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タイの洪水を防ぐ大運河計画とは?
バンコクの水が、年末あたりまでに何とか引けて、
乾季の間に、タイ政府はどんな長期洪水対策を
講ずるのだろうか?
水の入るを制し、出を速める策はあるのだろうか?

入るを制するのは、ダムでの流量調整である。

専門家によると、今年の雨季の5ヶ月間に
北部のダムの上流に降った雨の量は、
例年の1.4~1.5倍で、410億㎥に達したと言う。

2つの巨大ダム、ピン川のプミポン・ダム(容量134億㎥)と
ナン川のシリキット・ダム(同じく95億㎥)合計の貯水量229億㎥の
1.8倍の大雨が降ったことになる。

10月始めには、両ダム合わせて、一日あたり2.9億+0・66億=
3.56億㎥の水が流れ込み、1.6億㎥の水を放流したと言う。
下流のナコンサワンの街で合流し、アユタヤ、バンコクに向かった。
それでも最盛時は、両ダムに一日2億㎥近くの水が溜まったことになる。

今年の雨季の終わりの雨量から見ると、両ダム合わせて、
毎日2億㎥近くずつ水が増え、貯水量は12日ほどで、90%が
100%になってしまうペースだった。
実際に、9月末にはプミポン・ダムとシリキット・ダムの貯水率は、
それぞれ93%、99%に上がった。

例年なら、1億㎥ほどずつの純増だろうから、10%ポイント上がるのに
1ヶ月近く時間が保てたはずだが・・。

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仮に、先の大雨を見込んで、すでに6月頃から大量の放流を
開始していたと仮定しよう。
もしその頃、貯水率を50%程度に抑えられていたとすると(あくまで
仮定の数字。水不足の時は50%割れ)、その後3ヶ月平均で、
両ダムに溜まる水が、一日純増2.5億㎥だったとしても
(一日放水量を1億㎥に抑える)、45日は耐えられたことになるが、
それにしても、ダムでコントロールするには厳しい流量だったことが判る。

10数年に一度はやってきそうな異常降雨による洪水の被害を
少なくするには、入るを制することも必要だが、
やはりいずるを速める策が必要だ。。
既存運河の流量加速化も図られそうだが、それでは不十分かも
知れない。

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(写真、図は、バンコク・ポスト紙電子版より)

今、新しく考えられているのは、
アユタヤの北からバンコクの南までぐるっと長円形に囲む
外郭環状道路3号が計画にあるが、その外側に100kmに
わたる大運河を作ろうと言うものである。

この“ウォーター・モーターウェイ”は、環状3号線の東側に、
深さ8m、幅180mの大運河を100kmに渡って、7年、2200億
バーツ(8500億円ほど)をかけて掘ろうというものだ。

容量だけでも1.44億㎥となる野心的な計画だ。
あとは高い流速をどこまで確保できるかだろうが、
はたして実現するのだろうか?
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by ucci-h | 2011-10-31 12:25 | アジア的な生活 | Comments(0)
♪季節の変わり目♪
中山丈二という作詞家が、1980年6月に36歳という若さで
亡くなったが、その遺品の中に「秋冬」という曲があったという。

「♪しゃれ~た日焼けに涙があふ~れる ああ、秋かしら~
季節の変わり目を あなたの心で知るなんて~♪」

83~84年に数名の歌手により歌われ、ヒットした。
季節感を感じるしゃれた、少し物悲しい、すてきな曲と詞である
(作曲は堀江童子)。

タイには、秋という季節はないが、10月末の今がちょうど雨季から
寒季(乾季)への変わり目である。
私自身は、日焼けはしているが、涙は枯れたのか、最近は出ないなあ。
季節の変わり目をあなたの心で知るなんて、自分はいやになるほど
経験してきたかな?(笑)。

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雨がやんで、‘秋’のお祭り「ローイ・クラトン」(灯篭流し)が始まった。
夕べは、一足早いコムロイ(紙製熱風船)の数千の打ち上げを
近くのメージョーへ行って見てきた。相変わらずの人出だが、
毎年、心が夜空に吸い上げられていくような感動だ。
 「ローイ・クラトンはじまる 2007-11-24」
  http://uccih.exblog.jp/11092577/

けさは、またチェンマイに久しぶりに雨が降った。
バンコクの洪水が心配だが、雨季の最後の雨だろう。
季節外れの大雨にならなければいいが。
朝夕のチェンマイの街はすっかり涼しくなっている。
少し肌寒いくらいだ。

チャオプラヤ川の上流地域では、水が引き始めている。
バンコクの洪水は、なおゆっくり流れる水が引くまで
時間がかかる。バンコク西南のラット・クラバン工業団地(225工場、
従業員45000人)が第8番目の冠水となるかもしれない。

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(写真は水に浸かったドンムアン空港。バンコク・ポスト紙電子版より)

その南のスワナプーム空港は、一日1億㎥の排水能力があるから
大丈夫と言われるが、なお予断は許されない。
しかしここ1週間を越せば、バンコクの洪水も
次第に時間の問題となっていくだろう。

季節の変わり目である。
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by ucci-h | 2011-10-30 11:43 | アジア的な生活 | Comments(0)
ちょっぴり気になる対米依存?論
ブログを書いたり、日本の友人達とメールのやり取りをしていると、
いろいろな人からいろいろなコメントをいただいてありがたい。
それはそれで、うれしく面白いのですが、
ときどき、はてな?と思うコメントにも出会う。

よくあるコメントに、「それはアメリカの謀略である」とか、
また「そろそろ対米依存から脱却すべきだ」といった
昔からの見方も散見する。

たとえば謀略論だが、原発事故までアメリカの謀略でできるほど、
アメリカは神様ではない。いろいろなところに顔を出す
アメリカ謀略論は、物事の因果関係を究めるのを放棄する
‘さぼりのレトリック’だと思う。
よく物事の流れ、因果関係を見つめて欲しい。

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「ノーと言える日本」という本が出て、20年以上になると思うが、
裏返った対米被害者論もあまり変わっていないようだ。
「アメリカは自分勝手なルールを押し付けてくる」とも言うが、
国際外交上、自国の国益に合った要求を、たとえ相手が不利益になっても、
まずは出してくるのは、古今東西、当たり前のこと。

国際スポーツ・ルールの変更の歴史を見るといい例だ。
スキー・ジャンプなど多くが、自国にできるだけ有利なように変えてきている。

「そうは言っても、世話になっている(多くの利益をもらっている)アメリカの
要求だから・・」といった‘しょうがない論’もある。
これまた被害者意識ではないだろうか。

外国の要求に対して黒か白かではなく、それに沿った形を見せつつ
自国の要求を通すのが、ネゴシエーションというものだ。
その外交官のプロフェッショナリズムに対して、我々は税金を払っている。

最近ちょっと気になっていることを書きました。
皆さんは、どうみているのかなあ?
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by ucci-h | 2011-10-30 09:52 | 日本・米国・欧州 | Comments(7)
経済制裁が逆にビルマ産のヒスイの輸出を拡大させた!?
開放経済体制に入っていこうとしているビルマ(ミャンマー)。

ビルマの全輸出金額は、昨年で88億ドルと、タイの2060億ドルの
4%に過ぎない。
最大の輸出品は、タイなどに向けられる天然ガスで、全体の
28%ほどを占める。

ビルマはこの天然ガスなどのエネルギー資源や鉱物資源、
なかでも本ヒスイなどの宝石の世界的産地として知られるが、
JETROの通関ベースの貿易統計には、主要輸出品としての
宝石は出てこない。
チーク材やコメ、エビなどは顔を出すが・・。

ここに、ビルマに対する西欧の経済制裁がうまく働かない
メカニズムが隠れている。
香港大学の研究者ルノー・エグルトー氏が、ビルマの宝石取引の
実態を見せてくれている。

そう、ヒスイやルビーといった宝石類の輸出額は昨年で17.5億ドルと
言われるが、宝石類はアンダーグラウンドで取引されることが
多いからだ。

実際の取引量は、この数字を上回ることだろう。
しかも、皮肉なことに、2007年の「サフラン革命」(僧衣の黄色い色)
騒ぎで、西欧の禁輸が強められた頃から、ビルマの宝石、なかでも
ヒスイの輸出は急拡大しているのだ。

2007年以降、毎年ビルマにおけるヒスイの生産と販売は急拡大している。
今や、ビルマで宝石生産に関わる労働者は50万人と言われる。
毎年3回、首都ネピドーで、ミャンマー宝石エンポリウムが開かれるが、
2000年代に入っても、成約額は1.5~3億ドルだったのが、2011年の
3月、7月のエンポリウムでは、それぞれ28億ドル、15億ドルの成約と
拡大している。

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(ヒスイ原石の写真。ウィキペディアより)

需要の中心は、翡翠好きの中国である。
西欧の経済制裁は、アフリカの‘血のダイアモンド’を模して、
ビルマ産の宝石の流通ルートを捉えることを試みたが、ユダヤ資本
デビアス社のコントロールするアフリカのダイアモンドと違って、
ビルマ産の宝石の流通ルートは多岐に渡るし、大きな一元的な
販売組織があるわけではない。

アメリカは、2008年7月に、「ビルマJADEブロック法」を制定して、
ビルマからの宝石の輸入を禁止する措置を講じたが、見込み違いとなった。
ちなみに、このJADE(ヒスイ)は、軍事政権(Junta)による反民主(Anti-Democratic)
志向(Effort)の略となっている。

世界のルビーの90%、本ひすいの70%は、ビルマで取れると
言われるが、生産主体も、流通ルートも、販売組織もさまざまだ。
生産は、内紛の多いカチン州やシャン州で多いが、これらの
部族軍が生産を担ったりしている。
また、ヒスイはほぼすべて中国経由で、ルビーはタイ経由が多いと
分かれている。

今や、国境の街、雲南省のルイリー(瑞麗)市は、ヒスイの取引センターに
なっているという。
香港、台北、バンコクの業者とつながるという。
ヒスイ目当ての観光客もやってくる。
ビルマ産の原石を磨く研磨工場も整っている。

西欧は経済制裁によって、地方の労働者の職は損なわないで、
軍権力者のポケットに入る金を防ごうと試みたが、難しかった。

今後、経済制裁が取り払われれば、この経済制裁の矛盾する悩みが
軽減することになるだろうか。
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by ucci-h | 2011-10-28 21:57 | ミャンマー・ラオス・カンボジア | Comments(0)
鉄の下駄
2011年、ことしは厄年と言っていいだろう。
3月の日本の震災と原発事故、夏場の台風の襲来、
そして、タイにおける半世紀ぶりの洪水、
おまけに欧州の債務危機が影を落として
世界の景況も暗い。

こんな有様なので、日本の方にタイの洪水の状況をお伝えしつつ、
日本の節電やら放射能にお見舞い申し上げ、
「それでも、空に太陽がある限り幸せですね、
人生は苦の連続ですから、今年のあれこれも当たり前、
元気でお過ごしください」と便りを差し上げたら、
ある方から、うれしい返信をいただいた。


いい意味で稚気あふれる方からのユーモラスで
明るいお便りは、心を明るくしてくれます。
匿名で、そっとご紹介させていただきます。

最初が、私からの便り。
次のが、その方からのお返事です。

@@@@@

(私から)

ご無沙汰しています。
今年は、稀に見る厄年なのでしょうね。

日本にいた時は震災に震え、
タイにいては、洪水の行く末に気をもんでいます。
おまけに欧州の債務危機。

昔なら戦争前夜の暗い時期なのでしょうか?
そうは言っても、きょうもチェンマイはさわやかな青空です。
空に太陽がある限り、幸せに感じますね。

仏教では、人生は苦の連続とか。
そう思ってしまえば、天災、人災のひとつやふたつは・・。

良い秋をお過ごしください。
こちらはじきに雨季明けです。

@@@@@

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(知人の方から)

おっしゃる通りです。
私も 青空や、浮かぶ雲の様子を眺めてるだけで
幸せを感じます。

太陽? 
私は 太陽崇拝ですので、運良く 日の出を見れた時には
パジャマのままで 手を合わせてしまいます。

お釈迦様のお言葉どおり この世は苦の連続ですが
来世も私は 三日いたら飽きてしまいそうな天国より、
活気満ち溢れていそうな 地獄がいいなァ
そして お閻魔さまに取り入って 針の山の番人になるの。

あなた様は勿論、天国でしょうけど もし、もしもですよ、
針の山にいらつしゃったら、ご安心! 鉄の下駄を
そっと 差し上げますね。

では、この辺で失礼いたします。

@@@@@

いつの日か、鉄の下駄をいただけるのを楽しみに。
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by ucci-h | 2011-10-28 15:00 | アジア的な生活 | Comments(0)
タイの高速鉄道のフィージビリティ・スタディに日本が挙手
中国の新幹線の大事故(7月23日)から早いもので、3ヶ月がたった。

その間、ビルマに新しい中国離れの動きが見られるが、鉄道関係ではない。
一方、タイでは、中国からの列車が乗り入れられるように、レールのゲージを
タイ伝統のメーター・ゲージ(軌道の幅が1000ミリ)から、
中国で広く採用されている標準ゲージ(1435ミリ、日本の新幹線も)に
変えようというタイ政府からの声も出てきている。

中国の新幹線事故は、日本に新たなビジネス機会を提供している。
「ラオスやタイの高速鉄道を日本の新幹線の技術で!」という売込みである。
日本の新幹線が過去自発的な死亡事故もなく、最高に安全な高速鉄道
だということは知られている。しかし、値段が高い。
オーバー・スペックとは言わないが、途上国に高額インフラは無理だ。

しかし、交渉の余地はある。
中国の事故の後、さっそく日本にも用意のあることをタイの運輸省に
伝えた日本だが、ここにきて、フィージビリティー・スタディのコンサルタントを
やろうと申し出ている。
対象は、チェンマイ・バンコク間の予算2300億バーツ(77億ドル)の
高速鉄道敷設計画である。

754kmに及ぶ高速鉄道計画を、日本政府がコンサルタントを雇い、
4ヶ月かけてスタディしようというものだ。
調査の中身は、投資コストとベネフィットの見合い、ルートの選択、
駅の数、レール・ゲージの選択、鉄道運行システム、乗客数の見込み
などである。

日本としては、このフィージビリティ・スタディを受けて、プロジェクトに
投資したい意向である。

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一方、ラオスでは、中国の協力で、雲南省の昆明からラオスの首都
ビエンチャンまで高速鉄道を敷き、さらにそこから、タイ国境のノンカイに
はいり、バンコクへつなげることを計画している。

しかし、この計画も今もめていると言う。
中国が資金を提供する代わりに、沿線の土地の利用をさせろという
要求に対して、ラオスは首を縦に振っていない。
中国の、中国のための要求が抵抗にあっている。

この二つの線以外の残り3つに対しても、タイ運輸省は、来年の
フィージビリティー・スタディ予算を確保している。
その他3つの高速路線計画とは、
①バンコク・コラート路線 256km
②バンコク・ピサヌローク路線 382km
③バンコク・ホアヒン路線 225km
の3つである。

さて、日本の巻き返しはなるだろうか。
なってほしいな。
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by ucci-h | 2011-10-27 18:16 | アセアンの動向 | Comments(2)
ピントがずれている日本のTPP反対議論
日本からのTPP反対といった報道を見ていると
ピントがずれているのではないかと感ずる。

たしかに、農協、農水族が、まるで日本の稲作が
壊滅するかのような危機感で煽っているのは、
既得権益を守るためで、よくわかる。

実際はそんなことはなく、農政の生殺し(非専門の兼業農家
を生かしておくこと)が、日本の恵まれているはずの
稲作の活気を削いでいる。

判らないのは、今さらここに来て「拙速は避けるべし」
などといった慎重論だ。
震災を理由に、議論を半年も放って置いて、
拙速もなにもないものだ。

すでに11月のハワイでのAPECを控えて、
アメリカ中心に舞台裏ではつめが進んでいるはずだ。
知的所有権の認定期間をアメリカ流にしようか、どうしようかとか。

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TPPは、協議に参加するのにオープンな機構である。
参加もしないで、決まりそうなことに、被害者意識を高めているのは
最悪である。
早めに参加して、言いたいことを言わないで、仮にわが国に不利なように
決まって、参加国だけで通商が拡大していった時の日本の責任は
誰が取るのだろう?

日本より農業の保護率が高いと言われる韓国も参加しそうだし、
‘中国囲い込みのアメリカ主導によるTPP’という俗なうわさと
違って、中国も事務レベルで協議に入ってきているようだ。

どうするの日本は?
洪水でやられたタイの日本企業は、タイが参加していけばOK
なのだろうが・・・。

 参考ブログ:「先延ばしされたTPP,アジア諸国では? 2011-5-21」
  http://uccih.exblog.jp/13623598/
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by ucci-h | 2011-10-27 17:15 | 貿易・直接投資の動き | Comments(7)
ドンムアン空港ベースのノック・エアーの新しい制服
タイの洪水はバンコク北部のドンムアン空港も
水浸しにし、少なくとも10月いっぱいは使えなくなった。
ただし、災害対策本部は、空港の2階に移って
業務を続けるようだ。

たしかに、大洪水は死者も400人以上出て、
甚大な被害だが、津波のように5~10mの高さの
水が短時間で来て人をさらっていくわけではない。
高低差の少ないタイの平原部をひたひたと来る状況である。

アメリカの空母ジョージ・ワシントンが救助に
タイランド湾の沖合までやってきたが、空母から救助する
ような状況もなく、帰ってしまった。

従って、水が引けば、工場の機械などはものによって痛いが、
タイの経済活動は復旧しよう。
ただ問題は、水が来るのに時間がかかったと言うことは、
水が引くにも時間がかかると言うことだ。

閑話休題

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かつての国際空港ドンムアン空港は、今、ノック・エアーと
オリエント・タイ航空のふたつの国内線が使っている。
格安航空ノック・エアーは、タイ航空が39%の株を持っているが
増やしたいようだ。
ノック・エアーも昨年は、業績が向上した。
ノック・エアーは一日ドンムアンから40便飛ばしているが、
今はお休みだ。

ちょうど、ノック・エアーが新しいキャビン・アテンダントの
制服を発表した後だ。
洪水のニュースばかりなので、黄色いワンピースに細紐のついた
新しい制服を眺めて一息入れよう。

{追記}
ノック・エアーは25日より運行を停止したが、27日よりスワナプーム空港を
借りて(チェックインはDカウンター)、運行を一部再開するそうだ。
親会社のタイ航空が便宜を図ってくれたようだ。
チェンマイにも‘黄色い鳥’が飛んでくる。
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by ucci-h | 2011-10-26 23:18 | エアライン・観光業 | Comments(2)
東西にうまく水を分けれないバンコク洪水の行方は?
10月25日時点での報道によれば、
北からの水を東西に分けて流し、バンコク市街を
洪水から守る作戦は、うまくいかないようだ。
そうこうするうちに、アユタヤ方面からのプミポン・ダムの
満水量の3割にあたる40億㎥の水は、明日にもバンコクに到達しそうだという。
もっとも高低差の小さいタイの平原のこと、ひたひたと少しずつやってくる。

バンコクにおける1日の排水量は、以前見たように、せいぜい
4億㎥だから、その10倍の水の処理は容易ではない。

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バンコクの西側を見れば、昨日お伝えしたように、
市の北西のノンタブリからさらに西のナコン・パトムに
水は広がりそうだ。ノンタブリの南のタウィ・ワッタナーの運河に
流れ、チャオプラヤ川と西のタチン川に流れ込み、海に出てくれれば
いいが、タウィ・ワッタナーにあるバンコク市内を守る2.7Mの高さの
鉄道盛り土が、浸水が3mとなれば、超えられる恐れがあるという。

頼みは、タチン川に流れ込む3つの運河の浚渫が終わったところだが、
平らな土地のため、まだ水がうまく流れ込まないと言う。
水量が増えたとき、うまく流れ込んでいくことが期待される。

チャオプラヤの水位は昨日10月24日、海抜2.3Mの史上最高
となっている。1995年の洪水の時は、2.27Mであったという。
すでにチャオプラヤの上流にあるバン・プラでは堤防から水が入り、
街に浸水している。

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(地図は、バンコク・ポスト紙より)

北のランシット(パトゥム・タニ)の運河の水流は強く、高く、
水門を超えて流れていると言う。
タウィ・ワッタナーなど西側は、3mの水深になりそうだと言う。
バンコク南の低地やトンブリも水面下になる危険があると
インラック首相は警告している。

東側に流す水も思い通りにはいかないようだ。
東側は、運河を伝わり、バン・パコン川に水が流れ込み、
海に出ることが理想だが、ポンプが足りないと言う。
つまり、南にずっと下がっていく地形なら良いが、水流の
登りの箇所も数多くある。ポンプが足りないと流しきれない。

また東には、ボトルネックになっている運河もあるという。
草や藻が密生していて、水の流れを妨げると言う。
まだ藻の除去作業は行なわれていない。

大量の水がなお北から迫っている中で、
東西への水の分岐は、思ったほどには行かない。
バンコク洪水は、市内の浸水もさりながら、
トンブリや南の低地、バンコクの南サムート・プラカン
までも飲み込むことになるのか。

サムート・プラカンには、バン・プリ、バンプーの
2つの工業団地(合わせて550工場、従業員9万人)、
そしてスワナプーム国際空港がある。
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by ucci-h | 2011-10-25 21:40 | アジア的な生活 | Comments(0)
水没した7つのタイ工業団地の全貌と、今後の政府の支援策
タイの洪水は、ここまでにアユタヤの5つの工業団地と、
バンコクの北側パトゥム・タニの2つの工業団地、
今のところ計7つの工業団地を水没させた。
 「歯止めがかかるかタイ工業団地の水害 2011-10-18」
  http://uccih.exblog.jp/14777624/

タイには、以前述べたように、日本が最大の直接投資家だから、
日本の420社ほどの工場が水没した。
  「増加する海外中小企業のタイへの投資 2011-6-9」
  http://uccih.exblog.jp/13745252/

アユタヤのロジャナ工業団地では、ホンダはじめ147の日本の
工場に浸水した。キティラット副首相が日本企業の人の肩を抱いて
泣いたハイテク工業団地では、143工場のうち、100工場が日本の会社だ。
10月4日最初に浸水したサハ・ラタナナコーン団地では日本の35工場(全体では43)、
バンパ・インでは30、中小の多いファクトリー・ランドでは日本の5工場が水没した。

そして、パトゥム・タニにあるタイ最大のナワ・ナコーン工業団地では、
227工場が水没したが、ソニー、ニコンはじめうち104工場は日本の企業だ。
10月20日に浸水した同じくパトゥム・タニのバンカディ工業団地でも、
東芝の主力工場が3mの深さの水に没した。

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(バンコク・ポスト紙より)

これらタイの中央平原地帯の工業団地の工場の半分強は、日本の
工場、ないしその部品工場だから、被害額は大きい。

ここまで水没した7つの工業団地の工場数は、ナワ・ナコーンの227工場、
ロジャナの198工場を筆頭に、全部で844工場。
うち半分強の440ほどが日本の工場だ。
7つの工業団地の844工場の投資総額は3500億バーツ(約1兆円)
ほど(建屋から機械設備、どこまで含むのか報道では明らかでないが)。

うち半分以上が日本企業だとすると、日本からの投資額は
5~6000億円にのぼることになろう。
外国からタイへの直接投資が、現在年間5000億バーツの
ペースだから、この洪水で、その9か月分が被害を受けたことになる。

なお、水が入ってきている、バンコクには、
バン・チャン(91工場、従業員13000人)とラット・クラバン(225工場、
45000人)の2つの工業団地がある。
軍隊が出動し、3.2mの堤防を4.2Mに盛り上げている。

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(バンコク・ポスト紙より)

洪水は、被害の規模が大きく、また政治的動乱と違って、
直接、長期的に、また再度のリスクも含めて生産設備が
やられてしまうため、企業の中には、当然工場立地を再考するところが
出てこよう。
アユタヤ、パトゥム・タニで生産していたものを、チョンブリ方面での
生産に切り替えられる会社はいいが・・。

そのため、タイ政府は企業の生産設備の復興の支援に
力を入れる。
でないと、投資家(企業)は、他国へ逃げていってしまい、
それでなくとも、7工業団地で洪水で仕事ができない
433,000人の職場も戻らなくなってしまう。
タイ全体の製造業への従事者数が516万人(2010年末)だから、
この7工業団地で働く43万人と言う数字は、そのうちの8.4%を占める。

政府からの復興支援策として出ているアイデアは5つほどある。

①復興の資金需要に対し、特別金利、長期返済で資金を融資すること。
②発生した損害に対して、減税を行なう。
③工業団地での操業における特権の期間を延長する。
④水浸しになった機械の部品や材料の輸入課税を減免する。
⑤母国からの修理要員などの入国に当たって、労働許可やビザを免除する。

これはこれで、いいことだろうが、投資家としての要望は、
数ヶ月操業ができない間の従業員に対する支払いの補助金を
出してくれといったものから、地元の関連企業に融資してくれといった
ものまである。

が、最大の要望は、「2度と水没がないように、政府として設備、インフラを
整えてくれ」といったものだろう。
もちろん政府としては、今回水が引いたら、なんらかの策を講じたいわけだが、
予算の関係もあり、どこまでできるだろうか。

といって、「何十年に一度の天災だから・・」と言って、
何もしないわけには行くまい。
ダムの貯水管理方法の改善と並んで、灌漑システムへの
新たな投資が必要になってこよう。

バンコクの運河、用水路は、農業用、灌漑用だけでなく、
洪水時の高速排水路としての機能が必要なことがはっきりしたからだ。
天災の年2011年の終わりを、インラック新政権はどんな方策をもって
迎えることになるだろうか。
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by ucci-h | 2011-10-25 19:24 | 貿易・直接投資の動き | Comments(3)
  

北タイのチェンマイをベースにメコン、アセアンの経済、見所、食べ物を日本と比較して紹介します。ただし投資をアドバイスするものではありません。コメント記入は題字をクリック下さい。
by バンディ
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