ゴムの価格の上昇が続いている。
2010-12-31 11:14
背景は、増大するクルマのタイヤ需要と、限られた作付け面積だ。
南部ソンクラのゴム市場では、1月20日には、キロ159バーツの最高値を
つけている。
このゴム価格の高騰により、南部のスラタニやソンクラの
農家は潤い、最近では1日にクルマが1000台も売れるという繁栄振りだ。
政府もゴム栽培の拡大を推進すべく、新しくゴムの若木を新農家に与えると言う。
今後3年で、ゴムの植林面積を80万ライ(128万平方キロ)増やす予定だ。
現在の栽培面積が1,600万ライほどと推定されるので、5%ほどの増加か。
一方で、このゴムの高騰のため、ラノンやピサヌロークでは、
ゴム園による植林帯の囲い込みが増えているという。
森林局では、500ライ(80万㎡)以上のゴム園を伐採したという。
高値につられたゴム栽培の拡大はあとの反動も恐いが、
食物栽培が減らされていくマイナス面もある。
ゴム増産に関しては、若木の確保だけで数十億バーツの予算が絡んでくるだけに、
スキャンダルも多く、これが広がると現民主党政権への脅威にもなる。
この1年だけでもゴム栽培の拡大に5.8億バーツの予算が投入され、
主に北東部中心に増産が図られる。
ゴムの増産は、収入の増える農民にも、収入の増える政府にも、また雇用も増え、
国にとってウイン・ウインの図式だが、必ずしもそれだけとも見られないようだ。
環境問題や食糧問題にも影響するし、
また勢いの乗って拡大したあと、ゴム価格が反落したときが恐い。