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カテゴリ:一次産品の市況( 70 )
10月新年度に入りタイのコメ政策は変わったのか?
10月、タイ政府の新年度、そして米作年度の
はじまりである。


タイのインラック政権は、紆余曲折を経ながら、
2013-14年度も、批判の多い「コメ抵当スキーム」を
続行することにした。

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これで3年目に入ったが、当初の思惑と相違して、
コメの国際価格は上がるどころか、世界の需給を反映して
いっそう下がり、高値で買い取ったコメは、政府の倉庫に
山積みとなり(現在1800万トン、輸出2年分と言われる)、
その処分に頭を痛めることとなった。


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さらに、巨額の補助金支出により、財政負担が大きくなり、
インラック政権、またタイの国債の格付けにすら
影響をもたらす可能性さえ出てきた。


タイ貢献党政権は、以前お伝えしたように、
ことし6月以降、このコメ買取補助金政策の縮小を試みたが、
票田の3分の一以上を占める農民層の不評を買うことから、
妥協を余儀なくされた(タイの農村の問題は、コスト増による
借金漬けの増加にあるようだが)。


 「どうなるか10月以降のタイのコメ国家買取制度 2013-7-29」
   http://uccih.exblog.jp/19358154/


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結局、縮小案は緩和され、新年度も、1期米(10~2月収穫)は
従来どおり、籾量トン当たり15000バーツの価格で買い取り
されることになった(ただし、金額を1戸当たり50万バーツに限定)。


3月以降の2期米については、買取価格をトン13000バーツに
下げ、限度を1戸30万バーツに下げるが、これはなお農民の
反対にあっている。


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政府の思惑は、これにより、新年度の予算を2,700億バーツに
抑え(損失額、補助金部分は1,370億バーツ)、過年度の
年間3,300億バーツの出費から縮小させたい意向である。


過去2年度に、政府は年間2,200万トンほどのコメを買上げた。
新年度は、買取量を1,800万トンほどに抑え(2期米は価格も抑える)、
買取費用を2,700億バーツに抑えたい意向だ。


@@@@@


コメ抵当スキームは、数々の副作用を出しながらも、
農家の多くに収入増をもたらしているようである
(収穫量が少なく、これに与らない農家も少なからずあるが)。


かつてのタイ経済の屋台骨だったタイ農家の米作については、
コストの削減、生産性のアップ、質の高い品種の開発、
さらには、米作からの転換や借金経済からの脱却など
政府の高値買取にもかかわらず、またはこの制度の結果、
課題が多く残されている。
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by ucci-h | 2013-10-16 17:45 | 一次産品の市況 | Comments(0)
行き詰まってきたコメ抵当スキーム(4/完):どうなるか10月新年度からのコメ買取制度?
2013年6月18日の「NRPC」(国家コメ政策委員会)の
緊急会合で決まった、負担を減らすための、政府買取価格の
引き下げ案は、農民の反対を受けて、実施開始日の7月1日に
なって引き下げず、普通米は籾量トン15000バーツのままで
当面、9月15日まで維持することに覆った。

政府の迷走ぶりは、国の信用を損なうものだとの批判が出ているが、
政府は、「今年度いっぱい(つまり9月15日まで)15000バーツで買い取る
金はある」と変更の理由を説明している。

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タイにおける農業従事者の人口は、昔より減ってきたが、
それでも1450万人いる。
選挙の際の票田としては、タイ全体のおよそ37~38%が
農村票ということになろう。

米どころの北タイ、イサン(東北タイ)を地盤とする
タイ貢献党としては、何よりも農民の反発が怖いはずである。

コメ抵当スキームの大幅赤字により「赤字の拡大は政府の
信頼を損なう」と野党民主党などから批判されるより、
このスキームを大きく縮小して、農民から「政策修正は政府の信頼を損なう」と
言われる方が嫌なはずである。

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そして、2013年10月から始まる新年度において、
コメ抵当スキームの買取価格、買取量をどうするかということが
7月末にかけて議論され、決定されていく。

農民側は、トン13500バーツを譲歩線として主張している。
これに対し政府の方は、12000バーツ、1世帯40万バーツ上限を
目指している。財政負担の大きさを訴えていく。

どの点で妥協され、農民票の離散を防げるのか?
また、増加した政府在庫をどうさばいていくのか、
今後の農政の行方が注目される。
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by ucci-h | 2013-07-29 10:05 | 一次産品の市況 | Comments(2)
行き詰まってきたコメ抵当スキーム(3):政府にも見直し機運
タイ政府のコメ抵当スキームがのっぴきならないところへ
やってきたことをお伝えしたが、ここにきてさすがに政府の方からも
見直し機運が出てきた。しかしその顛末は?

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2013年6月13日、ブーンソン商務相の記者会見の6日後の
「NRPC」(国家コメ政策委員会)で、彼ははじめて、
タイ農民協会からの示唆として、コメ抵当(買取)価格の引き下げを
ほのめかした。

この会合でも損失額は確定できなかったが。
名目的ながら委員長であるインラック首相はこの日、出席しなかった。

「2年間の損失は3000億バーツを超えよう」という
財務省債務:費用小委員会の数字がショックを与えた感じだ。

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ちなみに、このコメ抵当スキームは、ただ量さえあれば、
その分、政府が高値で買い取ってくれるというスキームだから、
政府の損失(納税者の負担)は、農民への‘補助金’と見ればいいが
(ただし、まるまる農民にいかず、業者や役人に流れやすい仕組み
となっており、汚職の源泉とも批判される)、タイの米作の質も
損なうことが懸念される。

質の高いコメも低いコメも一緒に倉庫に入れられる。
タイのコメの生産量は、世界のコメが過剰がちにもかかわらず、
この政策のために何割か増えているはずだ。
みかん、ランプータン、ドリアンなどの果樹園さえ早期収穫米に
変えられているという。

一方、有機米など手間のかかるコメ作りは敬遠され、品質の改良も
措いて行かれる。
タイのコメの国際的信用も損なうとも懸念される。

@@@@@

在庫増の問題は、政府にとっても頭の痛い問題だ。
「在庫期間が長くなるので、燻蒸消毒が繰り返され(通常は半年に1回だそうだが)、
在庫米の色はくすみ、かび臭いにおいを放つので、スーパーのブランド米に
入れて売られている」と言ったうわさが立つほどだ。
政府はもちろん否定している。

こういった中で6月16日(日)に行なわれたバンコクのドンムアンの補欠選挙では、
民主党のタンクン候補が、タイ貢献党のユラヌント候補を破り、与党タクシン派の地盤を
37年ぶりに野党民主党が取ったりしている。
コメ抵当スキームへの懸念も与党への批判票になったと言われる。
また、世論調査でも、このコメ抵当スキームの顛末で政府は信用を失ったのだから、
インラック首相は辞任すべきだとの声が30%あった。

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@@@@@

その5日後、6月18日のNRPC緊急会合で、
コメ買取価格の引き下げが提案された。
今のトン15000バーツ(普通米)を13500~12000バーツに下げる
方向で検討されたが、この日は結局2割カットの12000バーツと決まった。
同時に無制限だった買取り量も、1戸当たり50万バーツと制限が入った
(普通米で40トンほどとなる)。
今期の2期米を対象に、早速6月30日から施行されることになった。

これにより、年間2500~2600万トンに増えてきた供出米を、
1400~1500万トンに4割がた減らして絞る、
また買上げ価格も低くし、政府の負担を減らす方向だ。
量と価格合わせて、買い取り価額の負担を半減させたいことになる。

@@@@@

政府は、「世界のコメ市場の変化により、変えざるを得なくなった」、
また、「財政の規律を保つために必要な措置だ」と説明しているが、
世界のコメ市場でコメがだぶつき気味なのは、政策導入以前からで変わらない。

「FAO」(食糧農業機構)の今年4月の見通しでも、
今年の世界のコメ生産高(籾量)は2.1%増の7億4670万トン
(精米ベースで4億9770万トン)。増加分だけでも1600万トンに達する。
輸出国は増産し、輸入国は自給努力を進める。
コメの国際相場は、なお軟調である。

「世界最大のコメ輸出国タイが在庫を貯めて輸出を渋れば、
タイ米は高く売れるだろう」といった市場経済を無視した政策が
破綻したにすぎない。

@@@@@

農民は、もちろん大反対だ。
「今までのトン12000バーツと言っても、含水分が多いと15%がた引かれるなど、
実際は9000~9500バーツしか得られていない」、
「それを引き下げるとなると、農家のコスト8000バーツくらいから利益が出なくなる」と
反対している。

さらにこのやっかいなコメ抵当スキームは、問題の種に尽きない。
「今年度産のコメのうち260万トンが倉庫から消えた」とか(真偽不明)、
汚職の種にされやすく、品質低下懸念も含め、コメ倉庫の検査の手間が
多くなる。

タイ米(5%砕精米)の直近の輸出価格はトン532ドル。
インド米は445ドル。ベトナム米は370ドル。
輸入国が自給努力を進める中で、どこの国が高めのタイ米を
買ってくれるのだろうか。

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いろいろな問題を抱えながらも、政府はこの目玉政策を
やめられない。
かろうじて、価格・買取量の制限で、負担を減らし、
凌いでいこうという状況だ。

と思っていたら、決めたことがまた覆ることになる。

(続く)
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by ucci-h | 2013-07-24 23:27 | 一次産品の市況 | Comments(0)
行き詰ってきたコメ抵当スキーム(2):「損失額が膨れる!」
前回、タイのコメ抵当スキームの損失額が明らかにならず、
2013年6月7日の商務相の会見でもわからずじまいで
国内に失望が広がったことまでお伝えした。

 「行き詰ってきたコメ抵当スキーム(1):損失額が出てこない 2013-6-25」
  http://uccih.exblog.jp/19049943/

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財務省小委員会から出てきた数字を前回紹介したが、
ここまで明らかになったコメ抵当スキームの各期ごとの
数字を整理しておこう(筆者の推定含む)。

        買取数量  買取費用 売却推定額 在庫評価額 損失推定額
       (籾量・万トン)(億バーツ)(億バーツ) (億バーツ) (億バーツ)
2011/12年度 
1期米      690     1070    342     298     430     
2期米     1470     2290    249    1102     939
 計      2160     3360    591    1400     1369
2012/13年度
1期米    1700     2780    609     1331     840           
2期米(予)  700     1120    400      320     400                     
 計(予)   2400    3900    1009    1651     1240

今年度の1期米まで3期で、支出額(買取費用)は、1年半で6140億バーツ
(1兆8420億円)と、政府の設けた5000億バーツの資金プールを
上回っている。5月末まで(2期米の一部を含む)だと、6600億バーツ
(2兆円)の支出となっていると見られる。2年間で7千億バーツ以上か。

これに対し、政府在庫からの売却額は(これが明確に把握されていないが)、
ここまで、せいぜい1000億~1200億バーツほどかと推定される。
つまり、籾量ですでに1年半で4000万トン近い供出米を買い上げたが、
売却できたのは、700~1000万トン程度だろうと見られる。

1年半で、差し引き4940億(6140億マイナス1200億)バーツほどの支出超となろう。
このままだと、2年間では、収入と支出の差は5660億バーツほどに膨れそうだ。
もっとも、これは2年間で1300万トンほどしか売れなかった場合の
支出超過額であり(この可能性は高いが)、売れ残ったコメの時価を評価すれば、
政府の言うように、赤字額は縮まる。

仮に2年間で買い上げたコメ推定4560万トン全部を政府がさばけたとしても、
現下の世界のコメ市況を見れば、高値では売れないから、
1800億~2200億バーツの損失(籾量トン当たり4000~5000バーツの売却損)
となろう。

この程度で済めばいいが、財務省小委員会の数字に見られるように、
損失推定額は、初年度だけで1369億バーツ(これは後に政府も認めることになる)、
1年半で2209億バーツ、2年だと2600億バーツの損失には少なくとも膨れそうだ。

それは、買取りに検査料、倉庫料、金利などの費用がかかるだけでなく、
在庫が長くなると、米は古米となり、年間10~15%ずつ減価していくからだ。
米はゴールドではないから、在庫減価の問題が、売れなければ売れないほど
のしかかってくる。
極端な場合、政府買上米の3割程度が、家畜のえさ程度に減価したとすれば
(大量のコメの在庫は管理に難しい面がある)、
2年間の損失額は3000億バーツには達しよう。

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@@@@@

2年間で4500万トンほど(籾量)のコメを買い取って、
少なくとも2600億バーツ(7800億円)ほどの損失と見込まれるが、
繰り返すが、この程度で済めばいいかもしれない。

というのは、政府米の売却が思ったほど進んでいないからだ。
5月末現在の在庫量は、1700万トン以上と政府は言うが(詳細は言わない)、
買取り量から売却推定量を引くと、2千万トン以上あるかもしれない。

6月12日には、財務省小委員会の計算だと、2年間の損失額は
3000億バーツ(9000億円)を超えるだろうと言うショッキングな
見通しも出てきて、いよいよ政府はコメ抵当スキームを
見直さざるを得なくなった。

識者からは、「もはやコメ抵当スキームは、“はすの葉で覆い隠せない
死臭を放つ象”になった」と言われるまでになった。

次回は、ここにきて政府の取った対応策を紹介しよう。
(続く)
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by ucci-h | 2013-07-01 18:53 | 一次産品の市況 | Comments(0)
行き詰ってきたコメ抵当スキーム(1):「損失額が出てこない!」
タイ貢献党政権の目玉、コメ国家管理補助金制度と言える
「コメ抵当スキーム」が、2年目半ばの2013年6月に入り、
いよいよ行き詰まりを見せてきた。

 「タイのコメ国家管理スキームの負担いよいよ重くなる 2013-4-7」
  http://uccih.exblog.jp/18493360/

このままだと、タイのコメの競争力喪失にとどまらず、
インラック政権の命取り、またタイの国債の格付けにも影響しかねないので、
政府も現状を見直さざるを得ない状況となってきた。

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(写真は、いずれもバンコク・ポスト紙より)

きっかけは、格付け機関ムーディーズが、2013年6月3日、
「コメ抵当スキームの初年度の損失は、政府予想の700~1000億バーツ
(2000~3000億円)を上回り、2000億バーツ(6000億円)を超えるだろう
と言われるが、こういった政府赤字の拡大は、現在のタイの格付け
Baa1に悪影響を与えるかも知れない」と警告したことだ。

政府はただちに、「このうわさは根拠が薄い。初年度に買い取った米は
全部売り切っていないし、2000億バーツを超えることはない」。
「リークされた2600億バーツとか言われる膨大な損失額は、過去10年
コメだけでなく、ゴムやカッサバなどへの補助金も含めた数字だろう」と
否定したが、担当のブーンソン商務大臣は、4日後の6月7日に記者会見を
開き、数字をはっきりさせるということになった。

@@@@@

実は、リークされたと言う、正確には2208億バーツ(6600億円)という
損失額は、財務省の債務・支出小委員会がまとめたものだった。
2011/12年度の1期米(雨季米)は、430億バーツの損失、
2期米(乾季米)で939億バーツの赤字、
2012/13年度の1期米の赤字が840億バーツ、
計2210億バーツの損失に上るというものだった。

このコメ抵当スキームの運営は商務省だが、国有の「BAAC」(農業農協銀行)の
融資が補助金制度のキーになっており、財務省も当然チェックしている。

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ところが、6月7日に開かれたブーンソン商務相の記者会見は、
期待に反し、失望させるものとなってしまった。
商務相は、数字を出せなかったのである。

「損失額については、供出されたコメの売却も済んでいないし、
損失額の確定には、少なくともあと2年はわからない」と逃げてしまい、
「買い取った米のうち、700万トンは売却し、すでに1200億バーツは、
BAACに返済した」と言うばかりであった。

政府在庫米の売却についても、具体的な詳細はなく、
買い手も、数量内訳も、価格も不明であり、説得力に欠いた。

この政府の対応に対しては、さすがに批判が沸き起こった。
「これでは、政府の信用を失墜させる」、
「秘密主義を捨てて、四半期ごとに在庫状態を納税者に知らせるべきではないか」と
いった声が上がった。

仮に2000億バーツの損失として、タイの直接税納税者500万人は、
一人当たり4万バーツ(12万円)もの負担を負っていることになるからだ。

ブーンソン商務相自身も、昨年11月には、「中国との間で1500万トンの
国家間売買契約がなった」と虚偽の発表をし、信用を損ねていた。
インラック首相は、ブーンソンに代えて、内閣官房のパラテップ大臣に
今後数字の取りまとめ役をさせるということになった。

@@@@@

すでに、初年度(2011年10月~2012年9月)が終了してもう9ヶ月になるのに、
政府からは、コメ抵当スキームの実績、投入額、損失額が明らかにされない。

担当相がしっかりつかんでいないからか、それとも出せないような損失額に
膨れてしまったからか、その他の問題も多いコメ抵当スキームは、
へたをすると、インラック政権の命取りとなりかねない。

この話は、さらに展開していく。
(続く)
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by ucci-h | 2013-06-25 00:00 | 一次産品の市況 | Comments(0)
タイ・シルクが増えてくる!?
「ジム・トンプソン」ブランドなどで知られるタイ・シルクは
有名である。
チェンマイでも、シナワトラの絹織物の店は有名である。
タイの絹生産に増産の動きが出てきた。

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絹は、5千年の歴史を誇る中国が、今でも世界の生産高
13万トンの8割を占める10万トンを供給している。
これに対して、タイの生産高は600トンと世界のシェア1%にも
届かないが、その品質で勝負している。

といっても、タイのシルク製品は堅いものが多く、
ヨーロッパの求めるやわらかく柔軟性のあるものとちょっと違うという
(むしろ、ラオスのラオ・シルクの方がやわらかいものが見られる)。

シルクの値段は、過去2年上がってきた。
中心地中国で賃金が上がり、さらに国内需要が増えたからだ。
タイのシルクも現在キロ当たり1800バーツ(5400円)ほどと、
2年前の倍になっている。

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そこでタイの養蚕農家が増え始めたという。
タイには2012年末現在、9万4千人の養蚕家がおり、
10万ライ(1万6千ヘクタール)の土地で桑の生産を行なっている。
20年前の14万人に比べれば、3分の一減っている。

一家平均1ライ(40m平方)の桑畑だが、
6~7ライ(1万㎡)を持つ農家は、年15万~30万バーツ(45万~90万円)を
稼ぎ出しているという。

シルク価格の値上がりで、今後タイの養蚕農家は年2万人ずつ
増えていくと見られる。

タイ・シルクの光沢が増していくのだろうか。
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by ucci-h | 2013-05-12 13:26 | 一次産品の市況 | Comments(4)
金価格の歴史(3) 2013年4月金価格急落の‘犯人’は誰か? 
1999年7月の安値1オンス253ドルから、
2011年9月はじめの1オンス1895ドルの高値まで、
12年間にわたり7.5倍(インフレ調整後の実質値でも5倍)
にもなった金価格は、2013年4月急落することになる。

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金価格は2011年9月以降、軟調に転じたが、
2013年4月なかば週明けの15日(月)には、
前週末の1オンス1,535ドルから、1,395ドルに
一挙に140ドル(9.1%)も急落した。
20011年のピーク比マイナス26%となった。

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タイの金先物取引所でも、ちょうどタイ正月休み明けの
4月18日、1日制限の10%下落し、
サーキットブレーカーが働く混乱振りとなった。

その後、金価格は1,451ドル(4月25日現在)まで
戻っているが、長年ラリーを続けた大相場が
急落に見舞われると、調整期に入るケースが多い。

@@@@@

2013年4月なかばの金価格急落に対する
‘犯人探し’が行なわれている。
マスメディアは、「中国の景気が鈍化しているように、
新興国経済の伸びが落ちてきたからだ」と関連付けている。

景気の鈍化で金の民間需要もインドや中国で
鈍化しているのは確かだ。しかし、民間の需給だけで
金価格が動くわけではない。
インドの景気伸び悩みや、中国のスローダウンは2年前から
始まっている(金価格のさらなる上昇のブースターが
2011年以降不足してきたとは言えるかもしれないが)。

また、財政危機に陥っているEUの小国キプロスが
外貨準備から金を売却するのではという思惑も働いた。
キプロスの金保有量は13.9トン。世界の中央銀行の保有量
31,695トンから見れば、0.04%に過ぎないが、こういった動き
(その後立ち消えになったもよう)がEUに広がれば、
金の需給が崩されるといった思惑である。

直接の引き金は、ゴールドマン・ザックスが前週末12日に、
「金の売り」推奨をしたことからのようだが、
言うなれば、なんとか売り場を探していた投機筋が、
止めを刺され、急落につながったということだろう。

すでに金価格は、11年9月をピークに調整相場に
入っていた。
ジョージ・ソロスは、2012年第4四半期に金のETFを
55%売却している。

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犯人探しには、上昇相場のときの要因が参考になる。
前回記したように、「世界の景気は鈍い。欧州は不安である。
金融緩和で温めようとしている。アメリカも3次にわたる金融緩和(QE1~QE3)
を続けているが、景気回復ははかばかしくない。いずれインフレに
つながるだけだ」という‘期待’が金相場を10年以上押し上げてきた。

何が変わってきたのか?
金融緩和をしつこく続けてきたのにインフレにならない
(13年3月の米CPIはマイナス0.2%)。
しかも、なんとか世界の景気は持ち直しそうで、米連銀の
第3次金融緩和(QE3)もじきに幕を閉じそうである。

さらに、株式が上がってきたなど、他の投資対象の魅力の方が
高くなってきた。利回り・配当のない金への投資魅力が相対的に
下がってくる。

この4月の金価格の急落は、いわば金投機家が白旗を
上げるに迫られた下げだったのではないだろうか。
期待をなお持ちこたえたかったが、持ちこたえられなかった。

景気との関連で見ると興味深い。
今、日本でもそうだが、大幅な金融緩和は超インフレを招くとの
危惧がある。
しかし、今回の金価格の急落を見ると、
今の世界景気、金融緩和だけでは大きなインフレにならないことを
示唆しているのかもしれない。

それとも、インフレの再来はまだ先のことで、
今は、金価格とともに、世界のインフレ動向もしばらくは
お休みと見るべきなのだろうか?
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by ucci-h | 2013-04-28 20:35 | 一次産品の市況 | Comments(0)
金価格の歴史(2) 2000年代低インフレ時代、なぜ金は10年も上がったのだろう?
昔、調べたことはあるが、金の需給や金価格の予測は難しい
(為替や株価、相場物はみなそうだが・・)。

古い要因に新しい要因が混じってきたりする。
だから、アナリストは、‘理路整然と’間違った予測を
出しがちである。

2000年代初めの10年間の金価格の高騰は、
70年代のそれとは違ったことは明らかだ。

70年代はまさにハイパーインフレの象徴だった。
地勢的不安定さもこれにプラスしていたが・・・。
それと、隠れていた背景が、インフレの勢いが強すぎて
株式や債券といった他の投資対象の魅力が無くなっていたことだ。
ハイパー・インフレ時代は証券よりも金が選好された。

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2000年代のインフレ率は低い。
デフレから抜け切れなかった国もある。
70年代G7諸国のインフレ率が年平均7~14%だったのに対し、
2000年代のそれは、1~2.5%だった(日本はマイナス1.2%)。
なのに、なぜインフレヘッジである金が10年も上がったのか?

いろいろ後講釈は言われるが、
一番は、株式など証券投資の魅力が薄れたからだろう。
日本株は80年代にばぶり破裂し、低迷し、米国株も80~90年代に上がった後、
2000年代は魅力を減らした。欧州もダメ。新興国市場と言っても規模が知れている。
デフレ傾向で、他の商品も相場も、世界の景気がよくなければ需要が限られる。

「日本やアメリカ、欧州は、景気もはかばかしくない。
財政赤字は膨れ、金融緩和で景気を煽るしかないだろう」・・・
相場は、現実をベースに動くのではなく、先の期待で動く。
いずれインフレになるだろうから、金がいい。
景気の伸びる新興国のインドや中国やタイは、みな金好きで、
金への需要も強い。

あらっぽい理由だが、こういった見方を背景に、
景気低迷が続き、インフレ再燃期待のじれったさの中で
金価格が上がってきたのだろう。
景気停滞が長引き、金融緩和が長期化するほど、ゴールドの
ラリーは長くなった。

そして、その期待がついに外れたからか、
待ちきれなくなったからか、
それとも目標の2000ドルに近づいたからか、
金価格は2013年になって暴落することになる。
何があったのだろうか?

(最終回へ続く)
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by ucci-h | 2013-04-25 20:17 | 一次産品の市況 | Comments(0)
金価格の歴史(1) 1980年ピークをつけた金価格は予想通り20年低迷した
今から33年前になるが、1980年1月金価格が1オンス850ドルの
高値をつけたときのことは、当時、筆者はニューヨークにいて実感したので、
今でもはっきりと憶えている。

当時は、イラン革命もあり原油価格は高騰し、世界のインフレも高進し、
さらにはソ連のアフガニスタン侵攻などもあり、ハイパー・インフレが
盛り上がった時だった。一方米国の景気は、回復前夜にあり、
株価は歴史的な低さにあった。

ついに80年代初頭にピークを打った金価格!
これで10年や20年は、金価格は低迷するだろうと思うほどの
吹き上がり方だった。

d0159325_15523582.jpg

そして、確かに、70年代のインフレ時代が終わり、
金価格は、2000年までその後20年間低迷を続け、
1オンス252ドルまで下げた(1999年7月)。

みなが金に興味を失ったこの頃を底に、
金価格は、21世紀の最初の12年間上がっていくことになる。
2007年には、1980年の高値を四半世紀ぶりに抜くと、
2011年8月には1オンス1889.7ドルの高値をつけた。

閑話休題。

20年間と言うのは、相場の世界ではかなり意味がある。
昔、1960年代末から80年代初めまでの20数年間、
ニューヨークの株式市場はちっとも上がらなかった。
インフレ調整後の実質値では、20年代の大恐慌後の
20数年と同じように、実質値はほぼ3分の一になっていた。

20数年、1世代と言うのは意味がある。
ウォール街で働く67年入社以降の証券マンは、「株価は上がらないもの」との
意識が染み付いていた。しかし、80年以降入社の1世代下の連中は
そういう意識はない。今度は「株価は上がり続けるもの」とインプット
されていった。
日本の株も90年以降、下がるもの、上がらないものと20数年
記憶に刷り続けられてきた・・・。

金価格に話を戻そう。

70年代はじめ、ニクソンショックで固定相場制から離脱する前の
金価格は1オンス35ドルだったから、
70年代のインフレ時代に、24倍にもなった。
そして、2000年代の10年間では、250ドルから
1890ドルまで、7.5倍になったことになる。

金は利子も配当もつかない代わりに、インフレヘッジ、リスクヘッジ
として買われる。

面白いチャートがある。
70年代はハイパーインフレの時代だったが、金の値上がりは
もっとハイパーだったので、インフレ調整後の「実質金価格」でも
10年で8倍ほどになった。

2000年代は、インフレは緩やか、デフレ色の濃い時代だったはずだ。
従って、実質値では5倍になっている。
もっとも底値からピークまでの値段の変化だ。

70年代の金価格の高騰の理由はよくわかるが、
インフレがさほどでもなかった2000年代になぜ
インフレ・ヘッジである金価格は7.5倍にもなったのだろうか?

(その2に続く)
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by ucci-h | 2013-04-24 15:52 | 一次産品の市況 | Comments(4)
厳しくなるか、タイのコメ国家管理スキーム?(2)今年度のゆくえ
昨年度、大きな財政負担となったタイのコメ抵当スキームだが、
さて、今年度はどうなるのだろうか?

今年度(2012年10月~2013年9月)タイでは、
このスキーム目当ての増産が加わり、生産量(籾量)は1次米が2300万トン、
2次米が1100万トン、前年度比7%増の計3400万トンと見込まれた。
幸いと言うか、乾季の旱魃で2次米は700万トンほどに下がりそうなので、
年間の生産高は、3000万トン強にとどまりそうである。

抵当に出てこない自家用・市場直売のコメ1000万トン近くを除けば、
今年度も2000万トンほどが抵当に供されるだろう。
抵当価格は変わらないので、トン当たり平均15600バーツとして、
今年度も3120億バーツほどの買上げ代金が動くだろう。

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1次米が何割か加わった3月末現在の政府在庫は、
籾量で1800万トンほどと業者は見ている。
これに今後2次米などが新たに倉庫に入ってくると、
年内には、売却量によるが、2000万トン台に乗ってこよう。
物理的な倉庫の容量の問題もあるが、コメ在庫は、
時間が経てば古米としてしか売れなくなる。

現在1570億バーツほど(売却見込み価額)と評価できる
1800万トンの政府コメ在庫。
買値2810億バーツを引けば、現在1240億バーツほどの
見込み損を抱えていることになる。

国連FAO(食糧農業機構)によれば、
タイの2013年末の在庫は精米で1820万トン(籾ベースで
2900万トン)になろうと見込まれている。
売却も進もうから、そこまで膨れないにしても、
損を抑えるのは、時間との勝負になる。

ブーンソン商務大臣は、4~5月とアフリカの輸入国に飛び、
タイ米を購入してもらうよう‘政府営業’を行なうという。
今やアフリカ諸国がタイ米のトップのお客様だ。

資金の供給を担当する国有銀行「農業農協銀行」(BAAC)の
資金繰りも、高値で買ったコメが売れないと、巨額なだけに
国有銀行といえども、資金繰りに苦しくなる。
同じ国有銀行の「政府貯蓄銀行」(GSB)から資金援助をしてもらおうかと
いう計画も出ている。

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損を抑えるために、商務省からも、今年2月、
現行の抵当価格トン15000バーツ(普通米)を
市場価格に近い13000から14000バーツに下げ、
納入量も無制限でなく1農家25トンに制限しようと言う
‘現実的抑制案’が出たが、一度実施された甘い案は抑制できない。
たちまち農民の「次の選挙で投票しないぞ」という反対にあってつぶされた。

毎年、補助金に当たる大きな損失が出るコメ抵当スキーム。
いつまで続けられるのだろうか?
タイ貢献党政府は、止めたときの農民票の反動が怖いだろう。
しかし今のままでは、毎年1400億バーツ(4200億円)を超える
損失が国家財政を食っていく。

タイの公的債務残高のGDP比の上限は60%とされている。
そして50%に行ったら注意ゾーンとされ、国債の格付けにも
影響が及ぶとされる。
2年前までタイの公的債務のGDP比は、40%少しで問題なかった。
そこに、タイ貢献党政権のポピュリスト政策、なかでもコメ抵当スキームが
やってきた。
さらに、今後2兆バーツを投じるインフラ建設計画がこのあとやってくる。

2013年1月末のタイの公的債務GDP比は、44%。
タイのGDPは、2012年推計で11.47兆バーツ(3800億ドル)。
5兆バーツほどの公的債務残高がある。
50%まであと7千億バーツほどだ(もちろん、その間にGDPの増加もあろうが)。
コメ抵当スキームの損失だけで、毎年GDPの1.2%分を増やしていく
計算になる。

問題の多いこのスキーム。
うまく収拾できるのだろうか?
へたをすると現政権の命取りになるだけでなく、
タイ財政のダウングレードにつながる。
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by ucci-h | 2013-04-08 11:42 | 一次産品の市況 | Comments(0)
  

北タイのチェンマイをベースにメコン、アセアンの経済、見所、食べ物を日本と比較して紹介します。ただし投資をアドバイスするものではありません。コメント記入は題字をクリック下さい。
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