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世界最大の選挙インドの総選挙(その3) 前哨戦の地方選挙はどうだったか?
インド経済の構造を見る前に、
今回のインドの国政選挙に至るまでのここ2年ほどの
インドの地方選挙の前哨戦を振り返っておこう。


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今回の国政選挙の前に、現政権を握る
「国民会議派」の最初の試金石となったのは、
インドの最大州、人口2億人を数え、
首都デリーの東に広がるウッタラ・プラデッシュ州で
2年前の2012年2~3月に行なわれた選挙だった。
ウッタラ・プラデッシュ州は、タージマハールがあるが、
インドでも貧しい州である。


過去22年間、このインド最大の州で政権を取れないで来た
国民会議派は、‘プリンス’ラフル・ガンディーを送り込んで
政権獲得を目指したが、結果は、政権奪取どころか、
第4位にとどまった。

 「インド最大の州でガンディー王朝昇れず 2012-3-8」
  http://uccih.exblog.jp/15541520/

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ウッタラ・プラデッシュ州の政権は、
中道左派のBSPに代わって、社会主義のSP(サマワディ党)が
担うことになった。
国民会議派は、昇るきっかけをつかめなかった。


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次に注目されたのが、その年の暮れ、
2012年12月に行なわれた、ライバルBJP(インド人民党)が
政権を握る工業化の進んだ西部グジャラート州での挑戦ぶり。

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結果は、その差を選挙前の117議席対62議席の55議席差から
122議席対56議席とBJPの半分にも届かない66議席差に広げられ、
国民会議派は返り討ちにあった格好となった。

 「インド国民会議派、工業州でも敗退 2012-12-27」
  http://uccih.exblog.jp/17515355/


国民会議派の国政での失政や汚職の広がりが
国政与党を後退させた。


そして、この12月の16日夜に、ニューデリーのバスで
女子学生が6人の男にレイプされ、死にいたるという
悲惨な事件が起きていた。
この事件は、政権与党への逆風ともなっていく。

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そして、国政選挙への最後の試金石となったのが、
総選挙まで4ヶ月に迫った2013年12月8日の4州と首都デリー直轄区で
行なわれた地方選挙だった。
結果は、国民会議派の1勝4敗に終わった。


人口1,700万人、全70議席の議会を持つ首都デリー
(俗に新市街をさしたニューデリーと地図などでは表記される)では、
3期15年首都圏首相(知事)を続けてきたディクシット女史(76歳)の
国民会議派は、前回のトップ(43議席)から、わずか8議席の第3位に陥落した。
汚職や失政に加え、1年前にデリーで起こったバス・レイプ事件が影をさした。

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BJP(インド人民党)は32議席を獲得したが、
過半数の36議席には4議席足りなかった。
デリーで伸びたのは、新しい政党「AAP」(普通人党)だった。
アルビンド・ケジュリワルという45歳の元税務署役人が作った新党で、
その汚職追放のスローガンが庶民に受けた。

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AAPは、首都選挙で28議席を獲得して第2党に躍り出た。
トップのBJPが連立提携に失敗したため、ケジュリワルのAAPが
国民会議派を取り込み、彼が首都圏首相に就任した。
しかし、就任後2ヶ月も経たない2014年2月半ば、
汚職防止法案が議会を通らなかったため、辞任を表明した。


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デリーのほかには、この12月8日に、4州で州選挙が行なわれた。
インド中央部に広大に広がるマディヤ・プラデッシュ州(人口7,300万人)では、
BJPが3分の2の議席を獲得し、3期目の政権を確保した。


この東隣のチャティスガル州(人口2,600万人、マオイストの反乱がある州)でも、
こちらは僅差ながら、やはりBJPが政権を確保した。


西のパキスタンと接する面積最大のラジャスタン州(6,900万人)では、
BJPが4分の3の議席を取り、圧倒した。


唯一、東部ミャンマーと接する丘陵地帯にあるミゾラム州
(人口がインドの州の中で最小の110万人のビルマ族系の州)では、
国民会議派が議席の3分の2を取り、一矢を報いた。


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インドは州によって、政党の勢いもさまざまで、
2大政党制とは言えないだろう。
28州のうち21州では、2政党以外の党が力を持っていると
言われる。

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国民会議派とBJPの2政党が総選挙で得票する率は
合わせて半分ほどだと言われる。
従って、政権を組むときは連立となる。



州選挙、地方選挙の結果がそのまま国政選挙に
反映されるわけではないが、モメンタム(勢い)は
明らかにBJP(インド人民党)の方にある。


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BJPへの脅威は、インドに、日本の人口以上の
1億3,800万人いるイスラム教徒の存在だろう。
2002年グジャラートで起きたイスラム教徒襲撃事件では、
ヒンドゥー至上主義のモディ州政権は、これを黙殺したと言われる。
2,000人近くのムスリムが殺された。


もっとも広大なインドのこと、
最大のヒンドゥー教徒は、イスラム教徒の6倍いる。
6対1の人口比は圧倒的である。


次回は、経済構造のお話へ。

(その4に続く)
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by ucci-h | 2014-04-30 21:13 | 中国・韓国そしてインド | Comments(2)
世界最大の選挙インドの総選挙(その2) 数字で見る現在のインドの経済
インドは、同じ人口大国の中国に経済成長で
大きく水を開けられている。
今回の総選挙でも、国民会議派政権の経済失政が
政権交代の可能性の大きな背景になっている。


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一人当たりのGDPで見ると、2013年、
中国が6,764ドルと、世界84位まで上がってきているのに
(タイは5,674ドルで第93位)、
インドは、1,505ドルで、中国の4分の一にも届かず、
世界144位に甘んじている(世界145位で1,477ドルのラオス並みだ)。

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もっとも人口が12億4,300万人と多いので、
世界の国別GDPのランクでは、1.87兆ドルの第10位となるが・・・
(いずれも、「世界経済のネタ帳」より)。


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政治の弱さが経済改革を進められないでいるインドだが、
現在の経済数字は、そんなに悪いのだろうか?
主な指標を見てみることにしよう。


 「政治力の弱さが民間企業の発展を阻害する国インド 2012-4-9」
  http://uccih.exblog.jp/15697314/


 「経済改革の勝負に出たインドのシン政権 2012-9-24」 
  http://uccih.exblog.jp/16872643/


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{インフレ率}

インドの消費者物価指数は、ここ数年の9~10%からは
落ち着いてきたが、最新の2014年3月で、前年比+8.3%と依然高い。
「食品価格やエネルギー価格を抑えられない」と
国民会議派シン政権は批判されている。

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{政策金利}

従って、インド準備銀行の政策金利である「レポ・レート」は
今年になって8.0%に上がったままである。
野党は、「高金利はインドの製造業の頭を押さえつける」と非難している。
と言って、人工的に低金利を作り出せるわけもなく、
インドの高金利は、インフレの動向次第となる。


{為替ルピー}

成長鈍化と高インフレ、さらに流通業などで外資の自由化が進まない国として、
インドの通貨ルピーは、2013年まで、3年間対ドル・レートで
下落を続けた。

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2013年8月には1ドル=68ルピーまで下がったが、
その後経常収支の改善などもあり、2014年4月現在は、
1ドル=60ルピー台にある。
政権交代による新経済政策が、ルピーの支えになるか注目される。
経済が強まらなければダメだろう。


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{経常収支}

以前は長年均衡を保っていたインドの経常収支だが、
2005年ごろから急速に赤字が拡大してきた。
2012年の経常赤字は、882億ドルの巨額にまで拡大した。
貿易赤字の拡大が最大の要因である。

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補助金政策による原油輸入増などの貿易赤字の拡大を、
ソフトのアウトソーシング等によるサービス収支黒字と
海外からの労働者送金、資金援助などの経常移転収支黒字で
補えなくなってきている。


しかし、昨年からはインフレ国ゆえ需要の強い金の輸入の
関税を高めるなど、貿易赤字(2012年には2000億ドル近くに)の
拡大に歯止めをかけるなどして、経常赤字はここにきて縮小してきた。


{経済成長率}

インドは2003~2010年ごろは、8~9%の高い経済成長率を
示したが、ここ数年は、2011年6.6%、2012年4.7%、2013年4.4%と、
鈍い成長になってきている。

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国民会議派のシン政権がなかなか経済改革に手が打てないことが
ひとつの理由だが、そもそも製造業の遅れているこの国に、
中国などの旧成長モデルを進めようというのがムリをきたしているとの
指摘もある。


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{財政赤字}

国民会議派政権の弱者保護という財政補助政策もあり、
インドの財政赤字は、経常赤字同様、2008年ごろから
大きく広がり、2013年には8.2兆ルピー(約1400億ドル)の
財政赤字となった。
インドは、経常赤字と財政赤字の大きな双子の赤字を持つ国となっている。


財政赤字の歯止め、縮小には、基本、現在の補助金政策から
雇用拡大策への転換など、財政政策の変革が求められる。


{インドの株式}

ここ数年の経済の不冴えにもかかわらず、インドの株式は
比較的堅調な動きで推移してきた。
2008年のリーマンショックではさすがに半値まで売られたが
(ボンベイ取引所SENSEX指数)、2010年末には
早くもショック前の高値に面あわせ、そしてここにきて
モディ政権成立への期待から最高値をつけてきてる。

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流通市場などには外資が入りにくいが、
証券市場は外資が入りやすいということだろうか・・・。


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最悪期は過ぎつつあるように見えるインドの経済状況だが、
こういった表面に出てくる経済数字の底に、
インドの経済社会の構造的な問題が横たわっているように見える。


次回第3回目は、インドの経済社会の問題点と、
それに対する国民会議派およびインド人民党の
取り組み方を見てみよう。


(その3に続く)
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by ucci-h | 2014-04-30 01:54 | 中国・韓国そしてインド | Comments(0)
世界最大の選挙インドの総選挙・・政権交代が起これば経済は良くなるのか?(その1)
「世界最大の選挙」が、2014年4~5月インドで開かれている。


人口の世界一は、なお中国だが、
社会主義国中国には、省レベル以上での普通選挙はないので、
有権者数が8億1,400万人に達するインドの国政選挙が、
世界最大の選挙ということになる。

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インドでは、戦後独立後、共和制への移行後の1951年に第1回の
国政選挙が行なわれたが、今年2014年は第16回目の総選挙となる。


5年ごとに下院議員543名を選ぶ選挙だが
(ちなみに、仏暦元年の紀元前543年とは関係ない)、
途中解散もあるので、今年が16回目となる。
過去2回(2004年と2009年)も、5年経った満期解散選挙だった。

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立候補者数は、500の政党から15,000人ほどが小選挙区に立つ。
インドの全28州および7つの連邦直轄領から543名が選ばれる。
倍率は平均ざっと28倍だ。


地域が広く、民族色も異なる大国インドは、地域性が強い。
しかし、その中で、インドの政治を引っ張ってきたのは、
‘ネルー・ガンジー王朝’と俗に呼ばれる「国民会議派」(INC)と
これに対抗するヒンドゥー至上主義の「インド人民党」(BJP)である
(もっとも地方毎には、もっと有力な政党があるが)。

 「インド最大州でガンディー王朝昇れず 2012-3-8」
  http://uccih.exblog.jp/15541520/


今回は、ネルー・ガンジー王朝のプリンス(母親はイタリア人の
ソフィア・ガンジー)と呼ばれるラフール・ガンジー(43歳)と、
BJPの党首、白髭のナレンドラ・モディ(63歳)の独身者同士の闘いとも
騒がれている(モディには隠れ妻はいたようだが)。

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北のヒマラヤの降雪地域から南の灼熱の砂漠まで、
広大なインド亜大陸での選挙なので、4月7日(月)の
北東部アッサム州(人口3,100万人)など6州を
皮切りに5週間ほど、5月12日(月)まで9回にわたり行なわれる予定だ。


17日(木)には、マオイスト(毛沢東主義派)の反乱が続く
東部寄りのチャティスガル州(人口2,600万人)など13州でも行なわれた。
実際今回も、警官や選挙係員が計7人ほど殺されている。


ちなみに、インドの州で、人口の多いビッグ3は、
①タージマハールのあるウッター・プラデッシュ州(2億人)、
②商都ムンバイが州都のマハラシュトラ州(1億1,200万人)、
③マガダ国ブッダガヤの地、北東のビハール州(1億400万人)である。
いずれも1億人を超えている。

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結果は、最終選挙日4日後の5月16日の一斉開票で行なわれる
(1ヶ月近く、投票箱をどうやって安全に確保できるのだろうか?
電子的に保管するのかな?)。
今回は、2004年以降2期続いた国民会議派政権も、
数々の問題を抱えてほぼ機能不全に陥っている。


国民会議派のマンモハン・シン首相もすでに81歳だ。
インド人民党がバジバイ首相政権(98~04年)以来、
10年ぶりに政権の座に着くことが予想されている。


経済界も、モディBJP党首が、2001年以来、工業生産の盛んな
西部のグジャラート州(人口6000万人)の首相として、
二桁の高い経済成長を示してきたその手腕に期待している。
ここにきてインドの株式市場も期待で上げている。

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 「インド国民会議派グジャラート州でも敗退 2012-12-27」
  http://uccih.exblog.jp/17515355/


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皮切りとなった4月7日7時から始まった
アッサム州の選挙の写真を見ると面白い。
並んでいるのは、サリーを身につけた女性ばかりだ。
インドではなぜか、選挙ではトイレに並ぶように、
女性と男性は別の列を作る・・。

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投票は、今年は電子式だという。
公用語が22もあるこの国のこと、文字で書かせる投票は行なわれない。

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インドは、中国と並ぶ人口大国だが、経済成長において
大きく水を開けられた。


仮にインド人民党のモディ政権になったとして、
経済面で挽回できるのだろうか?
人口大国だけに、世界の経済に与える影響も大きい。


次回は、現在インドが抱える経済の問題について、
数字を検証しながら見てみることにしよう。


(その2に続く)
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by ucci-h | 2014-04-29 00:18 | 中国・韓国そしてインド | Comments(3)
テニスの錦織選手、バルセロナで優勝・・・今までと違う!
錦織圭(にしこおり・けい)選手(24歳)は、
世界で渡り合える
数少ない日本のプロ・スポーツ選手である。

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 「錦織選手80年ぶりの全豪ベスト8へ 2012-1-24」
  http://uccih.exblog.jp/15323543/


この4月21日から27日まで、スペインの
バルセロナで行なわれ64選手が出場した
「バルセロナ・オープン」(ATP500)で優勝を飾った。


これでツアー5勝目。
クレイ・コートでの優勝は初めて。


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このバルセロナ・オープンは、
ナダル(世界ランク1位)、フェレール(同5位)の
スペイン勢が優勢と思われた。昨年はナダルが優勝している。


錦織(現在世界ランク17位)も、
ジョコビッチやフェデラー、ベルディヒ等の有力選手は
この大会に出ないので、第4シードにシードされていた。


錦織は、3月マイアミで行なわれたソニー・オープン(ATP1000)の
準々決勝でフェデラーをやぶったが、準決勝は股関節の痛みから
棄権、デ杯も休み、今回が復帰戦だった。


今回のバルセロナ大会は、フェレール、ナダルと準決勝を待たずに敗退。
決勝は、ランク下のヒラルド(コロンビア)との対戦だったので、
順当な勝ちだった。


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錦織が世界ランク11位まで駆け上がったのは、2013年6月だった。
当時、ベスト10入りが期待されたが、少々無理な感じだった。


怪我や故障が多く、継続的な活躍は危うかったからだ。
またショットのスピードもトップ選手にはひけをとっていた。
そして、時々苦しそうな顔がしばしば見えた。


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しかしである。
今回こちらのテレビで、彼の闘いぶりを4試合見たが、
1年前とは明らかに違っている。
ショットがうまくなったというより、強くなっている。
このスピードならトップ・プレーヤーたちに十分伍してやれる。


‘キューカンバー’と称される冷静さに自信の顔つきが
加わってきた。
フェデラーにまともに勝てるようになってきたからだろう。

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今回の優勝で、世界ランクはまた12位くらいまで上がるのだろう。
カナダのラオニック(現在世界9位)やブルガリアのディミトロフ(16位)等の
若手と世界トップランク入りを競って欲しいものだ。
怪我と故障だけには気をつけて・・。
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by ucci-h | 2014-04-28 01:54 | スポーツ観戦 | Comments(0)
日米交渉に見る日米文化のタフさの違い
オバマ大統領の訪日および
TPP交渉の後日談を聞いて、
「政治の世界においても、
日米の違いは変わっていないな」と
かつての実業の世界での日米担当者の
違いを思い出した。


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安倍首相は、オバマ大統領とすしを食って
‘すし外交’を行なったが、そのあとで
「仕事の話ばっかりだった」とぼやいていたという。

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しかし、アメリカの政治家にすれば、
短い時間、たとえ夕食時でも‘仕事’の
話をするのは当たり前である。
それだけの給与と権限をもらっているのだから。


また、フロマンUSTR代表とTPPを
交渉した甘利TPP担当相は、まとまらなかった交渉後、
「顔も見たくない」と正直に苦い交渉を吐露している。
アメリカ人の担当者ならそう感じてもなかなか口には出さない。

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かつて、日米の金融企業関係者と
アメリカの主要都市を日本企業の起債に
関して、回ったことがある(ロードショウと称した)。


プレゼンテーションでは現地の投資家から
きつい質問や思いがけない質問も出て、
けっこう疲れるロードショウだった。

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一日が終わったとき、日本側の担当者と
アメリカ側の担当者から出る言葉が
対照的だったので、今でも憶えている。


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日本側の担当者:
「いやあ、今日はお疲れ様でした。きつかったですね。
きょうは、こちらのうまい日本料理屋に行きましょうか?」


一方、アメリカの担当者、同じく帰りの車の中で:
「きょうのプレゼンの反省点は?
明日に向けて、改善ないしは力を入れる点はどこ?」


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文化の違いと言ってしまえばそれまでだが、
アメリカ人は体力的にタフであるだけでなく、
精神的にタフだなと思ったものだ。
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by ucci-h | 2014-04-27 19:25 | 日本・米国・欧州 | Comments(3)
インラック政権の過度の警察への肩入れは軍の反発を招く
タイの現インラック政権をバックから
支えているタクシン元首相は、
ご存知のように、警察畑の出身である。

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 「インラック政権の防衛大臣に軍のトップと対立するスクンポンが就任 2012-1-24」
  http://uccih.exblog.jp/15322928/


従って、現インラック政権にも警察畑出身の
人材が多く登用されている。


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タイの3つの権力拠点は、軍隊と警察と王室関係と
いうことになろうが、
タクシン派の警察畑への肩入れは、
軍隊からの反発を招く‘諸刃の剣’となる。


2001~2006年のタクシン政権時代は、
警察への予算を増やし、軍への予算を削ったと、
チェンマイ大学の政治学者ポール・チェンバースは見ている。
もちろん、警察出身の閣僚を増やした。


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2011年以降の妹インラック政権下においても、
この傾向はいっそう強まったようだと同様に見る。


警察予算は3億3500万ドルに増加し、別に
2億ドルの“緊急ファンド”を作り、
軍に迫る予算的裏づけを与えた。


インラック政権でも、警察畑の人材を4人、
閣僚に登用し、うちふたりは、副首相の座を与えられた。


また、警察の武力を強め、予算の配分増を認めさせるべく、
タイ南部のイスラム系の反乱騒動やバンコクでの反タクシン派のデモに対しては、
従前の軍隊に代わり、警察を多く投入するようになった。

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昨年から今年にかけてのバンコクにおける反タクシン派のデモに対して、
インラック政権は、「治安維持法」(ISA)と「非常事態宣言」(ED)を
2013年、2014年と発令したが、軍は反対していた。


今回の反政府派と政府支持派との爆弾、発砲騒ぎも含んだ
対立においても、軍や警察の人間が入っているとささやかれている。
政府は、デモを抑えるために、北方から多くの警察官をバンコクに
投入した。

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タクシン派政権の過度の警察への肩入れが、
これまで以上に軍の反発を呼べば
(もちろん、それぞれの組織も一枚岩ではないが)、
タイの‘内戦’への懸念が強まる。


軍はクーデターの噂を何度も否定してきている。
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by ucci-h | 2014-04-25 19:34 | タイの政治・経済・金融・為替 | Comments(3)
タイ国内の上空で国営「タイ航空」を囲み、攻勢を強めるLCC(格安航空)各社
タイの空では、国営の「タイ航空」を包囲する
LCC(格安航空)の攻勢が強まっている。

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東南アジアは、欧州と並び、LCCのシェア拡大が著しい地域だ。
ざっと、タイの空港での発着便数の3割が、すでにLCCだと見られるが、
タイ国内便での競争状況はどうなっているのだろうか?
国内便では、LCC化がいっそう進んでいそうだ。

 「タイの空でなおシェアを伸ばすLCC 2014-2-24」
  http://uccih.exblog.jp/20391797/


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「タイ民間航空局(CAD)の昨2013年の数字を見てみよう。
昨年のタイ国内便の乗降客数の数字である。

トップの国営「タイ航空」は、サブ・ブランドの「スマイル」を
含めて、昨年は654万人を運んだ。9.3%の伸びだった。
しかし、全体(2,231万人)の伸びが、+20.4%だったので、
シェアを、前年の33.7%から29.3%へと3割を割ってきている。

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一方、タイにおけるLCCのトップ2社は、乗降客数で、
昨年はタイ航空に肉薄してきた。


「タイ・エアアジア」は620万人で、前年比+30.8%の伸び、
「ノック・エアー」は607万人で、+41.7%の高い伸びとなっている。
この勢いだと、両LCCは、今年中に、タイ航空の国内乗客数を
上回ってしまうかもしれない。

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すでに、両社のタイでのシェアは、昨年27.8%、27.2%にまで
上がってきている。
国内便でのLCCのシェアは、55%になってきている。
かつての業績不振から回復してきたノック・エアー(タイ航空が39%出資)は、
今年7~800万人を目論んでいる。

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第4位には、‘ブチック・エアライン’(ノー・フリル)と銘打っている
「バンコク・エアウエイズ」が318万人を運び(18.7%増)、
シェア14.2%を維持している。



タイの空での競争は、この4社にとどまらない。
2013年12月4日からは、インドネシア系のLCC
「タイ・ライオン・エアー」が参入してきている。
一と月足らずで、22,500人を運んだ。

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また、ベトナム系の「タイ・ベトジェット・エアー」も
今年後半に参入予定だ。

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一方、以前事故のあった「オリエント・タイ・エアラインズ」
(「ワン・トゥ・ゴー」も持つ)は、
2011年にはタイ国内で100万人を運んでいたが、昨年は30万人。
国内の競争を避け、国際チャーター便にシフトする。


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タイ国内でのLCCの興隆は、いずれ国際便に
広がっていくのだろう。
バスや電車のように、フリルのない旅客便が当たり前の
時代になっていくのだろう。




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by ucci-h | 2014-04-24 13:01 | エアライン・観光業 | Comments(2)
タイの新たな公共投資、最優先はやはり4車線道路拡張工事
タイの経済発展を支えてきたのは、全国に広がる 道路網である。
タイがアセアンの中でここまで経済が 発展してきた背景には、
アジアでも進んだ道路網の 存在があった。

 
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ことに1990年代半ばから、 道路の4車線(片側2車線ずつのこと)拡張工事が、
 第1期、第2期と進められ、経済成長のインフラとなった。


 2013年末現在では、タイの4車線道路の総延長は12,444kmと、
 全自動車道路67,000km(2012年、JETRO)の2割近くを占めている。
 これに加え、433kmが工事中とのことだ。


 @@@@@


 昨年度(2013年9月度)も、 4車線拡張工事は優先的に進められるはずだったが、
 多くが、タイ貢献党政権の‘予算外の借入インフラ大プロジェクト’の 中に組み入れられたため、
インフラ大プロジェクトの停滞によって かえって進まなかった。


  「進まないタイの公共大プロジェクト 2014-3-5」
    http://uccih.exblog.jp/20427703/  


 今2014年度、タイの公共投資は、 “2兆バーツ大プロジェクト”ではなく、
 予算の中で、優先度の高いものが執行される。 
 そして、その中で、やはり道路の4車線拡張工事が 最優先となってくるようだ。


 @@@@@ 


 「公共債務管理局」(PDMO)によれば、
 45地点での道路4車線拡張プロジェクトが進められるという。
 総延長距離は14,741km。総工事費は2,890億バーツ 
(約9,000億円)ほどにのぼるという。

 
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これが実現すれば(単年度ではおそらく無理だろうが)、
 現在ある4車線道路数は倍増し、27,600km近くに達し、
 全自動車道路の4割ほどが、4車線以上となるはずだ。


 @@@@@


 タイには、4車線以上の、6車線、8車線の道路も目立つ。
 また、インラック首相のおひざもとのチェンマイのサンカンペーンでは、
 昨年来、4車線拡張工事が進められている。


 当面、自動車輸送が、タイの主要交通網であり続けるだろう。
 鉄道改良の方は、インフラ・プロジェクトには組み込まれたが、 動きは鈍い。
 2,859kmの鉄道複線化はいつ動き出すのだろうか?




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by ucci-h | 2014-04-24 11:48 | タイの財政・税金 | Comments(0)
ミャンマーへの外国人入国者は、開放後2年でどれだけ増えたか?
ミャンマーへの外国人旅行客が増えている。

2011年の開放路線への転換以来、
「ホテルが少ない、高い」、「インフラが整備されていない」と
多くの問題点も出てきたミャンマーだが、
ここにきてホテルの供給も増え、価格も適正化されてきて、
いっそう行きやすくなってきた
(ただし、まだ入国ビザを取らなければならないが・・・)。

ヤンゴンの街は、古いポンコツ車どころか、
日本ブランドの新車で溢れている。
時代の変化は一挙にやってくる。

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 「ヤンゴン周辺見て歩る記(1) ヤンゴンの交通事情 2013-10-16」
  http://uccih.exblog.jp/19827148/


@@@@@


ミャンマーへの外国人観光客数は、
2011年の100万人に達しない82万人から
2年後の昨2013年には204万人へと、
2年間で2.5倍に急増している。
今2014年は300万人を超えるかと見られる。


2013年の204万人は、観光大国タイランドの
年間2,670万人には比ぶべくもないが、
成長するミャンマー経済にとっても、
観光は一大成長セクターになってきている。
56%が陸路国境越え、4割が商都ヤンゴンからの空路入国だ。

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ホテル・観光省の数字によれば、
2013年には、外国人旅行客は、計9億2,600万ドル(935億円)を
落としてくれているという。
2年前の2011年から2年間で2.9倍となっている。


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ミャンマーの国内が開けてくれば(格安航空の国内各地への
乗り入れなどにもっと柔軟になれば)、
タイ人が好む仏教遺跡だけでなく、
北の雪を冠った山々(タイにはない)から、南のアンダマン海の
青い海まで、豊かな大自然が、外国人をいっそう招くことになるだろう。

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by ucci-h | 2014-04-23 12:37 | ミャンマー・ラオス・カンボジア | Comments(2)
毎年悪化する北タイの煙害には新たな理由が・・・?
北タイの4月。
一年で一番暑い時期だが、月央のタイ正月が
過ぎて、下旬になると5月の雨を想う季節である。
そして、3月の北タイの空を灰色に覆った煙害が
過ぎ、ようやく青空が少し垣間見られるようになってきた。


煙害(ヘイズ、スモッグ、大気汚染)は、今年の3月も、
北タイの好ましくない風物詩になったが、
今年はひとつの疑問が生まれた。

 「チェンマイの3月またスモッグの季節がやってくる 2014-3-1」
  http://uccih.exblog.jp/20412215/

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山の民の野焼き、山焼きを主因とする北タイの煙害だが、
取締りの強化により、毎年改善するどころか、どうも
毎年悪化しているように見える。
ずっと以前は、もう少し空の色がましだったように思う。
どうしてだろう?


@@@@@


と思っていたら、
4月2日、バンコク・ポスト紙のエディターが
ひとつのヒントをくれた。

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煙害の要因は、野焼き、山焼きと言っても、
山岳民族が古くからやっている焼畑や山焼きだけでなく、
近年は、コーンやサトウキビ畑の拡張による野焼き、山焼きが
増え、これが煙害の要因になっているとの指摘だ。


@@@@@


近年、タイでは肉食が進み、そのための飼料工場が増えている。
CPやベタグロといった大手食糧会社が資本を投下している。
飼料、家畜のえさとなるとうもろこしの需要増が森林の開発や
野畑の開墾につながっている。

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サトウキビの需要は、バイオ燃料向けの需要増から増えている
(コーンも利用される)。
タイでは、いまや100%のハイオクタン・ガソリンは消え、
「E20」、さらには「E85」といったエタノール・ガソリンが増えている。
原油輸入を抑えるにはいいが、その分、プランテーションの拡張が求められる。


というわけで、タイ人の肉食が進み、
バイオ燃料の利用が増えるに連れて、
北タイのプランテーションの拡張による
野焼き、山焼きも増え、煙害も進行するという
図式になる。


@@@@@


ここらの因果関係は、数字をベースにした
研究結果が見つからないので、確信するには
いまいちだが、いっこうに収まらない煙害を説明しているように見える。


自然保護がおろそかになると、煙害だけでなく、鉄砲水や
がけ崩れなどの自然(人工?)災害の増加にもつながる。


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2014年3月、「世界保健機構」(WHO)は、
大気汚染による健康被害に関するショッキングな
レポートを出した。


2012年には、世界で700万人の人間が
大気汚染が誘因で死亡したという。
世界の死亡原因の12%を占めるそうだ。
大気汚染に関しては、世界でも東南アジアと
西太平洋地域がもっとも深刻だという。

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北タイもこの中に入るのだろう。
タイで仮に数年後、改善が始まったとしても、
隣国ミャンマーのプランテーション開発はこれからだ。
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by ucci-h | 2014-04-23 01:16 | アジア的な生活 | Comments(0)
  

北タイのチェンマイをベースにメコン、アセアンの経済、見所、食べ物を日本と比較して紹介します。ただし投資をアドバイスするものではありません。コメント記入は題字をクリック下さい。
by バンディ
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