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カテゴリ:アジアの流通小売業( 24 )
タイ流通大手の国内回帰続く 今度はビッグCが
チェンマイの街で日常、大型店に買い物に行くとしたら、
「ビッグC」か、「テスコ・ロータス」か、「マクロ(マコー)」である
(そのほか、総合ショッピングモール「セントラル(センタン)」、
主に外国人向けの高級店「リンピン」があるが)。


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この3店の歴史が面白い。
1990年前後、華人系資本「CPグループ」、「セントラル・グループ」
によってタイの大型チェーンが開かれた。


1988年 CPグループ、「サヤム・マクロ」をオープン。
               一緒に「セブンイレブン」も。
1990年 同じく、「ロータス・スーパー」もオープン。
1993年 流通大手セントラル・グループが「ビッグC」をオープン。
      ビッグCのCは、もともとセントラルのC。

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ところがこの後、97年の「バーツ危機」がやってきた。
マクロもロータスもビッグCも、外資の手に渡る。


マクロは、オランダSHVに。
ロータスは、イギリスのテスコに。
ビッグCは、フランスのカシノに。


ところが、ここにきて国内資本の流通業の巻き返し的なことが起こっている。


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「コストコ」の様なキャッシュ&キャリーの「マクロ」(タイ国内に60店ほど)は、
2013年にオランダSHVから、セブンイレブンの「CPオール」(CPグループ)に
66億ドルほどの巨額で、いわば買い戻された。里帰りみたいなものだ。

http://uccih.exblog.jp/18648017/


そして今回、2016年2月、「ビッグC」の「TCCグループ」への
34億ドルほどでの売却が決まった。
TCCグループは、タイのビール王チャーン・ビールのチャルーンの会社。
シンガポールのフレーザー・ニーブも傘下におさめている。
流通業も広げたかった。


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ビッグCは、仏カシノが2010年に同じフランスの「カルフール」店を買収併合し
(ビッグCエクストラと改称)、規模を拡大したのだが、
本体の事業が思わしくないため手放すことになったようだ。


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テスコ・ロータスも、本体の英テスコ社が2014年末、業績不振となった
ことから売却のうわさはある。


今後ロータスがタイ資本に戻れば、すべて国内回帰となるが、さて?
その際第1候補は、今度は、ビッグCを取りそこねたセントラル・グループだろうか?
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by ucci-h | 2016-02-10 12:26 | アジアの流通小売業 | Comments(4)
英国流通大手のテスコの傾きで、タイの「テスコ・ロータス」売却の思惑出る
2014年10月末、英国の小売り最大手である
「テスコ」社の利益過剰計上事件が起きた。
シティー(イギリスの金融界)を揺らすだけでなく、
世界の小売業界に対して大きな動揺を与えている。

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ここアジアでのテスコの稼ぎ頭であるタイにおいても
同様である。タイの「テスコ・ロータス」の先行きに対し、
いろいろな思惑が出てきた。

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テスコは、アメリカのウォールマートに次ぐ、世界第2位に
位置するハイパーストア・チェーンである。
世界12カ国に進出しており、アジアは稼ぎ所である。
タイの「テスコ・ロータス」は、韓国、マレーシアを凌ぎ
アジア第一の店舗チェーンになっている。


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しかし、テスコの業績は、ここ数年停滞してきた。
本国英国(シェア30%近く)で、アルディ、リディといった
ドイツ系ディスカウント・ストアにシェアを奪われている。
小売業は、アメリカでもどこでも、時代と共に企業の興亡が大きい。


この2015年度(2月決算)にはいって、厳しい中で、
テスコは、仕入れ業者からのプロモーション支払い
(良い棚を提供してやる見返りに前払い金を増やさせる等)を
推進して行った。


これが結果的に、上半期の2.63億ポンド(約480億円、
今期分はうち1.18億ポンド)の過剰利益計上となった。
仕入れ費用の計上よりも、前倒しで仕入れ業者からの
多くの支払い収入を計上してしまったのだ。

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後日これを修正した結果、テスコの上半期(3~8月)の決算は、
税前利益で前年比92%の減益となった。
株価は、この1年で400ペンス近くから175ペンスへ
半値以下になってしまっている。


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英国小売り大手テスコの業績悪化、利益過剰計上事件を
受けて早速、テスコ全体ないしはテスコ一部資産の売却思惑が
起ってきている。


テスコ本体は、債務残高(2014年2月末)が354億ポンド
(6.5兆円近く)にのぼり、総資産の70%にも達しているので、
業績悪化でキャッシュフロー(内部で生まれるお金)が減少すると、
年間5億ポンドになる金利支払いなどが苦しくなると見られるからだ。


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その場合、①企業売却から、②パートナーシップを受け入れて資金を導入する、
また③海外の資産を売却するなどのオプションがあるが、
テスコは、今期中(2015年2月末まで)に何らかの策をとるかと見られる。


アジアの資産は稼ぎ頭だけになかなか手放さないだろうが、
パートナーシップの受け入れも含めて、ひとつのオプションになる。


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タイには、セントラル・グループ、CPグループ、それにタイ・ベバレッジの
消費・流通大手3グループが事業の拡大に積極的だ。

 「タイ流通国内資本の巻き返し始まる 2013-4-26」
  http://uccih.exblog.jp/18648017/


セントラル・グループは、ロビンソンなどのデパート、
セントラル・ショッピング・モールを各地に持っている。
かつて自ら作ったハイパー・チェーン「ビッグC」を
フランス資本に譲渡したこともあり、ハイパー・チェーンを持ち、
アジア全体に進出したいところだ。

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CPグループは、セブン・イレブンを持ち、最近「マクロ」倉庫型チェーンを
買い取った。
CPは、ロータスの元々の設立企業であり、取り返したいところだが、
マクロ買収に大金を投じたばかりである。


タイ・ベバレッジは、タイ・トップのチャーン・ビールの会社だが、
シンガポールのフレイザー・ニーブも傘下に入れている。
流通業にも手を出したいとも見られている。


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テスコが、タイの事業を全部ないし一部譲るとすれば、
ウォルマート(米)、デイリー・ファーム、ジャーディン(香港)、エーオン(日)
など外国勢も触手を伸ばしそうだが、
タイの中では、資金的に余裕がある
セントラル・グループが一番手と見られる。

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仮にテスコ・ロータスがタイ資本の傘下となれば、
マクロ(以前はオランダ資本)に続いて、ロータスも国内資本の
買戻しとなる。外国資本で残るのは、「ビッグC」を営む
フランスのカシノ・グループだけとなる。
タイの華僑系資本はどこも意欲的だ。
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by ucci-h | 2014-11-08 00:13 | アジアの流通小売業 | Comments(2)
タイを東南アジアのモデルにすべく進出強める「ファミリー・マート」
コンビニ店で「セブン・イレブン」、「ローソン」を追う
「ファミリー・マート」が、2014年、内外で出店攻勢を
強めているが、海外ではタイが、近隣諸国のモデルとして
力が注がれる。


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タイでは、セブン・イレブンを追う形だが、
タイのリーディング小売り企業「セントラル・グループ」との
提携で、ファミマは攻勢を強める。

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 「コンビニ大国タイで始まるコンビニ戦争 2013-3-4」
  http://uccih.exblog.jp/17929224/


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ファミマは、2014年度(2015年2月期)は大幅増の900億円ほどを投じ、
内外で出店を増やす、とこちらでは伝えられている
(減益覚悟の積極的な設備投資負担となろう)。
日本国内は、1,214店増やし(+12%)、11,761店ほどに
持っていく計画だ。


海外では、合弁解消の韓国を除き、
687店増やし(+13%)、海外のファミマの店の数を
5,837店にするという。
そのうち231店舗の増設(全体の3分の一)は、タイで行なわれる予定だ。



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タイでは、セントラル・グループと13億バーツ(40億円)を投じ、
ファミマの店を22%増やし、年度末には1,301店にする
(タイのセブンイレブンは、年度末には8,000店近くに達しよう)。
タイは、海外では昨年度末時点で、韓国、台湾、中国に次ぐ
第4位の市場だったが、韓国の抜けた今年度中に、2位の中国との差が
53店舗ほどに縮まりそうである。

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ファミマがタイに注力するのは、
タイの都市化が進んでおり、日本製造業も進出サプライヤーとして
存在し、今後ベトナム等も含めた東南アジアでの成長モデルになれるからだ。
タイに「ファミリーマート・アカデミー」を作り、アセアンでの従業員教育に
力を入れていくと、こちらでは伝えられている。

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 「東南アジアに積極進出するファミリー・マート 2012-1-23」
  http://uccih.exblog.jp/15317009/



人口1.25億人の日本には5万のコンビニがあるが、
人口6,500万人のタイのコンビニの数はなお1万店ちょっとである。
なお成長が見込める。
面倒くさがり屋のタイ人には、サドゥアック(便利)なコンビニがぴったりでもある。


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2012年9月、ファミマは、1992年に進出以来持ってきた
「サイアム・ファミリー・マート」の株式50.3%を「CRC」
(セントラル・グループのリーテイル子会社)に譲渡し、
合弁提携に踏み切った(ファミマはなお48.2%所有)。


これにより、タイでの拡大基盤が整った状況だが、
CRCとの協働が成否の鍵を握っていそうだ。


なお、トップのセブン・イレブンでは、タイの食料品大手「CPグループ」の
稼ぎ頭「CPオール」がフランチャイズ権を握っており、
年間500~600店舗なお増やしている。

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 「食品・コンビニで伸びるCPグループ 2012-1-23」
  http://uccih.exblog.jp/15316968/


2014年3月末、ファミマは海外で最大店舗数7,925店を持っていた
韓国の合弁「BCFリテール」の持分25%を売却した。
24時間営業規制の強まる韓国から一時撤退し、
資源を他へ振り向けると伝えられている。
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by ucci-h | 2014-04-17 00:29 | アジアの流通小売業 | Comments(0)
チェンマイのショッピング・センターのおおとり「セントラル・フェスティバル」がオープン
2013年11月14日、タイのお祭り「ローイ・クラトン」の週末を前に、
チェンマイのスーパーハイウエイのアーケードのあるサーンデック交差点角に
新しい「セントラル・フェスティバル」ショッピング・センターが
予定通り、オープンした。

 「チェンマイで進むショッピング・センターの開発 2013-3-24」
  http://uccih.exblog.jp/17883845/

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昨年から今年にかけていくつか続いてきた
チェンマイのショッピング・モール開店の
おおとりを務めるかのように、
さすがは大資本セントラル・グループだけに
予定通り、しかもテナントはほぼ一杯での
オープンとなった。

 「洪水にめげず伸びるセントラル・グループ 2011-12-11」
  http://uccih.exblog.jp/15093763/


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バンコクにはある吉野家や大戸屋という日本の
レストランがこれでチェンマイでも味わえるようになった。
もっとも、ユニクロと一緒で、これらの日本では
廉価の食堂も、こちらでは割安感はない。
かわりにしゃれた店作りになっている。


ダイソーもやや広い店で日本と同じピンクカラーで
統一されている。こちらは65バーツ(206円)だから
日本の倍の‘二百円ショップ’となる。

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1階にフード・ホールと称して、外国製品も含めた
広い食品売り場を設け、また食堂もその隣りに、
またレストランは3階、4階にも多い。
チェンマイでは食が変化の中心となっているようだが、
プロムナーダと同じく、日本レストランが軒並みなのに
驚かされる。
今やチェンマイは日本風レストランばかり増えている。


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レストラン、電気・モバイル店、美容クリニックの
出店が目立つ。
服飾店や靴屋などの伝統的なお店は
むしろ影に隠れた感じだ。

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オープン2日目で人も一杯だったので、
お昼は、プロムナーダへ行き、センタンにも
入った「みやび」で食べた。


プロムナーダは、センタン(セントラル)に
客をみな吸い取られたように閑散としていた。
プロムナーダも規模は広いが、テナント数が少ないので、
買い物客は今後もセントラルに取られていきそうだ。


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2013年、チェンマイの街は、
住宅ブームに加え、ショッピング・モールの増加で
大きく姿を変えた年になりそうだ。
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by ucci-h | 2013-11-15 20:18 | アジアの流通小売業 | Comments(7)
ユニクロの大きな店がチェンマイにやってきた
2013年6月7日(金)チェンマイの第3のショッピングセンターとなる
「プロムナーダ・リゾート・モール」がオープンした。
2012年12月の開店予定だったのが遅れたが、わずか(!?)半年遅れの
開店だ。

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チェンマイ市街西北のセンタン(ガドスワンゲーオ)、西南の空港のそばの
エアポートプラザに次ぐ、第3の大きなランドマークのショッピングセンターとなる。
場所は我家のそば。サンカンペーン新道とリング1との交差点の角だ。
オリエンタル・マンダリン・ホテルのそば、スーパーハイウェイのビッグC(ドンチャン)の
隣と言った方がわかりやすい。

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日曜日の今日、中を覗いて来た。
開店と言っても、ふたつの建物の右側の一部が、
日がよいということで7日にオープンしたわけで、駐車場や周りは
まだ工事中だ。20~30%程度がオープンしたと言ったところか。

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完全に出来てオープンならすっきりするが、完成途上でオープンするのは
タイ式やり方か。

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映画館とユニクロの大きな店がオープンしたと言うのが現状だ
(あとフードセンターとスポーツ用品屋)。

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ユニクロの店は広い。
お客に渡されたパンフレットもユニクロばかり。
衣料品は、日本の品揃えとちょっと違う気がするが、
日本では安いユニクロも、400~600バーツとなると
こちらのタイ人には高い。

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映画館がオープンしたのはいい。
ロビンソン(エアポートプラザ)まで行かなくても、
我家から5分~10分で行けるのはうれしい。

欧州映画の特集もやるそうだが、
現地語にタイ語字幕だけだと判らないなあ。英語はつかないか。

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プロムナーダ(タイ人の発音だとプロメナーダ)は、
オランダ資本のECCが開発したショッピング・モール。
まだ開いていない棟にはアイススケート場などもある予定だ。

 「タイ一番のグリーンモールがチェンマイに 2011-10-14」
  http://uccih.exblog.jp/14757232/

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300m四方の土地に29億バーツ(90億円)を投じて、
3階建て延べ5万㎡のテナント、売り場が入る。

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一方、タイの一大流通資本「セントラル・パタナ」のチェンマイにおける
第2の‘センタン’「セントラル・フェステイバル」の建設も急ピッチだ。
古くなったガドスワンゲーオのセンタンの郊外版だ。

スパーハイウェイ沿いのアーケード・バスターミナルの交差点の
新センタンは、プロムナーダより2割がた広い340m四方の土地に
プロムナーダの倍の60億バーツ(180億円)を投じて、
25万㎡の延べ面積に300店舗が入る予定だ。

こちらの完成予定は、半年後の2013年11月。
ここも我家から10分で行ける。
チェンマイの街は郊外の住宅地の増加とともに
郊外型のショッピングセンターが増える状況となった。
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by ucci-h | 2013-06-09 17:13 | アジアの流通小売業 | Comments(3)
タイ流通業国内資本の巻き返し:セブンイレブンによるマクロの買収
タイの流通業界は、国内資本と外資のせめぎ合いの
中で発展している(インドも少しは見習ってもらいたいものだ)。

もともとは、「セントラル・グループ」や「CPグループ」といった
国内資本でタイの流通業の近代化が戦後行なわれたが、
1997年のバーツ・ショックで、外資系の傘下に入るものが多かった。
しかし、ここにきて、国内資本の巻き返しの図が出始めている。

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セントラル・グループは、海南島出身の華人
ティアン・チラティビットが、戦後、量販店を開いたことでスタートした。
その後、息子サムリットの代にデパートメントを開き、
今日では、デパート、ショッピングモール、さらにはホテルも持つ
タイの大手流通資本となっている。

 「展開を加速するセントラル・グループのショッピングモール 2011-6-21」
  http://uccih.exblog.jp/13842229/

現在、フランス系のカルフールを買収し、
タイ全土にハイパーマーケットを展開するフランス系カシノの「ビッグC」の
‘C’は、もともとはセントラルグループが93年に始めたセントラルのCである。
97年のバーツ・ショックで、経営権はカシノ・グループに渡った。

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CPグループは、潮州系の華人、謝(チェラワノン)兄弟によって、
種を売る園芸店から始められ、戦後、息子の代になって飼料の販売、
養鶏業を核とするCP(チャルーン・ポカパーン)グループの設立となった。
ブロイラー、えび養殖というタイの2大食料で拡大し、今ではタイ有数の
コングロマリットになっている。

 「食品、コンビニで伸びるタイの国際企業CPグループ 2012-1-23」
  http://uccih.exblog.jp/15316968/

CPグループも、1988年には「サイアム・マクロ」と「CPセブンイレブン」を設立、
倉庫型量販店とコンビニというユニークな形で小売業に進出していた。
1990年には、アメリカ型の「ロータス・スーパー」も設立した。

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しかし、97年のバーツ危機で小売業からの撤退を余儀なくされる。
ロータスはその後、英系のテスコに売却され、今では英系「テスコ・ロータス」と
して、仏系「ビッグC」と、ハイパー・マーケット市場で競っている。
サイアム・マクロも、51%の出資分をオランダのマクロの持ち株会社SHVに売却した。
唯一セブンイレブンだけは残り、今や稼ぎ頭になっている。

 「2013年タイで始まるコンビニ戦争 2013-3-4」
  http://uccih.exblog.jp/17929224/

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そして、2013年4月、セブンイレブンを営むCPグループの「CPオール」が
サイアム・マクロを買収するというホット・ニュースが流れた。
ソンクラーン休日の間に香港で取り決められたというものだ。
CPグループの会長であり、タイ一の富豪であるタニン・チェラワノン(謝国民)の
胸中から、マクロのキャッシュ・キャリー・ビジネスの魅力は消えなかったといわれる。
97年は、いわばバーツ・ショックという‘事故’で、マクロを手放したと思っている。

 「タイで伸びる倉庫型大型店マクロ 2011-8-23」
  http://uccih.exblog.jp/14406670/

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CPオールは、サイアム・マクロの株式のまず64.35%を取得したい意向だ。
3月末現在、株式の64.35%はSHVホールディングにより保有されている。
その後市場でのテンダー・オファーで全株取得すると伝えられる。
買収金額は66億ドルと言われる。市場価格の15%プレミアムでの買収だ。

66億ドルと言うのは巨額の買収資金だ。
2010年11月にビッグCがタイのカルフール42店全店を買収したときの
価額が12億ドルだったから、これの5.5倍の買収金額である。
CPグループは、中国も含め各地で積極的な買収をしている。
2012年12月には、中国への橋頭堡を固めるため、中国の第2の保険会社
「ピンアン(平安)保険」の15.6%に96億ドルを投じている。
こちらの融資には、UBSが動いているようだ。

CPグループは非公開の同族グループであるため、資金状況がいまいち不透明だ。
買収資金はSCB(サイアム商業銀行)などからの借り入れによるのだろうが、
CPグループにとっては、マクロの現金収入商売が魅力なのだろう。

サイアム・マクロは、タイ全土に57店をもつ(チェンマイにも3店)。
ハイパーマーケットは全国に行き渡って来たが、キャッシュ・キャリー店は、
25県ほどにはまだなく、成長力も高いと見られる。
2012年の売り上げは1140億バーツ(前年比+15.4%)。
税引き利益は35.5億バーツ。時価総額は1637億バーツである。

タイでは、現在の国内景気のよさから、97年バーツショックで
途中でやめたビルの建設の再開などが、16年ぶりに行なわれている。
流通業界でも、外国資本に対する国内資本の巻き返しが起こっていることになる。
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by ucci-h | 2013-04-26 19:34 | アジアの流通小売業 | Comments(3)
タイの食堂からペプシが消えて4ヶ月・・・今後どうなるのだろう
タイの食堂、レストランから、今までトップだった
ペプシコーラが消えて、話題になっている。

以前書いたが、タイではペプシが炭酸飲料のトップ・ブランドだ、
いや、だった。

 「タイにおけるペプシコーラとコカコーラの競争 2011-01-23」
  http://uccih.exblog.jp/12743992/
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ペプシのボトラーは、「サーム・スック」社だった。
1952年にペプシを売るようになって、昨年までで59年間の付き合いだった。
前回に触れたが、2010年に、ペプシコは、41.5%株式を持っていたサーム・スック社に
対し、敵対的TOBをかけ、子会社化を試みたが失敗した。
同じく大株主のSSナショナル・ロジスティック社(SSNG)の反対などにあった
(そもそも相手の嫌がる敵対的テンダー・オファーをかけてうまく行く試しは少ないが)。
SSNGは、その後サーム・スック社の株式を32.6%まで買い増した。

そして、翌2011年4月1日、ペプシコとサーム・スックの契約締結がこじれ、
59年間続いた関係にピリオドが打たれた。
サーム・スック側は、少数株主にとうてい呑めない条件だと言い、
ペプシコ側は、なんとも不合理な条件があるというが、
具体的な争点は不明だ。

サーム・スックは、12年11月まではペプシを扱ったが、
そのあとは自社ブランドの「エスト」に切り替えた。
ペプシもコークも置いてない店でエストを仕方なく飲んだが、
甘く破裂する甘味飲料だ。アメリカのコーラの味の方が舌になじんでいる。

自らの商品だからこそ売れると思うペプシコ側と、
自分らの販売力があるからこそ売れると自信を持つサーム・スック側の
ともに自負がぶつかった対立だったのだろう。
前年の敵対的買収騒ぎもしこりを残したはずだ。

タイは、東南アジアでも最大の炭酸飲料市場
(18億ドル、約1700億円)と言われる。
また、ペプシがコカを上回っている数少ない市場のひとつだ(った)。
年間一人当たり39.2リットルの消費量は、アジア平均の4倍とみられる。
我家でも、ペプシコーラは暑い日の常備品だ。
日本はたしか、コーラ系炭酸飲料の消費量は、
一人当たり20リットル台のはずだ(ビールが50リットルほどだ)。

2011年9月9日には、ペプシコは関係の切れた41.5%持っていたサーム・スック株を
タイ・ベバレッジ社に一株58バーツという高めの価格で売却した(総額64.1億バーツ、
約192億円)。

タイ・ベバレッジ社とは、95年に発売し、今やシンハを上回り、
タイのビールのトップブランド(シェア50%近く)となった「チャーン・ビール」で
財を成したチャルーン(今年のフォーブスの世界長者番付でも資産1.1兆円で、
世界第82位)の創った会社である。

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チャーン・ビールのほかに、メコン、サンソム、ホントンといったラム焼酎を
製造販売しているが、またタン氏からOISHIグループを買い取り(シェア89.3%)、
2013年に入ってからは、シンガポールの食品コングロマリット「フレーザー・ニーブ」
までも呑みこんだ。
なお、タイ・ベバレッジ株は、タイではなくシンガポール取引所に
上場されている。華人系タイ人らしい。

サームスック社(3月よりSermsukと一文字に社名変更)の
現在の主要株主は、タイ・ベバレッジが64.7%、
SSナショナル・ロジスティックが32.6%となり、ペプシコとは完全に切れた。

ペプシコは、サームスックに離れられどうするか?
タイにおいて、なぜかドイツ・ポスト社にボトル配送を依頼するといわれる。
なぜ外国の郵便会社にやらせるのかは知らないが、
いずれ以前のようにペプシがタイの食堂、レストランに並ぶようになると
ペプシコの幹部は言っている。

ボトラーのペプシ離れは、市場にはっきりと出てきている。
街の食堂に行っても、いまだペプシの看板が出ているが、
エストしか置いていないところが多い。

ACニールセンの調べによると、
2011年には、ペプシが48%のトップを占めていた(コークは42%、
残りの10%はサームスックが前から売っていたでかいビッグ・コーラ)
タイのコーラ市場(2012年440億バーツ)は、
2012年末には、コークが50%と初めてトップに立ち、ペプシは
34%へ落ち込んだ。

そして、直近の2月には、発売4ヶ月目のエストが19%のシェアを獲得し、
ペプシは15%まで落ち込んだ。コークはトップの50%超だ。

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ペプシとサームスックのいさかいは、
漁夫の利と言うか、「とんびに油揚げをさらわれる」と言うか、
コカコーラにプラスをもたらした。
この結果、コカコーラの世界200カ国の販売で、タイは
世界第19位と、ベスト20に入ってきた。

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エストとペプシの競争はどうなるのだろうか?
エストというタイ製コーラが、このまま伸びるとは思えないが、
タイ・ベバレッジの力はあなどれない。
タイの食堂のテーブルカバーは、すでにエストのものに変わっている。
しかし、ボトル配送網さえ復活されれば、ペプシの味が
忘れられることもないだろう。

世界ブランドの飲料に対するタイ製コーラ飲料の戦いは
ドンキホーテの戦いに終わるのか、それとも?
行方が注目される。
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by ucci-h | 2013-03-20 00:25 | アジアの流通小売業 | Comments(2)
2013年コンビニ大国タイで始まるコンビニ戦争
タイは、日本やアメリカに劣らない‘コンビニ大国’である。

コンビニエンスのタイ語は“サドゥワック”(便利な、都合のいい)。
楽を重んじるこの国の3つの「サ」であるサバーイ(楽チン)、
サヌーク(楽しい)のひとつである。

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たとえば、タイでもトップのセブンイレブン1店一日当たりの来店客数は、
日本の1052人、アメリカの920人を上回る1234人だそうである。

チェンマイでも街を行けばいたるところにセブンがあり、
買い物だけでなく、電気や水道料金も払えてサドゥワック、便利である。

もっとも、セブンイレブンはタイでの6800店を越える店のうち、過半数の54%が
フランチャイジーの店のくせに(ファミリーマートは12%ほどと、
フランチャイズ化は低い)、すぐそばに乱立していたりして
タイらしくて面白い。
さらには、けっこう品切れで空いた棚が目立つ(特に地元系コンビニ)のも
愛嬌である。

中間所得層の増大と都市化を受けて、コンビニ・ストアはタイの
小売業を引っ張るスター業種である。

昨年2012年ほぼ分布図がそろい、
いよいよこの2013年から競争が始まると見られる。

現在タイのコンビニ店の数は、セブンイレブン、ロータス・エクスプレスなど
を筆頭に、日系、英系、地元系合わせて、昨年末で12400店ほどにのぼる。

日本の人口の半分強の6700万人をかかえるタイのコンビニの
ポテンシャル(飽和にいたるまでの店数)は2~3万店といわれるが、
実際のフランチャイズの展開は、こういった予測を超えがちである。
おそらくいずれ5万店くらいにまでになるのだろうか。

トップのセブンイレブンは、6800店。ロータス・エクスプレス(英系スーパー
テスコ・ロータスの小型コンビニ店)が1059店。ローカルのV-ショップが929店。
昨年タイ最大の小売資本CRC(セントラル・リーテイル)が78億バーツで
50.3%の出資を勝ち取ったファミリー・マートが765店と続く。

ローソンも進出する。昨年地元最大の消費者食品グループ「サハ・グループ」
(ママ即席めんなど)と連携を図っていたが、まとまった模様だ。
サハ・グループは、600ほどの「108ショップ」と呼ばれるコンビニを持っているが、
これをローソンに衣替えしていくようだ。

その他は、トップス・デイリー(CRC傘下なのでいずれファミマに吸収か)が123店、
それより少ないCPマートはCPグループのセブンイレブンとは別の食品コンビニ。
ビッグCマーケット(仏系スーパーのビッグCのコンビニ)は、昨年始めたばかりだ。

セブンイレブンは、CPグループの「CPオール」が経営している。
昨年税引き利益で100億バーツ(300億円)以上となった、グループの稼ぎ頭だ。
粗利益率も26%と高まっている。日本のセブンイレブン同様、‘中食’の伸びが
利益率を高めている。

 「食品・コンビニで伸びるCPグループ 2012-1-23」
  http://uccih.exblog.jp/15316968/

セブンは、2013年もタイ国内で540店舗ほどオープンする予定だ。
ここまでの年450~500店の開店テンポを上げる。
コンビニ業界全体では、過去の年750~800店オープンから
今年は、1000店以上の開店となりそうだ。

CPオールは、ことし50~60億バーツをセブン向けに投資する意向だ。
新店舗開店に20億バーツ、既存店600~700店の改装に10億バーツ、
倉庫・配送センターに10億バーツ、そしてIT関係に10億バーツ近くを
投じるという。

セブンイレブンの攻勢は国内にとどまらない。
近隣のベトナム、カンボジア、ラオス、ミャンマーでのコンビニ展開を
目指して、ライセンス元の米サウスランドと交渉しているという。

ここで、日本のセブンイレブン(ヨーカドー)との関係で面白いことが
起こる。
今や、サウスランドは、日本のセブンイレブンの子会社。
タイのCPオールが後進インドシナ4カ国でも展開できるかどうかは、
日本のセブン&アイの戦略と関わりあう。

台湾、韓国、中国、シンガポール、マレーシア含め、アジアの諸国は、
日本・タイのセブンイレブンを営む各社の住み分けとなりそうだ。
ちなみに、CPオールは、セブンイレブン・ジャパンの進出している中国でも、
上海近くでのオープンの獲得を今年は期待している。

タイでは、セブンに桁違いと離されているファミマ(サヤム・ファミリー・マート)は、
前記のように、CRCと組んで、追撃する。
今後5年間に100億バーツ(300億円)を投じて、
昨年末の765店を2017年末には4倍増の2000店に持っていく
予定だという(もっともセブンはその頃には1万店に迫っているかもしれない)。
今年は200店余増やして、1000店にまず持っていきたいようだ。

 「東南アジアに積極進出するファミリーマート 2012-1-23」
  http://uccih.exblog.jp/15317009/

海外では上海中心に300店と少なかったローソンは、
サハ・グループと組んでタイに進出する。
その計画はまだ伝わってこないが、
既存の108ショップ600店舗から手をつけていくのだろうか。

2013年、コンビニ大国タイでいよいよコンビニ戦争が始まる。
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by ucci-h | 2013-03-04 23:52 | アジアの流通小売業 | Comments(2)
北の都チェンマイで進むショッピング・センターの開発
タイの北の都チェンマイは今、不動産開発がすさまじい。
タクシンの地元「インラック街道」(サンカンペーン新道)は
道路幅が、片道2車線に拡張され、沿道は住宅地や
市場の土地開発が軒並み続いている。

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不動産開発は、住宅地やオフィスビルだけではない。
大規模なショッピング・モールの開発が、郊外中心に進んでいる。

リング1とサンカンペーン新道の交差点、ビッグCドンチャン店の隣には
昨年来、オランダ資本の「プロムナーダ・ショッピング・モール」の
建設が進んでいる。
映画館やスケート場も含むという大規模なものだ。
昨年12月竣工予定だったが、もう少しかかりそうだ。

 「タイ一番のグリーン・モールがチェンマイに 2011-10-14」
  http://uccih.exblog.jp/14757232/

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スーパーハイウェイのドイサケット、チェンラーイ方面へ行く118号線
サンデック交差点の手前では、セントラル・パタナ社による
新しいセントラル・フェスティバル・ショッピングセンターの
建設がこれも急ピッチだ。

11万㎡の土地に60億バーツ強を投じ、のべ25万㎡の売り場を
開くという。ことし11月のオープンを目指している。
古いガド・スワン・ゲーオの「センタン」はそのまま残るようだが。

センタンとエアポート・プラザ(ロビンソン)の2つしかなかった
チェンマイの大きなショッピング・センターは、郊外に広がろうとしている。

@@@@@

そしてまた、‘チェンマイの原宿’ニマンヘミンでもショッピング・モールが
予定されている。

40年以上経ったアマリ・リンカム・ホテル(土地1万8千㎡)を
建て替えるに当たって、
ホテルは小ぶりにして、ショッピング・モールを作るという。
混雑するリンカム交差点のところなので、筆者にはどれくらい
進んでいるのかわからない。

以前紹介した、イチタン緑茶のオーナーである立身出世の人物タン氏が
「シンク・パーク」プロジェクトを進めているが、それの向かいに
映画チェーンの「SFシネマ・シティー」が子会社「マヤ開発」を
通じて、「マヤ・ライフスタイル・モール」を作るという。
もちろん、SFX映画館も入る。

 「タン氏がニマンヘミンに美術パークを建設 2012-2-13」
  http://uccih.exblog.jp/15426070/

30億バーツを投じて、6階建てのショッピング・モールを作るという。
売り場面積は10万㎡。土地の立て込んだニマンヘミンだけに、
コンセプトは「バーティカル(縦型)ニマンヘミン」となる。
リンカムと重なるのかな?

新しいショッピング・センター、レストラン街、映画館が出来ることは
うれしいことだが、付近の道路の渋滞がいっそう激しくなることが
心配される。
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by ucci-h | 2013-02-24 20:18 | アジアの流通小売業 | Comments(2)
昨年より暑いタイの夏、夏物商品がよく売れている
タイの今年の暑季(3~5月)は、暑い。暑い夏となっている。
おかげで、夏物が記録的に売れているようだ
(タイにも暑い、涼しいという季節はあるのだ)。

エアコン、清涼飲料、水着、アイスクリーム、日焼け止めクリームが
大変良く売れている。

第1四半期(1~3月)だけ見ても、前年より30~40%の伸びとなっているようだ。
三菱やLGのエアコンは、今や1~3週間待ちとなっているという。
4割から5割の売り上げ増だ。

これにあわせて、エアコンのクリーニング需要も急増している。
1台400バーツ(1100円)ほどと安い電力会社のエアコン・クリーニング
サービスなどは、首都圏で2万人もが待っていると言う。
受託されているクリーニング会社は、技術者一人当たり1日4~6台を
こなしている。

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ネビアやマイナス・サンといったサン・ケア(日焼け止め)製品の
売上げも30~70%アップだ。
化粧品店の関連商品の売上げは、25%以上伸びている。

清涼飲料水も、昨年の洪水から立直って、好調だ。
ピュリクのミルク・ティーなどは、品不足だそうだ。
会社は、製造能力を25%増やすことにした。

どこの国でもそうだが、夏はできるだけ暑く、冬は冬らしく寒い方が
消費景気にはいい。
このタイの夏の暑さは、景気にプラスに働くだろう。

さて、2~3ヵ月後にやってくる日本の夏はどうだろう?
比較的、タイの気候が先行指標になるようだが・・・。
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by ucci-h | 2012-05-03 18:06 | アジアの流通小売業 | Comments(1)
  

北タイのチェンマイをベースにメコン、アセアンの経済、見所、食べ物を日本と比較して紹介します。ただし投資をアドバイスするものではありません。コメント記入は題字をクリック下さい。
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