交通規制「有害無益面へそ曲がり論」の第1回目は、
「スピード制限」。
スピードの出しすぎは、交通事故の原因の1,2位にあるのだから、
もちろん、スピードを出し過ぎてもいいと言っているわけではない。
ポイントは、その規制の仕方である。
タイにも、日本ほどは見かけないが、もちろん最高速度制限や
最低速度制限の標識はある。
基本、街の中は時速80キロ、郊外は90キロである。
2000年にアメリカの全米運転者協会(NMA)が発表した
面白いレポートがある。
結論は、速度制限標識があるのとなしとの間で、交通事故の頻度は
変わらなかったというものである。
1995年アメリカで連邦レベルでの速度制限強制がなくなった後、
モンタナ州は、昼間の速度制限を撤廃した。
その後7年間のデータを見ると(うち4年間が制限なし、3年間があり)、
州際ハイウエイの安全性は、驚くべきことに制限のないときのほうが向上したというものだ。
逆に、1999年に再び速度制限を導入したときは、
交通事故死亡者数は、11%増加したという。
その理由としては、速度制限がなくなると、
運転者は、よりシートベルトを着用するようになり、
より運転に慎重になり、また走行速度も安定するようになったという。
制限速度よりも少し速めの速さで、運転者はリラックスした心理で運転できる。
人間の判断能力はバカに出来ないものだと、研究者は言う。
スピードを出すことは、事故のひどさを増加させるが、
スピードを制限することが、事故率を減らすものではないという。
速度制限に関係なく、人間は、自分にとって心地よい速度で運転するものであるという。
自由の国タイランドでは、あまりスピード制限に意識することなく、
心地よい速さで、車を運転できるのが楽しい。