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タイの電気料金は5月より史上最高になるが、日本と比べれば・・・
タイの電力事情については、昨年8月に見たが、
発送電と配電(販売)事業が分離されている。

発送電は、EGAT(タイ発電公社)中心に、その他
IPP(独立発電会社)が担い、配電は、首都圏の
MEA(首都圏電力公社)とその他地域をカバーする
PEA(地方電力公社)で担っている。
 「タイの電力供給事情 2011-8-4」
  http://uccih.exblog.jp/14273053/

タイの電力民営化は1992年より試みられたが、
2000年代初めのタクシン政権下でのEGATの民営化努力は、
組合その他の反対が多く、ならなかった。代わりに、
公民連携による独立発電会社のシェアが伸びてきている。

現在、タイの発電能力は3万メガワットに伸びてきているが、
EGATの発電シェアは50%(1.5万メガワット)でしかない。
他のIPPの発電シェアは46%まで上がってきている。
残る4%は、ラオスなどからの電力輸入。

独立発電会社といっても、EGATとは別に発電しているわけではない。
そこはタイお得意のPPP(公的私的パートナーシップ)により、
EGATの発電増加プランに対し、内外の私的資本に投資をさせ、
公的資本を節約しながら、年6%という高い電力需要の伸びに
対処しているのだ。

エネルギー省は、このIPPのシェアを2016年までに60~70%へ
持って行きたいとしている。

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今年の暑季は暑く、2012年4月26日(木)の午後2時半には、史上最高の
電力消費量のピークを更新、26,121メガワットと2万6千メガワット台
(発電能力比87%)を、初めて記録してきている。
ちなみに、タイの年間電力の消費量は、現在16万GWh(ギガワット・アワー)ほど。
過去30年で10倍に増えた。

タイの発電は火力・コンバインドが中心だが、原料としては天然ガスが72%を占める。
エネルギー原料価格の上昇は、電力コストのアップにもつながっている。

そして、タイの電力料金は、4ヶ月ごとに改訂されるが、
次の5~8月は、現在よりユニット(kwh)当り0.30バーツ高くなり、
これも史上最高価格となる。

と言っても、以前見たように、総括原価方式でコストをなるべくかけ、高くする
日本の電気料金のような馬鹿なことはやっていないので、依然として、
日本の電気代のざっと3分の一の水準だ。
 「日本の電気代がなぜ高いかが見えてきた 2011-6-24」
  http://uccih.exblog.jp/13871135/

タイは発電燃料の中心となる天然ガスについては、需要量の4分の一輸入しているが、
今後この比率は高まりそうだ。輸入LNG価格は、国内産の倍の価格になるという。
今回も発電コストの上昇分はユニット当り0.57バーツになるが、
うち27バーツ分はEGATに100億バーツほど負担してもらい、
消費者に0.30バーツ分をFT(フューエル・タリフ、付加金)として
負担してもらうことになる。

この結果、タイの電気料金は、ユニット(kwh)当り平均3.5バーツから
3.8バーツ(10.6円ほど)へ7~8%上がる。
家庭用の電気代は使用料によって異なるが、
以下のように5~8月分から上がりそうだ。

・100ユニット未満 2.27→2.57バーツ(約7.2円)
・100~150ユニット 3.23→3.53バーツ(約9.9円)
・151~400ユニット 3.74→4.04バーツ(約11.3円)
・401ユニット以上 3.94→4.24バーツ(約11.9円)

なお月90ユニット未満の家庭の電気代無料制度は続きそうだ。
月50~60ユニットの使用でも、無料なら月89ユニットまで使っちゃえとされる
この批判の多い制度は、ポピュリスト政権では続きそうだ。

今後は、暑い時は300ユニットほどは使う我が家の
ユニット当り単価は10円ほどだったのが、これからは11円ほどになろう。
300kwh使用で月1212バーツ(3400円)ほどに上がる。
 「タイの暑い季節、電気代は? 2011-7-29」
  http://uccih.exblog.jp/14220519/

でも、日本なら、使用料によって異なるが、
家庭用でユニット当り25~26円になるのでは?
それから見れば、ましである。
タイの電気代が安いというより、日本の電気代が高すぎる。
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by ucci-h | 2012-04-30 23:01 | 電力・エネルギー | Comments(0)
先進国の流れとは逆に、タイの公務員年金は増額の方向
欧州はじめ先進国では、年金のカットが話題になっているが、
タイの公務員は、年金増額のためのデモを行ない、当局も
何らかの形でこれに応じる流れのように見える。

タイも少子高齢化の進展、財政赤字の膨張傾向を見れば、
公務員年金に対しても、締めていくべき時と思われるが、
支給額が少ないからか、ポピュリスト政策の政府だからか、
または明日のことは余り考えない国民性だからか、
公務員年金は増やす流れにある。

3月末には、3000人の公務員が、王宮前に集まり、
議会に向け、政府年金基金法を変え、支給を増やすよう
デモをかけた。

タイの公務員の年金には、古くからある全額税金負担の
確定給付(DB)型年金と、それに1997年に上乗せされた
政府と職員が掛金を出し合う確定拠出(DC)型の
政府年金基金(GPF)がある。
 「タイの年金制度は財政の時限爆弾!? 2011-7-28」
  http://uccih.exblog.jp/14214151/

GPFには中央政府の公務員116万人が入っており、
今や5224億バーツ(1.5兆円)の資産をもつ。

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加入者の要求は、GPFについては想定利回りを上げて、
給付額を引き上げろと言うものである。
給付額が低いと言うのが彼らの言い分だ。

また、確定給付型年金については、①年金給付額の算定方式を、
基準になっている月給を退職前最後の60ヶ月(5年間)平均でなく、
最後の24ヶ月(2年間)、つまり最終給与により近い額をベースにしろと言う
要求である。
また、②月額年金の天井は、最終給与の70%とされているが、
これを85%に引き上げよと言うものだ。

たとえば、退職前60ヶ月平均31,838バーツのひとは、退職後、
現在の算式だと、28年勤務で月17,829バーツの年金をもらえるが
(代替率56%。70%は超えられないことになっている)、
これが、最終給与に近い37,500バーツをベースにするように変更されると、
月々の年金は21,000バーツへと17.8%上がることになる。

年間で、21万4千バーツから、25万2千バーツへと、3万8千バーツ
ほど増加するとなれば、大きい。

算定方式や、金額はどうなるかわからないが、
政府は、上げる方向で検討するようだ。
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by ucci-h | 2012-04-30 22:37 | タイの財政・税金 | Comments(7)
ほんと?タイではモバイル、PC、テレビに平均6時間ずつも使われている
2012年4月20日、米カリフォルニア本拠の独立系モバイル広告会社「InMobi」が、
世界の2万人の消費者を相手に行なった携帯モバイルの使用に関する
面白い調査結果のうち、タイに関する結果が発表された。

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タイは、ご存知のように、プリペイド式の携帯電話が発達し、
モバイル王国でもある。タイでの817人のユーザーを対象にした、
インモビの調査結果は以下のように出た。

まず、1日に割く時間だが、モバイルは平均6時間36分と一番長い。
起きている時間の4割近くでモバイルをいじっていることになる。
パソコンをいじっている時間6時間12分をわずかだが上回る。
そして、テレビを見ている平均時間6時間をも今や上回っている。

この3つの時間を足すと18時間48分と睡眠時間に食い込んで
しまうが、これは単純に足せる時間ではなく、テレビを見ながら
モバイルをやるとか、時間は重なっている。

もっともこの調査、調査対象の平均年齢などがわからないので
何ともいえないが、いずれのメディアもずいぶん長い時間に見える。
タイのネット環境がなお遅く、時間がかかることも影響しているのか?

伝統的なテレビ視聴時間は、テレビ好きのアメリカでも、せいぜい5時間ほど。
高齢化で、受身のテレビ平均視聴時間が伸びている日本でも3時間半ほどだ。
タイのテレビ視聴時間が6時間と言うのは、これらと比べられるのだろうか?

暑い国で、外出時間も比較的少なく、通勤時間も短く、他の娯楽の少なめな
タイのこと、もしかしたら1日平均6時間テレビは見られているのかもしれない。

そして、それをわずかだが上回るパソコン使用時間と、モバイル使用時間。
日本の2011年の博報堂の調査では、PCからのネットへの接続時間が
一日平均1時間22分(オフィスでの使用も考えればもっとありそうだが)、
モバイルからネットへの接続は、平均32分だそうだ。

インモビのタイの調査は、ネット接続以外も含まれようが多くはネット接続だ。
モバイル使用時間6時間36分のうち、22%の1時間27分は、フェースブックや
ツイッターのようなソーシャル・メディアへの接続、20%に当たる1時間19分が
音楽やビデオの鑑賞、17%にあたる1時間7分がゲーム、13%にあたる51分が
情報の検索、そして10%にあたる40分がショッピングだそうだ。

なるほどそうかと思うが、これがPCからでなく、モバイルからの分だというから
ほんとうならすごい時間だ。
WiFi環境や無線LANが多く整っているから、費用を気にせず、
モバイルが使えるからだろうか?
日本だとパケット当りいくらとかずいぶん高いものになるだろう。

それにしても、PCもモバイルも一日に6時間ずつ。
昔は、その時間を何に使っていたのだろうか?

自分も、携帯は電話にしか使わないが、
PCは、情報を検索したり、映画を見たり、原稿を書いたりで、
あまり速いとは言えない接続時間をがまんして使っている。
一日6時間はいくのだろうか?
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by ucci-h | 2012-04-29 10:14 | アジア的な生活 | Comments(0)
最低賃金の大幅引き上げも言われるほどの影響はない!?
4月1日から、タイのバンコクなど7県で最低賃金一日300バーツ
(+40%ほど)が適用された。
政府は、来年1月1日から他県でも一日300バーツ(平均+70%ほどになる)
を適用する方針を変えておらず、全国1日300バーツが普及する。

この労賃の急激な引き上げにより、企業の外国への移転、
また人員削減が懸念されている(少しはすでに起こりはじめているようだ)。

しかし、人材会社マンパワー社によれば、
影響は思ったより小さく、企業移転も懸念しすぎだと見られている。

理由は、企業立地の決定は、賃金水準だけでなく、
不動産コストや、原材料提供企業の存在、インフラ、市場の大きさ
などによってなされるからだと言う。

労働力についても、賃金水準だけでなく、
技術水準、また管理職の存在など、質的面が大きい。

従って、企業移転をするといっても、言うは易く、行なうは難しだと
マンパワー社は言う。
ちょうど、昨年の洪水の後も、企業移転が多く話されたが、
実際動いた企業はごくわずかだった。

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国外移転と言っても、ミャンマーとの国境のメーソットで
ミャンマー人を多く使っている縫製工場が、
国境の向こうのミヤワディ(ミャンマー)に工場を移したといった
ところだ。

労働集約的といわれるタイの食品産業も、
最低賃金の大幅引き上げにもかかわらず、がんばっている。
タイには、320の鶏肉加工工場、579の魚類加工工場、
640の果物野菜加工工場があり、12万人が働いている。

賃上げにより、食品の製品価格は、シーフードで+20%、
肉類、果物野菜加工品で+5-10%になると言われるが・・。
加工の自動化は進んでいるが、シーフードや果物野菜加工などの
選別工程や摘み出し工程は、やはり人間の手が必要だ。

タイの最低賃金の引き上げにより、賃金水準は
カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナム4カ国平均の
倍以上になったが、シンガポールはこのタイの
また倍以上だ。

近隣の他国を見ても、確かにカンボジアは衣料産業にしか
最低賃金制はなく(月2700バーツ)、外資は多くの産業で
100%が認められるが、70年代半ばのポルポト政権下の
粛清のため、特に管理者層が不足していると言う。
また、これらの国々は、国の干渉、自由競争を阻む規制も多い。

それらに比べて、
タイは、やはり技術者、輸送関係者、IT技術者、エンジニアといった
技術を持った労働力の存在で上回っている。

タイでは今や350万人ものミャンマー人が働いていると
言われるが、多くが漁業や建設業の単純労働力が多い。
ミャンマーの開放の動きを見て、10数年ぶりに故国に帰り働こうかと
考え始めた30代のミャンマー人も多いが、今より良い条件が
ミャンマー国内で出てくるか、ここ2~3年は様子を見ていこうと慎重だ。

タイで毎日、漁業や立ち売りで働き、月8000バーツの収入でも、
ミャンマーの最低賃金は、この4月倍増したと言っても、
月3000バーツ(8千5百円)になったところだ。
タイとは3倍の開きがある。
ベトナムの最低賃金は、ミャンマーより高いが、
月5100バーツ(1万4千円ほど)だ。

これに対して、タイ人も、中東産油国などで実に40万人も
働いている。
その多くは、石油掘削の技術者や化学産業従事者など
技術職が重宝されている。

アセアン市場統合を2015年に控えて、
労働力の価格だけでなく、質が比較される時代になる。
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by ucci-h | 2012-04-29 10:03 | アジア諸国の賃金 | Comments(0)
衣替え急ぐタイのラブ・モーテル
タイも日本のように「ラブ・ホテル」(こちらでは、ショート・タイム・モーテル)
の多い国である。日本ほどではないかも知れないが。

そのタイのラブ・モーテルの人気が下降気味である。
なぜか?
別に、タイ人がセックスレスになったのでもなければ、
他に自宅や車のスペースが増えたからと言うわけでもなさそうだ。

1980~90年ごろのピーク時には、バンコクでは3時間100バーツ(300円)の料金で、
午後10時から朝4時までは満杯、1日5回転ほども回り、粗利益率50%を
稼ぎ出したと言う。まるで、ATMマシンのようにお金を吐き出したという。

しかし今は、料金は500バーツほどに上がったが、
午後8時以降は客が減り、午前2時を過ぎると客足が途絶えがちだと言う。
平均回転率は、1日あたり良くても3回だそうだ。

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(バンコク・ポスト紙)

都会のライフスタイルが変わってきたわけだが、
コンドーが小さく買いやすくなったり、サービス・アパートも
日単位で借りれるようになったことが大きいようだ。

ラブ・モーテルの中には、ブティック・ホテル(日本ではラブ・ホテルの別称
だが、こちらでは、モダンでこぎれいな小型のホテルのこと)に
衣替えするところも出てきている。

25年の歴史を誇る「ピープ・イン」(ピープインと言っても、のぞき部屋が
あるわけではないでしょうが・・)も、スクンビットのソイ33などで、
ブティック・ホテルに昨年11月衣替えした。

スクンビット界隈では、1泊2000バーツ(6000円)ほどのホテルが
人気だが、元ラブ・モーテルのブテッィク・ホテルは、1泊1000バーツ
前後とし、新しい客層をねらうという。

日本のラブ・ホテルは、少子高齢化、セックスレスの世の中で
余計な心配だが、大丈夫なのかなあ?
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by ucci-h | 2012-04-28 13:40 | アジア的な生活 | Comments(0)
2012年チェンマイ・ゴルフ・フェスティバルは限られたコースで
北タイでは、雨季入りの5~6月の2ヶ月間のオフシーズン、
今年も「チェンマイ・ゴルフ・フェスティバル」と称して、
各コース、グリーン・フィー800バーツ(2200円)均一の
プロモーション価格で、提供される(他にキャディーフィーが
200~300バーツ)。

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ただし、今年は、強気派のゴルフ・コースはこのプランに
参加しないので、800バーツで回れるコースは、以下の
9つのコースのようである(責任は持てないので、実際
ご自分で確認ください)。
昨年までは全12コースだった。
 「2011年5-6月のチェンマイ・ゴルフフェスティバル 2011-5-2」
  http://uccih.exblog.jp/13501623/

今年の参加コースは:
・アルパイン
・インタノン
・グリーンバレー
・ゴールド・キャニオン(ランプーン、キャディーフィー込みか)
・メージョー(キャディーフィーは250)
・サンティブリ(チェンラーイ)
・ランナー
・スタードーム
・ガッサン・クンタン(キャディーフィー250)

そして、参加しないで、独自で(つまりこれより高いフィーで)、
客集めをねらうのは、
・ロイヤル・チェンマイ(1800バーツとオフシーズンも強気)
・ハイランド(レジデント1000?+キャディーフィー300。午後2時以降の
カート付き1300Bは引き続きあるもよう)
・レイクシティー(1050バーツか)
の3コースとか。

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(Chiang Mai City Newsより)

タイのことだから、今後変更になるかもしれないが、
今のところはこのようだ。

諸物価高騰の折、ゴルフ場も高くしたいところだが、
5~6月のオフシーズンは、多くはがらがらだ。
前年同様800バーツでやってくれるのはうれしいことだ。

おととしは、利用しすぎて背中を痛めたが、
今年は途中、日本にも帰るので、なるべく利用したい。

さて、強気派、特にロイヤル・チェンマイがどれだけ
客を集められるのか注目される。
来年のゴルフ・フェスティバルの実施の試金石になる。

日本から来る人は、レジデントであるのを求められる
コースもあるので、チェンマイに来たら、ハンドンの陸運局へ
行って、日本の免許からタイの免許を簡単に作ってもらっておいた方がいい。
もっとも、このゴルフ・フェスティバルに限っては、在住者も
ツーリストもないはずだ。
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by ucci-h | 2012-04-28 13:34 | タイのゴルフ場 | Comments(11)
特許で守られている薬の製造にインドで画期的な決定が出た
薬の開発には、多額の開発資金がかかるので、
薬品には一定期間パテント(特許)が与えられ、
その間、独占的製造販売権を与えられ、
開発費を回収できるような価格で売られる。

医薬品にかかわる4つの基本的特許権のうち、
物質特許と用途特許が切れたところで、
ゾロ薬(ジェネリック医薬品)が出てくる番となるが、
そこまでの特許の効いている20数年間は、
新薬は高い値段でしか、開発途上国の人も買えない仕組みになっている。

エイズ、マラリヤなど開発途上国で多く発生する病気の治療薬に
ついては、欧米の製薬会社が世論の圧力に折れ、途上国向けに
例外的に廉価で提供しているケースはあるが、あくまで例外である。

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“開発途上国の薬局”と呼ばれ、世界のジェネリック医薬品の
大半を供給するインドは、2005年まで35年間、医薬品は健康にかかわる
物ということで特許の対象ではなかったので、多数のゾロ薬を生産できた。
2005年にWTO(世界貿易機構)の知的財産権保護の「TRIPS協定」を
受け入れ、他国並みに医薬品にも特許を適用した。

これにより、開発途上国の薬局インドでも、特許で守られた新薬に
対するゾロ薬は作りにくくなった。

特許について言えば、2ヶ月ほど前に触れたように、
既存薬の化学構造を変えただけで新薬の特許を取る
いわゆる「エバーグリーン特許」が先進国の医薬品メーカーの間ではやっている。
 「知的財産権の強化で抑えられるジェネリック医薬品の開発 2012-2-22 」
  http://uccih.exblog.jp/15469528/

医薬品の特許制度の効果については、
英仏の研究では、近年では、特許をとった医薬品の薬効は、
既存薬のそれとほとんど変わらないと判明してきていると、
国境なき医師団などは伝えている。
特許で医薬品の開発費を稼がせてやる効果が薄れてきているのか。

確かに、特許制度で医薬品の開発資金を守ることは
必要なのかもしれないが、それにしても欧米の大手医薬品
メーカーの利益率の高さは、ふつうの製造業者を寄せ付けない。

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話がずれました。

インドの特許庁は、さる3月12日、画期的な決定をした。
特許を持った薬に対しても、特許料を払うことによって、
インド・メーカーにゾロ薬を作れるようにしたのだ。

独バイエルのガン治療薬「ネクサバール」(ソラフェニブ)の
ゾロ薬の製造を、インドのナトコ薬品に、6%のロイヤルティー
(特許使用料)を払う代わりに、行なえるよう許可したのだ。

理由は、バイエルが適正な(手頃な)価格設定でネクサバールを
供給せず、患者に手の届かないものになっているので、強制的に
製造ライセンスを提供させ、インド・メーカーが代わって、手頃な
価格のゾロ薬を提供出来るようにしたのである。

これにより、月間投与額5500ドル(45万円)していた腎臓・肝臓の
ガン治療薬が、97%減の月175ドル(1万5千円)へ下がると見られる。
バイエルへの見返りのロイヤルティーの支払い6%と言っても、
安価な価格に対する6%だから、月間投与分で10.5ドル(900円)である。

この決定は、途上国において、特許に守られた高価な新薬と
いえども、公衆衛生という社会的ニーズが優先され、
“強制ライセンス実施”が行なわれると言うことだ。

この件と同時に、インドで医薬品特許制度が出来た2005年以降、特許が
却下されてきたスイス・ノバルティス社の白血病薬「グリーベック」の
行方も注目される。

ノバルティスは、「この薬は世界40カ国で特許を認められたのだから、
インドでも認めろ」と訴えているが、
インド政府当局は、この薬は、既存薬の化学式を変えただけで、
薬効の増進も認められず、新薬特許に値しないと跳ね続けてきている。
エバーグリーン・パテントへの途上国からの抵抗である。

一方、製薬会社の方も、受身で状況を見ているわけには行かない。
バイエルへの決定を見て、スイスのガン治療薬トップのロッシュでは、
インドの会社と組んで、自社の乳がん治療薬「ヘルセプチン」と
白血病薬「マブテーラ」の2種を、インドで格安の価格で販売すると
発表した。

ともに、通常なら月間3千~4千5百ドル(24万~36万円)かかる薬だ。
ただし、仲介卸会社が買い集め欧米で売ることをさせないように、
インド会社の薬品名と別デザインのパッケージで出すと言われる
(もっとも薬効が同じなら、ネットで販売するものが出てくるでしょうが、
薬効を落とすのは難しいでしょうね)。
一種のブランド戦略となろう。

今回のインド特許庁の決定は、高価な薬に手の届かない途上国の人に向けて、
ジェネリック薬提供の扉が大きく開かれたと見られる。
アメリカは、この動きに対し、貿易協定で反対して来るだろう。
タイは、もちろん、強制ライセンスの実施を行なう方の国である。
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by ucci-h | 2012-04-27 08:57 | 中国・韓国そしてインド | Comments(0)
香港は、日本ほどじゃないが、セックス頻度が低い地域
面白い外電が香港から飛び込んできた。
タイの新聞は、英字紙にもタイ語紙にも載せている。

香港のカップルは、アジアの中でもセックスする頻度が
最も低い国のひとつだと言う。

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少し古いが、この手の調査としては最新のデュレックス社の
2005年国別頻度調査で見ると、香港は、週に平均1.5回で確かに低い。
タイの1.86回や中国の1.84回を下回っている。
もっとも、世界第1のセックスレス・カントリー日本の週0.86回よりは上であるが
(世界の主要41カ国で週1回未満は日本だけである)。

香港の少ない理由は、以下の3つだと言われる。

1.財政的圧力が高い(働くことに汲々としている)。
2.出世競争意識が高い(これも良く働かなくちゃということ)。
3.そして、住居が狭く、プライバシーが保ちにくいと言われる。
一戸のアパートに親と寝ているカップルも多いという。

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その結果、香港の合計特殊出生率(女性一人当たり一生に生む平均数)は、
2009年の世界銀行の調べだと、1.04人で、世界196か国中、
下から2番目だと言う(最下位は台湾の1.03人。日本は185位の1.37人)。
もっとも、セックスの頻度が即、出生率につながるわけではないだろうが・・。

なお、先の世界各国回数のランキングでトップは、債務危機のギリシャで、
週2.65回だから、日本人の平均の3倍である。
米英仏は、週2.2回程度である。これらも、日本の2.5倍である。

だから、どうだって言うつもりはありませんが、
少子高齢化の日本、肉食系男子が増えてもらいたいものです(??)。
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by ucci-h | 2012-04-25 13:00 | アジア的な生活 | Comments(0)
富が集中しながら高成長する資源大国インドネシアの今後は?
“後進国”インドネシアでは、ここ数年、年6%以上の
経済成長を果たし、毎日16人ずつのミリオネア(百万ドル長者)が
生まれていると言われる。

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経済が成長しているだけでなく、資源を豊かに持つ国だけに、
資源を持っている人間の資産の増加が著しい。
世界一の産出を誇るパーム油の価格は、2006年以降2倍に
なっているし、高い産出量を誇るゴールドの価格も3倍になっている。
その他、石炭、鉄鉱石、ニッケルと豊かな資源を持つ。

そのため、エルメスのバッグは高いものは5万ドルで売買され、
1台100万ドルするランボルギーニの高級車は、6ヶ月待ちだという。

マッキンゼーによると、月収7千ドル以上の高所得家計は、
現在の1700万世帯から、2020年には2500万世帯に
5割近く増加すると見られる。

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一方、全人口の40%にあたる1億人は、1日2ドル以下で
暮らしていると世銀は言い、インドネシア人の平均月収113ドルは今や中国の
3分の一だとも言われ、貧富の格差が大きく開いている。

中産階級が1億3300万人と拡大していると言われるが、
そのうち6千万人は、1日2-4ドルの消費である。
労働争議、ストが頻発しているわけだ。
政府も、エネルギーへの補助金をやめられずにいる。

貧富の差をはかる「ジニ係数」は、スハルト政権が倒れた1998年の
0.32より、今は0.38と高くなっている(差が広がっている)。
さらに、ハーバード大学の調査だと、インドネシアの真のジニ係数は
0.45ともっと高く、フィリピンやカンボジアと同等だという。
ちなみに、ジニ係数0.4ラインが社会騒乱発生の警戒ラインと言われる。

一部がますます富み、いずれ国全体が豊かになると見れば良いのか、
それとも、偏った富の蓄積は社会不安を招くのか?
正解はどちらでしょう?
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by ucci-h | 2012-04-25 12:50 | ベトナム・フィリピン・ネシア | Comments(0)
ピン川が流れる水の豊かなタークでなぜ旱魃が増えている?
タイは水が豊かな地域ならば、コメは年に2回でも3回でもとれる。
チェンマイの南265kmに位置し、
ピン川が流れるミャンマーとの国境に近いターク県は、タイ一番の
巨大ダム、プミポン・ダムを持ち、豊かな水に溢れている。

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しかし、このターク県の田んぼは、ここ数年、乾季には旱魃を
恒常的に蒙るようになってしまった。過去にはなかったことだと言う。
なぜか?

ターク県は今やバラの産地として知られるが、
ここ数年、バラやとうもろこし、ポテトといった水を多く消費する
商品作物の栽培が、外部の資本によって拡大され、
そのあおりで、水田の旱魃が増えているということだ。
プランテーションでは水ポンプを据え、水源の水を持っていって
しまうということだ。

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ターク県は、ミャンマー人が多く来て働く土地だ。
チョンケープ村の登録住民は12000人だが、その他に10万人以上が
住むという。8割はミャンマー人だ。ミャンマー人の労働力を使った
商品作物の栽培が増えている。

米作の農民は、ピン川からポンプで水を引いてきたり、
中規模の貯水池を作ることを考えている。
森林の伐採も水の保持にマイナスに働いているので、
森林保護も呼びかけていくという。

水の豊かなはずのタークは、今や、旱魃被害地域になってしまった。
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by ucci-h | 2012-04-24 16:02 | チェンマイ近郊お勧め所 | Comments(0)
  

北タイのチェンマイをベースにメコン、アセアンの経済、見所、食べ物を日本と比較して紹介します。ただし投資をアドバイスするものではありません。コメント記入は題字をクリック下さい。
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