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タイの国家プロジェクト「大インフラ投資計画」の中身は?(後編)
タイの7年間で2兆バーツ(6兆円)を投資する
「大インフラ投資プロジェクト」は、タイの財政にどのくらいの
負担となってくるのだろうか?

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タイの国家財政の状況を見ると、
タイ貢献党政権のポピュリスト的財政支出の拡大により、
2012年度(9月期)、13年度(予想)とも4000億バーツ近くに
膨れて来ている。
GDP(2013年予想12兆バーツ)比、3.3%ほどとなってきた。

2014年度以降、前回見たように、予算外も含めた大きなプロジェクトの
増大する出費を見ていくと、経済がただちに高い成長につながらないと、
財政赤字のGDP比は、3~4%を超えて高まっていきそうだ。

国の公的債務のGDP比残高はどうなっていくのだろうか?
2012年度末のタイの公的債務残高は、
国営企業の債務や政府保証残高を含めて、
4兆9400億バーツ(15兆円ほど)と、ほぼ5兆バーツだ。
GDP(2012年度11兆2440億バーツ、ほぼ34兆円)比、
43.9%ほどになる。

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タイの公的債務が今後数年で天井の目安とされる50%に
乗せていくのか?また、さらに国際的格付け評価の
危機ラインとなる60%に迫るのだろうか?

計算上は、現在の公的債務残高5兆バーツが、
数年で2兆増えて、7兆バーツ乗せて行くかだが、
タイで議論されているように、インフラ投資プロジェクトを中心とする
これらの支出が、経済成長率を6%以上に高められるのか、
それとも、4.5%以下の伸びにとどまるのかが、
評価のポイントになりそうだ。

6%以上なら十分な経済の成長が公的債務比率を抑えるだろうし、
数々のプロジェクトにもかかわらず経済が伸び悩むとすれば、
公的債務比率は危機ラインに迫っていきそうだ。
そのためにも、コメ抵当スキームのような生産性の低いプロジェクトは
縮小して、経済効果の高いものに絞り込むべきだと思われるが、
政治の世界、はたして経済合理性を生かせるだろうか。

@@@@@

ちなみに、タイの経済成長率は2000年代以降は、
年平均5%近くで来ている。
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by ucci-h | 2013-05-30 17:36 | タイの政治・経済・金融・為替 | Comments(2)
タイの国家プロジェクト「大インフラ投資計画」の中身は?(中編)
前編で記したが、タイの国家プロジェクト「大インフラ投資プロジェクト」は、
予算の中ではなく、国の借り入れで行なわれる。
その是非については、前編で触れた。
 「タイの大インフラ投資プロジェクトの中身(前編) 2012-5-28」
  http://uccih.exblog.jp/18866415/

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2兆バーツの借り入れは、主に国内での借り入れによると言われる。
国がこれだけの規模の借り入れに乗り出してくるとなると、
民間の貸付市場に“クラウディング・アウト”(政府の借り入れ増により
民間の借り入れが圧迫されること)が出てくることが懸念されるが、
政府は、タイの貸出市場は厚いと言っている。

タイの銀行貸出の残高は、2012年末で9兆バーツ(27兆円)ほどと推測される
(タイ全31行の総資産総額は12年3月末で13.6兆バーツ)。
確かに2兆バーツと言っても、7年かけてのことだから、やり方によっては、
クラウディング・アウトは避けられるかもしれない。

タイ貢献党政権も、この資金負担増を考えて、
「PPP」(パブリック・プライベート・パートナーシップ)法案を導入して、
官民合弁企業の借り入れに政府保証を与え、
ファイナンシングをスムーズにさせようと企てている。

政府の2兆バーツ借り入れ及び返済のプランは以下のようなものだ。
借入資金は50年かけて返済する。
最初の10年は、金利のみの支払い。
元本の返済は11年目から50年目まで40年間かける。

金利分は、金利状況によるが、50年にわたる返済なので、
3兆バーツくらいになると見られる。総額5兆バーツの返済、
年平均の元利支払い合計額は、1000億バーツほどにのぼりそうだ。

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この負担が、国の債務負担にどのくらいの影響を与えるのだろうか?
「TDRI」(タイ開発研究所)のソムチャイ・ディレクターによれば、
2014年から2017年にかけて、年間の特別プロジェクトの支出額は
6000~7000億バーツに上ろうと見ている。

内訳は、
「コメ抵当スキーム」の年間補助金が2000億バーツ。
「水害防止プロジェクト」(総額3500億バーツ)が1000億バーツ。
所得税カット分が1100~1400億バーツ。
そして、「インフラ投資プロジェクト」が年間2500億バーツほどと
見込まれている(早い時期の利払いが膨らむと見る)。

まずは、コメ抵当スキームの補助金分を700億バーツ程度に減らせという
主張だが、こういった巨額の政府の支出が、国の財政にどのくらいの
影響を与えていくのか、次回に見てみよう。

1970年代初めの日本の「列島改造計画」は、評価の是非は別にして、
うまく民間の資金を引き出して成功させた。
40年後の今、タイの今回の国家プロジェクトの場合も、官民の金を
うまく引き出せるかにかかっていそうだ。

(後編へ続く)
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by ucci-h | 2013-05-29 11:08 | タイの政治・経済・金融・為替 | Comments(0)
タイの国家プロジェクト「大インフラ投資計画」の中身は?(前編)
タイでは、スワンナプーム空港の建設(2006年9月開港)以来となり、
これを大幅に上回る総額2兆バーツ(6兆円)の大インフラ投資計画が
来年よりスタートしようとしている。

タイ政府が、巨額の費用をかけて、2020年までの7年間に、
高速鉄道、道路網といったインフラを整えること自体については、
野党民主党からも反対の声はない。

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2兆バーツの大まかな内訳は、以下のようになる。

①鉄道網(高速鉄道および既存鉄道の複線化など)・・・1兆5600億バーツ(全体の78%)、
4本の新幹線に7830億バーツ、在来鉄道の複線化に2490億バーツ。
②道路網・・・3860億バーツ(全体の19%)
③港湾・通関・空港など・・・540億バーツ(3%)、うち港湾整備に170億バーツ。

つまり、今後のタイのインフラ建設大計画の8割近くは鉄道、
2割近くは道路ということになる。

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タイが、“中産階級の罠”に落ち込まず、7年後に一人当たりGDP12500バーツ以上
(現在は5700ドルほど)をめざす大プロジェクトと位置づけられている。
その整合性は別にして、物事が進みにくいタイにおいて、
影のタクシン政権だけに思い切り出来ると評価することもできよう。

2013年3月29日には、議会で「2兆バーツ・インフラ・ローン法案」が可決された。
問題は、このプロジェクトを予算支出の中でなく、政府の借り入れで行なおうと
いうところになる。

@@@@@

野党からの批判は、「議会のチェックの及ばない予算外で行なうことにより、
政府の利益誘導どおりに行いやすい」という点と、
「こんなに巨額の借り入れを行なっていくと、今でもばらまき政策によって
膨れてきている国の債務が、欧州諸国のように重荷になっていく」と
言うものだ。

これに対して、政府の言い分は、「このような大きなプロジェクトは、
支出項目が8割がた固まっている通常の予算の中では無理である。
結局細切れなことしか出来ない」、
「このインフラ投資による経済成長で、GDPに対する債務残高比率は
心配されるような60%越えにはならない」というものだ。

それぞれの言い分に一理あると見えるが、
次回には、国の債務残高の拡大の見通しについて見ておこう。
(後編へ)
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by ucci-h | 2013-05-28 20:51 | タイの政治・経済・金融・為替 | Comments(0)
遅ればせながらいよいよ始まったタイの3G携帯データ通信
タイでは、遅々としてしか進まない通信環境の整備だが、
2013年5月、「20年待たされた」と言われた
携帯電話の「3G」(第3世代移動通信システム)がようやく導入された。
3Gの2100メガヘルツの周波数帯が、昨年12月、携帯3社に与えられたのだ。
海外では、3Gどころか4Gが主流になろうとしている時に、
遅まきながら3Gが広まる年となった。

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タイでは、パソコンよりも、携帯電話・スマートフォン、タブレットが普及している。
タイはモバイル王国とも言える。
タイの人口は、赤ん坊から年寄りまで入れて6600万人だが、
携帯の台数は8200万台。ひとりで複数台持っている人が多い。

携帯のうちスマートフォンは、4分の一ほどと見られるので、
累計1800万台くらいは行っているのだろう。
もっとも、年間売れる携帯端末1250万台ほどのうち、
昨年は35%ほどの430万台ほどがスマホだから
(2013年は1600万台中、45%の700万台ほどと半分ほどになる見込み)、
スマホの占める割合は急速に上がっているのだろう。

携帯電話以外では、調査会社IDCによれば、タブレットが350万台ほど、
ノート・パソコンが250万台ほどだから、
情報機器すべてひっくるめて、2200万台売れると見られる。
2013年は、3Gの導入で、前年(1800万台)比4割増の2500万台すら
見込まれている。

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タイの携帯電話サービスは、
1位の「AIS」,2位の「DTAC」、3位の「ツルー・ムーブ」の
3社によって提供されている。

各社とも、この5~6月から、新しい周波数帯2100メガヘルツ帯での
3Gサービスを拡張し、それぞれ1000万人ほどずつの顧客の獲得を目指す。

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1位のAISは今850MH帯での3Gの客を150万人持っているが、
これを大きく増やす意向だ。
2位のDTACは慎重だ。3Gサービスは6月以降。
2100メガヘルツ帯でのベース・ステーションを年内に5000作る。
3位のツルー・ムーブは積極的だ。
3Gに加えて、4Gのワイアレス・ブロードバンドでのサービスを
年内チェンマイも含む16県で展開していくと言う。
各社とも、年間150億バーツ近い投資を行なっていくようだ。

各社から、新しいパッケージ料金表が出てきた。
いずれも、通話100分、データ通信量500MBで、月額299バーツからだ。
通話量、データ通信量により、月額599~899バーツくらいまである。

現在、タイでのデータ通信月額平均(音声通話を除く)は、
100バーツほどだと言うから、シンガポール並みの月額500バーツに、
3Gの導入で、近づいていくのだろうか。

3Gは、これまでの2Gの5倍の速さと言われるが、
いまだ拡張中のこともあって、最低基準のダウンロード345kbps、
アップロード150kbpsをまだ出せないで、2Gより遅いとさえ言われる。
少し様子を見てからでも遅くないだろう。

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いずれにしても、高い周波数帯の導入で、
設備費はかかるが、タイでもいよいよ無線のデータ通信が
実用化してくる。
Eメールやメッセージング、ソーシャルメディアの利用の中で、
動画のダウンロードなどがやりやすくなってくるのだろう。
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by ucci-h | 2013-05-27 13:52 | タイの政治・経済・金融・為替 | Comments(6)
タイ語がまだ判らない・・・(チェンマイにおけるタイヤイ人の場合)
ビルマ(ミャンマー)のシャン州に多いタイヤイ人がチェンマイに来て
よく働いている。
もともとは同じタイ民族だと言われるが、言葉は違う。

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チェンマイに来て家政婦で働いている女性は、まだ言葉がわからない。
「雨が降りそうだから洗濯物を取り込んでおいて」と言われたが、
雨は降りそうだが、何が必要なのかよくわからない。
雨が降ってきた。塀の上にいた猫ちゃんを大事そうに取り込んでくれた。
これには、女主人も苦笑いだったとか。

*****

チェンマイに来たてのタイヤイ人男性は、言葉がわからない。
友人から、「何か言われたら、クラップ、クラップ(はいはい)と答えるのだぞ」と教わった。
バイクで走っていて、警官に止められた。
何を言ってもクラップばっかりなので、警官は「お前は俺に喧嘩を売るつもりか」と聞いた。
タイヤイ男性は、にこっと「クラップ」と答えた。一晩、拘置所で世話になることになった。

チェンマイのタイ人から聞いた話でした。
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by ucci-h | 2013-05-26 22:57 | アジア的な生活 | Comments(0)
欧州サッカーのチャンピオンズ・リーグの賞金総額は、1千億円を超える!
欧州のサッカー・シーズンの終わりを飾る
「UEFAチャンピオンズ・リーグ」の決勝戦(一発勝負)が
5月末(今年は今日5月25日)に行なわれる。

今年は、ロンドンのサッカーの聖地ウェンブリーを舞台に
ドイツ勢同士(バイエルン・ミュンヘン対ドルトムント)の
対決が行なわれる。

欧州(つまりほぼ世界)のサッカー・クラブのトップを
決めるユエファ・チャンピオンズ・リーグは、世界のサッカーの
最大イベントとも言えるだろう。

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以前記したように、主要国のフットボール・リーグの
上位チームだけが勝ちあがってくるからだ。

 「欧州サッカーの熱い季節 2012-3-19」
  http://uccih.exblog.jp/15598408/

そして、「サッカー・キング」の記事を読んでいたら、
このUEFAチャンピオンズ・リーグの賞金の多さにびっくりした。

出場(32チーム)するだけで、1チーム860万ユーロ(11億円)もらえる。
勝てば一試合につき100万ユーロ(1.3億円。引き分けは半額)のボーナスが出る。
決勝トーナメント(ベスト16)、ベスト8、ベスト4と勝ち上がるに連れて、
数百万ユーロ(数億円)単位のボーナスがついていく。

優勝チームには、1050万ユーロ(13.4億円)のボーナスが出るから、
優勝チームの賞金獲得総額は、これらに加えて、広告その他からの分配金を
合わせると、6000万から7000万ユーロ(80億円から90億円)と
100億円近くになると言うからすごい
(日本のJリーグについては触れない)。

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これと言うのも、54カ国が参加するUEFA(欧州サッカー連盟、1954年設立)の
財政基盤が、不況の欧州なのにしっかりしているからだ。
UEFAは、欧州だけがビジネスの相手とは思っていない。
タイをはじめ、アジアでの欧州サッカーの人気はすさまじい。

UEFAの2010/2011年のアニュアル・レポートを見ると、
年間収入は、2年前だが(今はさらに増えているだろう)、
13.8億ユーロ(1800億円)ある。
うちテレビ放映権収入が78%も占めている!
(チケット収入はわずか0.3%!)
世界を相手にしたビジネスだ。

うちチャンピオンズ・リーグだけで、
広告権販売も含めると、11.5億ユーロ(1500億円)の収入となっている。
これを源泉に、10億ユーロ(1300億円)が、各クラブに還元される。
チャンピオンズ・リーグ出場の32チームで8.3億ユーロ(1000億円)が
配られる(1チーム平均2600万ユーロ、34億円となる)。

これだと、確かに、欧州の各クラブは地元のリーグ戦そのものより、
UEFAチャンピオンズ・リーグへの出場権をかけて闘うことになる。
英、スペイン、独、伊、ポルトガル、仏などのUEFAランキング上位国だと、
4~3位以内に入ることがねらいとなる。

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UEFAの営業利益率は、5.5%。
総資産は18億ユーロ(2340億円)だが、自己資本は
4.9億ユーロ(640億円)を占める。業績、バランスシートもいい。

我が国のガラパゴス島だけを対象にしたプロ・スポーツに
比べ、そのビジネス規模の大きな欧州のサッカーを
やっかみ半分に探ってみた。
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by ucci-h | 2013-05-25 12:56 | スポーツ観戦 | Comments(0)
インラック・安部閣僚会議での経済協力はタイではどう伝えられているか?
タイのインラック首相が、2013年5月22日から25日までの
4日間、一部閣僚を連れて日本を訪問している。

5月23日には、安倍首相の日本政府と会談した。
トップ外交だから、全般にわたり一般的な物言いに
終わったようだが、こちらタイではどう報じられているか?

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根底に、タイの2兆バーツ(6兆円)を投じるインフラ投資に
対し、日本の協力を求めることがあるわけだが、
インフラ投資の中心になる高速鉄道建設については、
“インフラ輸出”を国是とする日本からの強い興味が示されたと言う。

バンコクから、北のチェンマイへ、東北のノンカイへ、
南のパダン・ブサールへ、そして東南のラヨーンへの4幹線が
計画されている。2014年から2019年の期間を見込んでいる。

これに対して、中国、フランス、韓国、スペイン、そして日本の5カ国が
興味を示している。

フランスからは、2月と5月に首相や外国通商相、また運用担当大臣が
タイを訪れており、6月には両国間でMOU(覚書)を結ぶ予定と
伝えられている。
フランスは、高速鉄道の建設だけでなく、タイの老朽化した在来鉄道の
支援をすると言われている。

中国のタイへの影響も大きい。
タイのレール・ゲージは東南アジアに多いメートル・ゲージ(1m幅)だが、
これを中国で使っている標準軌(1.435m)に変えられないか、
タイでは考えている。
特にノンカイからラオスを経由して中国につながる鉄道に
対しては、中国は格別の興味を見せている。

 「タイ国有鉄道のゲージにも及ぶ中国の影 2011-10-7」
  http://uccih.exblog.jp/14713641/

日本は、安全技術とスピードを売り物にして働きかけているが、
スペックを高めて、高い価格で売り込むようだと難しいだろう。
電気製品と同じで、その国の購買力に見合ったプライスを出せるだろうか。

おそらく、外交巧みなタイのこと、高速鉄道全般を一国に任せるのでなく、
レールの敷設工事や車両発注、その他、分けてくるかもしれない
(そうでないかもしれない)。
バンコクの高架鉄道の車両は、ドイツ製と中国製だが・・。

日本に関しては、インラック首相も会談でほのめかしていたように、
ダウェイ(ミャンマー南部の新しい臨海工業地帯)の建設に、日本から投資して
欲しいと言うことだから、これとの合わせ技が出来れば、日本の勝機もあろう。
ダウェイは資金手当ての面でなかなか進んでいない。

 「開始後1年経ったダウェイ・メガプロジェクトだが 2012-2-16」
  http://uccih.exblog.jp/15439619/

安倍首相は、インラック首相との会談の翌日、5月24日(金)には
ミャンマーへ飛ぶ。

日本のタイへのオファーが注目される。
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by ucci-h | 2013-05-25 01:13 | タイの政治・経済・金融・為替 | Comments(1)
外国ブルワリーに門戸を開いたミャンマーに進出するビール会社は?
ラオスには、おいしい「ラオ・ビール」がある。
ミャンマー領タチレクに行った時は、
「ミャンマー・ビール」を買ってみるが、ことさら
うまいとも思わない(もちろん、人によって好みは違うが)。
国営醸造所で作っているからか?

@@@@@

ミャンマーの開放路線に乗って、
ミャンマーでも国産ビールから広がっていく動きがある。
ビール好きにとっては、競争歓迎である。

ミャンマーのビール製造は、国家(つまり軍政)資本の
入った3つのビール会社によって、現在のところ行なわれている。

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1.「ミャンマー・ビール」(MBL)が最大だ。
年産100万ヘクトリッター生産している。
銘柄は、「タイガー」、「ミャンマー」、「ABGスタウト」、
「ミャンマー・ダブル・ストロング」、「バロンズ・ストロング」、「アンダマン・ゴールド」
と多岐にわたる。
MBLは、「フレーザー・ニーブ」(シンガポール)55%、
「ユニオン・オブ・ミャンマー・エコノミック・ホールディング」(UMEHL)45%の
合弁会社だ。

2.「ダゴン・ビール」が次に来る(ダゴンとは、ヤンゴンの西にある地名)。
ここは、「ミャンマー・エコノミック・コーポレーション」(MEC)が100%持っている
(国策会社は似たような名前でややっこしい)。

3.3番目が「マンダレー・ビール」だ。
人によると、マンダレー・ビールが一番おいしいとか・・。
ここは、「ミャンマー・エコノミック・ホールディングス」(MEHL)が100%持っている。
ビール醸造業は、軍政にとっておいしいビジネスだった。

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そして、外資に対し投資魅力を見せるために、
「ミャンマー投資委員会」(MIC)は、2013年1月外国醸造会社に対し、
ビール製造のライセンスを4つ用意した。

外国投資法に基づき、
国内企業との合弁が条件だが、外資は51%持てる上に、
将来は100%所有も可能のようだ。

翌2月、タイのチャーン・ビールで知られる「タイ・ベバレッジ」社と、
世界第4位のデンマークのビール老舗の「カールスバーグ」に
ライセンスが与えられた。
フィリピンの「サンミゲル」は落とされたようだ。
なお2つ残っている。

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ここで面白いことに、タイのタイ・ベバレッジ社は、
今年、シンガポールのフレイザー・ニーブ社を買収している。
この結果、ミャンマーのビール製造トップのミャンマー・ビールの55%、
新しいミャンマーでのチャーン・ビールの51%を、タイ・ベバレッジが
握ることになる。
チャーン・ビールの大きな飛躍になるのだろうか。
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by ucci-h | 2013-05-22 17:45 | ミャンマー・ラオス・カンボジア | Comments(0)
タイの格安航空ノックエアーいよいよ各地からミャンマーに乗り入れる
タイは開放されるミャンマーへの玄関口になる。

空路についても、ミャンマーの航空サービスが
いまいちなので、タイの格安航空「ノックエアー」が
今年から、タイの諸都市からミャンマーの都市へ
定期便を飛ばすことを考えている。

@@@@@

ノックエアー(ノックはタイ語で鳥のこと)は、
9年前の2004年に設立された格安航空会社で、
2007年にはインド、ベトナムへの国際線も飛ばしたが、
経営悪化に陥り、国内路線だけに絞り、生き残ってきた。
タイ航空が今は株式の49%を持つ。

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(バンコクポスト紙より)

近距離が得意だから、タイの地方都市間に
ボーイング737-800(189人乗り)のほかに、
ターボプロップのサーブ340B(スウェーデン製34人乗り)5機と
ATR72(仏伊製66人乗り)4機を所有している。
チェンマイからは、ハットヤイ、メーホンソン、メーソット、
ウドンタニに飛んでいる。

ノックエアーにとって、ミャンマーは国際線と言っても、
タイの裏庭みたいなもので、距離もそう変わらない。
国際線をかつて放棄したノックエアーだが、
未開拓市場のミャンマー各地に乗り入れることにした。

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(「ミャンマー地図」より)

ハブ空港のバンコクのドンムアン空港からは
ボーイング737-800でヤンゴンに、2013年第4四半期に
乗り入れる。エアアジアの同規模のエアバス320と競うことになる。

ドンムアン以外では、チェンマイ、メーソット、ラノン(南部アンダマン海沿い)と、
ミャンマーに近い県からミャンマー各地に飛ぶ。
メーソットからミャンマー第3の都市のモーラミャイン(旧名モールメイン、
モン州の州都で人口30万人)へ9月に飛ぶのが第1号になりそうだ。
メーソットからは、そのあとヤンゴンにも飛ぶことになる予定だ。

チェンマイからは、マンダレーとバガンに飛ぶ予定だ
(かつてはチェンマイ⇔マンダレー間にマンダレー航空だったか
飛んでいたが・・・)。
チェンマイからミャンマーへ行くのに便利になる。

値段はどのくらいになるのだろうか?
チェンマイからドンムアンに乗ったことがあるけれど、
格安航空でそんなに高くなかったなあ。
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by ucci-h | 2013-05-21 01:32 | エアライン・観光業 | Comments(0)
タイとミャンマーをつなぐ4本の道路計画
開放路線の始まったミャンマーでは、道路網の整備が
始まる。

ミャンマーの国際的な幹線道路といえば、
山岳に閉ざされるインドや中国との国境ではなく、
ミャンマーへの玄関口とも言えるタイとのつながりとなる。
未発達のミャンマー国内の道路網だけを整備するより、
タイからのアクセスを良くした方が、経済的メリットははるかに大きい。

ミャンマー政府は、「NEDA」(近隣諸国経済発展協力庁)を通じて、
タイと結ぶ4つの幹線道路を計画している。
新しいシルクロードの建設と銘打っての計画である。

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北から順に、ひとつは、タイの西北部メイソットからヤンゴンまでをつなげる
400kmの片側2車線道路。
来年調査と測量が開始される予定。
メコン東西回廊の西側となる。


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2つ目は、カンチャナブリを北北西に行った国境の街
スリー・パゴダ・パス(三塔峠)とヤンゴンを結ぶ道路。

3つ目は、建設予定の大規模コンビナート、ダウェイと
カンチャナブリを結ぶ110km道路。
融資元が決まれば、ダウェイとタイの港レムチャバンをマラッカ海峡を回ることなく、
陸路で横断できる。

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(地図および最後の写真は、「タイ・ロングステイ村」のブログより)

4つ目は、ホアヒンの南、プラチュアップ・キリカンからミャンマー南部の
アンダマン海海岸メェイをつなぐ、細まった部分190km。
メェイはタイ向け海産物を出荷する港町。
この道路が出来れば、タイのバンコクの南、魚市場サムート・サコンの
マハチャイもでの輸送時間が3~4時間減らせるという。

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これから何年かかかるだろうが、
タイとミャンマーをつなぐ4本の横断道路ができれば、
タイからミャンマー南部のアンダマン海の海岸に
しばしば行けるようになるのだろう。
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by ucci-h | 2013-05-18 17:35 | ミャンマー・ラオス・カンボジア | Comments(3)
  

北タイのチェンマイをベースにメコン、アセアンの経済、見所、食べ物を日本と比較して紹介します。ただし投資をアドバイスするものではありません。コメント記入は題字をクリック下さい。
by バンディ
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