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インラック・安部閣僚会議での経済協力はタイではどう伝えられているか?
タイのインラック首相が、2013年5月22日から25日までの
4日間、一部閣僚を連れて日本を訪問している。

5月23日には、安倍首相の日本政府と会談した。
トップ外交だから、全般にわたり一般的な物言いに
終わったようだが、こちらタイではどう報じられているか?

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根底に、タイの2兆バーツ(6兆円)を投じるインフラ投資に
対し、日本の協力を求めることがあるわけだが、
インフラ投資の中心になる高速鉄道建設については、
“インフラ輸出”を国是とする日本からの強い興味が示されたと言う。

バンコクから、北のチェンマイへ、東北のノンカイへ、
南のパダン・ブサールへ、そして東南のラヨーンへの4幹線が
計画されている。2014年から2019年の期間を見込んでいる。

これに対して、中国、フランス、韓国、スペイン、そして日本の5カ国が
興味を示している。

フランスからは、2月と5月に首相や外国通商相、また運用担当大臣が
タイを訪れており、6月には両国間でMOU(覚書)を結ぶ予定と
伝えられている。
フランスは、高速鉄道の建設だけでなく、タイの老朽化した在来鉄道の
支援をすると言われている。

中国のタイへの影響も大きい。
タイのレール・ゲージは東南アジアに多いメートル・ゲージ(1m幅)だが、
これを中国で使っている標準軌(1.435m)に変えられないか、
タイでは考えている。
特にノンカイからラオスを経由して中国につながる鉄道に
対しては、中国は格別の興味を見せている。

 「タイ国有鉄道のゲージにも及ぶ中国の影 2011-10-7」
  http://uccih.exblog.jp/14713641/

日本は、安全技術とスピードを売り物にして働きかけているが、
スペックを高めて、高い価格で売り込むようだと難しいだろう。
電気製品と同じで、その国の購買力に見合ったプライスを出せるだろうか。

おそらく、外交巧みなタイのこと、高速鉄道全般を一国に任せるのでなく、
レールの敷設工事や車両発注、その他、分けてくるかもしれない
(そうでないかもしれない)。
バンコクの高架鉄道の車両は、ドイツ製と中国製だが・・。

日本に関しては、インラック首相も会談でほのめかしていたように、
ダウェイ(ミャンマー南部の新しい臨海工業地帯)の建設に、日本から投資して
欲しいと言うことだから、これとの合わせ技が出来れば、日本の勝機もあろう。
ダウェイは資金手当ての面でなかなか進んでいない。

 「開始後1年経ったダウェイ・メガプロジェクトだが 2012-2-16」
  http://uccih.exblog.jp/15439619/

安倍首相は、インラック首相との会談の翌日、5月24日(金)には
ミャンマーへ飛ぶ。

日本のタイへのオファーが注目される。
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by ucci-h | 2013-05-25 01:13 | タイの政治・経済・金融・為替 | Comments(1)
評価の低いタイ貢献党の経済運営と、なお人気の高いインラック首相
タイ貢献党が政権を取って、10ヶ月になるが、
そのインフレ的経済政策には批判が多い。
しかし、一方で、インラック首相に対する人気は
なお高いという乖離現象が起きている。
これはどうしてなのだろう?
早晩、同じ方向へ行くものなのだろうか?

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5月2日付けのバンコク・ポスト紙が伝えるところによれば、
バンコク大学が、63人のエコノミストに対し、4月20-25日の
期間、タイ貢献党の経済運営に対する評点を行なって
もらったところ、全体の評点は100点満点で、38.3点という
低いものだった。

一番低いのが、エネルギー価格政策で30.3点だった。
またインフレ対策については、31.7点と、これも低いものだった。
所得格差の是正についても、34.7点と低評価だ。
財政赤字対策も、37.5点と、30点台だった。

逆に最高点は、経済成長策に対する50点だった。
昨年の洪水からの復興政策は、45.3点と比較的高かった。

点数は見られないが、タイ貢献党政権の3つの貢献は、
①ドラッグに対する闘い、②自動車初回購入者税優遇、
③30バーツ医療制度の維持だった。

逆に、評価できない政策のトップ3は、
①国家石油基金への拠出の削減、②コメの抵当スキーム、
③生徒へのタブレットの配布だった。

全般に、タイ貢献党の経済政策は、エコノミストから評価されていない。
もっともエコノミストは自分が経済の専門家だとの自負があるから、
評価は厳しくなりがちではあろうが・・・。

これに対して、インラック首相の人気は落ちておらず、
むしろ上がっている。

スアン・ドュシット世論調査が4月25-30日、7213人を対象に行なった調査によると、
この4月のインラック首相のパフォーマンスに対する評価は60.4%と高い。
1~2月の54.8%、3月の59.0%からさらに上がっている。

25の項目のうち、以下の7つしか、平均以下の評価を受けていない。
①国家安全保障、②失業、③組織犯罪、④貧困対策、⑤インフレ対策、
⑥閣僚のパフォーマンス、⑦贈収賄対策

25項目のうち18項目が平均点以上の評価を受けているが、
高いものは、以下のような6項目である。
①政権全体のパフォーマンス、②教育政策、③ドラッグ抑圧、
④賃金アップ、⑤生活水準の改善、⑥国の団結

筆者の見るところ、インラック首相は、失言もせず、
女性らしく優雅に振舞っているので好感をもたれている
面が大きいと思われるが。

評価は移ろいやすいものだが、この先、インフレ問題が
高じて来ると、インラック政権の評価は、さてどうなるのだろうか?
経済状態を巡って、東北部の赤シャツ支持層から、
タイ貢献党への失望感も出始めている。
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by ucci-h | 2012-05-07 19:07 | タイの政治・経済・金融・為替 | Comments(2)
タイの「コメ抵当システム」4350億バーツの巨費を投じてスタート!
10月7日から、かつて評判の悪かった
タイの「コメ抵当システム」がスタートした。
財政資金の大きな持ち出しもさりながら、
米価格の上昇によるインフレと、汚職・腐敗の
横行が気になる。

もっとも、タイの政党政治と言うのは、
政治はビジネスで政権に就けば、利権、職権が
手に入れられるのが期待値だから、
腐敗の入りやすいコメ抵当システムなどは、
かっこうのマネー製造マシーンかもしれない。

ちなみに、政党政治は金をばらまき、金を搾取し、
挙句の果てはお金のひずみが出て、それを待っていた
軍部などにより粛清されるというのが、歴史パターンだ。

政府、財務省、内務省関係者は、「不正防止に力を入れる。
各地方に取締りの権限を与える。腐敗が起きたら地方の
責任だ」といったようなことを言っており、取り締まりは地方任せの
ように見える。

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すでに農家世帯580万戸のうち、320万戸がプログラムに登録、
今10月は、6百万トンほどのコメ(籾)が、抵当に出されるだろう
と見られている。
また、200ほどの精米業者も登録しており、すでに
93の証明書が発行されたという。

このシステムにかかる全費用は、2500万トンのコメの抵当買い取りに
4100億バーツ(国の赤字に匹敵する数字だ)、そして諸費用に
250億バーツ、合わせて4350億バーツが必要と見られる。

資金を供給する国の「BAAC」(農業・農協銀行)は手元の
資金900億バーツだけではもちろん足りず、3200億バーツを
民間銀行から借り入れるという。

この4100億バーツ(トン当たり買い取り価格15000バーツプラスの
16400バーツ)という巨額費用のうちどれだけを国が取り戻せるかは、
もちろん米価の動向による。
タイ貢献党政権は、米の高値がすべてを解決してくれると
思っているようだが、はたしてそうは問屋が卸すだろうか。
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by ucci-h | 2011-10-08 20:26 | 一次産品の市況 | Comments(2)
とんでもなく変わるタイの住宅税優遇政策
タイの新政権の経済政策を追っていくと、
臨機応変というか柔軟というか、
都合の悪いところが見つかると、すぐさま
修正してしまうところが面白い。
日本の官僚が作ったすきのない政策ではないから
固執せず、いいのかもしれない。

住宅の初回購入者に対する課税所得軽減策は、
「低所得者には関係なく、高所得者を遇するものだ」という
批判が多い。調べてみると、その通りである。
 「住宅初回購入者への税優遇は決まったが 2011-9-22」
  http://uccih.exblog.jp/14614063/

そこで、この政策がどう変わるか、興味深いところである。
と思っていたら、とんでもなく変わるようである。
9月27日(水)の閣議で了承された変更案は、
“課税所得減額”から“税額控除”へという事だという。

つまり、500万バーツの新築住宅を初回購入した人は、
その価格の10%、50万バーツを、5年間に渡り10万バーツ
ずつ課税所得から控除できるのではなく、
10万バーツずつ税額からもろに控除できるというわけである。

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これは、「この政策は高所得者向けで、低所得者には何のメリットもない」
という批判に応えるにはとんちんかんで、むしろ高所得者の減税額を
いっそう大きくしてあげるだけのものである。
インラック首相は、「この政策は、特にどのグループを優遇するものではない」
と言っているが、低所得者が住宅を買えるための政策ではなかったのか。
事実、この変更により、所得税の税収減は、17億バーツと見積もられて
いたのが、120億バーツに拡大するという。

同時に、初回住宅購入者向けに、2百万バーツまでの住宅に対し、
3年間無利子のローンを提供するという案も出てきている。
これには中古住宅も含めたいと、ウィラン財務副大臣は提案している。
この案は10月第1週の閣議で議論されるようだが、こちらの方が
いくらか低所得者向けであろう。

この住宅税優遇政策、すでに9月27日より走り始めているが、
変更は、さかのぼって適用されるようになるという。

さて、今後も変更が出てくる可能性もある。
よく言えば、タイの政策は自由闊達といったところだろうか。
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by ucci-h | 2011-10-03 23:12 | タイの不動産とコンドー | Comments(7)
タクシン元首相、スカイプを通じて閣議に乗り込む
インラック政権の閣議にタクシン元首相が
「スカイプ」を通じて乗り込んできた。

9月21日(水)、タイ貢献党の閣僚は、党本部の
会議室に集められた。
そこで、タクシンからのスカイプのテレビ電話を
通じての‘レクチャー’を受けるためだ。

各担当大臣は、それぞれの担当の政策の遂行に
あたりハッパをかけられたようだ。
会議は2時間以上に及び、緊迫した雰囲気が漂った
そうだ。
今後、毎週月曜ごとにレクチャーは続けられると言う。

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タクシンにしてみれば、現在のインラック新米政権の
政権運営振りは、危なっかしくて見ていられないのだろう。
多くの問題を抱え、このままでは政権の危機に直面しかねない
という焦燥があるのだろう。
妹インラックを通じて、各閣僚にメッセージを送っているが
それが十分伝わっていないというもどかしさがあるのだろう。

気持ちはよくわかるが、もっと目立たない形でできないものか。
こういう状況が公にされると、インラックへの信任は落ち、
反タクシン派からの反発は強まるだろう。
インラックは、タクシンが仕切ろうとしているのではなく、
各閣僚への激励メッセージだと言っているが・・。

さて、タクシン元首相のレクチャー、うまく生徒達に伝わって、
インラック政権の運営の向上につながるのだろうか。
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by ucci-h | 2011-09-24 23:01 | タイの政治・経済・金融・為替 | Comments(3)
問題山積みで「コメ抵当システム」10月スタート
インラック・タイ貢献党政権が発足して
1ヶ月強が経ったが、ハネムーンの時期を過ぎて、
その評価が厳しいものになってきている。

その理由は、
①出てくる各政策がばらばらのバラマキ政策で、
統一の取れた国の統一的成長戦略としてまとめられていない。
②兄のタクシン元首相の影が明らかになってくるにつれ、
パペット的役割と見えてきてしまっている。
③自らの考え、意見を表明する機会が少ない。

というわけで、マスメディアからも厳しい批判が出始めた。
ここまでは、予想されたコースだから、
問題は、ここから手を打っていって、信頼度を上げていくことだ
ろうが、心配が落胆に変わらないようにがんばってもらいたい。

数々の公約経済政策は、意味の薄いものが多いが、
なかでも、10月7日からスタートする予定の
「コメ抵当システム」は、問題含みの政策である。

今まで、過去評判の悪かったこのシステムの再導入の
問題点をあげてきたが、ほとんど問題点に手は打たれず、
10月7日より(南部はそのあと来年2月より)スタートとなる。

数ある問題点のうち、最大の問題は、政府がコメを買い取り、
備蓄し、売りさばくことから、多くの腐敗、汚職の機会に恵まれることだ。
すでに、先を見越して、農民から先付け期日の契約書でコメを
手に入れ、退蔵している業者は、トン当たり5000バーツ
(トン10000バーツ弱で農民から前もって買い、政府の買い上げ価格
15000バーツで、政府に質入する)の
巨額の利益が転がり込んでくる。
政府はこの時点で、業者の在庫状況を提出させるようだが、手遅れだろう。

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(写真はヌチャリー・レクルーン氏による)

10月7日以降、スキームがスタートしてからも数々の利益取りは
入り込んでくる。安い外国産米を紛れ込ませることは、すでに経験済みだ。
チェック係の役人には、‘お茶代’をあげればよい。

このシステムは、政府が民間の倉庫を借りて備蓄、管理するのだから
膨大な費用もかかる。蔵を借り、コメの生鮮管理を行なう。
また、不正や正しいルートでコメが流れているかのチェックや検査に
人手と費用がかかる。
経費だけでも255億バーツほどかかると見られる。

そして、農民ないしは業者から市場の5割り増しの高値で買い、
おそらくそれより2~3割安く売ることになろうから、この補助金額は
年産2500万トンについて、総額1000億バーツに達すると見られる。
先の経費を加え、1280億バーツが使われることになろう。

これに加え、政府在庫が捌ききれなかったときは、
在庫期間が4ヶ月以上に伸び、在庫費用、金利が嵩み、
そして売却は格安の家畜飼料としてしか売れなくなる。
この際は、損失は数千億バーツに膨らむかもしれない。

問題は、やはり汚職、不正、腐敗の入り込む余地が
大きいことだろう。
精米に出す段階で、備蓄する段階で、政府が売却する段階で
不正の入り込む余地はいっぱいだ。
まるで、政治家がお金を作るためのシステムに見えてしまう。
しかも、精米業者にしろ、役人にしろ、輸出業者にしろ、
一部の大きなところだけが恩恵にあずかれそうである。
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by ucci-h | 2011-09-24 22:30 | 一次産品の市況 | Comments(7)
副首相兼商務相からも金融政策に異論
インラック・タイ貢献党政権の閣僚が決まり早々、
8月15日(月)に、ティラチャイ財務相が、
中央銀行の金利引き上げ策に異を唱える発言を
したことを紹介したが、今度は、続く17日(水)には、
副首相であり、政権の経済政策を担うキティラット商務相が
これをサポートする形で、むしろ金利の引き下げを要請した。
 「はやくも財務大臣が中銀の金融政策に異論 2011-8-17」
  http://uccih.exblog.jp/14366669/

経済のロジックから見れば、インフレが上がりだし、
さらに政権の賃金引上げ策により、いっそうの物価上昇が
懸念されるこの時期に、馬鹿げたことを言うと見られるが、
タイ貢献党のロジックは以下のようなものだと想像される。
キティラット商務相は、前タイ証券取引所の社長でもあり、
一時は、外務大臣のうわさが立ったほど、政権内で
信頼の厚い人物である。

タイ貢献党は、タイの所得格差を減らすため、
低所得者層の収入アップを第1に目指している。
そこになぜ、金利引下げが絡んでくるかと言うと、
企業、事業主の賃金負担を減らすための方策も
講じなければいけないからだ。そこに、法人税の引き下げと
並んで、金利負担の引き下げが出てくるわけだ。

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一見、分かりやすいロジックに見えるが、
いずれも、インフレの高進というリスクを見ていない。
最低賃金が上がれば物価が上がり、かえって貧困層は
生活必需品を買うのに苦労する。
同様に、インフレ高進のこの時期に金利を引き下げなどしたら、
インフレは野放しになるだけだ。

キティラット商務相は、金利を4分の1%から1%引き下げるべきだと
言っている。また現在、0.5~3.0%の中央銀行のコア・インフレ・
ターゲットは、経済成長の障害だから、4%くらいまで引き上げろと言っている。
少しくらいのインフレは許容すべきだということだ
(しかし、2009年以来このターゲットで経済は成長してきている・・)。

現在のエネルギー、食料価格を除いた今年のコア・インフレ率は2.4%
と見られる。全体の消費者物価上昇予想は3.9%。
7月のCPIの実績は4.1%へ上がってきている。

現在の中央銀行の金融政策委員会の政策金利は3.25%まで
上がってきているが、依然インフレ率4.1%に追いついていない。
タイの実質金利は、なお0.85%の‘マイナス金利’である。

どうも、最低賃金の大幅引き上げ(来年1月より実施見込み)に
釈迦力になっているこの政権は、経済の複雑なメカニズムには
眼をつぶり、単純な算数で対応しようとしているように見えてしかたない。
危ういなあ。大丈夫かな?この政権。
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by ucci-h | 2011-08-21 17:06 | タイの政治・経済・金融・為替 | Comments(1)
新政権の最低賃金大幅引き上げへの内外からの応援団
タイ新政権の最低賃金300バーツへの引き上げ案は
数多くの議論を呼んでいる。
タイという国のコスト構造を大きく変えるエポック・メーキングな
ことになるかもしれないし、当面はインフレに油を
注ぐかもしれないからだ。

常識的には、一気の引き上げは、経済に9割がた
ネガティブな影響を及ぼしそうだが、300バーツ
支持論も各方面から垣間見られる。

学会の学者の声にも耳を傾けてみよう。

チュラロンコーン大学の労働経済の講師は言う。
「賃金コストは、全製造コストの10%未満に過ぎない。
タイは投資を呼び込むためにタイ人の賃金を抑制して来た。
そして、社会の不公平を助長してきた」と言っている。
(人件費が安いからと言って、タイの賃金コストの割合は
そんなに低いのかなあ?
日本の人件費比率は、中小企業の製造業で14~15%、
サービス業も含めた全業種で17~18%である・・)

別の経済学者は言う。
「これにより、多くのレイオフが生じるかもしれない。
地方自治体は、レイオフされた人々を雇うべく努めるべきだ」
(民間の失業者を自治体が採用せよということ?)

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チュラロンコーン大学の経済学者は言う。
「タイの最低賃金は、労働者の効率性に比べて低い。
これが、企業の大きな利益をもたらしている。
60%の労働者が月6000バーツ以下の給料だ。
彼らは、残業をして生計費アップに耐えている。
企業は、テーブルの下のフィーを減らし、役員の
個人的出費を減らすべきだ」
(たしかに、物価に比べ低いだろうが、だから企業は
儲かっているとなると、社会主義的主張となる)

どうも、学者の声は、‘抑圧された労働者の解放’の
応援歌のように聞こえる。
経済的不平等の大きいこの国の、社会階層の対立を
垣間見る気がするが・・。イデオロギー論争にならないか。

さらに、海外からも300バーツへの引き上げへの支持の声が
聞こえてくる。
「ESCAP」(国連アジア太平洋経済社会委員会)の幹事で、
国連の事務総長代理もやっているノエリーン・ハイザー女史
も、これを歓迎している。
「タイの国の工業転換を示すものだ。タイは、未熟練労働者の
工業国から、より付加価値の高いものを生み出す国へと変わる事を
世界に示すものだ」とおだて気味に賞賛している。
ESCAPの貿易投資関係の役員は、「賃金アップという短期の
マイナスを乗り越えて、長期のプラスを得て欲しい」と、
無責任気味にエールを送っている。

彼らは、この政策が一気に採用され、タイ経済にネガティブな面が
発生したら、どう責任を取るのだろうか?
関係ないか・・。
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by ucci-h | 2011-07-29 16:39 | アジア諸国の賃金 | Comments(3)
最低賃金大幅引き上げを支持する異色の経営者
タイ新政権の賃金大幅引き上げ政策の
マイナス面をいろいろお伝えしてきた。

・インフレが加速する。
・企業がコストアップから労働者を減らす。
・国際競争力が減退し、外国資本は近隣の他国を選ぶようになる。
・学卒有利から、必要な職業学校離れが起こってしまう。
・企業ではレイオフが増加する。
などなど・・。

これに対して、タイの大手「サイアム・セメント・グループ」(SCG)の
CEOであるカーン・トラクルフーン氏は、産業界としては異色の
最低賃金300バーツ案を支持している。
その言い分は・・

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・最低賃金は、生計費の上昇を反映させるべきだ
(たしかに、昨今の物価高騰の中で、一日300バーツでやっていくのは
きついなあ)。

・労働者に高い賃金を払えない会社は、ベトナムなど隣国へ移るべきだ
(一企業としてはそうだろうが、国内に残された労働者はどうするの?)。

・今後のタイ企業は労賃の安さで競争するのではなく、
付加価値の高い製品を開発し、競争すべきだ
(これは、正論でしょう)。

・賃金が上がると、購買力が高まり、国の経済は拡大するものだ
(多くの会社が高くなった賃金を、ほとんどの労働者に支払えれば
そうなるが・・。また、インフレとのおっかけっこにならなければよいが)。

このカーン氏の見方は、一面をついた見方でもあるでしょう。
もっとも、タイでトップクラスの資金的にも余裕があり、海外進出も
経験豊かなSCGのトップだから、こういった余裕の発言が
できるのかな?
 「タイの老舗サイアム・セメントは海外を目指す 2011-2-2」
  http://uccih.exblog.jp/12803739/
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by ucci-h | 2011-07-25 18:35 | アジア諸国の賃金 | Comments(5)
新政権の賃金大幅引き上げ策によるレイオフ増加の予測
新政権の賃金大幅引き上げ(最低賃金及び学卒初任給)は、
経済から大きな懸念を呼んでいるが、ここにきて、
タイ商工会議所大学(UTCC)が7月16-17日に
800の事業主を対象に行なった調査から、大きなレイオフと
事業閉鎖を招きかねないとの懸念も出てきた。

来年1月1日からこの引き上げが行なわれるとすると、
最悪の場合、50万人の失業者が出て、20万事業所が
閉鎖に追い込まれると、この調査は伝えている。
また、これにより、タイのGDPは0.2~0.4%減少すると
見られる。

最も打撃の多い産業は、労働集約型の繊維業、皮革製造業、
建設業、それに中小企業と見られる。
各産業は、高価な国内労働者を減らし、移民労働者に走ることに
なろうと見られる。

最低賃金300バーツへの引き上げのインパクトに対しては、
・97%の回答者が、外国人労働者を雇うと(ほんとうは外国人
労働者も最低賃金の対象のはずだが、現実は違う)。
・78%の回答者が、製品価格を値上げすると。
・69%が、いっそう機械化を進めると。
・66%が、レイオフを行なうと。
・操業閉鎖は、36%の回答者だった。

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もちろん、事業者側の声だから、危機をオーバーに言う
傾向は否定できないだろう。しかし、実際そこまで行かなくても、
こんな負担を被されたらたまらないという感じは伝わってくる。

また、政府に対しては、
半分ほどが、上がる分を政府が負担するよう求めている。
また、法人税に加え、個人所得税の軽減を望む声もある。
労働者の技術訓練を国が行なうこと、
また導入するなら徐々にやれとの声も聞かれた。
今回の政策に対し、中小企業などに対する政府の
補助策の実行などがかなり求められているようだ。

賃金引上げの結果、
実業界は、来年1400億バーツの人件費負担増になり、
GDPは0.2-0.4%減り、インフレ率は1.1~1.3%上乗せされる
だろうと、商工会議所大学の主任エコノミストは見ている。

また、実施の方法としては、まず地域ごとにパイロット・プロジェクトと
して実施し、その影響を見たうえで、2年後に導入を決めるのがいいと
いう意見も聞かれた。来年よりの即時実施には、多くが反対のようだ。
また、現在最低賃金を決めている、政府、労組、使用者3者からなる
「賃金委員会」の推薦に従って実行すべきとの提言も出ている。

さて、来月には新首相に就くはずのインラック新首相、
ビジネスでの経験を生かしながら、いかに折り合いを
つけていけるだろうか?
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by ucci-h | 2011-07-25 18:24 | アジア諸国の賃金 | Comments(0)
  

北タイのチェンマイをベースにメコン、アセアンの経済、見所、食べ物を日本と比較して紹介します。ただし投資をアドバイスするものではありません。コメント記入は題字をクリック下さい。
by バンディ
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