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タイ女性の美白願望ここまで来たか
「色の白いは七難隠す」と日本では色白が
もてはやされるが、南国タイの女性は日本以上に
美白を求めている。

太陽の強い国だから、
タイ女性の体型がスレンダーで、手足が細いのも、
太陽の光の受容をなるべく少なくするためだと、
まことしやかに言われる。

先日もNHKの「ためしてガッテン」でやっていたが、
太陽の紫外線をあまり浴びると、UV-Aの働きで
皮膚の弾性繊維をばらばらにしてしわを増やすとか。

それと、西欧人は、メラニン色素の生成力が弱いから、
南の国に住むようになってUV-Bを多く浴び、
皮膚がんになりやすいとか・・。

タイの化粧品屋へ行くと、国産、輸入の美白化粧品が
たくさん売られている。
そして・・・
そして、ここまで来た。

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2012年7月より、フランスの化粧品会社サノフィ・アベンティス社から
タイで「女性向けホワイトニング洗浄液」が売り出されたのだ。
これは、顔でも、ボディーでもなく、女性の局所を白くすると言うのだ。

白くしたければ、日焼け止めでも塗っておけばと思ったが、
ここはあまり日焼けとは関係なかったね。

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「4週間で、秘所とその周りを明るい透明感のあるものにする」という
コマーシャルのうたい文句がFDA(食品医薬品局)から槍玉に挙げられた。
消費者をミスリードする過剰広告だというわけである。

ビデを発明したフランスの化粧品会社のこと、
こういった製品も出てくるのかなとも思う。
本国フランスや、また日本ではどうなっているのだろう?
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by ucci-h | 2012-09-30 11:13 | アジア的な生活 | Comments(7)
2012年世界穀物価格上昇の年となっているが・・
2012年夏、米国の中西部穀倉地帯は、50年ぶりの
旱魃に見舞われたと言う。

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米国のコーンと大豆の3分の2を生産する中西部9州が
やられたというから、穀物市況への影響は大きいはずだ。
米国以外でも、東欧の小麦生産の穀倉地帯、
黒海周辺のウクライナ、カザフスタンも乾燥した夏だったと言う。

この状況は、4年前、2008年の不作による穀物価格高騰を
思い出させる。
しかし、ここ9月まで、確かにコーン、大豆、小麦の市況は上がっているが、
2008年ほどの高騰にはなっていない。
また、穀物の“優等生”コメの価格はほとんど上がっていない。

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(チャートは上が小麦、下がコメ。オメガ・リサーチより)

2008年の穀物価格高騰に懲りて、各国は、世銀によれば、
生産性を上げるためなどに農業分野に多くの投資
(2008年時の25億ドルに対し、昨年は95億ドルに)をしてきたと言われる。

それと、2008年はリーマンショック前で景気は強く、原油価格も高騰していた
のに対し、この2012年は、世界の景気は弱く、原油価格も落ち着いているのが、
穀物価格の上昇をモデレートなものに留めていると言える。

今年に入ってからの上昇率は以下の通り:
大豆・小麦・・・それでも、ほぼ45%アップ(大豆だけは2008年の高値を上回っている)
コーン・・・28%ほどアップ
コメ・・・年初来あまり上がっていない(+7%)

穀倉地帯の旱魃が今年だけであることを祈りたい。
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by ucci-h | 2012-09-28 11:06 | 一次産品の市況 | Comments(0)
インラック政権の課題の多い経済政策「コメ抵当スキーム」のこの1年の顛末(前書き)
ことし、アメリカが1956年以来、半世紀ぶりの旱魃で
コーンや大豆といった穀物の価格が上がっている中で、
コメだけは、世界の増産と世界最大の輸出国(シェア30%)
タイの多くの税金を使った「コメ抵当システム」による
政府在庫増(1100万トンに膨れている)により市況は安定している。
と言うより、年末にかけ、タイのコメ放出も出てくるので、コメ市況は
下がりそうだと見られている。

皮肉なことに、世界の穀物の需給状況に疎く、政府によるコメ全量
買い上げというタイ貢献党の政策(もちろんねらいは貧しい農民を救うと言うこと)により、
世界のコメ市況を安定させてやっているという結果になっている。

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タイ貢献党政権の閣僚は、「タイのコメは品質が良く、世界から求められている。
なのにどうして安売りをしなくちゃいけないか。農民のためにもっと
高い価格で売ってあげなくてはいけない」と市場原理から離れた
考え方で、この政策を2011年10月7日にスタートさせたが、
ほぼ1年を経て、予想通り、ネガティブな面が多く出てきた。

タイは世界一のコメ輸出国と誇っても、コメは世界の生産高に占める輸出量の
比率の低い商品。タイの昨年の輸出額36億ドルと言っても、世界の穀物全体の
交易額1兆3千億ドルに占める割合は、わずか0.3%に過ぎない。

今年はこの政策のせいでタイのコメの輸出量は
40%近く減少し、半世紀ぶりに世界一の座をインド、ベトナムに譲り、第3位
650万トンほどに落ち込む見通しだ。

多くの税金(1年近くで2600億バーツ、7千億円近く)を使い、
汚職、腐敗の機会となりやすく、貧しい農民へのメリットも想定よりは限られ、
世界のコメ輸出市場からは陥落し、国内のコメ価格だけは高位に保つ
この政策は、タイ貢献党の数々のポピュリスト的経済政策の中でも
当初から予想されたとおり(タクシン政権時代にやって失敗している)、
マイナス面が目立っている。次回から、数回のシリーズとして、プラス面も評価しながら、
個々の面に、具体的に客観的なライトをあてて見たいと思う。
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by ucci-h | 2012-09-27 18:41 | タイの政治・経済・金融・為替 | Comments(2)
タイ最大の港レムチャバン港の能力倍増計画が出たが・・
タイの運輸大臣が、タイの最大の港レムチャバン港の
第3次拡張計画を公にしたのは、2012年6月なかばのことだ。
インラック首相もすぐに現地を視察している。

世界第20位のコンテナー取扱量
(20フィートコンテナー単位で年間560万個)を持つ
レムチャバン港は、以前紹介したように、日本のどの
港よりも大きいが、貿易量の拡大とともに
少し手狭になってきた。

 「レムチャバン港の規模知っていますか 2011-1-6」
  http://uccih.exblog.jp/12644433/

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と言っても、使用効率が悪く、貨物扱い能力の半分は
使われていないと言う説もあるが・・。

運輸省は、総額1200億バーツ(約3200億円)を投じて、
7年がかりで、埠頭を増やし、取り扱い能力を2019年までに
1080万個にほぼ倍増する計画を発表した。

レムチャバン港経由の荷物の貿易全体に占める
シェアは54%と、半分以上を占める。
残りは、24%がスワナプーム空港経由の航空貨物、
13%がバンコク港、10%が国境越えの陸路経由と
なっている。

レムチャバン港に、2000mの長さ、幅900mの埠頭を
作り、東北方面からの鉄道も乗り入れる。
道路も拡張し、パタヤとレムチャバンをモーターウエイで
結ぶ計画だ。

また、東のレムチャバン港と、西に今後できる予定の
ミャンマーのダウェイ港を結ぶ計画の一環にもなっている。

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レムチャバンは、バンコクの東の海岸沿いに
位置している。
この地域には、ラヨーン、マプタプートの工業地帯、
パタヤ、サメット島といった観光地、
そして従来からの漁業が共存している。
緑色のムール貝の産地だ。

このレムチャバン港の拡張計画に対しても、
漁業者、観光業からの環境汚染、補償問題に関して
クレームが多い。

漁業場の確保、収容土地の補償、観光発展への投資と
多重な配慮が求められるようだ。
当面は急がず、ガスを抜きつつ、タイらしくゆっくり進める
ことになるのだろうか。
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by ucci-h | 2012-09-26 18:30 | 貿易・直接投資の動き | Comments(2)
世界で一番笑える映画に選ばれた映画は?
笑える映画は、映画のうちでも最高である。
笑える映画は大好きである。

過去どの映画が最も笑えたか、いろいろ
ランキングはあるが、どうしても人により違うので
独断と偏見になってしまう。

そこで、「ラブフィルム」という会社が
客観的な(?)調査に基づいて、
世界の映画笑えるトップ・テンをこのほど発表した。
あくまでハリウッド映画が対象だが・・。

客観的という意味は、実際に観客が1分当たり
何回笑ったかを計算してランクを決めたと言う
(笑いの大きさとか、むずかしいことは無視)。

その結果、過去80年(?)の映画の歴史の中で
トップにランクされたのは、なんと、私が一番笑えると
思っていた映画だった。

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それは・・・
1980年制作のアメリカ映画「エアプレーン」だった。
あの飛行機の機体がとぐろを巻いたポスターの
飛行機をネタにした喜劇映画だ
(日本語は、なぜ笑えるドラマを喜劇、喜ぶ劇と言うのだろう?)。

ラブフィルム社の調べによると、
エアプレーンは、1分間に平均3.0回の笑いが起こり、
2位の「ハングオーバー」(2009年、ラスベガスを舞台にした
独身男たちの物語)の2.4回、3位の「裸のガン」(1993年)の2.3回を
引き離して、堂々第1位だったという。

エアプレーンに出ていたレスリー・ニールセンは、
裸のガンにも出演していた。

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今でも、ビデオレンタル屋へ行けば、コメディー映画の
ジャンルに必ずあるだろう。
飛行機を駐機場に誘導する作業員が、思わず人に向けて
旗を振り、飛行機を建物にぶつけてしまう場面が忘れられない。

世界のニュースを見ていると、ろくでもないニュースばかり多い。
笑える映画は、心の洗濯をしてくれる。
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by ucci-h | 2012-09-25 16:52 | アジア的な生活 | Comments(0)
経済改革の勝負に出たインド
政治的な無力さから、経済成長に遅れをとっている
インドだが、2012年9月14日、80歳の誕生日を間近に控えた
初のシーク教徒の首相であるマンモハン・シン首相(国民会議派)内閣は、
以前の失敗に懲りず、意を決して内閣の命運を賭けて、改革政策を打ち出した。

これが成功するかどうかは、今後のインド経済の行方を
占う上で、大きな分岐点となりそうだ。

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改革政策の中身は以下のようなものである。

1.昨年失敗して引っ込めた流通分野改革。
ウォルマートやテスコといった外資系流通資本に、
49%の出資比率で、国内にスーパー・チェーンを許す。

 「挫折したインドの外資系スーパーの導入 2011-12-11」
  http://uccih.exblog.jp/15093829/  

昨年同様、これに対しては、既存の中小流通商店だけでなく、
反対党、さらには連立党からも激しい反対が出そうである。
「中小の商店をつぶす気か!」と。

政府は、これにより流通の合理化が図られ、生鮮食品の
腐敗率も減り、また1000万人の雇用が生まれると言っている。

2.新しく航空開放。
外国の航空会社に、これも49%までの制限つきだが、
国内の航空会社への出資を許す。
インドの航空会社は赤字の塊なので、出資が進めば、
よいてこ入れになるはずだ。

 「インド航空産業の惨状 2011-12-6」
  http://uccih.exblog.jp/15062497/

3.燃料補助の縮小。
補助金のついているディーゼル油の価格を、13日に
12%引き上げたが、安い燃料の多消費による財政圧迫を減らす。
補助金のついた家庭用クッキング・ガスの各家庭への
割当量も半分にする。

*****

連立を組んでいる西ベンガル出の「トリナムール議会派」(草の根会議派)は、
「改革案を72時間以内に撤廃しないと大規模な反対運動を起こす」と
脅していた。その後18日(火曜日)には、要求が聞き入れられなければ
連立から離れると言っている。
トリナムール議会派は、下院545議席中19議席を占めるだけだが・・
(国民会議派は206議席)。

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そして、9月20日(木曜日)にはいっせいにデモやストライキが広がった。
鉄道を止め、店舗や学校を閉鎖させたと伝えられるが、
首都デリーや商都ムンバイでは、影響は今のところ小さいようだ。

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人口2億人を抱える貧困州のウッタラ・プラデッシュ州でも、
3月の選挙で政権に帰り着いた社会主義の「SP党」(サマワディ党)に
率いられて改革に反対の声を挙げている。

 「インド最大州の選挙でガンディー王朝昇れず 2012-3-8」
  http://uccih.exblog.jp/15541520/

しかし面白いことに、サマワディ党(下院で23議席を持つ)は、
政敵であり野党第1党(議席数116)の保守系の「インド人民党」
(BJP党、バラティナ・ジャナタ党)が伸してくるのは面白くないので、
政権をバックアップすると言っている。
もっとも、再建途上のBJP党は、今はまだ政権を担う意思はないようだが。

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汚職や失政(ことに経済成長は落ち、財政赤字は膨らみ、
国債の格下げの危機にある)で評判の落ちているシン政権は、
来る2014年の総選挙を待たずに、いわば最後の賭けに出た
感じである。

 「政治力の弱さが民間企業の発展を阻害するインド 2012-4-9」
  http://uccih.exblog.jp/15697314/

インドという将来の大国は、はたしてこの時点で反対を
乗り越えて、経済改革を進められるか、はたまた
再び後退するのか大いに注目される。
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by ucci-h | 2012-09-24 17:34 | 中国・韓国そしてインド | Comments(0)
中国の反日暴動に対するタイにいる一中国女性の見方
尖閣諸島の日本政府による国有化意向をめぐり、
9月18日のムクデン(奉天)事件(中国が国辱の日と教える
柳条湖事件)の日を控えた2012年9月15日土曜日の午後、
反日デモは中国全土でピークをつけた。

中国政府がもはや抑えられないところまできたという
見方もあるが、その後ぴたりと収まった。
また、尖閣諸島への漁船1000隻によるデモ計画には
地方政府から金が出ているという話もあり、
デモは中国の政府のコントロール化にあると見てよいのだろう。
反日という材料が反政府に転化・拡大するようなら、ただちに
抑えるだろう。

中国の知識のある人は、今回の事態をどう見ているのだろう?
ちょうどこちらタイの新聞に、中タイ交換留学で来て、
バンコクでジャーナリストをやっている中国女性ツァン・チーさんが
正直なコメントを載せてくれている。
中国の教育事情もわかるので、紹介しておこう。

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(写真はいずれもBBCより)

@@@@@

中国の反日デモが多くの都市に広がった日、
バンコクでの買い物の帰り、
携帯で、中国のツイッターである「シナ・ウェイボ」の日本製品
ボイコットの呼びかけを見て、寿司など日本製品をたくさん買った
自分の買い物袋を見て、「私は愛国者なのかしら」と少し罪の意識を感じた。

もちろん、これはばかげた感情なのだが、
自分は、中国の広い国土、音楽のように美しい中国の言葉が
大好きだし、世界第2位の経済大国になったことを誇らしく思っている。

今、私たちがディアオユー(釣魚)島(尖閣諸島)を失いそうだと知れば、
中国の歴史書にもはっきりと中国固有の領土と記されてきた土地を
失いそうなことに対し、攻撃された感じと不安がとまらない
(尖閣諸島は、1895年日清戦争後、日本にとられたと教えられているようだ)。

しかし、領土問題は政府同士が交渉すべきビジネスだから、
政府間交渉に任せるべきで、国民がデモすべきことではないだろう。
私にもっとも衝撃を与えたのは、人々が愛国心を表すそのやり方である。
日本の店舗やレストランを暴力的に破壊するそのやり方である。
私には、信じられず、恥ずかしく、憤慨すべき、悲しい事態だった。

そして気がついた。
国を愛するように教えられては来たが、いかにいい方法で愛すべきかは
全然教えられてこなかったと。
デモ自体が悪いと言っているのではない。
デモを悪用し、ばかげた振る舞いに移ることである。

中国では、愛国教育には事欠かない。
70年代、80年代生まれの私たちには、多すぎるくらいだった。

小学校に入り、教わる歌は愛国歌ばかりである。
「母国への頌歌」、「共産党なしには新中国はなかった」、
「太陽は紅く、毛主席は最愛の人」などである。

学校で見る映画は、革命映画ばかりである。
その中で悪者は、哀れであほで邪悪な、いつも日本人か地主である。
ヒーローは、赤軍兵士、共産党メンバー、農民、労働者同胞となる。

こういった独善的な刷り込みは大学までも続くので、
私は、大学では強制的で時間を多くとる
マルクス・レーニン主義のイデオロギーと共産党の主義・政策を
教える「政治講義」ををスキップしたほどだ。

こういったものが多く教えられる一方で、
市民としての権利をいかに要求し、使うかといったことは
一切教えられてこなかった。

前向きな姿勢で、合理的で、平和的で、合法的なやり方で
いかに価値や力を獲得すべきかも教えられない。
我慢して、交渉して、妥協する方法についても教えられない。
他人の利益を尊重することも教えられない。
ただ教えられるのは、「敵を倒せ!」ということだけである。

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従って、こういうデモが起こると、
島の争いにはなんら貢献することなく、
自国の経済をも損なうような暴力を生み出す。

私たちは、感情的になり、暴力行為に移り、
さらにネガティブな感情を増やし、結局ルールや
社会正義を傷つけ、愛国とは関係ないところに収まる。

市民教育のないところに悲劇ははじまる。

@@@@@

中国という国が、国民に考えさせないドグマティックな
教育を与え、生活の不満のはけ口を反日暴力など
外に向けているとしたら、どこかで行き詰まりそうですね。
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by ucci-h | 2012-09-23 10:19 | 中国・韓国そしてインド | Comments(3)
閣僚改造で経済推進路線を固めたかミャンマーのテイン・セイン体制
ミャンマーのテイン・セイン大統領は、
2012年8月に守旧派の副大統領ティン・アウンミン・ウーを
穏健派のニヤン・トゥンに置き換え、
9月4日には、大幅な閣僚の改造で、経済改革路線を
集権化し、固めた。

 「予想されるミャンマー閣僚の大改造 2012-5-15」
  http://uccih.exblog.jp/15870726/

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2人の副大統領のひとりとなったニヤン・トゥンは
海軍司令長官だったが、大統領と敵対しがちな前副大統領
ティン・アウンミン・ウーに代わり、軍事関係を中心に
サポートすることになると見られる。

実は7月に、副大統領の後任には、ミント・スエ軍情報局長が
あがっていたが、これは落とされた。彼の息子が外国人と
結婚していることが判ったからだ。
アウン・サン・スーチー(亡くなった夫マイケル・エイリスは英国人)
を重職に就かせない為の軍が決めた憲法の規定が
跳ね返ってきた形だ。

2011年3月にテイン・セインが大統領になったとき
発足した閣僚の1年半ぶりの最初の大きな変更になる
今回の閣僚の改造は、テイン・セイン大統領の
経済開放路線を一層強く推し進めるものとなりそうだ。

今回の改造で、大臣の数は30人から36人に増やされた。
特徴的なことは、大統領府の直轄に、
6人の経済関係の閣僚を据え、じかに経済改革を
進めることにしたことである。

前財政大臣ラー・トゥン、前経済企画開発大臣ティン・ナイン・テイン、
前工業大臣ソー・テイン、前鉄道大臣アウン・ミンといった
連中を大統領府直下の大臣として集めた。
昇進であり、エリート集団の形成である。
なお、これらの経済ポストは残し、別の人間を入れている。

前鉄道大臣アウン・ミンは少数民族との交渉に当たってきたが
(カチンを除き、なかば成功)、
今後、大統領府の大臣として、むしろ、外国にいるミャンマー人
人材の呼び戻しに注力するようだ。

テイン・セイン大統領は、ミャンマーの経済成長率8%を目指し、
現在一人当たり830ドルのGDPを、2015年に3000ドルにしたいと
思っている。

一方、情報統制に当たり、サヤブリ・ダム(中止された)の推進派だった
保守派のチヤオ・サン情報相は、労働大臣だったアウン・チーにそのポストを
譲り、共同組合担当の大臣となった。
チャオ・サンを含め、9人の大臣が、そのポストから移動した。

アウン・チー新情報相は、前労働・福祉大臣で、
ダイナミックな改革派で、ILOもその視野の広さを
評価していると言われる。
アウン・サン・スーチーとの関係も良い。

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(ミャンマーの議員の色とりどりの民族衣装 バンコクポスト紙より)

これでテイン・セイン体制は磐石かというとそうでもないようだ。
下院議長シュエ・マン(軍のナンバー3)が率いる議会保守派との対立は
変わっていないと言われる。
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by ucci-h | 2012-09-22 10:41 | ミャンマー・ラオス・カンボジア | Comments(0)
タイのトップの電子機器企業「デルタ・エレクトロニクス」を育てた畑違いの経営者
タイの証券取引所上場銘柄で、
SET50指数構成の1社になっている会社に
「デルタ・エレクトロニクス」がある(1995年上場)。

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会社は、1988年に台湾の親会社「台達(デルタ)電子工業」が
タイに同様な電子部品受託生産会社を設立した時から
はじまるが、今では、タイでトップの電子機器企業と言われる。

2011年の売上高は392億バーツ(約1000億円)。
税引き利益は28.6億バーツ(約76億円)を稼ぎ出している。
純資産も310億バーツに上る。

デルタ・エレクトロニクス・タイランドがここまで大きくなった背景には、
異色のタイ人経営者アヌソーン・ミッタライ氏(現在は58歳で取締役)の
あくなき挑戦があったからだと、バンコク・ポスト紙のアジア経済欄は
紹介していた。

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(バンコクポスト紙より)

アヌソーンは、カセサート大学を卒業して、タピオカの輸出会社に
入った。苦労してロシア市場を開拓し、挑戦がなくなったので、
設立後まもないデルタに入ったという。

農業分野は得意だが、畑違いの電子工業会社にはいり、
経理と人事に配属された。
何をやるところか知らなかったが、ここでの経験がその後に
生きたという。

数年後、経営陣の中でタイ人のトップに立ったが、
その頃の台湾は海外の子会社への送金に制限があった。
そこでアヌソーンは、タイのBOI(投資庁)の研究開発分野への
インセンティブ供与に目をつけ、研究開発分野に注力、
その後の新製品、パテント革新につながったという。

また彼は、国外での生産拡大に尽力し、
今では米国、欧州はじめ27カ国に生産拠点をもつ
タイからの多国籍企業とした。

デルタ・エレクトロニクスは、トップ製品のスイッチング電源はじめ、
コンバーター、ACアダプター、EMIフィルター、ネットワーク製品など
その製品の幅を広げ、成長している。

垂直統合型の自前主義が強かった日本では、
ものづくりの巧みさを持ちながら、EMS(電子機器受託製造サービス)
はあまり育たず、逆に台湾メーカーなどに後塵を拝するようになった。

日本の電子機器メーカーの凋落は、皮肉なことに、
ものづくり、メーカーという概念に縛られ、この分野は需要者への
“サービス”だと頭を切り替えられなかったところから来たように見える。

いまや、EMSの世界トップ、台湾のホン・ハイ・プレシジョン(鴻海精密工業)は
かつての日本の優良企業シャープを呑み込もうとしている。
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by ucci-h | 2012-09-20 23:32 | タイの株式市場と企業 | Comments(0)
洪水からのリバウンドの年なのにタイの経済の伸びはなぜ低いのか
タイの2012年は、昨年の大洪水被害からの回復の年。
タイの今年の経済は、復興需要中心に、リバウンドで高い経済成長
が望まれた。

しかし、下半期の高い前年比較の数字がこれから出てきても、
ことしのタイのGDP成長率は5%に届かず、リバウンドとしては
低い年になりそう。

どうしてか?
内需は、ポピュリスト的政策もあって伸びているが、
肝心の輸出が伸びていない。

今年のタイの輸出伸び率目標は+15%だったが、
年前半の実績は、前年上期比1.3%のマイナスとなっている。

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洪水の被害が第1四半期まで長引いたことも少しばかりあるが、
欧州、日本、米国といった輸出市場の停滞が大きい。
洪水の影響の薄い6月1ヶ月だけでも、前年比マイナス2.5%となっている。

年のはじめに、商務省は、「今年の輸出の伸びは+15%」という公式
見通しを出していたが、10%を割り、せいぜい7%近くになると見られる。
副首相でもあるキティラット商務相は、先月、「年初の見通しは、ホワイト・ライ
(罪のないうそ)だった」と言って、顰蹙をかっている。

EUへの輸出は、13%も落ち込んでいる。
主力4業種、衣料、電子機器、宝飾品、ゴム・タイヤが痛手を受けている。
タイの総輸出に占めるEU市場のシェアは8%程度に過ぎないが。

タイは貿易依存度(GDPに対する輸出額の比率)が高い国である。

主要国・地域の中では、香港の174%、シンガポールの158%
(いずれも2010年実績)を別にしても、タイの61%は、韓国の46%、
ドイツの39%、スイスの35%、中国の27%などを上回っている。

輸出が落ち込む一方で、輸入は、洪水復興需要などで、史上最高
レベルにあり、上半期は前年比10%伸びている。

この結果、貿易赤字は、上半期で100億ドルの赤字。
これも史上最高のペースだ。

@@@@@

貿易赤字の拡大は、単にGDPの伸びを、純輸出がマイナスということで、
引き下げるだけではない。
今後のタイ経済の金融面で足を引っ張るおそれがある。
どういうことか?

TMB銀行の経済分析部が、うまくまとめてくれている。
貿易収支の動きと、国内銀行の流動性の動きがいつもマッチしているという。

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(上の赤線が銀行の流動性、百万バーツ右目盛。下の青線が貿易収支、
百万ドル左目盛。TMBアナリティクス制作。バンコクポスト紙より)

こういうことだ。
貿易黒字が減るということは、輸出業者の外貨の獲得が減るということ。
輸出業者は外貨をバーツに換えるわけだが、こうなると銀行を通しての
中央銀行に対するバーツへの需要も勢いが減る。バーツを売ってやる量が減る。
こうして、銀行、市中に出回るバーツの量も減る。

今、銀行は盛んな資金需要にこたえて、多くの貸し出しを行なっているが、
貿易赤字が進み、銀行の流動性が減ってくると、いくらがんばって
預金を集めても、資金状況は詰まってくる。

早い話、このままだと国内の内需の今後の資金需要にも齟齬をきたす
おそれがあるということだ。金詰まりが出てくると、経済全体に
いっそう下方のブレーキがかかる。
そうなると、金利は下がり、バーツも下がるのかな。

こういう中で、タイ経済は、来年より70県での最低賃金平均70%引き上げに
踏み切る。
スタグフレーション(経済停滞下でのインフレ現象)という言葉が頭をよぎる。
タイ経済は、やや難しい局面に入ってきているようだ。
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by ucci-h | 2012-09-20 12:30 | タイの政治・経済・金融・為替 | Comments(3)
  

北タイのチェンマイをベースにメコン、アセアンの経済、見所、食べ物を日本と比較して紹介します。ただし投資をアドバイスするものではありません。コメント記入は題字をクリック下さい。
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