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金価格の歴史(3) 2013年4月金価格急落の‘犯人’は誰か? 
1999年7月の安値1オンス253ドルから、
2011年9月はじめの1オンス1895ドルの高値まで、
12年間にわたり7.5倍(インフレ調整後の実質値でも5倍)
にもなった金価格は、2013年4月急落することになる。

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金価格は2011年9月以降、軟調に転じたが、
2013年4月なかば週明けの15日(月)には、
前週末の1オンス1,535ドルから、1,395ドルに
一挙に140ドル(9.1%)も急落した。
20011年のピーク比マイナス26%となった。

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タイの金先物取引所でも、ちょうどタイ正月休み明けの
4月18日、1日制限の10%下落し、
サーキットブレーカーが働く混乱振りとなった。

その後、金価格は1,451ドル(4月25日現在)まで
戻っているが、長年ラリーを続けた大相場が
急落に見舞われると、調整期に入るケースが多い。

@@@@@

2013年4月なかばの金価格急落に対する
‘犯人探し’が行なわれている。
マスメディアは、「中国の景気が鈍化しているように、
新興国経済の伸びが落ちてきたからだ」と関連付けている。

景気の鈍化で金の民間需要もインドや中国で
鈍化しているのは確かだ。しかし、民間の需給だけで
金価格が動くわけではない。
インドの景気伸び悩みや、中国のスローダウンは2年前から
始まっている(金価格のさらなる上昇のブースターが
2011年以降不足してきたとは言えるかもしれないが)。

また、財政危機に陥っているEUの小国キプロスが
外貨準備から金を売却するのではという思惑も働いた。
キプロスの金保有量は13.9トン。世界の中央銀行の保有量
31,695トンから見れば、0.04%に過ぎないが、こういった動き
(その後立ち消えになったもよう)がEUに広がれば、
金の需給が崩されるといった思惑である。

直接の引き金は、ゴールドマン・ザックスが前週末12日に、
「金の売り」推奨をしたことからのようだが、
言うなれば、なんとか売り場を探していた投機筋が、
止めを刺され、急落につながったということだろう。

すでに金価格は、11年9月をピークに調整相場に
入っていた。
ジョージ・ソロスは、2012年第4四半期に金のETFを
55%売却している。

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犯人探しには、上昇相場のときの要因が参考になる。
前回記したように、「世界の景気は鈍い。欧州は不安である。
金融緩和で温めようとしている。アメリカも3次にわたる金融緩和(QE1~QE3)
を続けているが、景気回復ははかばかしくない。いずれインフレに
つながるだけだ」という‘期待’が金相場を10年以上押し上げてきた。

何が変わってきたのか?
金融緩和をしつこく続けてきたのにインフレにならない
(13年3月の米CPIはマイナス0.2%)。
しかも、なんとか世界の景気は持ち直しそうで、米連銀の
第3次金融緩和(QE3)もじきに幕を閉じそうである。

さらに、株式が上がってきたなど、他の投資対象の魅力の方が
高くなってきた。利回り・配当のない金への投資魅力が相対的に
下がってくる。

この4月の金価格の急落は、いわば金投機家が白旗を
上げるに迫られた下げだったのではないだろうか。
期待をなお持ちこたえたかったが、持ちこたえられなかった。

景気との関連で見ると興味深い。
今、日本でもそうだが、大幅な金融緩和は超インフレを招くとの
危惧がある。
しかし、今回の金価格の急落を見ると、
今の世界景気、金融緩和だけでは大きなインフレにならないことを
示唆しているのかもしれない。

それとも、インフレの再来はまだ先のことで、
今は、金価格とともに、世界のインフレ動向もしばらくは
お休みと見るべきなのだろうか?
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by ucci-h | 2013-04-28 20:35 | 一次産品の市況 | Comments(0)
タイ流通業国内資本の巻き返し:セブンイレブンによるマクロの買収
タイの流通業界は、国内資本と外資のせめぎ合いの
中で発展している(インドも少しは見習ってもらいたいものだ)。

もともとは、「セントラル・グループ」や「CPグループ」といった
国内資本でタイの流通業の近代化が戦後行なわれたが、
1997年のバーツ・ショックで、外資系の傘下に入るものが多かった。
しかし、ここにきて、国内資本の巻き返しの図が出始めている。

@@@@@

セントラル・グループは、海南島出身の華人
ティアン・チラティビットが、戦後、量販店を開いたことでスタートした。
その後、息子サムリットの代にデパートメントを開き、
今日では、デパート、ショッピングモール、さらにはホテルも持つ
タイの大手流通資本となっている。

 「展開を加速するセントラル・グループのショッピングモール 2011-6-21」
  http://uccih.exblog.jp/13842229/

現在、フランス系のカルフールを買収し、
タイ全土にハイパーマーケットを展開するフランス系カシノの「ビッグC」の
‘C’は、もともとはセントラルグループが93年に始めたセントラルのCである。
97年のバーツ・ショックで、経営権はカシノ・グループに渡った。

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CPグループは、潮州系の華人、謝(チェラワノン)兄弟によって、
種を売る園芸店から始められ、戦後、息子の代になって飼料の販売、
養鶏業を核とするCP(チャルーン・ポカパーン)グループの設立となった。
ブロイラー、えび養殖というタイの2大食料で拡大し、今ではタイ有数の
コングロマリットになっている。

 「食品、コンビニで伸びるタイの国際企業CPグループ 2012-1-23」
  http://uccih.exblog.jp/15316968/

CPグループも、1988年には「サイアム・マクロ」と「CPセブンイレブン」を設立、
倉庫型量販店とコンビニというユニークな形で小売業に進出していた。
1990年には、アメリカ型の「ロータス・スーパー」も設立した。

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しかし、97年のバーツ危機で小売業からの撤退を余儀なくされる。
ロータスはその後、英系のテスコに売却され、今では英系「テスコ・ロータス」と
して、仏系「ビッグC」と、ハイパー・マーケット市場で競っている。
サイアム・マクロも、51%の出資分をオランダのマクロの持ち株会社SHVに売却した。
唯一セブンイレブンだけは残り、今や稼ぎ頭になっている。

 「2013年タイで始まるコンビニ戦争 2013-3-4」
  http://uccih.exblog.jp/17929224/

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そして、2013年4月、セブンイレブンを営むCPグループの「CPオール」が
サイアム・マクロを買収するというホット・ニュースが流れた。
ソンクラーン休日の間に香港で取り決められたというものだ。
CPグループの会長であり、タイ一の富豪であるタニン・チェラワノン(謝国民)の
胸中から、マクロのキャッシュ・キャリー・ビジネスの魅力は消えなかったといわれる。
97年は、いわばバーツ・ショックという‘事故’で、マクロを手放したと思っている。

 「タイで伸びる倉庫型大型店マクロ 2011-8-23」
  http://uccih.exblog.jp/14406670/

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CPオールは、サイアム・マクロの株式のまず64.35%を取得したい意向だ。
3月末現在、株式の64.35%はSHVホールディングにより保有されている。
その後市場でのテンダー・オファーで全株取得すると伝えられる。
買収金額は66億ドルと言われる。市場価格の15%プレミアムでの買収だ。

66億ドルと言うのは巨額の買収資金だ。
2010年11月にビッグCがタイのカルフール42店全店を買収したときの
価額が12億ドルだったから、これの5.5倍の買収金額である。
CPグループは、中国も含め各地で積極的な買収をしている。
2012年12月には、中国への橋頭堡を固めるため、中国の第2の保険会社
「ピンアン(平安)保険」の15.6%に96億ドルを投じている。
こちらの融資には、UBSが動いているようだ。

CPグループは非公開の同族グループであるため、資金状況がいまいち不透明だ。
買収資金はSCB(サイアム商業銀行)などからの借り入れによるのだろうが、
CPグループにとっては、マクロの現金収入商売が魅力なのだろう。

サイアム・マクロは、タイ全土に57店をもつ(チェンマイにも3店)。
ハイパーマーケットは全国に行き渡って来たが、キャッシュ・キャリー店は、
25県ほどにはまだなく、成長力も高いと見られる。
2012年の売り上げは1140億バーツ(前年比+15.4%)。
税引き利益は35.5億バーツ。時価総額は1637億バーツである。

タイでは、現在の国内景気のよさから、97年バーツショックで
途中でやめたビルの建設の再開などが、16年ぶりに行なわれている。
流通業界でも、外国資本に対する国内資本の巻き返しが起こっていることになる。
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by ucci-h | 2013-04-26 19:34 | アジアの流通小売業 | Comments(3)
金価格の歴史(2) 2000年代低インフレ時代、なぜ金は10年も上がったのだろう?
昔、調べたことはあるが、金の需給や金価格の予測は難しい
(為替や株価、相場物はみなそうだが・・)。

古い要因に新しい要因が混じってきたりする。
だから、アナリストは、‘理路整然と’間違った予測を
出しがちである。

2000年代初めの10年間の金価格の高騰は、
70年代のそれとは違ったことは明らかだ。

70年代はまさにハイパーインフレの象徴だった。
地勢的不安定さもこれにプラスしていたが・・・。
それと、隠れていた背景が、インフレの勢いが強すぎて
株式や債券といった他の投資対象の魅力が無くなっていたことだ。
ハイパー・インフレ時代は証券よりも金が選好された。

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2000年代のインフレ率は低い。
デフレから抜け切れなかった国もある。
70年代G7諸国のインフレ率が年平均7~14%だったのに対し、
2000年代のそれは、1~2.5%だった(日本はマイナス1.2%)。
なのに、なぜインフレヘッジである金が10年も上がったのか?

いろいろ後講釈は言われるが、
一番は、株式など証券投資の魅力が薄れたからだろう。
日本株は80年代にばぶり破裂し、低迷し、米国株も80~90年代に上がった後、
2000年代は魅力を減らした。欧州もダメ。新興国市場と言っても規模が知れている。
デフレ傾向で、他の商品も相場も、世界の景気がよくなければ需要が限られる。

「日本やアメリカ、欧州は、景気もはかばかしくない。
財政赤字は膨れ、金融緩和で景気を煽るしかないだろう」・・・
相場は、現実をベースに動くのではなく、先の期待で動く。
いずれインフレになるだろうから、金がいい。
景気の伸びる新興国のインドや中国やタイは、みな金好きで、
金への需要も強い。

あらっぽい理由だが、こういった見方を背景に、
景気低迷が続き、インフレ再燃期待のじれったさの中で
金価格が上がってきたのだろう。
景気停滞が長引き、金融緩和が長期化するほど、ゴールドの
ラリーは長くなった。

そして、その期待がついに外れたからか、
待ちきれなくなったからか、
それとも目標の2000ドルに近づいたからか、
金価格は2013年になって暴落することになる。
何があったのだろうか?

(最終回へ続く)
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by ucci-h | 2013-04-25 20:17 | 一次産品の市況 | Comments(0)
金価格の歴史(1) 1980年ピークをつけた金価格は予想通り20年低迷した
今から33年前になるが、1980年1月金価格が1オンス850ドルの
高値をつけたときのことは、当時、筆者はニューヨークにいて実感したので、
今でもはっきりと憶えている。

当時は、イラン革命もあり原油価格は高騰し、世界のインフレも高進し、
さらにはソ連のアフガニスタン侵攻などもあり、ハイパー・インフレが
盛り上がった時だった。一方米国の景気は、回復前夜にあり、
株価は歴史的な低さにあった。

ついに80年代初頭にピークを打った金価格!
これで10年や20年は、金価格は低迷するだろうと思うほどの
吹き上がり方だった。

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そして、確かに、70年代のインフレ時代が終わり、
金価格は、2000年までその後20年間低迷を続け、
1オンス252ドルまで下げた(1999年7月)。

みなが金に興味を失ったこの頃を底に、
金価格は、21世紀の最初の12年間上がっていくことになる。
2007年には、1980年の高値を四半世紀ぶりに抜くと、
2011年8月には1オンス1889.7ドルの高値をつけた。

閑話休題。

20年間と言うのは、相場の世界ではかなり意味がある。
昔、1960年代末から80年代初めまでの20数年間、
ニューヨークの株式市場はちっとも上がらなかった。
インフレ調整後の実質値では、20年代の大恐慌後の
20数年と同じように、実質値はほぼ3分の一になっていた。

20数年、1世代と言うのは意味がある。
ウォール街で働く67年入社以降の証券マンは、「株価は上がらないもの」との
意識が染み付いていた。しかし、80年以降入社の1世代下の連中は
そういう意識はない。今度は「株価は上がり続けるもの」とインプット
されていった。
日本の株も90年以降、下がるもの、上がらないものと20数年
記憶に刷り続けられてきた・・・。

金価格に話を戻そう。

70年代はじめ、ニクソンショックで固定相場制から離脱する前の
金価格は1オンス35ドルだったから、
70年代のインフレ時代に、24倍にもなった。
そして、2000年代の10年間では、250ドルから
1890ドルまで、7.5倍になったことになる。

金は利子も配当もつかない代わりに、インフレヘッジ、リスクヘッジ
として買われる。

面白いチャートがある。
70年代はハイパーインフレの時代だったが、金の値上がりは
もっとハイパーだったので、インフレ調整後の「実質金価格」でも
10年で8倍ほどになった。

2000年代は、インフレは緩やか、デフレ色の濃い時代だったはずだ。
従って、実質値では5倍になっている。
もっとも底値からピークまでの値段の変化だ。

70年代の金価格の高騰の理由はよくわかるが、
インフレがさほどでもなかった2000年代になぜ
インフレ・ヘッジである金価格は7.5倍にもなったのだろうか?

(その2に続く)
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by ucci-h | 2013-04-24 15:52 | 一次産品の市況 | Comments(4)
本場欧州サッカーの5大リーグ、どこが強いのか?
香川真司君が昨年移籍した
世界で1~2位の価値のあるフットボール(サッカー)クラブ
「マンチェスター・ユナイテッド」の英国「プレミアリーグ」での
2012-13年度の優勝が、5試合を残して決まった。
ほぼぶっちぎりの優勝だった。20回目と言うが、
プレミアリーグになってからの21年間で13回目の優勝、
圧倒的に強い。

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昨年ドイツの「ブンデス・リーガ」の2年連続優勝チーム「ドルトムント」から
「マンU」へ移籍した香川真司選手は、同時にオランダ人の
ストライカー、バンパーシーもマンUに入り、
また10~11月には故障から出られず、どうなることかと
心配したが、後半それなりの力を発揮し、荒っぽいプレミアリーグ
のプレーに新鮮なテクニックの風を送り込んでくれた。

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ここタイでも、英国プレミアリーグのフットボールの人気は抜群に高い。
テレビのスポーツチャネルでは繰り返し放映される。
夕べも夜中の3時から後半戦を見てしまった
(朝6時からのビデオを見ればよかった・・)。

タイ人はフットボールが好きだから、
英国プレミアリーグ以外にも、イタリアの「セリエA」や
オランダのリーグ、時にスペインやロシアのフットボールも
テレビでやっている。以前元首相タクシンは、マンチェスター・シティーを
持っていた。また国内には「タイ・プレミアリーグ」がある。
チェンラーイは比較的強く、チェンマイはびりだ。

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欧州各国のサッカー・リーグの人気は高い。
ヨーロッパ人だけでなく、アフリカ人、南米人、アジア人が
まざって活躍している。
従って、有力選手は国を超えて動く。

スポーツもやはり経営。お金である。
欧州は経済低迷状態にあるが、世界をお客とする欧州サッカーは栄えている。
コンサルタント会社デロイトによれば、
欧州トップ5大リーグの収入86億ユーロ(112億ドル、2010-11年度)の
うち半分近くの41億ユーロはテレビ放映権収入だ。
タイはじめ多くのアジアの国が貢献しているはずだ。

主要国のトップ・リーグの収入、またトップ・チームの収入を
比較してみよう。収入は2010-11年度、概算である。

1位 英国 プレミアリーグ 32億ドル
    マンチェスター・ユナイテッド 5.2億ドル
2位 ドイツ ブンデスリーガ 23億ドル
    バイエルン・ミュンヘン 4.8億ドル
3位 スペイン ラ・リーガ 22億ドル
    レアル・マドリッド 6.7億ドル
4位 イタリア セリエA 20億ドル
    ACミラン 3.3億ドル
5位 フランス リーグ1 14億ドル
    マルセイユ 1.8億ドル

あと、ロシア、トルコ、オランダと続く。

ちなみに日本の「J-リーグ」の収入は5.2億ドルほど。
オランダの下辺りに来るのか?
トップの浦和レッズの収入は5400万ドル。
同じ赤いユニフォームのマンUのほぼ10分の一である。

@@@@@

収入トップは、やはりサッカー発祥の地、伝統ある英国プレミアリーグである。
英国のフットボール・クラブの設立は1860~80年代と19世紀のものが多い。
といっても、英国プレミアリーグの人気が出たのは、ここ20年ほどのことだ。
1992年に、古い英国フットボールリーグから脱皮し、
(株)プレミアリーグとして発足してからだ。今、20クラブ中半分の10クラブが
外国人オーナーだ。国際化している。

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プレミアリーグのチームのユニフォームにクラブ名はない。
スポンサー名だけである。
20チームのうち、アストン・ビラはマレーシアの「ゲンティン」、
チェルシーは韓国の「サムソン」、エバートンはタイの「チャーン」、
QPRはマレーシアの「エアアジア」と、アジアの企業名が選手の胸で
踊っている。
もっとも、かつてのNEC,JVC、スバル、TDK、シャープといった
日本企業名は今は見られない。

ドイツのブンデスリーガは、英国プレミアリーグに
迫っている。世界を相手のビジネスと言っても、やはり
地元経済の影響は大きい。
英国プレミアリーグとドイツ・ブンデスリーガだけが、2010-11年度
黒字だった。

スペインのラ・リーガは、国の経済の不振にもかかわらず、
レアル・マドリッドとFCバルセロナの2強(リーグ収入の54%を稼ぐ)の
強さが大きい。レアル・マドリッドの収入はマンUに負けない。
スペイン・サッカーは昨年のワールドカップで
見られたように世界で群を抜くパス捌きだ。
バルセロナのリオネル・メッシ(アルゼンチン)と
マドリッドのクリスティアーノ・ロナウド(ポルトガル)は、
世界トップのストライカーだ。

もっとも、2強に偏りすぎており、
多くのクラブの負債が積み上がっているようだ。
健全ともいえないようである。

かつての人気リーグながら凋落著しいのが
イタリアのセリエAだ。
90年代世界トップの人気で、ナカダ選手もプレイした
リーグも(今日本人は、故障してしまったインテルの長友だけ)、
経済悪化のせいか、スタジアムは閑散としていることが多い。
今は、過去の栄光で食いつないでいる感じだ。

フランスは、ワールドカップや欧州チャンピオンズ・リーグでも
上位に行けず、欧州トップ5の中では、5位である。
2013年には、パリ・サンジェルマン(PSG)が世界の広告塔デビッド・ベッカムを
迎え入れ人気向上を図っている。

@@@@@

欧州の5大リーグのチームのうちどこが強いのだろうか?
アメリカのようにEU全体として欧州統一リーグを組めば面白いだろうが、
フットボールは戦争のようなものだから、なかなかそうはならないだろう。

欧州一のクラブチームを決めるトーナメントに、
UEFA(欧州サッカー連盟)主催で毎年行なわれる「UEFAチャンピオンズ・リーグ」がある。
過去57年間の国別の優勝・準優勝クラブを見ると、
やはりスペインが優勝13回、準優勝9回でトップだ(レアル・マドリッドが優勝9回)。
続いてイタリアの優勝12回、準優勝14回(ACミランが優勝7回)。
3位は英国の優勝12回。準優勝7回だ(リバプールが優勝5回)。
ドイツ、オランダ、ポルトガルが続く。
各国リーグの収入とほぼ見合っているようだ。

 「欧州サッカーの熱い季節 2012-3-19」
  http://uccih.exblog.jp/15598408/
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今年の準決勝は、今晩が独ブンデスリーガで現在トップのバイエルン・ミュンヘン対
スペイン・リーグトップのバルセロナの第1戦(ホーム・アウェイの2試合制で、
第2戦は1週間後ホーム地を変えて行なわれる)、
明日が、ドイツ現在2位のドルトムント対スペイン2位のレアル・マドリッド。
奇しくも、ドイツ勢対スペイン勢の対決となったが、順当である。

{追記)
このあとのチャンピオンズ・リーグ準決勝で、バルサは
敵地とはいえ、バイエルンに4対0で完敗する。
ボールは支配するが攻撃の起点を築けず、メッシは封じられる。
ああ、コーチが代わったせいか、バルサの時代は終わったのだろうか?
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by ucci-h | 2013-04-24 01:07 | スポーツ観戦 | Comments(0)
伸び悩み、落ち込む成長国インドの自動車販売
世界の2012年の自動車(乗用車+商業車)生産を振り返ると(OICAの統計)、
タイの+70%(248万台)、インドネシアの+27%(107万台)、
アメリカの+19%(1033万台)日本の+18%(994万台)などを見ると、
世界景気が悪かった年にもかかわらず、世界の自動車生産は
かなり伸びたように見える。

しかし、タイや日本は特殊要因で伸びた面が大きく、
世界全体での伸び率は、これを入れても+5.3%(8414万台)である。
マイナスの国も、欧州、南米中心に多かった。
韓国は-2.1%(456万台)、中国は+4.6%(1927万台)だった。
そして、伸びていいはずのインドは+5.5%(415万台)と
世界平均程度に過ぎなかった。

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世界の自動車メーカーが進出し、人口12億人をかかえ、二桁の高い伸びが
数年前まであったインド自動車市場。
「マルチ・スズキ」(2011年112万台生産)筆頭に、ヒュンダイ62万台、
タタ38万台、マヒンドラ・マヒンドラ20万台と競っている。

インドの自動車販売の伸び悩みは、インド経済自体の停滞、高い金利、
燃料費のアップによりもたらされている(背景にまずい経済政策もあろう)。
インドの自動車市場は、購買力の低さから、タタ自動車の超低価格車「ナノ」
(15万ルピー、約26万円)に見られるように、小型乗用車が中心だが、
これが伸び悩んでいる。

2012年度(2012年4月~2013年3月)の乗用車だけの販売で見ると、
直近の「SIAM」(インド自動車製造業協会)の数字によると、
前年度は190万台と、2011年度の203万台から、6.7%も下落した。
この3月だけ見ると、前年比マイナス23%の惨状である。

大きな価格割引をしても、街のショーウインドウには
売れない車が残っていて、工場の設備過剰はいっそう拡大していると
いわれる。

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タタ・モーターのナノ生産のグジャラート工場(年産能力25万台)では、
2013年3月は、わずか1,282台の生産と、稼働率たったの6%という
惨状だった。

ナノは、インドのコングロマリットでもあるタタ・グループが
「バイクに乗るインド人に国民車を!」と2009年7月から発売して
3年8ヶ月経つが、累計販売台数は23万台弱にとどまっている。

価格は14万~20万ルピー(24万~34万円)とバイク保有層を対象にした
ものだが、パワステもなく、使い心地は悪いようだ。
バイク保有層は、中途半端なナノに傾かず、むしろ自動車保有層が
家族向けのセカンド・カーとして買っていると言う。

タタ自動車のセダン(インディゴなど)も昨年度は63%も販売が落ち込み、
ユティリティー車(ゼノンなど)も大きく落ち込んでおり、全体に車の質が
落ちるようだ。わずかに、2009年に買収したジャグアー、ランドローバー
といった英国高級車の伸びで、利益の落ち込みを小さくしている。
タタは、ナノの大幅見直しに迫られている。

 「肥大化したタタ・グループの今後の道 2011-6-16」
  http://uccih.exblog.jp/13801738/

インドの乗用車生産能力は現在490万台ほどだ。
しかし実際の生産は200万台弱。
稼働率は半分にも行っていないことになる。
大きな過剰能力だ。

乗用車に入らず、商業車にカテゴライズされるが、
ディーゼル燃費の安いSUV(スポーツ・ユティリティー車)は増え、
マヒンドラ・マヒンドラ社の売り上げ増に貢献している。
しかし、最近の税率引き上げで勢いが削がれるかもしれない。

いずれにせよ、インドの乗用車販売の伸び悩み、落ち込みは、
インド経済不振の縮図である。
タイのように、ひとつ税金を思い切り免除して売上増を図るか?

大国インドは、経済停滞からなかなか抜け出せずにいる。
誰だ、BRICSの一国とか言って、脈絡もない4カ国の一カ国として
持ち上げたのは?
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by ucci-h | 2013-04-23 13:45 | 中国・韓国そしてインド | Comments(0)
タイでの車の運転につき英国外務省が注意喚起!
タイが世界で6番目に交通事故の危ない国であることは、
以前お伝えした。
 「タイは道路交通の危ない国世界第6位! 2013-2-25」
  http://uccih.exblog.jp/17888511/

今年のソンクラン(タイ正月、水掛祭り)の5日間の交通事故による死者も、
昨年同様、1日平均51人。年率18600人の高さに達した
(実際の年毎の死者数は、タイ運輸省によると、
2009年の11500人から、10年には1万人を割り、
2012年には8千人割れの7700人にまで、ここ3年著しく下がってきているが)。

タイが交通の危ない国であることは、どうやら世界に伝わっているようで、
このほど、イギリスの外務省(フォーリン・オフィス)が、
英国人の外国旅行者向けに、注意を喚起するサイトを開いた。
http://www.fcowidget.com/

その中のタイランドの安全の箇所を見ると・・・
https://www.gov.uk/foreign-travel-advice/thailand
2000年代の10年間、タイでの交通事故死者数は、年平均12000人と、
イギリスの平均3000人の4倍にもなっている。
さらに、統計の取り方も、英国では事故後30日以内での死亡者を数えるのに
対して、タイでは事故現場での死者数のみである。

タイでの交通事故の70%は、モーターサイクルが絡んでいるので、
バイクを運転するときは、いっそうの注意が必要だ。

事故が多いのは、古い車が多いのと、運転基準が低いからだ。

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特に、夜行バスの事故は多い。
2011年、12年、13年と夜行バスに乗ったイギリス人が3年続けて
事故に巻き込まれ、死傷している。

ビーチ・リゾートで借りる2輪車は、登録がなく公道を走れないものが多い。
借りるときは、保険でカバーされているか、リース契約書があるか
チェックすべきだ。
また借りるとき、パスポートを預けてはいけない。
ちょっとした傷の支払いをたてに返してもらえないことがある
(ジェット・スキーは、もっとやばいようだ)。

日本の道路運転への英国外務省のアドバイスを見ると、
日本の交通事故の死者数は5450人(2011年)。
英国とほぼ等しいが、人口10万人あたりでは4.3人、
英国の3.0人の方が低いと言っている。

また、無免許運転、それに飲酒運転の罰金が極めて高いから
要注意と記されてある。

タイ人の交通マナーは悪くはない。
タイに交通マナーがないだけである(笑)。
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by ucci-h | 2013-04-22 21:55 | アジア的な生活 | Comments(2)
ミャンマーの問題その5.時代に翻弄され続ける主力産業農業
アセアン諸国の中で、なお農業人口の比率が一番高いのは、
ラオスとミャンマーである。
国の就業人口のそれぞれ、75%、70%が農林水産業労働である。
ミャンマーの2900万人の就業人口のうち、2000万人近くが
農林水産業に携わっている(アセアン諸国は35~40%が多い)。

2011年現在でも、ミャンマーの生み出す農林水産業の
付加価値は234億ドル。国のGDP544億ドルの半分近く、43%を
占めている(アセアン諸国は多くが10~20%である)。

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ミャンマーの農業は、英国植民地、また半世紀の軍政により
翻弄されてきた。

英国植民地の下では、1886年以降、インドの1地方とされ、
インド人のカースト高位層により、よい農地を押さえられ、属国化された。
戦後、独立を果たしたものの、1962年からの軍政による
社会主義により、農地の私有は禁じられ、生産割り当てが
課せられた。

ことに軍政後、豊かな農地を誇り、かつては世界一のコメ輸出国だったビルマも、
その後半世紀を経て農業は停滞、土地を手放す農家が増え続けた。

ことに、農業生産の中心となるコメは、世界市場での競争は激しく、
前世紀風のミルを使っているミャンマーのコメは、なかなか世界市場で
闘えない。
世界一コメを食べるこの国も(一人当たり年間消費量210kg)、
コメの輸出量は、2011年78万トンと100万トンに届かなかった。
2012年は、タイの‘敵失’もあり、120万トンほどに行った模様だ。
ミャンマーの精米業者は、ミルをはじめ精米機械の近代化で、
3~400万トンは輸出できると言っている。

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2011年以降、テイン・セイン大統領のもとで開放政策が
進められているが、農地の改革にはいまだ遠いようだ。
新しい「農地法」や「空地・休耕地・未開墾地管理法」により、
農地の活用が図られているが、農業の赤字状態から、
土地を手放す農民が増えているという。

国や開発業者による農地取得が進み、
土地を手放した農民は‘小作農’に転じたり、
他の職業に移ったりしている。
また農民の借金を助けるために、2012年6月には新しい
金融機関「Mapco」が設立されたが、民間資本のため、
採算が悪いとすぐ引き上げ、思ったように融資が進まないでいるという。

ミャンマーの産業開放化によって、農業人口はこれから
減って行き、農地も産業用地に転じていこう。

その中で、元来豊かなはずの農業資源も活性化できるか。
農業面でも、ミャンマーの近代化が待たれる。
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by ucci-h | 2013-04-20 22:39 | ミャンマー・ラオス・カンボジア | Comments(0)
マッサージへ行って入院してしまった人、なぜ?
タイはマッサージ天国である。
リーズナブルな値段で(最近上がってきているが)、
2時間、200~350バーツ(600~1000円)でやってもらえる。
隣国カンボジアへ行っても、売り物は‘タイマッサージ’である。

ところで、マッサージへ行って、「どこか怪我や病気はありますか?」と
聞かれたことはあるだろうか?外国人のせいもあるが、まずは
ほとんど聞かれないでやられる。

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しかし・・・
この3月末、ウドンタニの空港でフット・マッサージを受けた
タイ人の俳優で、以前最も映画に出演したこと(600回)で
ギネスブックに載ったこともあるソンバット・メタニー氏(75歳)が、
そのあと、胸痛と高熱で入院する騒ぎがあった。

明確な証拠はないが、フット・マッサージを受けて
(小さな木の棒を使ったりする)、どうやらバクテリアが血中にはいり
炎症を起こしたようだ。

マッサージ師は、宝飾品を身につけてマッサージしたり
(指輪が当たって痛かった経験がある)、顧客の傷や病気を聞かずに
施術することは禁止されている。
とはいえ、ここはタイランド、そんなこと聞かれたことはない
(傷があればこちらから言うが)。

マッサージをすると血管が広がるから、バクテリアが傷口などから
進入しやすくなる。
ことに、糖尿病患者のリスクは高いようである。
糖尿病ならば、強く押さず、ソフトなマッサージをするというが。

お客の立場からすると、これによりマッサージ店の衛生が一段と良くなるとか、
マッサージ師があらかじめ客の健康状態をチェックするようになる
などとは、夢にも思えない。

清潔でお客の多いマッサージ店に行くに越したことはない。
また、傷や病気があれば行かないことだ。
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by ucci-h | 2013-04-19 10:19 | アジア的な生活 | Comments(4)
ミャンマーの問題その4.世界一遅れてしまった医療事情
ミャンマーの問題第3回で、教育の空白、人材不足の
課題を取り上げたが、これと関連して、医療が
ミャンマーの後進性の象徴になっている。
第4回目の今回は、ミャンマーの医療について
かいつまんで触れておこう。

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ミャンマーの軍事政権は、教育と並んで、医療にもあまり
予算をつぎ込んでこなかったようだ。
2008年時点で、国民一人当たりの年間医療費は1ドル(100円)しか
なかった。教育費以下である。

民間の篤志に頼るしかないが、経済鎖国であったため、
海外からの医療援助も、年間一人当たり7ドル(2010年)。
カンボジアの52ドル、ベトナムの34ドル、ラオスの67ドルと比べても
桁違いの低さだった。

公的・私的支出あわせた世界の一人当たり医療費ランキング(総務省2008年)でも、
ミャンマーは、対象93か国中最下位、アフリカのエチオピアやコンゴより下位で、
一人当たり10ドル。91%が民間支出。GDP比わずか2%であった。
ちなみにタイは65位だが、一人当たり164ドル。74%が公的支出。GDP比4.1%だった。

こういった状況だったから、ミャンマーは世界でも不名誉な健康状態を示した。
・新生児、幼児、5歳未満の子供の死亡率では、東南アジア中最悪だった。
・エイズの死者は年間18000人。世界のエイズ死者数の10人に一人に当たる。
 HIV治療薬が届かなかったことが大きい。
・結核は、世界平均のほぼ3倍、マラリア死者数も、アジア地域で一番高い。

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豊かな資源を誇る国にしては、悲劇だったと言わざるを得ないだろう。
医療費の不足とあわせて、訓練をつんだ医療従事者が足りなかったことも、
水や電気の来ない村の医療事情を悪化させたようだ。
ここにも教育の不在が影を落としている。
状況の悪い村へ行くと、子供と妊婦の8割が貧血だそうだ。

テイン・セイン政権は、医療費予算を4倍増し、
厚生大臣に小児科医ペテット・キン氏をすえ、医療の復活に力を入れだした。
政府は、また地域の保健センターのスタッフを倍増させた。
倍増と言っても、ひとりを二人にしたところだ。
まだまだゼロからスタートしたようなものだ。

ミャンマーの医療事情の改善は、海外からの援助増と合わせ
これから注目されるが、必須なことだ。
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by ucci-h | 2013-04-18 15:23 | ミャンマー・ラオス・カンボジア | Comments(0)
  

北タイのチェンマイをベースにメコン、アセアンの経済、見所、食べ物を日本と比較して紹介します。ただし投資をアドバイスするものではありません。コメント記入は題字をクリック下さい。
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