アイルランドの破綻が銀行の不健全な貸し込みから来たことを想起すればよい。
20年前の日本のバブルの破裂も、銀行の不動産向け融資が加担した。
銀行のローンが投機に走ると、その国の経済もバブり、危うい。
逆に、健全なローンが伸びていなければ、その国の経済の沈滞の表れだ。
タイの銀行は、高い経済成長の下、ローンの需要が伸びて
昨年は純利益が25ほど%増加の好決算だとお伝えしたが、
主要10行のパフォーマンスが、バンコク・ポスト紙に載った。
2011-01-27 21:33
10行合わせてのローンの伸びは、昨年は+12.3%。
年末のローン残高合計は6兆1,200億バーツ。
クルアンタイ銀行、バンコク銀行、Kバンク、SCBの4行が1兆バーツを超えている。
ノン・パーフォーミング・ローン(不良ローン)比率は、
10行平均で、前年の6.25%から4.69%に、2.44%ポイントも減っている。
低いTISCOの1.72%から、高いTMBでも7.57%と、二桁はなくなった。
税引き利益の10行合計は1,074億バーツと、1千億バーツを超えた。プラス24%。
バンコク銀行とSCBが240億バーツ台で、トップを競っている。
昨年末の10行の預金残高合計は、6兆4,610億バーツと、前年比5.3%の伸び。
ここでも、預金額1兆バーツ以上は、バンコク銀行、KTB、Kバンク、SCBの4行である。
預貸率平均は、前年の112.6%から105.6%へと縮まった。
各行とも、手数料ビジネスの拡大に力を入れている。
10行合計の手数料収入は、19.1%伸び、1,061億バーツと、1千億バーツに乗せてきた。
今年も、ローンの伸びは12-14%と、高い伸びが期待されている。
景気拡大が続くことに加え、政府のインフラ投資が見込まれるからだ。
証券会社は、銀行セクター、なかでもKTBなどを薦めている。
今後3年ローンが2桁の伸びを示しそうなことや、今年も利益が19%ほど伸びそうなこと、
そして、株価も簿価に比べ1.5倍とそう高くなく、ROEが14%と高いことなどが、
その論拠のようである(責任はもてませんよ)。
政策金利は、今2.25%だが、年央までに3%まで上がると見られている。
そこらでインフレの上昇が抑えられればいいが、さもないとローン・リスクが拡大し、
来年の金利は、3.5-3.75%まで上がりかねないと見るエコノミストもいる。