり、5月の消費者物価上昇率は前年比+4.2%、
諸物価高騰の雨季となっている。

預金者にとっては、若干の恵みである。

SCBの9ヶ月定期預金金利は2.7%。
タナチャート銀行の7ヶ月定期預金は、ステップアップ式だが、
平均3.21%となった。
住宅銀行のLH銀行は、12ヶ月で3.35%。
さらに各行とも、預金保護の対象からは外れるが、B/E(銀行手形)預金には、
これに0.4%ポイントほど上乗せした金利を提供している。
LH銀行の12ヶ月B/Eで3.75%。

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もっとも、金利には15%の税がかかるので、手取り金利は、3.21%でも
2.72%ほどとなる。
SCB銀行の窓口などでは、非課税のタイ国債3.0%を勧めている。

いずれにせよ、3%金利となれば、仮に50万バーツ(150万円)預ければ、
1年で1万5千バーツ(4万5千円)の金利がつく。
低金利の日本では、ネット銀行の「じぶん銀行」でも、1年定期に0.3%
ほどしかつかないのと対照的だ。

0.3%と3%の差は大きい。
しかし、為替もあるから、外貨で稼ごうと欲張るのはやめたほうがいい。
タイでお金を使うならの話だ。

もっとも、そのタイだが、諸物価の高騰の実感は、+4.2%どころではない。
肉、食堂のメニュー、洗剤、多くの生活用品が、10~15%上がっている
感じだ。
金利はインフレ率に追いつかない。

住みやすかったチェンマイでの暮らしも
だんだん暮らしにくくなるなあ!
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by ucci-h | 2011-06-22 20:20 | タイの銀行・保険 | Comments(2)
タイで上がってきた預金金利をどう活用する?
タイでは、金利が上がってきたことから、
昨年から今年と銀行の預金金利も上がってきた。
こちらでお金を預けて暮らす我々には少し助かることだ。

たとえば、昨年8月に預けたSCB銀行の10ヶ月の定期預金金利は
1.3%しかなかったが、この4月の7ヶ月定期は、2.4%に上がっている。

金利の比較的高いタナチャート銀行のこの4月では、11ヶ月定期で、2.85%
12ヶ月のB/E(Bill of Exchange、銀行為替手形)だと、3.25%と
なってきた。

ただし、いずれも税引き前のレートだから、実質の手取りのレートは、
2.85%ーTax15%分=2.42%、
3.25%ーTax15%分=2.76%のようになるが、
それでも、預金金利が1%ポイント以上上がってきたことは助けになる
(もっとも、ガソリンや食品、食堂価格は4月以降10%以上上がってきているが・・)。

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タイの銀行は、今年も貸出しは伸びているものの、
政策金利が引き上げられる中で、預貸スプレッドは狭まってきており
(今まで預金コストがとても安かったわけだ・・)、
折りから銀行はスタッフを増やしていることもあり、収益を圧迫してきている。

そこで、銀行は資金コストを抑えるために、B/Eの活用を増やしている。
Bill of Excahngeは、銀行の発行する銀行為替手形だが、これは預金と違って、
中央銀行の元にある「FIDF」(金融機関開発基金、金融機関の安定化に当たる)に
預金額の0.4%を支払わずに済むので、資金コストを抑えられるのだ。

B/Eの利率は、預金より通常0.25%ポイントほど高いが
0.4%分を支払わずに済むので、実質の資金コストは、0.15%ポイントほど
低く済む計算になる。

中堅のキアトゥナキン銀行(KKバンク)の場合、
この3月末には、B/Eは昨年末より62%増え、340億バーツとなった。
預金残高が722億バーツだから、全体の資金の4分の一がB/Eとなった
(昨年末は17%)。

預金者にとっては、B/Eは、預金と違って、預金保護の対象にはならないだろうが、
自己責任で、信頼できる銀行のB/Eに預けるなら、高めのリターンを得られる。
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by ucci-h | 2011-04-29 22:31 | タイの銀行・保険 | Comments(5)
タイの保険は伸び盛り!?
タイの保険業界は、どうなっているのだろう。
生命保険は、けっこう人気があるようだ。
クルマが増えて、自動車保険も増えてきている。

OIC(保険委員会オフィス)が伝える数字で見てみよう。
景気の拡大下、保険の販売も伸びている。
昨年の保険料の販売額は、全体で前年比14.2%増の4,210億バーツ(1兆2千億円強)。
うち、生命保険が2,960億バーツ(14.5%増、約8,900億円)で、全体の7割を占める。
損害保険は、1,240億バーツ(約3,700億円)で、同様に13.5%の高い伸びだった。

減少しているとはいえ、‘保険大国’日本の、生保新規契約高62.9兆円、損保7.8兆円(いずれも2009年度)に比べれば、人口がほぼ半分のこの国とはいえ、ささやかな金額だが、伸びの勢いは高い(統計的の取り方が違うかもしれないが・・)。

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保険証書数では、昨年が5,544万件。うち損害保険が3,737万件。
生命保険が1,807万件だそうだ。
どういう数え方をしているのか知らないが、人口6,630万人の国にしては、
ずいぶん高い数字だ。

収入保険料は、今年は、さらに16.2%増の4,894億バーツ、
生保が18.7%増の3,518億バーツ、損保が10.3%増の1,376億バーツと、
OIC(保険委員会オフィス)は見ている。

業界では、特に地方で「保険週間」や「保険フェア」を開いて、保険への認知、理解を
プロモートしているという。

日本と違って、保険はまだ伸び盛りなのだろうか。
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by ucci-h | 2011-02-22 11:37 | タイの銀行・保険 | Comments(0)
タイの銀行の好パフォーマンス
銀行は私企業だが、その国の経済の健康度をはかるバロメーターでもある。

アイルランドの破綻が銀行の不健全な貸し込みから来たことを想起すればよい。
20年前の日本のバブルの破裂も、銀行の不動産向け融資が加担した。
銀行のローンが投機に走ると、その国の経済もバブり、危うい。
逆に、健全なローンが伸びていなければ、その国の経済の沈滞の表れだ。

タイの銀行は、高い経済成長の下、ローンの需要が伸びて
昨年は純利益が25ほど%増加の好決算だとお伝えしたが、
主要10行のパフォーマンスが、バンコク・ポスト紙に載った。
2011-01-27 21:33

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10行合わせてのローンの伸びは、昨年は+12.3%。
年末のローン残高合計は6兆1,200億バーツ。
クルアンタイ銀行、バンコク銀行、Kバンク、SCBの4行が1兆バーツを超えている。

ノン・パーフォーミング・ローン(不良ローン)比率は、
10行平均で、前年の6.25%から4.69%に、2.44%ポイントも減っている。
低いTISCOの1.72%から、高いTMBでも7.57%と、二桁はなくなった。

税引き利益の10行合計は1,074億バーツと、1千億バーツを超えた。プラス24%。
バンコク銀行とSCBが240億バーツ台で、トップを競っている。

昨年末の10行の預金残高合計は、6兆4,610億バーツと、前年比5.3%の伸び。
ここでも、預金額1兆バーツ以上は、バンコク銀行、KTB、Kバンク、SCBの4行である。
預貸率平均は、前年の112.6%から105.6%へと縮まった。

各行とも、手数料ビジネスの拡大に力を入れている。
10行合計の手数料収入は、19.1%伸び、1,061億バーツと、1千億バーツに乗せてきた。

今年も、ローンの伸びは12-14%と、高い伸びが期待されている。
景気拡大が続くことに加え、政府のインフラ投資が見込まれるからだ。

証券会社は、銀行セクター、なかでもKTBなどを薦めている。
今後3年ローンが2桁の伸びを示しそうなことや、今年も利益が19%ほど伸びそうなこと、
そして、株価も簿価に比べ1.5倍とそう高くなく、ROEが14%と高いことなどが、
その論拠のようである(責任はもてませんよ)。

政策金利は、今2.25%だが、年央までに3%まで上がると見られている。
そこらでインフレの上昇が抑えられればいいが、さもないとローン・リスクが拡大し、
来年の金利は、3.5-3.75%まで上がりかねないと見るエコノミストもいる。
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by ucci-h | 2011-02-11 10:37 | タイの銀行・保険 | Comments(0)
  

北タイのチェンマイをベースにメコン、アセアンの経済、見所、食べ物を日本と比較して紹介します。ただし投資をアドバイスするものではありません。コメント記入は題字をクリック下さい。
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